5号館を出て

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2014年 06月 24日 ( 2 )

 ここでは、もう何度も取り上げたような気がする話題ですが、多くの植物は無性生殖(挿し木、取り木など)で簡単に殖やすことができます。

 これは、日本ではトラノオランと呼ばれることもあるサンセベリア(ローレンシア)の葉(といっても、この植物は根と葉しかないようなものなのですが)を切り取ってコップに入れた水に浸けておいて出てきた新しい葉と元の葉が並んでいるところです。

コップの中の体細胞遺伝学_c0025115_1964887.jpg

 右側の幅広の葉が元の葉で、左側のちょっと小さな葉が新しく生えてきたものです。全体を見るとこうなります。

コップの中の体細胞遺伝学_c0025115_1964661.jpg

 この植物は日本では非常にポピュラーなので、室内に鉢植えがひとつくらいあるお宅も多いと思います。多くのものは上の写真の右側に写っている葉のように縁が白い斑入りの状態になっているものが多いのですが、その葉を水差し(あるいは土に差しても同じですが)して、切り口から出てくる新しい芽には縁の白い斑が消えているのです。

 このことは園芸をする人の間では非常に有名な事実なので、葉を切り取って殖やすのは簡単な植物なのですが、葉の縁にある斑がなくなるのが嫌な人は我慢して新しい芽が自然に出てくるのを待つことが常識になっています。

 新しい芽が出てきた葉の根元を見ると、葉の中央の緑の部分から出てきていることがわかります。

コップの中の体細胞遺伝学_c0025115_1964376.jpg

 要するにこの植物の葉の縁にある白い斑は遺伝的にすべての細胞が持っている性質ではなく、この植物は緑色の部分の細胞と白い部分の細胞は最初から性質の違う2種類の細胞から成り立っているもの(「キメラ」)なので、普通に地下茎が伸びて新しい芽が出てくる時には、緑の細胞と白い細胞の両方を持った葉が作られるのに対して、葉ざしでできてくる新しい芽は緑の部分の細胞だけから作られるので、縁の白い斑が消えてしまうということのようです。

 こちらの英語のページに、そうした部分ごとに性質の異なる細胞が組み合わさってできている「キメラ」植物を葉挿しにした時には、新しくできてくる芽が元の葉のどの部分から作られるかによって、いろいろな色のパターンが出現する理由をわかりやすく説明した図がありました。

コップの中の体細胞遺伝学_c0025115_1923910.jpg

 サンセベリアの場合には、常に図の上の真ん中のパターンで新しい芽が作られるので斑が消えるということなのだと思います。



 今日は昼前にはひどく暑くなる予感もあったのですが、その後気温は意外と上がらず結局午後は涼しめで推移しました。今はまたキャンパスは16℃くらいで涼しくなっています。

 落ちる太陽もなんだか中途半端な夕焼けを醸しだしていました。

コップの中の体細胞遺伝学_c0025115_1963134.jpg

 明日はほんとうに久々に夏日が予測されていますが、当たりますかねえ~。
by stochinai | 2014-06-24 19:35 | 生物学 | Comments(0)

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by stochinai | 2014-06-24 06:46 | コンピューター・ネット | Comments(0)

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