5号館を出て

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カテゴリ:コミュニケーション( 53 )

 まずは、昨日たいへんにお見苦しい写真をお見せしたお詫びに、姫のお城の写真を再掲します。昨日の写真ではわからなかったと思いますが、雪が降りしきっており、厳しい状況ではありましたが、美しい情景がおわかりいただけると思います。(写真をクリックすると、拡大されます。)
シンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」2日目_c0025115_21335191.jpg
 昨日の寒さと雪とはうって変わり、今日は暖気がやってきて、おそらく最高気温が久しぶりにプラスになったようです。暖かいのは良いのですが、雪が解けると路面がザクザクやビショビショになり、そしてそれが凍ると路面が最悪になるので、歓迎とばかりは言えないものがあります。

 さて、本日も昨日に続いてシンポジウムがUstreamでダダ漏れされ、Social stream (ハッシュタグ #scsympo )を併走させてtwitterでのコミュニケーションがとれる状況になっておりました。私は会場におりましたけれども、Ustreamを流しっぱなしにして、twitterでの参加を試みておりました。

 この写真をごらんになればわかると思いますが、会場の中でお話しされる小林さんが、Ustreamで大写しになっているのを同時に眺めるのは、不思議でなかななおもしろい感覚です。
シンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」2日目_c0025115_21534088.jpg
 無料で提供されるUstreamはそれほど安定感があるものではなく、時折落ちたりすることも覚悟しておかなくてはなりませんが、こちらも無料のtwitterと組み合わせることで、遠隔地で視聴するだけではなく、遠隔地から発言することも可能になります。

 こうした情報テクノロジーのハード・ソフトの急速な発達によって、距離と時間を越えたコミュニケーションのインフラはどんどん進歩しているのですが、我々人間のほうのコミュニケーションスキルがそれを使いこなせるところまで追いついていないというのが正直な感想です。

 ソラノートのそらのさんの活躍で一躍有名になったこの「ダダ漏れ」完全生中継ですが、録画することもできて提供されているものもありますが、やはりリアルタイムでの「生放送」を視聴しながら、twitterで突っ込むという形態が本来の姿だと感じます。そもそも、何時間にもわたる録画では、研究や調査などの目的でもない限り、後で見直すなどという気にはならないと思います。ましてや、すでに修了したものに突っ込みを入れるのはあまりにも間の抜けた行為に思えます。

 となると、このしくみをリアルタイムで生かすためのノウハウが必要ということになります。今日、隣に座っていたSalsaさんがおっしゃるように、Social Stream の進行を調整する「ファシリテーター」のような存在もいいでしょうし、それを助けるSocial Stream に特化したクライアント・ソフトがあっても良いと思います。

 現状では、せいぜいtsudaることか、突っ込みをいれることくらいしかできませんが、将来的には空間を越えたUstreamサイエンスカフェやサイエンスバーなどをやってみたいものです。

 さてシンポジウムですが、今日はまず三上さんがCoSTEPが実践してきた対話の場の創造について振り返り、Tom Wakeford さんがイギリスおよび世界におけるサイエンスコミュニケーションの過去・現在と未来についてレビューをし、小林さんが日本における科学技術への市民参加の現状と未来について話題提供されました。

 三上さんと小林さんのお話は、日本の科学コミュニケーションの過去・現在・未来を手際よくまとめていただいたもので、それほど目新しさはありませんでしたが、頭の中をとてもよく整理していただけたと感謝しています。

 Tomさんのお話で、イギリスでのサイエンスコミュニケーションはすでに下火あるいは見直し段階にはいっているという印象を受け、結構衝撃的でした。イギリスでのそうした現状を知ることで、日本が同じ轍を踏まずに行くことができれば、こうした国際交流の意義は大きいと思いました。

 JSTの資金が途絶えたあとでもCoSTEPを続けることを決めた北海道大学が、サステナブルな科学技術コミュニケーションのあり方を提示することができるかどうか、次の5年が本当の勝負の年となるのかもしれません。同時に、大学や政府とは独立に動き出す民間の科学技術コミュニケーションも次の5年が勝負ということになりますね。Salsaさん、がんばりましょう。
by stochinai | 2010-01-24 22:32 | コミュニケーション | Comments(2)

Sat, Jan 23


  • 15:26  Hey #scsympo 電池切れのため、後は他の参加者のかた (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 15:10  Hey #scsympo アジアで科学コミュニケーションが遅れて始まったことは幸運だったかもしれない。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 15:08  Hey #scsympo 科学コミュニケーションの実践はアカデミアから出てくるものではない。北大は例外だ! (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 15:03  Hey #scsympo 来週AppleがiTablet(?)を発売することは科学の大衆化の最初のピークになるかもしれない。ホントか? (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:53  Hey #scsympo 修士号:科学コミュニケーション修士 MSciComm (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:52  Hey #scsympo 科学コミュニケーションの実践:ストーリーを語ること、聴衆にインパクトを与えること、手法を磨くこと (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:43  Hey #scsympo 「手を汚さずに研究に励む研究者」と実践者は共通の言語すら持っていない。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:39  Hey #scsympo 科学コミュニケーションには「実践」と「理論・研究」があるが、後者は前者のベースにはならない。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:31  Hey #scsympo この競争の中であなたの声をどうやって届けるか。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:23  Hey #scsympo 通訳の方のマイクがダウン (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:20  Hey #scsympo 通訳の人をからかうなど、会場を和ませる技術も欧米人的 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:18  Hey #scsympo 「メン・アット・ワーク」の歌「Down Under」から、科学コミュニケーションへつなげる。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:13  Hey #scsympo 海外からのお二人ともMacです。他人事ではなく、こういうトラブルには速やかに対処したいものです(汗)。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:10  Hey #scsympo ただいま講演者のPCからの出力不調で再起動中 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:09  Hey #scsympo 1期生の方からの質問に対して「Science and You」のリンクデータは手動で作っているので効率が悪いという回答 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:06  Hey #scsympo 「動作保証範囲」とはわかりやすくいうと、科学領域ごとの「方言」とでもいうことかな? (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:04  Hey #scsympo 科学の「動作保証範囲」についての詳しい説明を質問されました。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 14:00  Hey #scsympo 現在34Viewers (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 13:58  Hey #scsympo ようやく会場からつなげました。 (costep_sympo live › http://ustre.am/btH7)

  • 10:37  RT @costep_sympo: シンポジウム当日となりました。今日のシンポジウムは13時から、USTREAMで中継します。http://bit.ly/4S2MIq #scsympo #sc_live

  • 00:37  無題|双子の白クマ赤ちゃん通信|「明日13時より、丸善札幌アリオ店にて、「ふたごのクマクマ」の読み聞かせイベント」 札幌100マイル http://ow.ly/Zn9b


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by stochinai | 2010-01-24 06:25 | コミュニケーション | Comments(0)

姫のお城で

 今日は昨日ご紹介したシンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」が、なんとM姫のお城で開催されました。
姫のお城で_c0025115_2385485.jpg
 これはシンポジウムの後に行われた懇親会の後に撮った、雪景色の中に浮かび上がる姫のお城の情景なのですが、諸々の事情があってとんでもない低解像度の写真しか使えない状況になってしまいました。しかし、そのぼやけた感じが幻想的雰囲気を増強しながら醸し出していて、いかにも姫の居城(魔女の居城か)という感じがするのもまた事実なのでありました。

 まあ、この手の会にはつきものの時間が足りなくなるという状況との戦いの一日ではありましたが、Ustreamでダダ漏れしながらtwitterで雑談する全国の皆さんと一緒にシンポジウムに参加するという形式も新鮮で、インスピレーションを刺激される創造的な一日を過ごすことができました。

 小出さんの横綱相撲のようなオーソドックスなお話もそれなりにおもしろかったのですが、ニュージーランドの大学で大学院生に科学コミュニケーションを教えていらっしゃるSpencer Davis LLOYDさんと、今目の前で起こりつつある科学技術コミュニケーションのうねりの本質を捉えようともがいていらっしゃる石村さんの話には、たくさんの刺激をいただき、こちらの頭の中が整理されて、たいへんに有意義な一日になったことを感謝したいと思います。

 Lloydさんは、科学コミュニケーションは研究したり解析したりしていてもラチがあかないもので、しょせん実行してなんぼのものよというふうに聞こえるお話をいただき、ある意味で非常に挑発的ではありましたが、「そうだよね」と思わされるものが多い講演でした。話の合間に、通訳の方をからかうフレーズが飛び出すのも、コミュニケーターとしての優秀さを感じさせられるものでした。

 そして、何度も強調されていた「ストーリーテリング」こそが、科学コミュニケーションの中でもっとも重要であるという論点は、私も常日頃思っていたことなので、うなずきっぱなしでした。

 もう一つ、確かにネット上ではずいぶん前から噂になっていたことなのですが、Appleが新しいタブレットマシンで、iTabletという名前になるかもしれない新機種が、来週の水曜日に発表されると、彼が何度も言っていたことが、強く印象に残っています。ほんとうなんでしょうかね。まあ、そのことだけでも、彼が「ネットおたく」であることがとても良くわかるのですが、彼はこのマシンこそが科学コミュニケーションの展開に大きな役割を果たすだろうと期待をしていることは、そうかもしれないとおもいつつも科学コミュニケーションだけじゃなくて、あらゆるコミュニケーションのあり方を変える革命になるんじゃないかというのが、私の感想です。

 そして、石村さんはいつも難しい言葉を使う人なのですが、最近は科学コミュニケーションに「生物学用語」を多く導入していることが気になっています。今回は「コミュニケーション生態系」の中で科学技術コミュニケーションが「適応」していく過程に注目しているというようなことを言っていたのが記憶に残りました。

 石村さんの話の中で、もはや政府やメディアが科学コミュニケーションをコントロールできる時代は終わったというようなことを言っていましたが、科学コミュニケーションだけではなく、すべてのコミュニケーションが政治勢力や大手メディアにコントロールされる時代が終わっているのだということですよね。

 科学コミュニケーションは新しく意識され始めたコミュニケーションですが、メディアのありようがマスからミニあるいはミクロ・ナノへと分解されつつある今、科学コミュニケーションが立ち上がったということは、そのうねりの中で新しいコミュニケーションのあり方の見本として、すべてのコミュニケーションをリードする存在になりうるのではないかという、科学コミュニケーションにとって「今はピンチではなくチャンスなのだ」ということを認識させてもらったのは、今日の大きな収穫だったように思います。

 今日、集まっておられた方は、科学コミュニケーションやリスクコミュニケーション、科学技術社会論などといった議論の場には必ずといっていいほど集まってこられる人が多かったようにも思われますが、日本全体でも、さらには世界全体でもまだまだ小さな科学コミュニケーションという領域が、世界のコミュニケーションのありよう全体を考え直し、さらにはその将来のフレームワークをリードしながら提示するというようなことになるのかもしれないと考えると、少々背筋がぞくぞくするほど「歴史の転換」に立ち会っているような気分になったりするのも不思議です。

 明日もこんな調子で、いろいろな刺激を受けられることを期待しております。
by stochinai | 2010-01-23 23:56 | コミュニケーション | Comments(0)
 今年度で、「科学技術振興調整費・新興分野人材養成プログラム」に採択されたプログラムとしてのCoSTEPが終了することもあり、CoSTEPが明日と明後日に、海外からも著名なゲストを招いて「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」という国際シンポジウムを開くことになっています。(どうしてこんな素晴らしいポスターがCoSTEPのホームページに掲載されていないのか不可解ですが、こちらで発見しました!)
シンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」_c0025115_15524424.jpg
 ポスターを良く見ると、英語のタイトルは For Future Science & Technology Communication in Japan となっています。
日時:2010年1月23日(土)13時 ~ 1月24日(日)15時
会場:北海道大学 創成科学研究棟 大会議室(札幌市北区北21条西10丁目)
 会場となる「北海道大学 創成科学研究棟」(札幌市北区北21条西10丁目)は、北大の北の端にあります。理学部からはめちゃめちゃ遠いので、あらかじめウェブでご確認ください。
参加費:無料
参加登録:ご参加をご希望の方は、事前登録をお願いします(先着200名様)。
主催:北海道大学 科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)
後援:北海道大学 創成研究機構
 先着200名で参加希望者の事前登録が必要ですが、「噂」によればまだ空席があるそうですので、明日明後日お時間のあるかたは、こちらからオンラインで申し込みしてどんどんお集まりください。

 明日は午後1時から午後5時35分まで、明後日は午前9時半から午後3時までとなっています。明日は午後6時かな同じ建物内にあるレストランで懇親会(会費4000円)がありますが、明後日の昼食はご持参なさるのがよろしいようです。

 こちらで発表されているプログラムです。
プログラム

2010年1月23日(土)

13:00~13:15 開催にあたって
13:15~13:55 講演 (石村源生 氏)
「科学技術コンテンツを『コミュニケーショ ン生態系』の中に位置づける」
13:55~14:55講演 (Prof. Spencer Davis LLOYD )
"A Framework for Science Communication from a Down Under Perspective" (通訳付)
14:55~15:00休憩
15:00~15:40講演 (小出五郎 氏)
「科学コミュニケーション:送り手のリテラシー、受け手のリテラシー」
15:40~16:00休憩
16:00~16:50パ ネルディスカッション I 
(講演内容をもとに議論)
16:50~16:55休憩
16:55~17:35パ ネルディスカッション II 
(日本の科学技術コミュニケーションのあり方)
   
18:00~20:00懇親会 (参加費4000円)
会場: レストラン・ポプラ (同じ建物内)



2010年1月24日(日)

9:30~10:10 講演 (三上直之 氏)
「CoSTEPでの『対話の場の創造』の実践:科学技術への市民参加に向けて」
10:10~10:20 休憩
10:20~11:20講演 (Prof. Tom WAKEFORD)
"From transmission to co-inquiry: Future trends in science communication from a European perspective" (通訳付)
11:20~12:00講演 (小林傳司 氏)
「科学技術への市民の関与:市民参加・市民 科学の可能性」
12:00~13:00昼食
13:00~13:50パネルディスカッ ション III 
(午前中の講演内容をもとに議論)
13:50~14:00休憩
14:00~14:40パネルディスカッション IV 
(科学技術をめぐる「市民対話」のあり方)
14:40~15:002日間を振り返って
 科学技術のアネクドートさんのところでは、「3大学とも、科学技術振興調整費を受けられるのは2010年3月まで。予算が切れる分野に、人は寄り付かなくなるといわれます。科学技術コミュニケーションとよばれる分野も、蜘蛛の子を散らすように人が離れていくのでしょうか」と書かれていますが、北海道大学では来年度からは大学内の組織としてCoSTEPが継承されることになっています。

 北大がどうして大学としてこの組織を継続することにしたのかについての謎を解くヒントが得られるかもしれません。興味のある方は、北大北キャンパスへ是非ともお越しください。
「日本で、科学技術への市民参加は根づくのか?」という問題提起の答は見出せるでしょうか。

by stochinai | 2010-01-22 16:15 | コミュニケーション | Comments(0)

完全アウェイの合宿

 科学技術研究開発センターRISTEXがサポートする「科学技術と人間」研究総括領域の全体会議の「合宿」で東中野にいます。

 午後1時からの会議に間に合わせるために自宅を出たのが7時15分頃です。自宅のすぐ近くにできた、新千歳空港行きシャトルバスの停留所でバスを待つ、7時30分頃の伏古インターチェンジ周辺の風景です。
完全アウェイの合宿_c0025115_23194030.jpg
 左側にある大きな建物はパチンコ屋さんで、その手前にもやもやとみえるのは、伏古川から立ち上る蒸気です。この後、高速道路でマイナス14℃という数字を見ました。極寒の千歳空港から羽田に着いたらプラス10℃くらいでした。

 生物系の学会や会議なら慣れておりますが、こういう「社会科学系」の会議にゲストとしてではなく参加するのはほぼ初めての体験です。とてもおもしろいのですが、どう考えても私にとってはかなりのアウェイ戦です。楽しみながらも、様子見ということでおとなしく観戦中です。
完全アウェイの合宿_c0025115_2328372.jpg
 ホームゲームと違って、どんなテーマにも必ず「人間」が大きく登場してくるのは慣れないのでとまどう感じもあるのですが、逆に科学技術研究だって人間がやるものですし、その結果が人間に大きな影響を及ぼすということを考えると、きわめて自然な感覚が呼び覚まされる気もします。

 いずれにしても知らない方の多い慣れない場所であるという緊張感を感じながらも、夕食兼懇親会ではお腹いっぱい食べて飲ませていただきました。

 明日は、朝から小さいグループでのワークショップがあるということで、不安半分・期待半分なのですが、いずれにしても自分としては見習い研修生の気分で勉強させてもらうつもりなので、ある意味気分は楽です。

 というわけで東中野の世も更けていくのでした。
完全アウェイの合宿_c0025115_233762.jpg
 西も東もわからない夜景ですね(笑)。
by stochinai | 2009-12-26 23:39 | コミュニケーション | Comments(0)
 先日の事業仕分け中継で一躍有名になった、「そらの」さんは平日オフィスにいるときには自分の日常をそのままUstreamで「ダダ漏れ」しています。

 そらの@日常

 また、仕事(?)として同じアドレスから、いろいろな人へのインタビューをダダ漏れしてくれます。例の事業仕分けや上野の国立科学博物館でのサイエンスフェスタで行われた北海道大学GCOEの連続講演会なども、同じところから配信されました。多くのダダ漏れは「ケツダン ポトフ」というブログサイトで録画が公開されています。



「大学サイエンスフェスタ」の北海道大学連続講演をダダ漏れしました【放送日12月13日】上野の国立科学博物館で10月から行われている「大学サイエンスフェスタ」今回は、このフェスタで行われた北海道大学の連続講演のダダ漏れです。

 ケツダンポトフをごらんになるとおわかりになると思いますが、ここにあるやインタビュー、生中継はすべてがそらのさんが撮影して配信しているもので、たとえ講演会の中継だとしても最初と最後にそらのさんが登場するのが特徴です。また、インタビューも自分がインタビュワーになって登場するものも多いですし、彼女が英語を習ったり、美容院でヘアカットしているところなども配信されています。



 彼女の活動を見ていると、こんなおバカなこともやっていたりするのですが、すべてがノンフィクションの動画で、事業仕分けの中継などはそれ自身がすでに立派なジャーナリズムとして成立していることがわかります。

 今、人気の「ダダ漏れ女子」とは

 つい半年くらい前までは、こんなコスプレをする普通の女子で、おそらく今もそれほど変わってだろうと思うのですが、Ustgream と twitter を組み合わせて彼女が行うダダ漏れは、時折非常に新鮮で重要な「報道」になっていると感じることがあります。

 おそらくポイントは二つあって、そらのさんという icon がダダ漏れを中継していることによる集客力と、同時に彼女の知名度が意外な大物へのインタビューなどを容易にしているということではないかと思われます。

 これは報道およびレポーターの新しい形なのではないかと感じることがあります。(彼女の先輩であるダダ漏れ1号さんは、すでに独立しておられるようです。)

 今までの報道は現場で取材した情報を、記者およびデスクなどの頭を通して取捨選択されたものが届けられてきていました。最近のマスコミ報道に対する不信感を払拭するひとつの方法は、現場からの情報を編集せずに全中継するということなのだと思いますが、送る側も受け取る側も「まさか、それはできないだろう」とあきらめていたところがあるような気がします。

 それが、インターネットの発達によって、新聞記者でもない、いわば素人の女の子ひとりの手によってあっさり乗り越えられてしまったということの意味は小さくないでしょう。

 これならばできる、という人がどんどん増えてくることで同じような「報道」があちこちから発信され、そのすべてがインターネットのどこかに保存されるというような状況がくると、間違いなくニュースのあり方は変わってくると思います。

ksorano はそらのさんの twitter ユーザー名です。
by stochinai | 2009-12-19 16:12 | コミュニケーション | Comments(0)
 昨日の松永和紀ブログで、「新潟地裁で行われていた遺伝子組換えイネ裁判の判決が1日あり、原告側(反対派)の訴えが全面棄却となった」ことを知りました。
農畜産業における遺伝子組み換えは裁判で決着しない_c0025115_19484071.jpg
 (C) photoXpress

 遺伝子組換えイネ裁判棄却

 松永さんは、「裁判が起こされた直後に関係書類を読んで、原告側の荒唐無稽な主張に呆然となった」とおっしゃっていますが、それでも原告側には「研究者」の肩書きを持っておられる方もいらっしゃるようですし、それを「常識の通用しない人」と切り捨てるだけでは、「この問題」は解決しないだろうと思います。

 「この問題」というのは、この裁判で争われている抗菌作用をもつカラシナ由来のディフェンシンというタンパク質の遺伝子を組み込んだイネの栽培を認めるかどうかという個々の具体的事例にとどまらず、遺伝子組み換えをした農作物や畜産物など食品となる生物と我々の社会がどのようにつきあっていくのかという、いわば未来の農畜産業をどうするのかということ全般にわたる大きな問題全体に関わることです。

 もちろん、そうした大きな問題は裁判に馴染みませんので、今回争われたことは非常に限られたことだけのようです。朝日の新潟地方版の記事「GMイネ訴訟 差し止め請求却下」から引用します。
今回の訴訟は、GMイネ体内から抗菌作用を持つたんぱく質(ディフェンシン)が外に出て、耐性菌が出現する危険があるかどうかが争点となった。被告が提供した試料(抗体)を使って第三者鑑定により決着が試みられたが、漏出の確認はできなかった。
 判決は「鑑定はディフェンシンの体外漏出という原告の主張を否定するもの」などとした。
 原告の主張は、遺伝子組み換えイネで作られたディフェンシンが大量に屋外に放出されると、ディフェンシンに対する耐性を持った細菌が出現するので危険であるということを主張したようですが、たとえディフェンシンというもの対する耐性菌が出現しうるということが実験的に証明されていたとしても、今回の事例では普通に栽培されたイネから、本当に屋外で耐性菌を誘発するくらい大量のディフェンシンが放出されるかのか否かという点に争点は絞られるでしょう。そして、第三者が実際に調べた結果ではそれが否定されたので、判決はいわば当然の結論だと私も感じます。

 しかし、これで被告となった北陸研究センターは単純に勝利を喜べるのでしょうか。判決を受けて出された声明には次のようなことが書かれています。
 判決の内容は、遺伝子組換えイネの実験栽培の差止め請求については却下、損害賠償請求については棄却するというもので、当方の主張が認められたものと考えています。
 農研機構では、これまで同様に関係法令を遵守し、かつ生産者、消費者の皆様の理解を得るための努力を積み重ねながら、必要な研究開発を今後も続けていく所存です。
 センターの目標は、裁判に勝つことではなく、生産者、消費者に受け入れられる新しい農作物を作り出していくことです。そういう意味では今回の判決で仕事がしやすくなったと言えるのでしょうか。

 実験作付けを禁止されなかったという意味で研究がしやすくなったと安心しているようでは、問題の本質を見誤っていると思います。遺伝子組み換え作物を開発しても、それが消費者に受け入れられなければ何の意味もありません。たとえ、この先研究を続けていっても、それが商品化される時にまた同じ問題が起こるのではないでしょうか。

 そういう意味で、今やるべきことは裁判所に許可された研究を強行することではなく、裁判を起こした人だけではなく、無言ではありながら「なんとはなしの不安」を持っている大多数の消費者やさらには生産者の方々と一緒に、我々の社会の未来への選択として遺伝子組み換え作物を使うのか使わないのか、もし使うのだったらどういう条件で使っていくのかというコンセンサスを得るための行動が、研究そのものと同じくらいあるいはそれ以上に重要なのではないかと思います。

 裁判を起こした方々が、たとえ少数のエキセントリックな人々だけのように見えても、その陰には同じような不安や疑問を抱えた、たくさんの人がいることを忘れていては、何度も何度も経験してきたはずの、科学技術事案が確実にまた起こることを予言せざるを得ません。

 必要なのは事後の争いではなく、事前の協調なのではないかと思います。
by stochinai | 2009-10-06 20:17 | コミュニケーション | Comments(0)
 9月3日にプレスリリースされましたが、JST (科学技術振興機構) の一部門である RISTEX (社会技術研究開発センター)が公募していた平成21年度における研究開発プロジェクト【科学技術と社会の相互作用】で、農学研究院の飯澤理一郎さんをチームリーダーとするプログラム

「アクターの協働による双方向的リスクコミュニケーションのモデル化研究」

が採択されました。

 エッと思われる方も多いと思いますし、実は私もその一人なのですが(笑)、社会学的研究実績などはほぼ皆無の私がプロジェクト・チーム内「情報発信グループ」のまとめ役をやることになってしまいました。

 このプログラムのタイトルを見て、内容を直感的に理解するのは難しいかもしれません。そこから、すでに「双方向的コミュニケーション」を目指す研究としては問題を抱えていると言われてしまいそうなのですが、まさにその通りというところから出発して、いかにしてそこから抜け出せるかということで研究主体である我々も変わることが試されているプログラムなのだと言えます。

 採択理由などが資料としてウェブで公開されていますので、ご覧いただけると幸いです。我々のプロジェクトの概要を転載しておきます。
 科学技術が高度に発達した今日ほど、研究者と市民、生産者、行政、メディアなどとの間のリスクコミュニケーション、合意形成が重要になっている時はない。しかし、これまでの経緯を顧みた時、一方的な「説得」になっているのではないかとの印象は免れない。本研究では如何にしたら双方向的な、「説得」ではなく各層の「納得」に基づく合意形成が達成されるのかを、BSE全頭検査とGMO問題を事例に検討していきたいと考えている。
 これに対する領域総括者である村上陽一郎さんのコメントもそこにあります。
飯澤氏を代表とする北大チームの提案は、社会的課題に専門家と一般の市民とが協働して取り組むプロジェクトで、すでにある程度の実績の上に立って、新たな規模での展開を目指そうとするもので、今後、こうした取り組みは北海道という地域に根付かせると同時に、他の地域へのグッド・プラクティスとして、適切なモデルを提供することが期待される。
 ここに書かれている「実績」というのは、平成17年度に採択されてすでに終了している「研究者の社会リテラシーと非専門家の科学技術リテラシーの向上」という研究(報告書pdf)のことです。これには私は関わっていなかったのですが、意見を異にする関係者が深い議論を行うことができる対話の場を構築しようとする試みでした。そして、その中で今回の研究を行う前提となる異分野の人間が対話できる「場」となりうるものの基盤が作られていたということが、ある程度の自信を持って今回の研究を提案できる根拠になっていたということだと思います。そして、今回のプロジェクト・チームの中心には過去の研究を中心になって担っていたメンバーがおりますので、私のような「新参者」でも安心して協力させていただきます、と言えたということです。

 最近、さかんに行われるようになった科学技術コミュニケーションやリスクコミュニケーションですが、うまくいったと思われるようなケースにおいても、その多くのもので「合意形成コミュニケーションとして行われたはずのことが、情報を持つ側が持たない側に対し、また権力を持つ側が持たない側に対して、一方的な『説得』的作業を行っていただけなのではないかとの印象」をぬぐえないという現状認識から今回のプロジェクトが出発しています。

 もちろん簡単な作業ではありませんし、たった3年の研究期間内に完全な形で目指している目標が達成されるとも思ってはいませんが、とりあえず「研究者ばかりではなく生協や消費者協会をはじめ女性農業者を含む各種農業者団体や行政、及びメディア等様々な人たちとの具体的行動を伴った協働作業を通して、参加者以外にも本研究への共感のネットワークを広げていく」作業の手始めとして、いつでもどこでも気軽にコミュニケーションのできるリアルおよびバーチャルな場を作ることが私の最初のミッションのひとつだと認識しております。

 というわけで、異分野での研究を始めることになりましたので、本日のこのエントリーを「私の新しい研究開始宣言」とさせていただきたいと思います。

 ネットでお世話になっている皆様方には、これからはそちらの関係でもお知恵の拝借やご協力のお願いをすることになると思いますが、よろしくお願いします。
by stochinai | 2009-09-06 22:28 | コミュニケーション | Comments(0)
 長野県でインフルエンザにかかっていた30代の男性が亡くなったそうです。ご冥福をお祈りします。

 先ほどの夜7時のNHK総合テレビ・ニュースでは、長野県で「若い男性患者」が亡くなった。インフルエンザ関連の死亡としては、「国内5例目」になった、というようなことを伝えた後、最後にこの男性患者には心臓病などの持病があったということが述べられていました。

 ニュースというものの宿命として、まず視聴者の注目を集めるためにキャッチーなリードから始めるということは仕方がないかもしれませんが、それにしても聞いている方としては、ひたすらにこちらの恐怖感をあおってから最後にちょっとだけ、これこれの理由で全員が危機的状況に追い込まれているわけではない、という流れの報道が多いことには飽き飽きしてきています。

 テレビやラジオのような媒体の場合には、もうしようがないのでこちらとしては耳や目をふさいでいれば良いのかもしれませんが、ネットや新聞のような文字媒体でも同じような手法がとられているように思われます。

 このニュース関連の、Googleのニュース検索の結果を見てみます。7時半ころの検索です。
長野の死亡例は5人目 新型インフル、最年少
47NEWS - ‎1 時間前‎

長野で30代男性死亡 新型インフル、国内5人目
中日新聞 - ‎3 時間前‎

新型インフル 県内初死亡者 北信の30代男性
信濃毎日新聞 - ‎4 時間前‎

新型インフル重症男性が死亡=30代肺炎併発、5人目-長野
時事通信 - ‎5 時間前‎

長野で新型インフル患者が死亡 30代男性、糖尿病などの持病
47NEWS - ‎5 時間前‎

新型インフル感染の30歳代男性死亡 長野
朝日新聞 - ‎5 時間前‎

新型インフル、2人目の重症患者 慢性心不全30代男性
信濃毎日新聞 - ‎10 時間前‎
 今日まで、インフルエンザに感染していた方のうち、亡くなったのは高齢で持病をお持ちの方が多かったので、多くの人はそれほど恐怖感を持っていないのだと思いますが、最近の報道では若い人や小児幼児の重症患者を必死で見つけては恐怖をあおるように報道しているように思えていました。

 一番下にある信濃毎日新聞がその傾向を引っぱっており、ことさらに「20日に県内で初めて新型インフルエンザの重症化が確認された千曲市の女性」のことを取り上げた上、今回亡くなった方とその女性には「かかわりがない」ことを敢えて書いてあります。

 多くの方はあまり気にしてもおられないかもしれませんが、インフルエンザの重症例について、今日はあっちで幼い子が、今日はこっちで中年女性が、という感じで報道されています。同じ検索結果から、そういうニュースをピックアップしてみます。
新型インフルエンザ:5歳女児が一時重症 /福島
毎日新聞 - ‎6 時間前‎

新型インフルエンザ:男児が重症化--都内初 /東京
毎日新聞 - ‎8 時間

新型インフル、都内で初の重症患者
読売新聞 - ‎9 時間前‎          (患者は4歳男児)
 こんな感じです。ニュースを受け取る我々としては、インフルエンザにかからないためにはどうしたらよいか、あるいはかかったらどのくらい危険なのか、またどういうふうに対処したらよいのかということを知りたいわけですが、報道する側としては「売り物」としてのニュースがどのくらいの人にショックを与えるかを競っているようにしか思えません。

 最近、twitterをやっていて感じるのですが、ニュースを転載する時にはニュースの見出しをそのまま使うのではなく、実際の内容をさらに的確に表すような見出しを新たに付けたり、適切な場所を抜き出して引用するようにしています。

 そう考えると、ニュースの見出しを作ったり、リードを書いたりしている「デスク」がニュース報道をダメにしているのかもしれないと思えてきます。ニュースを売るのがうまいデスクではなく、受け手側の立場を考えた報道をするデスクに入れ替えるだけでも、ずいぶんと印象が変わってくるのではないでしょうか。

 やってみませんか。新聞・放送局の皆さん。
by stochinai | 2009-08-27 20:01 | コミュニケーション | Comments(3)
 「天使と悪魔」で超有名になったLHCをラップで紹介して一躍有名になった「美人すぎる科学広報ラッパー」Kate McAlpineが今度は、Facility for Rare Isotope Beams (FRIB アメリカエネルギー省の施設で希少アイソトープビームを放射できる)の紹介をしています。

 まずは懐かしい(?もう1年近く前のことになります)LHCの紹介ラップビデオをどうぞ。



 そして、こちらが新しいFRIBの紹介ラップビデオです。



 英語と核物理学の勉強が楽しくできますね。

 情報ソースはこちらです。
by stochinai | 2009-06-13 09:46 | コミュニケーション | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai