5号館を出て

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2010年 01月 11日 ( 2 )

 今朝の朝日新聞の一面トップは日本航空の株式の上場廃止でした。これが他社を出し抜く「特ダネ」になりそうだということは、昨夜の段階から朝日新聞東京本社編集局(@asahi_tokyo)がツイッターでつぶやいていたためにすでに有名だったようです。ガ島通信さんのところにまとめ記事があります。

 朝日新聞のtwiiterでの特ダネ「つぶやき」に見る読者視点のなさと速報の危うさ

 このtweetによって、私も新聞を手にする前に知っていました。このtweetについては賛否両論あるようですが、朝日購読者の私としては、翌朝に「特ダネ」記事がポストに届くということが楽しみに思えましたし、これからの新聞とネットの使い分けとし、twitterで要旨を速報として配信しておいたうえで、後でじっくりと書かれた紙媒体としての新聞が届けられるというシステムは悪くないと思っています。

 さて、日本航空という会社はもともとは「国営航空」のような位置づけで、国際線は日航しかないという時代も長かったと思います。その頃は、公務員が出張で航空機を使うときには国内外共に日航に限定されており、特に海外出張などの時には、すでに安売り航空券が出るようになっていた海外の航空会社との値段格差に愕然としたこともあります。

 そういうわけですので、日航自身ももちろん「国策会社」として政治に翻弄されていただけではなく、会社そのものがあたかも税金で運用されている官庁のように利益や顧客を優先しない体質というものが昔からあったようで、そのことと時折起こる重大事故との関連は昔からささやかれていたものです。そうした「変な会社」であるという伝統は、どうやら現在まで持ちこされた結果、今日の惨状へと至ったのではないかと思われる節があります。

 こうした、政財界の内幕をルポする手段のひとつとして、しっかりと取材をした上で事実に限りなく近い「物語」を作りあげるというものがあります。日航を扱ったものでは、超巨編「沈まぬ太陽」が映画化されたこともあり、あまりにも有名ですが、その陰に隠れてはいるものの「虚々実々」というものがあることも知りました。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下) (新潮文庫)

 本所次郎の作になる「虚々実々」は、最初カッパノベルス、続いて光文社文庫から出ていたようなのですが、いずれも絶版になっておりましたが、この度(株)金曜日から佐高信の解説を第一部「日本航空の迷走」として、「虚々実々」本体を第二部に再録し、「日本航空の正体」として再出版されることになりました。(金曜日からは、著書の贈呈を受けました。ありがとうございました。)
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日本航空の正体

 もともと、私は小説が苦手で最近はほとんど読んでおりませんので、この「虚々実々」も流し読みした程度ですし、ましてや「沈まぬ太陽」も読んでおらず映画も見ておりませんので、そちらに関して偉そうに何かを言えた義理ではないのですが、昨今のニュース報道というものを見聞きしていても、その内容というものが実は記者が伝聞に自分なりの脚色を施した「お話」に仕上がっているものが多いと感じられるため、事実に基づいた「小説」と「事実」がどれほど違うものか、さらにはどちらが読者にとって「役に立つのか」ということを考えると、作り事でありますと大きな声で断ってある「小説」だからといって、かならずしも「真実」から遠ざかっているものではないこともある、というふうに評価する立場です。

 科学というものは再現性を軸にして、後になってからどちらがより真実に近いとということを検証することができますが、歴史というものは後になってからより真実らしい話が出てくることもあるものの、多くの場合いつまでたっても事実には迫れないものなのかもしれないと思うこともあります。そういう中で、歴史を扱う手法としての「小説」というものが、科学と比べてそれほど劣るものではないのかもしれないと、小説の後を追うように事実が次々と展開している日本航空の事態を眺めて思う、今日この頃なのでした。
by stochinai | 2010-01-11 18:38 | つぶやき | Comments(0)

1月10日のtwitter

Sun, Jan 10


  • 23:15  母親の高学歴志向 「ベネッセ教育研究開発センター・母親の学力感・勉強感の調査・98年と07年の調査・「将来普通の生活に困らないくらいの学力があれば」・58・1%から47・0%・「できるだけいい大学に」・18・0%から25・5%」 世相 http://ow.ly/ULyB

  • 23:07  小沢一郎4億事件?:誰も通らない裏道「サンデープロジェクトで・・4億円の政治資金不記載問題・・郷原信郎が官報にきちんと記載されている旨を指摘して、朝日新聞の星浩や毎日新聞の岸井成格がうろたえるシーン」「検察・リークを・裏を取らないまま垂れ流し」 http://ow.ly/ULqN


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by stochinai | 2010-01-11 10:45 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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