5号館を出て

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カテゴリ:環境( 17 )

 毎日食べているもののうち、生鮮食料品を除くと世界中から届けられていることに慣れきっている「文明国」の我々です。場合によっては生鮮食料品でさえも、飛行機で遠いところから運んできたものを食べたりもします。贅沢な話ですが、お金さえ出せば地球の裏側で取ったサカナの刺し身でも冷凍せずに運んでもらえる時代です。

 でも、いいのでしょうか。

 お金を出すのは自分の「自己責任」で誰にも迷惑がかかっていないのだから問題ない。本当ですか?誰にも迷惑をかけていない??

 食べ物を遠いところから運んで食べると増えるものがあります。それが「フードマイレージ」です。増えると世界旅行の航空券がもらえるかもしれないという響きもするフードマイレージですが、実は中身を知ってしまうと、ちょっと怖いもののようです。

 そんなフードマイレージについて詳しく知ることのできるシンポジウムが北大構内の学術交流会館で開かれます。創成研究機構の研究支援室さんからのご案内を転送します。

フードマイレージを貯めるとどうなるか_c0025115_17094973.jpg


 参加費は無料ですが、事前申し込み制で締め切りが迫っています。上のポスターでは見にくいかもしれないので、転載します。

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【3月22日開催】第13回創成シンポジウム
「ためてませんか?フードマイレージ -たべて・つくる・みらい-」

北海道大学 創成研究機構ではこのたび、「フードマイレージ」
をテーマにシンポジウムを開催いたします。
「フードマイレージ」とは、「食べ物の輸送距離×重さ」で
表される数値です。
食べ物を輸送する際の環境への負荷(CO2排出量)が分かります。
「たべること」は世界の環境や地域経済につながっています。
食べるものを「えらぶこと」でおいしい未来をつくりませんか。
ご来場者には素敵なプレゼントもご用意しております。
皆様お誘い合わせの上、ご参加くださいますよう
お願い申し上げます。
(事前申込み制:〆切 3月15日(火))
http://www.cris.hokudai.ac.jp/cris/news/event/903.html
■日時:平成28年3月22日(火)18時30分~20時30分(開場18時00分)
■会場:北海道大学 学術交流会館 講堂(北8西5)
■プログラム:
 開催挨拶 渡辺 康正(わたなべ やすまさ)教授
  北海道大学 大学院工学研究院 / 創成研究機構
 講演1  「たべることからできること」
      小林 国之(こばやし くにゆき) 助教
      北海道大学 大学院農学研究院 連携研究部門
 講演2  「数字からみえること、みえないこと」
      藤井 賢彦 (ふじい まさひこ) 准教授
      北海道大学 大学院地球環境科学研究院 統合環境科学部門
 講演3  「すぐにできること、それは選ぶこと」
      田村 吉史(たむら よしふみ) 食品技術支援部長
      北海道立総合研究機構 食品加工研究センター
 パネルディスカッション「あなたも仕掛け人?!ひろめよう“フードマイレー
ジ”」
     パネリスト : 上記講演者3名
            八木 由紀子(やぎ ゆきこ)
            「北海道生活」編集長(前「poroco」編集長)
     モデレーター:川本 真奈美(かわもと まなみ)
            北海道大学 創成研究機構 研究支援室 学術専門職

■申込み方法:下記URL内申込みフォーム、またはEメール、FAXにて、
①氏名、②年齢、③職業、④代表者のメールアドレス、または電話番号、FAX番号
を明記の上申込みください。
 申込みフォーム:http://www.cris.hokudai.ac.jp/cris/0322/
■お問い合わせ
 北海道大学 創成研究機構 研究支援室
 TEL : 011-706-9274
 E-mail: rso@cris.hokudai.ac.jp
■後援:札幌市、札幌市教育委員会、北海道立総合研究機構、北海道新聞社
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 チラシの裏もお見せします。

フードマイレージを貯めるとどうなるか_c0025115_17095176.jpg
 なかなか多彩なゲストによる講演とパネルディスカッションが予定されています。

 3月ということで、去る人も多い大学なのでちょっと講演会ラッシュ気味ですが、一味違う暮らし密着型のイベントで頭をリフレッシュしてみませんか。

 秘密の情報ですが、
 おみやげもある
 らしいです(笑)。フードマイレージのシンポジウムですから、期待できるかもしれません。

 ともかくも、まずは参加登録をお願いいたします。







by STOCHINAI | 2016-03-11 19:00 | 環境 | Comments(0)

クローズアップ

 2ヶ月位使っている今のカメラも少しずつ慣れてきたので、今日はシーンモード・クローズアップというのを試してみました。マクロモードと同じものだと思っていたのですが、それよりは強力に接写ができるようでした。

 まずはなにげなくミニ・サボテンを撮ってみました。

クローズアップ_c0025115_21414187.jpg

 これが意外と精密に写っていることが、中央部を拡大してわかりました。普段使っているマクロ・モードよりパワフルな感じがします。

クローズアップ_c0025115_21440991.jpg

 これなら雪の結晶なども撮れるかと思い、外に出てみました。今日も真冬日の厳しさは続き、太陽が照りつけても外気温はマイナス5℃前後です。雪の結晶も解けていないでしょう。

 まずはバードテーブルの上にふわっと積もった雪です。

クローズアップ_c0025115_22001563.jpg

 かなり良い状態で雪の結晶が保存されているのがわかります。

 こちらはナツツバキの枝に軽く載った雪。

クローズアップ_c0025115_22001907.jpg

 逆光のおかげで雪の結晶のトゲトゲがよく見えます。

 だんだんと慣れてきたら、雪山の上の雪の結晶も見えるようになってきました。

クローズアップ_c0025115_22002770.jpg

 というわけで、天気は良いのですが寒い屋外でしばらく雪の結晶と格闘していたら、さすがに指先もこごえてきたので屋内に退避です。

 屋内に戻ってくると30℃近いの温度差があるので、最初は暑いと感じるほどです。こちらでは花や緑がたくさんありますので、カメラの設定をそのままで映し続けます。

 これはゼラニウムの花。くるりと巻いた雌しべがかわいいです。

クローズアップ_c0025115_22003993.jpg


 秋にほとんど葉をなくしたモンステラの3枚目の新葉。株からの新葉の枚数が増える度に葉の切れ込みが増えてきておもしろいです。(これはクローズアップとも言えませんが)

クローズアップ_c0025115_22004309.jpg

 今日はこのカメラのマクロがおもしろく使えそうなことを発見したのが収穫でした。それにしても、カメラの進歩(性能とコストパフォーマンス)はすごいものがありますね。







by STOCHINAI | 2016-01-30 22:15 | 環境 | Comments(0)
 今日はグーグルホームページのロゴ(ドゥードゥル)が花壇になっていたので、クリックしてみるとアースデイというアクションデーだったようです。Googleのホームページのロゴは動画になっているのですが、親切なことに画像を保存してみると、初期画面と完成画面が並んで出てきました。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_2120577.jpg
 当然、アースデイという英語の日なので起源も向こうにあるのだと思います。日本でも東京など各地でイベントが企画されていたようですが、悪天候で縮小や中止もあったようですが、どうも国際的に連携イベントが行われた形跡が見られないのが残念でした。こちらが、国際本部らしいところにあった今日のアースデイのポスターです。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_2127429.jpg
 やっぱり日本の各団体との連携は感じられませんね。

 最近ちょっと気に入って良くみているiPadのアプリでfotopediaシリーズがあるのですが、芸術的にもカメラ技術的にも非常にレベルの高い写真が満載で、しかも無料というものすごいうれしいサービスです。こちらがfotopediaのホームページです。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_21495062.jpg
 世界遺産、日本、パリ、野生の仲間たちなど9種類が無料で提供されています。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_21373064.jpg
 しかも画面の上を見るとRetina Display Festivalと書いてありますので、新iPad対応なのだと思います。私の初代機でさえ十分にきれいな写真が楽しめますから、新iPadを買われた方はぜひぜひこれを入れることをおすすめします。

 最近は毎日のように新しい写真が追加されてきますので、飽きることはありません。先日、気に入って思わずキャプチャーした「野生の仲間たち」からの1枚です。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_21432192.jpg
 で、今日もまた新しい写真が追加されたというナンバーがアイコンの上に出たのでクリックしてみると、なんとこれがアースデイ特集でした。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_21445097.jpg
 お母さん(?)の写真もありますよ。
今日は(国際)アースデイ_c0025115_21461778.jpg
 こういう素晴らしい写真を見ていると、「新iPad」で見てみたくなりますね(笑)。

 それにしても、アースデイでは地球環境を破壊するという意味で一番邪魔なのが我々ヒトであることを自覚するということがもっとも大切なことかもしれませんね(自戒)。
by stochinai | 2012-04-22 21:53 | 環境 | Comments(0)

アマゾンの段ボール箱

 アマゾンは過剰包装ではないかという意見もよく聞きます。確かに、ほんのちいさな部品でさえ98%が空気と思われるような大きな段ボール箱で配達されてくることもあります。
アマゾンの段ボール箱_c0025115_19637.jpg
 まあ、配送料金が無料なので文句も言えないということなのですが、配送業務を定型化・規格化することによって無料化を実現しているところもあるのではないかと推測されるところもあります。
アマゾンの段ボール箱_c0025115_196191.jpg
 でもまあ、リサイクル可能なダンボールで来るので、配送料無料の分をこちらでリサイクルに協力するということで対応しても良いのではないでしょうか。(ダンボールの色がやたら赤っぽいのは、古くなっているせいだけではなく、カメラのホワイトバランスの調整ミスです。スミマセン)

 ともあれ、せっかくの箱をつぶしてダンボールのリサイクルに出すだけでは芸がありませんので、私はアマゾンからもっともたくさん送られてくるA4サイズの箱をリサイクルに出す書類の回収箱にしています。箱があまりにも大きいと中に紙が満杯になった時に重たくなりすぎて扱いが厄介なのですが、厚さが6センチや17センチくらいのものだと適度な重さで運ぶのも楽です。
アマゾンの段ボール箱_c0025115_1955835.jpg
 今日はちょっと早めなのですが、研究室の大掃除が行われたので私の部屋からもたくさんの書類ゴミを出しました。アマゾンの箱も10個くらい出したような気がします。
アマゾンの段ボール箱_c0025115_1955684.jpg
 普段はこうして書類のゴミ箱として使って、いっぱいになったらフタを綴じて廃棄にしてしまうのは便利です。使うか使わないかハッキリしないものを入れる書類箱として使って、しばらくして使わないことがわかった時点でフタを綴じて捨ててしまうという使い方もしています。

 結局、紙で印刷した書類なんてものはすべて捨ててしまってもなんとかなる時代になってきたような気もする今日この頃です。
by stochinai | 2011-12-14 19:21 | 環境 | Comments(2)
 おそらく何もない時ならば、原子力発電所から出る湯気も火力発電所から出る湯気も、白い煙はほとんどが温められた水であって、どうということもないものなのだと思います。それどころか、原子力発電所から出てくる湯気は、ごくごく微量の放射性物質を含んでいたとしても基本的には水しか出てきていないと見なせるくらい「キレイな」もののようです。
原子力発電所の煙と火力発電所の煙_c0025115_21424552.jpg
(C) photoXpress

 それに対して、火力発電所からは大量の二酸化炭素も同時に排出されています。
原子力発電所の煙と火力発電所の煙_c0025115_21425070.jpg
(C) photoXpress

 この二酸化炭素が地球温暖化の原因の一つであるということで、つい3ヶ月前までは、できる限り火力発電をやめて、原子力発電あるいは太陽・自然エネルギー発電にシフトするのが、地球にもそして人間の未来にも優しい政策なのだという声が大きかったと思います。

 ところが、大地震・大津波とともに引き起こされた福島原発の暴走を人類が止められないということがわかってから風向きが変わってきました。制御できない熱源を使った発電など、問題外だという声が大きくなってきたのです。

 実は問題ないように見えていた「平時」の原発にも大きな問題があることが、この写真からもわかります。

 日本の原発はほとんどが海岸に建てられており、何段階かのステップは踏んでいますが、結局は海水で冷却するシステムのため、普段はこの写真のように大量の湯気を出すことはありません。海水で冷やすにせよ、このように大量の湯気を出しながら大気で冷やすにせよ、原発では出てきた熱のほとんどを捨てて(あるいは地球を温めて)、その一部だけを発電に使っているというなんとも贅沢な発電方式だということも、今回の事故をきっかけに多くの人が知るところとなりました。

 発電所から出るものが、二酸化炭素や、温められた水くらいのものならば、少なくとも「ただちに健康に影響を及ぼす」ことはまったく考えられませんが、放射性物質の場合には、その量によっては即死するほどのものが原発の事故現場から放出されています。

 同じように目に見えないといっても、短期間に間違いなく人を殺す性質を持つ放射性物質と、地球温暖化の末に人類を絶滅へと導く可能性のあるという可能性を持つ二酸化炭素とを比べて、どちらを選ぶかという質問を出されたらあなたなどのように答えますか。

 私の場合ならば、即座に私が死ぬ可能性の低い方を選びます。選択の余地はありません。
by stochinai | 2011-06-09 22:05 | 環境 | Comments(1)
 震災関係でありながら、久々に「信じるに足る報道」に出会った気がしました。NHK教育テレビのETV特集「原発災害の地にて~対談 玄侑宗久・吉岡忍」です。もしも再放送やオンデマンドで見ることができるようなら是非ともご覧になることをお勧めします。

 番組を見ながら、とったメモです。

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 ウメとモモとサクラが一緒に咲く。三つの春が一緒にやってくる福島の町、三春町。「今年は春風がやってきて欲しくないですね」という玄侑宗久さんの言葉。

 原発近傍の町は、町ごと移住して新しく町をリセットしなければならない。

 事故発生当初:東京電力は「我々も被害者だ」と住民に言っていたことに憤る住民。とうの住民達も、まさか自分たちが避難することになるとは思っていなかった。

・玄侑宗久さんの言葉

 :想定内とか想定外とかいう傲慢。自然の中に生きているということは、想定できないのが当たり前。

 :安全だとか危険だとかいうことは聞きたくない、データを示して欲しい。

 :震災後に起きた水素爆発で福島県民はかなりの衝撃を受けた。その瞬間から、漏洩放射線物質と風向きを知りたいと思ったにもかかわらず、その瞬間からデータが出てこなくなった。

 :どうして野菜の汚染発表が「福島県」がひとつの単位になっているのか。

 :国から「自主的に避難することをお勧めされた」ことに対する不快感

・吉岡さんの20キロから30キロ圏内のルポ

 :取り残された飼い犬たち。

 :車窓から見えるまわりの景色は森林浴でもできるような感じ。

 :ペットのイヌやネコをおいて遠くまで避難はできない。

 :ほとんどの人がさらに遠くへ退避して、残された放射線濃度の高い「避難小屋」で続けられる奇妙な共同生活。

・玄侑宗久さん

 :自分の親を説得することは難しいが、町ごと退避が決まれば親も納得して非難してくれるのではないか。

 :檀家さんの一部が残っている限り自分が町を捨てて避難してしまっては、何も言えなくなってしまう。

 :一番ストレスを感じているのは、一部を町に残して町から避難している人だろう。

 驚いたことに、三春町では安定ヨウ素剤が配られていた。

 1986年に放射線検知器を購入していた元高校教師が最初に放射線の上昇を計測していた。その後の継続的計測で風向きと放射線の関係を検出している。

・玄侑宗久さん

 :我々は原発という飼い慣らせるはずのない龍を飼っていた。

 :人は地球の上に仮住まいしていただけだということを今回の地震・津波・原発事故でひしひしと感じる。

 :これだけの災害を受けて我々がどれだけ変化できるのか。

 :きっと変わるということを肯定的に思っていたい。

エンディング

 避難を続ける原発周辺住民の流浪の生活がいつ終わるのか誰にもわかりません。

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 飼い慣らせるはずのない龍を飼っていたという感慨は私はとても共感を持てるものなのですが、社会というものを数字や統計で考え、原発は自動車よりも人を殺さない安全なものであると肯定する「経済学者」が今の社会で大きな力を持っていることを考えると、そういうことを納得して脱原発へと舵を切ろうということに同意してくれる人がどのくらい増えるのかということが、この番組の最後に出てきた「希望」が実現されるかどうかの分かれ目になるのだと思います。

 人間の営みである科学技術が自然に対して危険度を想定して、そこそこの対策で済ませてしまうこと、つまり効率や経済性を考える限り、我々はこの手の「人災」から逃れることはできないのだというのが、私のもう一つの感想でした。

 そういう意味で、答や結論が得られたわけではありませんでしたが、良い番組だったと思います。
by stochinai | 2011-04-03 23:51 | 環境 | Comments(1)
 日本のテレビや新聞では福島第一原発の映像は30キロ以上離れたところから見たものしか見ることはほとんどありませんが、まさかこのハイテク時代にそれほど写真が手に入らないことは信じられないと思い、ウェブを検索してみたところ鮮明な写真を発見することができました。

Photos of the Day - Fukushima Dai-ichi Aerials
By Mike Zacchino, The Oregonian | March 30, 2011 12:25 PM


 もちろん飛行禁止区域ですので、人の乗った飛行機で撮影することはできませんが、無人飛行機で簡単に撮影することができるようです。これが撮影に使われたミニチュア飛行機です。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_20381942.jpg
 よく見ると、ボディに「AIR PHOTO SERVICE Co., Ltd., 新潟県妙高市」と書かれています。日本の会社の飛行機なのです。なぜ、日本のマスメディアが利用しないのか不思議な気がしますが、たとえ外国の会社に雇われたとしてもこういう写真が公開されることは歓迎です。

 24日に撮したものという説明があったのですが、このサイトには20日と24日に撮したものがありました。詳しくはそのサイトにアクセスしていただければ良いのですが、気になる3号機に着目して引用させていただこうと思います。

 まずは20日の全体像です。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_2038129.jpg
 一番上の1号機から手前の4号機までが並んでいます。3号機はタービン建屋の屋根に穴が空いていることでわかります。こちらが3号機の接近映像です。盛んに白い煙が上がっているのが見えます。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_20381070.jpg
 そして、別の角度から見たものです。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_20374826.jpg
 続いて24日の様子です。まずは全体像です。上の写真と同じような角度から撮っています。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_20373990.jpg
 3号機です。崩壊が進行しているようにも感じられます。白い煙はもうほとんど見えません。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_2037353.jpg
 反対側から見た3号機です。見れば見るほど、もうダメなんじゃないかというふうに思えます。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_20372899.jpg
 続いてさらに接近したものです。作業員の姿は見えません。
20日と24日の福島第一原発3号機の近接撮影写真_c0025115_2037177.jpg
 人のいない破壊された原発は、人々がみんな逃げ出してしまって放棄されたもののようにも見えます。

 こちらでも爆発があったという話の記憶はありませんが、タービン建屋のほうの屋根の穴は、日本では報道されていたものでしょうか。

 静かな海も一緒に撮影されていますが、あそこからもものすごい放射線が放出されているのでしょうか。
by stochinai | 2011-03-31 21:00 | 環境 | Comments(3)

海を汚してスミマセン

 せっかく理解しつつあったベクレルを使わなくなってきたのはどういうことでしょう。今日のTBSニュースでは「原発近くの海水からは国が定める濃度限度の3300倍を超える放射性物質が検出されました」と言っています。
 福島第一原発の放水口。ここからおよそ330メートル離れた場所で、29日午後2時前に採取された海水から、国が定める濃度限度の3355倍の濃度の放射性ヨウ素131が検出されました。29日は午前中にも2572倍のヨウ素131が検出されています。
 ・・・・・
 原子力安全・保安院は、ただちに影響はないとしています。同じ場所では3月26日の午後、1850倍の濃度のヨウ素131が検出された後、一時、濃度は低まっていましたが再び高まりました。
 27日のニュースで、このように書いてあるものを見つけました。

ヨウ素131   50ヨウ素131   50ベクレル/cm3(炉規則告示濃度限度の1250.8倍)(炉規則告示濃度限度の1250.8倍)

 このベクレル値は、1立方センチメートルあたりとなっています。赤ちゃんのミルクを作る水の場合は1キログラムあたりで100ベクレルということでした。とりあえず、換算してみると3355倍だと134ベクレル/cm3、2572倍だと103ベクレル/cm3ということになります。1キロあたりだとさらに1000倍になりますので、それぞれ134000ベクレル、103000ベクレルということになります。いずれにしても、許容量の数千倍ということは、どう考えても「直ちに健康に影響が出てくる」と考えるべき値でしょう。

 もちろん、海はとても広いのでこれ以上原子炉から出てこなければどんどん薄まっていくことになりますが、現実はどんどん濃くなっているのです。これは27日に発表された福島第一原発南放水口付近の海水放射能濃度の推移(ベクレル/立方センチメートル;東京電力の資料)です。
海を汚してスミマセン_c0025115_19355029.jpg
 21日からのデータが示されており、22日に低下を見せていますが、その後25日まで上昇を続けています。その後も上昇を続け、今日に至っていると見るべきでしょう。

 つまり、原発の放水口からはどんどん新しい放射性物質が量を増しながら排出されていると考えられます。
海を汚してスミマセン_c0025115_1936510.jpg
 (C) photoXpress

 この写真の海は福島のものではありませんが、福島の海もたとえ放射性物質で汚染されていたのとしても、このように美しい風景を見せてくれるはずです。水銀で汚染された水俣の海を見た時も同じような気持ちになりました。あの海を見て、こんなに美しい水俣の海を、目に見えない危険物で汚染するとは、人間とはなんと罪深いことをするものかという気持ちになったものですが、あの事件を教訓にすることができず、我々日本人は今また放射性物質で海を汚しています。

 見た目には見えなくとも、汚染物質は海の動植物に取り込まれ、あるものは死に、あるものはがんになり、あるものは見た目には顕著な影響は見えずとも、放射性物質を持ち続けます。原子炉から排出された物質が放射能を持ち続けているかぎり、放射線をまき散らしながら自然界を回り続けることになります。薄まったように見えても、あるものは動植物の体内で濃縮されることがあります。いわゆる生物濃縮です。水銀やカドミウムが動物体内で濃縮されることは有名ですが、放射性物質でもセシウムストロンチウムは脊椎動物の骨に取り込まれて濃縮されることは有名です。他にセリウム、鉄、プルトニウムなどが動物体内に濃縮されるようです。(データ

 放射性核種の生物濃縮 (09-01-04-02)

 この表が掲載されていた元の文献はこちら(財 高度情報科学技術研究機構)にあります。

 これを考えると、今は大丈夫でもしばらくすると、この海からとれた海産動植物を食べられなくなることは確実ということになります。この先、何十年何百年も漁のできない海になってしまいます。もちろん、陸地も原発の周囲数キロは人の住めない、農業もできない土地になってしまいます。

 というわけで、毎日大量の放射性物質を空気中だけではなく海にまでまき散らしている我が国のことを世界は非常に迷惑に思っていることは間違いなく、もちろん我々は日本人として東京電力および政府に抗議したい気持ちでいっぱいですが、いったん国際的な見地に立つと、世界の人々が我々に対して抗議したい気持ちでいることも痛いほどわかります。

 海を、大気を、地球を汚してスミマセン

 ともかく、一日いや一時間でも早くこの状況を収めない限り、汚染がどんどん拡大し続けることだけは確実です。世界の人々に頭を下げて助けを求める必要がある事態だと思います。それは政府の責任というものでしょう。

 と書いているうちに、なんと2号原発からの白煙というニュースまでもが、入ってきました。被害はまだまだ拡大するのでしょうか。
by stochinai | 2011-03-30 20:56 | 環境 | Comments(2)
 月曜日の朝日新聞朝刊だったと思うのですが、海外から輸入した牧草を食べた日本の牛のふんや尿から作った堆肥を使ったトマトやキクが生育障害を起こしていたのは、輸入牧草に含まれていたクロピラリドという残留除草剤が原因であることがわかったというニュースが出ていました。

 有機農法なのに農薬被害 除草剤、輸入牧草通じ牛堆肥に

 それは大変!大騒ぎになるに違いないと思っていたのですが、その他にも政治がらみのニュースが多いせいか全然後追い報道がないのはおかしいと思っていました。
牧草ですら輸入物は信じられない(のは事実だと思うのですが・・・)_c0025115_21401838.jpg
 (C) photoXpress

 気になったものですから、ネットで調べてみると農水省関係の報告書が簡単に見つかりました。

 牛ふん堆肥に残留する除草剤クロピラリドによる作物の生育障害

 牛ふん堆肥に残留するクロピラリド等ホルモン型除草剤の生物検定法

 どちらも2004年から2005年度に行われた研究のようで、すでに当時の段階でニュースのようなことは詳しく解析されていたということがわかります。あれれ、新しいニュースではないのかということでもう一度朝日の記事を読んでみると、確かに2005年や2006年のこととして書かれています。

 「トマトやミニトマト、キクの生産農家の一部で2005年ごろから、牛の堆肥を使うと葉がちぢれたり、実が細長くなったりする生育障害が起きることが問題になった。」

 「農林水産省は因果関係が疑われた06年、都道府県に牛の堆肥の大量使用で生育障害の恐れがあることを通知。」

 「クロピラリドの被害と思われる例は、06年に5県で9件報告されたが、それ以降は確認されていない」

 ニュースと言えそうな新しいことは、「クロピラリドが含まれる可能性がある堆肥の判定法などの対策マニュアルを作り、畜産草地研究所を通じて今年公開した」というところくらいですが、上に上げた報告書にある生物検定法がすでに数年前に公開されていることが明らかです。

 ということは、このニュースは速報性などが要求されない、いわゆる「ヒマねた」というものなのではないかと思えてきます。

 「クロピラリドは、人間を含め哺乳(ほにゅう)類には無害で欧米などでは使われているが、残留期間が長く、日本では認可されていない」ということなので、緊急性も危険性もないという判断なのでしょうが、それならそれでもう少し詳しく調べた「調査報道」にまで発展させて欲しかったと思います。

 朝日の記事には、とてもわかりやすい図も載っていて、重要なことなのかと思わせられてしまいましたが、なんだか肩すかしをくらった思いです。

 毎日のニュースを見聞きしていると、この国はかなり追い詰められていると思うのですが、ヒマねたを出すほど、新聞社はヒマなんでしょうか。
by stochinai | 2009-12-10 21:55 | 環境 | Comments(2)
 甲殻類関係の専門誌であるJournal of Crustacean Biologyの最新号、Journal of Crustacean Biology 29(4):562-567. 2009に、アフリカのマダガスカル島で単為生殖する移入種のザリガニが増えているという論文が出ていました。

Journal of Crustacean Biology 29(4):562-567. 2009
doi: 10.1651/08-3125.1

Parthenogenetic Alien Crayfish (Decapoda: cambaridae) Spreading in Madagascar

Tadashi Kawai, Gerhard Scholtz, Shinsuke Morioka, Fihaonantsoa Ramanamandimby, Chris Lukhaup, and Yukio Hanamura


 おもしろいことに筆頭著者のカワイさんというかたは、なんと日本の北端の町の稚内にある水産試験場の研究者のようです。稚内とアフリカのマダガスカルをつなぐリンクにも興味がわく論文です。しかし、共同研究者につくばにある国際農林水産業研究センターの方がいらっしゃるので、鍵はそのあたりにあるのかもしれません。

 さて、件の単為生殖するザリガニがミステリー・クレイフィッシュであるかどうかは論文の写真を見ると、ほぼ間違いないと感じられます。
マダガスカル島でミステリー・クレイフィッシュが野生増殖中_c0025115_19575268.jpg
 調べてみると、私のところでもミステリー・クレイフィッシュを写真入りで、何度も何度も取り上げていますので、比べていただければ、なるほどと思われることでしょう。

ミステリー・クレイフィッシュ2005-08-26 22:24
ミステリークレイフィッシュ繁殖中2005-11-07 21:37
ミステリー・クレイフィッシュ孵化2005-11-14 19:28
ミステリー・ザリガニ増殖中2006-04-26 20:30
子どもが卵を産んだ2006-05-24 20:11
憲法までも強行採決するのだろうか2007-04-12 21:37
真夜中のミステリー2008-05-15 23:50
晩秋の駐輪場2008-11-08 23:48

 見た目や外部形態や生殖方法だけでは、これが本当にドイツのペット・ショップで発見されて、日本でもホームセンターなどでも売られるほど広まっている「ミステリー・クレイフィッシュ」と同じものかどうかは断定できないというわけで、それをDNAで調べた論文もありました。なんと Biological Invasion などという専門誌があるのですね。

Biological Invasions
Volume 11, Number 6 / 2009年6月:1475-1482

The perfect invader: a parthenogenic crayfish poses a new threat to Madagascar’s freshwater biodiversity

Julia P. G. Jones, Jeanne R. Rasamy, Andrew Harvey, Alicia Toon, Birgit Oidtmann, Michele H. Randrianarison, Noromalala Raminosoa and Olga R. Ravoahangimalala


 タイトルで、パーフェクト・インベーダーと呼ばれているのがこのザリガニです。遺伝子を調べることによって、このザリガニが間違いなく、我々がミステリー・クレイフィッシュと呼んでいるものだということが結論されています。

 それにしても、このザリガニが見つかったのは現地の市場で食料として売られていたことがきっかけだったそうですので、現地ではもはや食べ物として認識されるほどポピュラーになっているということなのでしょうね。

 まあ、場所がマダガスカルという希少種の宝庫ですので、移入種問題といっても日本の場合などとはケタが違う大問題だとは思うのですが、おそらく現地の人にとっては食用以上のなにものでもなく、どんどん増えくれるのは大歓迎で、中には積極的に増やそうと思っている人もいるかもしれません。

 論文では、このザリガニは基本的に草食なので現地での米の生産に問題が起こるかもしれないと書かれていますが、おそらくそういう説明では現地の人を説得して駆除することは難しいのではないかと思われます。日本だって、昔はアメリカザリガニとかウチダザリガニを国を挙げて輸入していたのですから、マダガスカルの人を無知と笑うことなどできないと思います。

 さて、どうしたものでしょうね。
by stochinai | 2009-10-14 20:15 | 環境 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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