5号館を出て

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2011年 07月 11日 ( 2 )

 先週配達されてきた週刊金曜日(2011年7月8日 854号 特集「放射性物質はどこへ落ちた」)には非常に興味深い記事があります。早川由紀夫さんという群馬大学の先生が書いたものです。

 ■火山学者が警告する「放射能汚染」MAP 早川由紀夫

 現在、日本国内で放射能汚染はどのように広がっているのだろうか。火山学専門の学者が、「噴火によって吐き出される火山灰の分布」の研究を応用して作成した、衝撃的な「放射能汚染地図」を本人の解説とともに掲載する。

 ここに書かれている「衝撃的な『放射能汚染地図』」はウェブでも見ることができますし、私も前に見たことがあるのを記憶していました。

 早川由紀夫の火山ブログ
国と地方自治体が、7000余りの地点で放射線量を測定してインターネットで公表している。福島県内だけでなく、関東地方全域と東北地方南部に及ぶ。測定点の位置を@nnistarさんがひとつ一つ地図上で確かめて、測定値ごとに色分けしてプロットした(たいへんな御苦労である)。私がそれをみて、0.25マイクロシーベルト毎時などの等値線を引いてつくったのがこの地図である。したがって、使ったデータはすべて国と自治体が測定したものである。@nnistarさんのページにデータ表が公開されている。

福島県教育委員会が県内1600の学校・幼稚園の放射能測定値を4月8日に発表した。これをみて私がその夜2時間を費やして、各市町村の高い数値ひとつふたつを選んで位置決めして作ったグーグルマップを公開した。それが、この種の地図の最初である。その2週間後の4月21日、製図した地図を初版として公開した。この改訂版は、それを2ヵ月ぶりに更新するものである。
 公開データだけをもとにして、これほど衝撃的な図が描けるということ自体が、日本の置かれた状況の深刻さを物語っているのでしょうが、私は週刊金曜日の記事を読んで初めてこの地図の持つ意味を知ることができました。
火山学者が警告する「放射能汚染」MAP_c0025115_2024288.jpg
 ちょっと長くなりますが、引用させていただきたいと思います。
地表をなめるように風に乗って移動

 放射能汚染の分布を決めたのは風である。噴火によって火山から吐き出される火山灰は上空数キロメートルから十数キロメートルを吹く高空の風で移動するが、福島原発から漏れた放射性物質は地表風に乗って移動した。当時の気象データを見ると、上空一キロメートル以上の風ではこの分布を説明できない。放射性物質は高さ数十メートルの風に乗って地表をなめるように移動したのだ。盆地や山肌など地形の起伏を感じ取って分布しているのはそのためだ。
 この文章を読むと、なぜ放射性物質が高濃度にたまるホットスポットがこんな不思議な分布をしているのかが、ストンと腑に落ちました。「地表をなめるような風」が運んだから、こんなふうになったというのです。

 これは大変有益な情報でした。連日のようにテレビに出てくる、原子力科学者や核医学者が「大丈夫」を連発していることに辟易している方々も、「一介の火山学者」が公開データだけをもとに、これほど的確なコメントを出せるということに目からウロコが落ちる思いをされるのではないでしょうか。

 地震や原発事故に対しは、いわば専門外の「火山学者」が原発事故に対してこれだけの貢献ができるということを、我々はもっともっと認識すべきだとおもいました。

 早川さんのブログは、時折刺激の強い言葉を吐いて議論を巻き起こしていますが、被災地のことを忘れないという意味ではもっとも貢献しているのかもしれません。

 いろいろな意味で勉強になりました。
by stochinai | 2011-07-11 20:37 | 科学一般 | Comments(0)

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by stochinai | 2011-07-11 06:27 | コンピューター・ネット | Comments(0)

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