5号館を出て

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カテゴリ:医療・健康( 107 )

 新型コロナウイルスの感染はこの1週間で想像を絶するというか、あまりにも想像通りの最悪の展開になっているようです。

 これは「新型コロナウイルス感染速報」に掲載されている最新の「日次新規・累積陽性者」のグラフです。

 カーソルを1週間前の24日に合わせてみたのがこちらです。全国の新規感染者が768人で週間移動平均が680.71です。

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 そして、今日のところに合わせたのがこちらです。全国の新規感染者が現時点で1572人で週間移動平均が1050.86です。

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 どうしても東京や大阪、愛知の大きなデータの動きに振り回される毎日ですが、やはり全国の総和の動きと、その習慣移動平均をみていると、かなりはっきりとした傾向が見えてきますね。

 毎日の新規感染陽性者確認記録が1週間でほぼ2倍になってきました。このまま抑えが効かなく来週になって、さらに倍になると仮定すると新規陽性者が3000に達することは想像に難くありません。

 国は今のところ重症患者や死者がそれほどには増えておらず、病院のベッド数にも空きがあるということで特に緊急の対応をする必要があるとは思っていないようですが、急激に陽性者が増えている県や都市では知事や市長さんなどがかなり追い詰められた感じで独自の緊急事態宣言を出したり、感染が起こりやすい業種に対して営業の縮小や自粛をお願いするという事態になってきております。

 こんな中ではいくら国が「大丈夫、大丈夫」と言って、GoToトラベルやGoToイートは取りやめたり進行を中止したりしないとしても、それに参加するはずの国民側がどんどんと乗ってくるとはとても思えず、結果的には中止したのと同じような結果になってしまいつつあるのではないかと思われます。さらに一番の「被害地」である沖縄などは観光の自粛を要請するということになってきていると報道されています。

 もうこれは「大丈夫、大丈夫」と言ったところで絶対に大丈夫じゃないところまできていると思います。

 政治家にはそれなりの作戦があって「大丈夫、大丈夫」と言っているのだとは思いますが、客観的にこの状態を見て「大丈夫、大丈夫」と言っているのだとしたらとても正気の沙汰とは思えないと、私は思います。

 というわけで、数日中には政治も動き出すものと確信して、私は私の私的空間のことに戻ります。

 今日は週に一度のオンライン・オンデマンド講義の日なので昨日から準備に追われておりました。

 オンデマンドなので時間はあまり関係ないようなものなのですが、午後4時半からの「講義時間」までにはすべてのファイルのアップロードを終えて準備は完成ということにできました。

 学生がアクセスしてくるまでにちょっと時間がありますので、ベランダから外へ出て日に日に花の数を増すノウゼンカズラを撮りました。

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 まだピークには達しておりませんが、十分に立派です。

 やはり花が大きく色鮮やかなことが良いのでしょうね、まったく「真夏の花」です。

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 今日は午後2時ころに札幌も29℃になってということで、さすがに室内もかなり暑くはなりました。とはいえ、気温が高い時間帯にはそこそこ風も吹いていて、家の中にも風を入れるとさすがに北海道の風ですから「熱風」ということにはならず、涼しい思いをすることができます。

 というわけで、ほとんどの学生がアクセスをしてきていることを確認して一息ついたのが5時過ぎ、ちょっと外の空気を吸いに出て、ついでに写真も撮りました。

 花がないのであまり写真に撮られることのないクワズイモですが、春からのリハビリの成果でだいぶ立派に戻ってきました。

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 こちらは冬越しをして外に出した時にはほとんど葉を落として、枯れるかと思っていたオジギソウです。

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 こちらも立派に回復してくれていますが、そろそろ咲いてもよい花がちょっと遅れている感じです。

 というわけで、またオンラインの監視に戻り、6時頃にはコンピューターから離れることができました。

 オンライン授業も残すところあと4回ですが、学生さんはマジメに「出席」もし、課題もきちんとこなしてくれておりますので、単位を落とす学生などもちろん出なさそうなだけではなく、評価にも大きな差が生まれないのがこの授業の特徴になるのかもしれないと感じております。











by STOCHINAI | 2020-07-31 22:50 | 医療・健康 | Comments(2)
 ここに4羽のスズメがいるのがわかりますか?

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 左上から右下へほぼ一直線に並んでいます。

 今日もすずめ食堂は大賑わいです。

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 さて、いよいよ明日の午前0時に開始される緊急事態宣言が布告されたようです。

 今日はもうわかりきっていることしか言わないはずの首相や都知事の会見はすべてスルーしました。それを聞かなくても、なにも損した感じにならないのは日本の不幸ですね(笑)。

 気になっていた緊急事態宣言の対象区域が、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県だということは昨日からわかっていたのですが、昨日の時点では福岡は北海道よりも感染者数が少ないことが気になっていたところ、今日の夜までには見事に(?)逆転して北海道を追い抜いてしまいました。

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 これでなぜ福岡が対象区域になって、北海道が外れたのかがなんとなくわかったような気になったのですが、北海道の前には8都府県があるはずなのに報道では7都府県となっています。おやおやと思って見直してみると、なんと5位の愛知県が対象区域から外れています。どうしてでしょう?

 対象区域の決定は累計の感染者数だけではなく、最近の増加率を見ているのではないかと思います。

 これが東京都の感染者数の推移です(ソースはこちら)。

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 感染者数がダントツであるばかりではなく、最近の増加曲線が急傾斜で上がっているのが危機的です。一方、北海道は一時は全国一でしたが、最近の増加曲線はなだらかになっています。

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 今日になって北海道を抜いた福岡県はどうでしょう。

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 ずっと低いままで推移していたものが、ここへきて急に増加しているところが不安です。

 愛知県はどうでしょう。

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 数日前にちょっと急増していて不安は残りますが、全体として長期的になだらかな増加にとどまっているので対象区域から外れたのではないかと思います。

 だとすると、対象区域にはなっていませんが、京都がちょっと心配です。

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 まだ感染者数はそれほど多くなってはいないのですが、3月末から4月に入って急増しています。対象区域の大阪、兵庫に近いこともあってここは対象区域並みに警戒を強めたほうがよさそうに思われます。

 と、細かく見ていくとやはり日本のほとんどの区域が緊急事態にあるという気もしますので、対象区域に入っていないからといって安心しては危険だと思いました。

 こちらが今夜までの国内全体の感染者数の推移です。

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 昨日、新しい感染者の増加がちょっと少なかったのはたまたま月曜日だったからだったということがわかります。日本全体としては急増中なので、宣言はあと1週間前に出しているべきだったと感じます。

 さらにあと2週間前に強い対応がとられていれば、現在の危機はなかったのかもしれません。まあ、そこまで望むのは酷というものでしょうが、後になってみるとよくわかるのがまた怖いですね。

 とりあえず、ここで増加の曲線を抑え込むことができるかどうかで日本の未来が変わることは間違いなさそうなので、我々は「協力する」とかしないとかではなくひとりひとりの行動が日本全体の未来を決めるのだと思って行動するしかなさそうです。


【独り言】それにしても、今週から始まるはずの非常勤の講義が延期になったという連絡がこないのが心配です。大学のホームページで確認して、全学で2週間開講が延期されているというのは知っているのですが、私の担当する講義は平行移動しているだけなのか、私はどのように行動すればよいのかについての指示が来ないというのも不安なものです。開講が中止になって解雇という可能性もないわけではなさそうですし・・・・(笑)。










by STOCHINAI | 2020-04-07 22:30 | 医療・健康 | Comments(0)
 今日の午後8時過ぎの新型コロナウイルス感染者数のデータです(ソースはこちら)。

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 このところ毎日たくさんの方が新型コロナ感染陽性と判定されております。特に今日を含めて3日間は毎日300人の新規感染者が報告されるようになりました。記録された感染者数は日次300名を越えた日から3000名を越えて、明日中には4000名を越えると予想されています。1000人を超えたのが3月20日で、2000人を越えたのが3月31日です。そして明日3000人を越えると、1000人の増加が11日から6日とほぼ半減するスピードで感染者が増えていることになります。この増加率が続くならば今週中には感染者の合計が5000人を越えることも危惧されます。

 最初の頃は、北海道が日本で一番感染者の多い地域だったのですが、このところどんどん北海道の順位は下がってきています。

 そして人口の多さと比例するような結果になってきて東京がダントツのトップで他の地域を引き離してきています。

 順位は日を追って変わってきているだけではなく、今日などは時間・分単位で入れ替わりが起こっています。

 こちらは今日の午後8時すぎの各地の結果です。

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 北海道は7位になっていますが、昨日まではたしか6位だったと思います。この調子だと明日か明後日には埼玉にも抜かれて8位になる可能性もかなり高いと思われます。

 さらに30分後くらいにはまたデータが新しくなっています。

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 愛知に今日のデータが入りましたが、4人だったので順位に影響はありませんでした。

 順位が上がることがうれしいランキングではありませんので、北海道が1位から7位まで陥落してきたことは、北海道にとっては喜ばしいことなのですが順位を上げてきている地方にとってはとんでもないバッド・ニュースです。

 北海道は最初の頃、全国一の発病地域で非常な危機感をもって対応したことが順位を下げることに貢献してきているようにも思われ、そういう意味では「幸運」だったのかもしれないとも思います。

 最初に北海道の感染率が全国一になった理由としては世界的に有名な「雪まつり」で世界各国からお客さんが集まったことが原因となっているのではないかと言われていますが、はっきりはしません。ただ、そのころ武漢ではすでに新型コロナウイルス感染症のアウトブレイクが始まっていたと言われていますので、武漢からの観光客もたくさんきていた雪まつりの会場で感染が拡がった可能性はかなり高いと考えられています。

 札幌の感染者の推移はこちらのグラフにまとめられています。

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 今年のさっぽろ雪まつりは2月4日から11日(一部は1月31日から)でした。その頃に感染が拡がったとしたならば、潜伏期が5日から14日と言われる新型コロナウイルス感染症が札幌で拡がるのは2月9日から25日ころということになりますが、まさにその頃から感染者が記録されています。

 その頃から、どうすることもできずに感染者が増え続けて、3月12日には初の死亡者も出てしまいました。

 2月28日には北海道知事が「緊急事態宣言」を出し「道民に、特に週末の外出を控えるよう」呼びかけました。それと前後して北海道の小中学校を休校とするように各地方の教育委員会に要望、北海道教育委員会は26日、北海道内の全公立小中学校を27日以降の数日間、一斉に臨時休校とするよう市町村に要請しています。その翌日くらいでしたか、安倍総理大臣もそれに追随するように27日、全国すべての小中高校と特別支援学校に3月2日から春休みに入るまで臨時休校するよう要請しています。

 小中学校、さらには高校の休校が感染者数の減少に貢献したかどうかについては確認することはできないのですが、少なくとも北海道については3月半ば頃から着実に患者数が減少を続けてこんにちに至っています。

 ところが残念ながら、北海道での減少に反比例するように東京や大阪の大都市圏における感染者数の増加が続いてきています。今も小中学校高校の休校は続いていますので、それは感染者数減少に貢献していないことは明らかなのかもしれません。

 それよりもやはり大都市における外出の抑制が大きなファクターであるような気がします。

 この先、北海道も予断は許されないのですが、東京・大阪・名古屋圏での感染者数を減らすことができるかどうかが現状の大きな課題となっているのだと思います。

 そんな中、このコロナ感染症と対峙する上で認識して置かなければならない大きな課題が本日の北海道での感染者確認から見えてきました。

 こちらは本日、唯一確認された新しい感染者の方のデータです。

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 道内194例目の方なのですが、最後の欄に書かれているようにこの方は「3月26日公表した道内168例目と同一人物」なのです。

 こちらが道内168例目の方の記録です。

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 30代の女性の方ですが、半月前に確認されて治癒・ウイルス消失が確認されていた方なのですが、再度ウイルス陽性と判定されています。このウイルス感染症ではしばしば見られていた現象なのですが、再感染なのか検出感度以下に減少していたウイルスが再度息を吹き返したのかわからないまま、陰性になった方が再度陽性になるということがあるということですね。

 これは戦う相手がかなり難しいと感じられます。
 
 こんな相手を前に1年後にオリンピックを予定するなど無謀以外のなにものでもないと感じられます。

 ここはひとまずすべての予定をキャンセルして、ウイルスとの戦いが終わるまで2年でも3年でも腰を据えて相手をするしかないような気がします。

 なめたらあかんぜよ。










by STOCHINAI | 2020-04-05 22:03 | 医療・健康 | Comments(0)

増え続ける新規感染者数

 昨日に続いてコロナウイルスの新規陽性感染者数が増えています。

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 昨日、愛知に抜かれて日中は暫定4位に戻っていた北海道もまた5位に戻っています。

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 それよりもなによりも日本全体での感染者数の増加が急増していることはグラフからも見てとれます。この調子なら、明日はもっと増えるだろうことは小学生でも予測できます。

 かなりまずいフェーズに入ってきている気がします。

 この結果を受けて、対応をしたとしてもその結果が翌日ではなく早くても5日後、普通には2週間後にならなければわからないというところが話を難しくしています。昨日今日の結果を見て、日々の行動を反省し・変更したとしても、その結果が出るか出ないかは来週以降にならなければわかりません。

 同様に日々効果が出ている都道府県があるのですが、その効果のもととなっているアクションも2週間前にとられたものだということになります。

 こういうことの評価はとても難しく、マスコミもとても困っていることがわかります。

 しかし、そんなことは言っていられません。現在の結果を生んだアクションと、現在とられているアクションが有無であろう結果を評価するのはマスコミの仕事なのです。

 必死でがんばってほしいと思います。

 さて、ほとんどすべての学校が休校になっており、そこから吐き出されている学生、生徒、児童に対して日本中の教育・エンターテイメント界隈の方々も必死でサポートしようとしております。

 そうした中で頑張っているひとつの組織である札幌市図書館の電子書籍にも新刊が入りました。

 運良く借りられたこの本はちょっと感慨深いものがあります。

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 なんと著者があの「裸のサル」のデズモンド・モリスです。ヒトは毛のなくなったサルに過ぎないということを主張した「裸のサル」は私が学生時代に読んでヒトもただの動物の一種にすぎないという見方を教えてくれた「進化論」レベルの重要な本です。それを書いた同じ著者が愛情あふれる目でフクロウを見つめたこの本は別な意味で重要な意味を感じました。

 本の中にあった素晴らしい一枚の絵をご紹介しておきます。

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 フクロウって、たぶん見た目があまりにもヒトに似ているせいで、古くからヒトが思い入れを込めてきたアイコンなのだろうと思います。そして意外にヒトによく慣れることもあってこの動物がただのトリではなく、ヒトとコミュニケーションを取り続けけてきたことがとてもよくわかる貴重な本だと思いました。

 私は返却しましたので、ぜひ次の方はじっくりとお読みいただきたいと思いました。

 フクロウ好きのヒトにはバイブルになると思います。









by STOCHINAI | 2020-04-01 23:52 | 医療・健康 | Comments(0)
 今日も昨日と同じくらい極寒の一日でしたが、昨日はまったく見ることのできなかった太陽がときおり顔をのぞかせてくれました。

 いくら寒くても太陽が照りつけてくれると心も体も明るくなります。

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 寒さを吹き飛ばすようなニュースとは昨夜オリンピックで日本選手が3つメダルをとったことではありません。まあ、それはそれでとても明るいニュースではありましたが、私にとっては先月Natureに載っていた論文で一般の人々にもかなりの話題となって広がった「甘味料のトレハロースは危険かもしれない」という噂の根拠となる論文がかなり怪しいものであるということを解説した松永和紀さんの記事に衝撃を受けました。

 もともとの論文は今年の1月3日にオンラインで公表され、18日に正式に出版されたNature誌に出たものです。

寒さを吹き飛ばすようなニュース(トレハロース論文の解釈は誤り)_c0025115_20480484.jpg


 この論文の日本語の要約も公表されています。

食餌由来のトレハロースがディフィシレ菌流行株の毒力を高める
Nature 553, 7688 | Published: 2018年1月18日 | doi: 10.1038/nature25178
最近、ディフィシレ菌(Clostridium difficile)感染症が増加しており、北米やヨーロッパでは主要な院内病原体の1つになっているが、何がこの出現を引き起こしたのかについてはほとんど分かっていない。今回我々は、2種類のリボタイプ流行株(RT027およびRT078)が低濃度の二糖類トレハロースを代謝する独特の機構を獲得していることを示す。RT027株のトレハロースリプレッサーには単一の点変異が含まれており、それによってこのリボタイプのトレハロース感度が500倍以上に上昇している。さらに、食餌由来のトレハロースは感染マウスモデルで1つのRT027株の毒力を増強させた。RT078株は、トレハロース代謝に関与する4つの遺伝子からなるクラスターを獲得していた。これらの中には低濃度のトレハロースでの増殖に必要かつ十分なPTSパーミアーゼが含まれる。我々は、これら2種類の流行系統が出現する少し前に、トレハロースが食品添加物としてヒトの食物に使用されるようになったことが、それらの流行系統の出現の選択を助け、強毒化に関与したのではないかと考える。

 堅い論文の要約を読んでもよくわからないと思いますが、この論文が出た直後に日刊ゲンダイ・デジタルでこの論文を受けた「解説記事」が書かれています。その冒頭にはこう書かれています。

話題の焦点
英誌がリスク指摘 食品添加物トレハロースは本当に安全か
2018年1月24日>> バックナンバー
 英学術誌ネイチャーの1月18日号に、「トレハロース」の危険性を指摘する論文が掲載され、注目されている。
 最新の研究によると、食品添加物に使われるトレハロースが、クロストリジウム・ディフィシル(CD)腸炎の患者急増を引き起こしているという。米国では2011年に年間50万人が罹患し、2万9000人が死亡。日本ではこれまで問題視されてこなかったが、対岸の火事とも言っていられない。
 実際、10年には埼玉県の病院で入院患者8人がCDに感染し、うち1人が死亡。同年、新潟県の病院でも入院患者21人が院内感染し、うち3人が死亡したという報告がある。感染者は年々増えているというから、気がかりだ。食品添加物の研究歴40年で、「長生きしたければ、原材料表示を確認しなさい!」の著者、小薮浩二郎氏が言う。

 まあ、日刊ゲンダイの記事だけでしたら虚実織り交ぜたものが日夜書かれているのを知っている賢明な読者はそれほど影響を受けないかもしれないですが、この記事が出る前には高名な医学・生物学者である西川伸一さん(NPO法人オール・アバウト・サイエンスジャパン代表理事)がこの論文の詳しい紹介記事を書いており、この記事も含めて日本国内にそれなりのインパクトを与えたように思えます。

 論文紹介:食品に添加されたトレハロースがクロストリジウムの流行の原因だった
 来週発売のNatureに、ちょっと恐ろしい論文が掲載される。普通に食品に添加されているトレハロースが、難治性の腸炎の原因クロストリジウム・ディフィシル(CD)の流行の原因になっているという研究だ。実験の詳しい内容は私自身のブログを参照してもらうことにして、重要なメッセージだけを紹介しておく。
 ・・・
 まとめと感想
 この結果は、流行性のCDは、人間が人工的にトレハロースを添加した食べ物を食べ始めてから起こった病気であることを示し、自然界にあるからと安全だと思ってしまうと、予想できないしっぺ返しが起こることを示す重要な例になったと思う。確かにキノコなどトレハロースを自然に含む食品は多いが、流行の歴史から考えて、トレハロースの食品添加が始まった時期と、流行が一致することから、やはりトレハロースの添加が原因と言っていいだろう。幸い、CDは他の細菌に対する増殖優位性によって毒性を発揮するので、CD腸炎が疑われた時、トレハロースを含まない食事を与えることで回復できる可能性を示唆している。臨床の現場で明日から実施可能なことで、是非この結果を念頭に置いて対応して欲しいと思う。

 とかなり元の論文を信頼した内容になっています。そのこともあってか、先月は識者の間で小さな「トレハロース・パニック」とでもいうべきさざなみが起こっていたようです。私はというと、あまりにも話がうまい謎解きになっていておもしろすぎるのでいつものように静観・スルーしていたのですが本日の松永和紀さんの記事を見て「やっぱりねえ」と思い、寒さが吹き飛んだというわけです。

 松永さんの記事はこちらです。

「トレハロース問題」の真相、「感染症の原因に」論文は矛盾だらけ
ネットに氾濫する不十分情報に注意を
 食品添加物トレハロースが感染症流行の深刻な原因となっている、とする話題が先月、騒がれました。根拠は、科学誌ネイチャーに載った論文。トレハロースが、クロストリジウム-ディフィシレ菌(Clostridium difficile)の強毒化につながっている、とする仮説を提唱する内容で、米国の科学者が執筆しています。
 トレハロースは糖類の一種で、でんぷんの老化防止やたんぱく質の変性防止など、食品の物性改善に働き、日本では和菓子や洋菓子、パン、惣菜等に広く用いられています。とても身近な食品添加物です。それだけに論文への関心は高く、「トレハロースは本当に安全か?」「致死性の感染症の急増原因」などの見出しが夕刊紙やウェブメディアで躍りました。海外でも報道されました。
 しかし、論文にはかなり大きな問題があり、私が見る限り、感染症の原因と言えるような根拠は、崩れ去っています。トレハロースを開発した (株)林原は、反論を始めています。ところが、論文の内容を伝えトレハロースへの不安を煽ったメディアや日本の科学者らの多くは、訂正や追加説明を行っていません。

 ということで、この後に詳しく書かれているのですが、林原に取材をして書かれたものらしく基本的には林原の出しているプレスリリースの内容を踏襲しています。

 林原は世界的なトレハロースの製造販売会社ですから、そこがトレハロースの危険性に対する反論を書いている場合、利益相反からみてかなり厳しく読み解かなければならないとは思いますが、私が読んだ限りでは松永さんのおっしゃっていることがまず正しそうです。

 論文は、強毒タイプのディフィシレ菌がトレハロースを代謝して栄養源にできることを確認し、トレハロースが欧米で食品として認可されて以降、強毒タイプの流行が起きていることから、トレハロースが流行の原因という仮説をたてました。そして、それを確認する実験をさまざま行い、その結果を仮説の根拠として説明しています。が、根拠を一つずつ見てゆくと、実にお粗末なのです。
 (1)時系列、発生地域のつじつまが合わない
 (2)欧米人の摂取量は、極めて少ない
 (3)トレハロース大量摂取国、日本で問題の強毒タイプ菌は見つかっていない
 (4)マウスへの投与試験も、おかしい
 林原は1月24日にプレスリリースを出し、論文の問題点をかいつまんで説明しました。さらに、細かい論証資料を作り、取引先企業等に説明して回っているそうです。
 食品の科学や動物実験についてある程度知識のある人が聞けば、論文の不備はすぐに理解できます。したがって、トレハロースを使っている食品企業は、まったく動じていません。
 しかし、ネットでトレハロースを検索すると、論文を基にした「危ない」情報が氾濫しています。高名な科学者や医師が、ネイチャーの論文だから、とそのまま、記事や個人のブログとして発信しています。
 「添加物が危ない」という情報は、興味を引きアクセス数を稼ぎやすいのです。林原の反論は、ほとんど顧みられておらず、情報は間違ったままです。

 松永さんの結論です。

 トレハロース自体は、天然に大量に存在する物質であり、安全性を確認する研究も相当数行われたうえで使われています。健康な人に直接的なリスクを及ぼすとは考えにくい物質です。
 そんなものが、病原体の増殖、強毒化を促し、結果的に人へのリスクになっているのではないか、というネイチャー論文の着眼点は、非常に刺激的です。しかし、それが正しいとする根拠は、まだほぼない、と言って良いのではないか。
 思い込みに満ちた科学的な妥当性を欠く論文の発表、その妥当性を検討せずに、“危ない”情報だけを垂れ流すメディアや科学者、十分に反論できない企業……。実は、よくあるパターンの話です。たとえば、遺伝子組換えについても、科学的には不備の多い論文が反対運動を展開する科学者によって発表され、一般メディアに「やっぱり危ない」と大きく報じられ、企業や科学者の問題点指摘が顧みられない、ということがしばしば起きています。
 科学論文の報道には、こうした怖さがあります。著名な雑誌への論文掲載だからといって、正しいとは限らない。そんなことを知っていただければ幸いです。

 というわけで、私もこの議論に説得されました。Nature論文の解釈は誤っていると思います。

 かの有名なSTAP細胞事件の元になった論文もNatureに掲載されたことを思い出せば、Natureに載ったからといって信じるに値するものであるということにはまったくなりません。NPO法人「食の安心と安全を科学する会」が行ったファクト・チェックでは、「食品添加物トレハロースが
危険であるということ」について、「言説は、科学的根拠を欠き事実に反する事実に」と断定しました。

 誤った情報に踊らされて二次三次情報を拡散させてしまった方々は責任を持って訂正記事を書きましょう。







by STOCHINAI | 2018-02-13 21:52 | 医療・健康 | Comments(0)

昔は薬、今は嗜好品

 今日は今年最初の「枝・葉・草」の収集日でした。今年は少し早めに進行した我が家からも大量の「枝・葉・草」を出さしていただき、かなり庭がスッキリしました。

 今日は「天使の補講の日」ということで午前中から天使大学です。午前中は天気も良かったのですがちょっと風があり、昼に終わる頃には全天曇ってきて、午後1時ころには少し雨も降りはじめました。私はなんとか雨には当たらずに帰ってこれました。

 というわけで風と雨の外では写真も撮る気になりません。明日は普通の「天使の日」なのでその準備もあり部屋で作業中です。

 季節としてはすでに「立夏」になっており、今日は第20候「みみずいずる」となりました。啓蟄から2ヶ月たってようやくミミズが出てくる季節ということなのかもしれませんが、ミミズは啓蟄の頃から活動していたような気もします。

 それはさておき、「くらしのこよみ」での旬の野菜はアスパラガスでした。

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 最近はこういうビンテージもののボタニカル・アートを見るとついついネット検索をして原典を探す癖がついています。今回はちょっと苦戦しましたが、なんとか一覧ページにあった図にはたどりつけました

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 「くらしのこよみ」にある『薬用植物事典』そのものではなかったのですが、そこからの図が掲載されているようです。


 説明もないので(あってもフランス語がどこまでわかるか謎ですが)確かなことは言えませんが、この時代には現在はほとんど嗜好品としてしか扱われないものが「薬」として珍重されていたことがうかがわれる図録となっています。

 気になったものを並べてみました。まずはバナナ。

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 なんの薬だったのか気になりますが、カロリーが高いので滋養食でしょうか。続いてピーナッツ。

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 こちらは脂分がたっぷりなので薬の効果はあるのかもしれません。そしてパイナップル。

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 タンパク質分解酵素が含まれているらしいので、消化不良の薬でしょうか。もうひとつ気になったのはアーモンド。

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 これはピーナッツと同じような効果があるのかもしれません。

 まあ、コーヒーも昔は薬として広まったそうなので、珍しい食べ物は最初はみんなくすりだったのかもしれませんね。

 今回は借り物ばかりで失礼いたします。






by STOCHINAI | 2017-05-10 21:50 | 医療・健康 | Comments(0)
 21日の夜から熱っぽく身体がだるかったので、いつものように早めに暖かくして寝ていました。いつものように汗をいっぱいかいて、この調子なら寝てるだけで治るかなという感じだったのですが、明け方になってからなんとしつこいしゃっくりに襲われはじめたのです。(いらすと屋さんからしゃっくりの絵をお借りしました。)
 
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 ネットを検索するとしゃっくりの止め方というのがいろいろと書いてあります、とりあえず砂糖を飲むとか、耳に指を突っ込むとか、息を止めるとか全然効果がありません。

 そのうち、熱(高熱でというほどでもなく38-39℃ですが)も出ていることがわかったので熱はともかくしゃっくりを病院で止めてもらえるものかどうかわからなかったのですが、(明日は休日ということもあり)昼ちょっと前に近く病院に行ってきました。主訴はしゃっくりと発熱でしょうか(笑)。

 熱の出始めということでインフルエンザの判定はせずに、しゃっくりを止めることと熱が出たらということで解熱剤をもらって帰ってきました。

 病院でのお話で目からウロコだったのは、しゃっくりの原因のひとつは脱水症状にともなう電解質の減少のようです。だから、脱水症状の自覚はあったのですが、それを解消するためにお茶や水を大量に飲むとこれはある意味、逆効果だったようです。というわけで病院からの指導で、近くのスーパーで大塚のOS-1という保水液を買ってきてそれをごくごく飲んでいます。

しゃっくりで病院へ(12月22日分)_c0025115_09281676.jpg

 それはそれとして、病院ではまずコーヒーシュガーを5袋立て続けに飲まされました。そうですか、砂糖は大量に飲まないとダメなんですね (ネットの情報では量についての詳しい記述がなかったような・・・。そう言えば、大さじ一杯のというのはそういうことだったのかも?)。

 そして、なんとしゃっくりが出たら止める薬というものを2種類(たった3個ずつですが)頂きました。

 砂糖だけではピタッとは止まらなかったのですが、この薬(プリンペラン錠とセルシン錠)はよく効きました。しゃっくりを止める薬というものがあることも始めて知りましたが、脱水症状の改善に電解質補給が必要だということはちょっと「目からうろこ」でした。

 お医者さんはやっぱりプロだなあ。






by STOCHINAI | 2016-12-23 09:35 | 医療・健康 | Comments(0)

病院2日目 

 入院2日目、FBに沢山の方々からのお見舞い・励ましをいただきありがとうございました。初めての経験でしたが、救急車で搬送されて入院というようなストーリーではなかったため、ちょっと不謹慎な記事になっていたかもしれないことを反省しております。それにしても、なにごとも経験、またいろいろな知見が増えた気がします。

 こちらは今朝、病院の窓から見えた風景。

病院2日目 _c0025115_19151218.jpg

 対象がぼけているのは窓に入った鉄線にフォーカスが合っているせいですが、思わぬ効果となりました。

 というわけで今日も点滴。

病院2日目 _c0025115_19153591.jpg
 こちらが成分。

病院2日目 _c0025115_19193547.jpg

 少しは病院らしい雰囲気を出そうと、入り口脇の光景をモノクロで撮ってみました。

病院2日目 _c0025115_19194608.jpg

 すごくきれいな病院なのですが、モノクロで撮ると古い病院の雰囲気がしてきます。

 もちろん、重篤な患者さんもたくさん入院していらっしゃるので、こちらのほうが適切な写真なのかもしれません。

 私に関しましては、主治医の院長先生から明日の退院を許可していただきました。






by STOCHINAI | 2016-12-09 19:25 | 医療・健康 | Comments(0)

入院ナウ

 先月、人間ドックで2検体中1つにプラス・マイナスの潜血があるということで精密検査を要求されていたのですが、昨日の検査食の一日を経て、本日、大腸内視鏡カメラ検査を受けました。受ける前から、小さなポリプがあったら勝手に切除してよいかという件と、たくさん切ったら入院になるがいいかという承諾書にサインをさせられていたのです。

 大腸内視鏡は前に一度受けたことがあったので、軽い気持ちでOKのサインをしてあったところ、ポリプが5個切除されたということで入院を命じられました。

 というわけで、「点滴ナウ」です。

入院ナウ_c0025115_20331777.jpg
 最初は明日にも出られるようなことだったのですが、病院も忙しいみたいで2日いてくださいということになっているようです。週末にかかると月曜まで出してくれないおそれもあるのでしょうか。

 というわけで覚悟を決めて「ベッド・ナウ」となりました。

入院ナウ_c0025115_20333428.jpg

 とりあえず、土曜日のお約束の方には別途お断りの連絡をさせていただきますが、現在生まれて初めての入院と、生まれて初めての点滴をもの珍しく体験中です。

 とりあえず、元気で夕食もご飯粒一つ残さず食べましたので、ご心配なく。

 そろそろ電気が消されるのかな・・・・・。






by STOCHINAI | 2016-12-08 20:44 | 医療・健康 | Comments(2)

北大病院にドクターヘリ

 夕方、やけにプロペラの音がやかましいと思ったら、北大病院の駐車場脇にある芝生ヘリポートと思われるところへヘリコプターが降りていくところ(つまり、イチョウ並木近辺にある巨木の中にヘリコプターが吸い込まれているところを目撃しました。

 これが噂に聞いていた北大病院のドクターヘリだと思います。(こちらが、その時にH中さんからお借りした演習中の写真です。)

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18375039.jpg

 これが降りた後、しばらくしてからの写真です。

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18384772.jpg

 左奥にあるのが北大病院の本館で、ヘリコプターは画面中央に小さく2本ツノのようにちょこんと出ている木のあたりに沈みました。

 降りたからには必ず出てくるはずだと待ち構えていましたが、なかなか出てきません。20-30分後にようやく出てきました。

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18414889.jpg

 降りたところのちょっと左側でした。ちょっと拡大してみます。

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18442927.jpg

 あまり良く見えません。

 こちらがその次の写真です。

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18472076.jpg

 これならかろうじて、このヘリコプターが一番上の写真に写っているものとほぼ同じ型のものだとわかります。
 
 そして、暗くなりつつある北西の空へと消えていきました。

北大病院にドクターヘリ_c0025115_18501745.jpg

 運ばれてきたであろう患者さんの無事を祈るとともに、このヘリがなければ短い時間ではとても設備の整った病院に運ばれることが無理な患者さんの救命率は格段に上がることが実感できます。

 しかもこのドクターヘリの場合は、医師も同乗しておりヘリコプターの内部が緊急病棟ER並みの設備があるということですから、病院についた時には応急処置は終わっているという優れたものらしいです。

 もちろん、こうしたもののお世話になるような事態は避けたいですが、そうなった時の命綱があると思えることは心強いものです。

 待機しているパイロットと医師の皆さんも出動がないに越したことはないと思っているでしょうが、出たからには助けたいと思うんでしょうね。

 うむむ、複雑。
by STOCHINAI | 2015-08-21 18:58 | 医療・健康 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai