5号館を出て

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2010年 09月 07日 ( 2 )

 今日、北大病院でも脳死男性からの肝臓移植手術が行われたようです。
脳死と判定されたのは、関東甲信越地方の病院に入院していた男性です。
男性の臓器提供の意思は不明でしたが、家族の承諾で摘出されました。
・・・
家族の承諾だけで提供された臓器の移植手術は、道内では初めてです。             《HBC NEWS1
家族の承諾による臓器提供が増えている_c0025115_2093038.jpg
 今年の7月に改正臓器移植法が施行されてから、本人の意思が書面に残されておらず、家族の承諾だけで臓器が提供されるのはこれで7例目になります。(朝日コム) 1997年に施行された臓器移植法から10数年で80数例しか臓器の提供がなかったので、改正法施行後の2ヶ月で過去の1年分くらいの臓器提供がされている状況をみる限り、今まで臓器提供が少なかったのはドナーカードによる本人の意思確認とその後の家族の同意という二重の壁があったせいであり、家族の同意だけで臓器が提供できるようになれば臓器提供は劇的に増えるだろうという移植法改正賛成派の方々の議論が証明された結果と言えるのかもしれません。

 現在は本人の臓器提供の拒否の意志がドナーカードなどの形で残されていない限り、本人は臓器提供を否認していないと推定する制度になっており、あとは家族の意向がすべてを決めることになります。

 もちろん、日本臓器移植ネットワークという組織が臓器提供者となる可能性のある患者さんの家族に働きかけをすることがあって初めて臓器提供を考えるということになるケースが多いのだと思いますが、交通事故などの不慮の死にいきなり出会うことになり動揺しているご家族のうち、意外と多くの方が臓器提供に同意なさっているというのが私の率直な印象です。

 上の朝日コムの記事の中に書かれているご家族のコメントがわりと一般的な感慨なのかもしれないと思われました。
「本人が亡くなるという状況の中で、最後に臓器提供をするということで、家族の中では整理が出来た。本人と別れるが、本人の臓器は移植を受けられた方のものとなり、その方にとっての新たなスタートであると思う」
 当然、ご本人は意識もなく脳死状態にあるわけですので、そのご遺体をどうするかというのはご遺族の気持ちの問題だと思うのですが、おそらくほとんどの脳死患者さんはまさかそんなに早く死が訪れるとは思ってもいない状況でいきなり死と対面することになったと思われますので、本人もご家族も脳死になった時には臓器提供をどうするかなどということについて、それまでに話し合ったことなどないというケースがほとんどだと思います。

 逆に言うと、そういう心の準備がされていない状況で家族の脳死に直面し、ネットワークの方からご遺体の臓器で救われる命があります、と言われてしまったら思わず同意してしまう気持ちは理解できるような気がします。

 そのような混乱の場で臓器提供が行われたとしても、後々ご家族の方が「後悔」するようなことがなければ問題はないのですが、今までにないスピードでどんどんと臓器提供が行われているように思われる現状をちょっと心配しているのは私の老婆心です。

 私個人の意見としては、脳死患者さんの臓器で救われる命があることは素晴らしいことだとは思いますが、臓器を提供したご家族はその方が「生き続けている」などというふうには思わずに、臓器を提供した時点ですべてを忘れるというふうにされるのが良いのではないかと考えています。

 たとえ部分でも「生き続けている」などと考えると、将来なんらかのきっかけでその臓器を持っている人に会いたいなどと思い始めることがないともいえず、そうなってくると想像もつかないトラブルが生じる可能性も出てくるのではないかという危惧も覚えます。

 いずれにしても、人間の命と気持ちの問題はどんなに科学や医療が発展しても単純な解決へと向かうようなものではなさそうです。
by stochinai | 2010-09-07 20:42 | 医療・健康 | Comments(4)

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by stochinai | 2010-09-07 07:10 | コンピューター・ネット | Comments(0)

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