5号館を出て

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2014年 03月 04日 ( 2 )

 陸上に進出した脊椎動物の一部は、空中にも飛び出すことに成功したのですが、力強く羽ばたくことのできる翼を得たトリとコウモリそして絶滅した翼竜はその翼を前肢を変形させることで獲得しましたが、その代償としてヒトのように器用に使うことのできる手や、チーターのように地上を猛スピードで駆け巡ることのできる前足を諦めなければなりませんでした。

 逆にその前足を失うことを諦めずに空を目指した四足類の子孫たちは、空を自由に羽ばたき回ることはあきらめ滑空という次善の空中浮遊方式を選んだのです。
前肢を温存して翼を得たトカゲ_c0025115_19374633.jpg
 とはいえ、彼らの滑空手段もなかなか多様性に満ちたものでした。この図はドーキンスの日本語未翻訳本の中に載っている図ですが、この本自体はウェブで公開されています。

 Climbing Mount Improbable: Rochard Dawkins (1996)

 日本語に訳すと「登れない山を登る進化」とでもなるでしょうか。その本の中で滑空する脊椎動物を描いた図がこれです。

 基本的にはどの動物も手足の指の間、または前肢と後肢の間や、四肢と体幹の間に膜を張って、その膜をグライダーの翼のように空中を滑空する方法で「飛んで」います。この方法は足ができる前ではありますが、脊椎動物のサカナであるトビウオが胸鰭を使ったり、無脊椎動物ではありますがイカがいわゆる「ミミ」を使って飛ぶのと同じ物理的原理を使う滑空です。
前肢を温存して翼を得たトカゲ_c0025115_1947694.jpg
 これらの滑空動物がトリやコウモリと決定的に異なるのは、羽ばたいて飛び続けることがほとんどできないということなのですが、先日インドネシアでトビトカゲ(flying lizard)を目撃した先輩の話を聞いていてちょっと不安になりました。

 上の図にもありますがトビトカゲは、バッタのように羽をパタパタさせながら飛んでいた、というのです。もし、それが本当なら、脊椎動物の進化の中で唯一四肢を犠牲にせずに(滑空ではない)本当の飛翔力を獲得した動物ということになるのですがどうなのでしょう。

 いろいろと調べてみましたが、残念ながらYouTubeなどにはトビトカゲが飛んでいる映像を見つけることはできませんでした。

 ここにある写真を見ても、パタパタと羽を羽ばたかせることができているとはとても思えません。
前肢を温存して翼を得たトカゲ_c0025115_19535673.jpg
 下の写真を見る限り飛翔に必要な発達した筋肉はないように思えます。
前肢を温存して翼を得たトカゲ_c0025115_19542562.jpg
 というわけで、前肢を犠牲にせずに空へ進出した天使のような脊椎動物はやはりいなかったのではないかと思っているのですが、こうしたことにはいつも例外が発見されるのが生物のおもしろいところでもあるので、そうして例外が出るのを楽しみにしている気持ちもあるのですが、今まで主張してきた私の考えが否定されるのもあまり歓迎はできないと、二律背反の中を心がうごめいている昨今です。
by stochinai | 2014-03-04 19:57 | 生物学 | Comments(0)

3月3日のtwitter

[exblog] 3月3日お雛祭りじゃないですか bit.ly/1cn8A5C


posted at 19:02:22


【ドワンゴ就職受験料、厚労省が中止求め行政指導】落合洋司の「日々是好日」 htl.li/uaew4 「こうした行政指導は、形式的、画一的に過ぎ、具体的な弊害があるかどうかをもっとよく見極めた上で判断すべきであったのではないか、性急過ぎたのではないかと感じる」


posted at 13:48:51


[exblog] 3月2日のtwitter bit.ly/1hUrHBE


posted at 06:36:05


by stochinai | 2014-03-04 06:36 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai