5号館を出て

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カテゴリ:教育( 184 )

 札幌市や道内で複数の保育園を経営しているだけではなく、病院や企業内にもたくさんの保育園を運営している地域密着型保育園が開催する合同運動会を見てきました。
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 さすがに参加者が多いということで会場はあの真駒内アイスアリーナです。今の正式名称は「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」ということで、セキスイハイムが命名権を持っているようです。名前のとおり、冬場はスケートリンクとして国際フィギュアスケート大会なども行われるのですが、夏場は室内アスレチック競技場として使われています。1972年の札幌冬季オリンピックのために作られたところですので、竣工からもはや40年以上も経っており、さすがに設備の老朽化を感じさせられました。昔はオリンピックマークがついていたはずですが、と思っているとWikipediaに書いてありました。
2007年 北海道セキスイハイムが命名権を買収し、「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」となる。それに伴い3月下旬、日本オリンピック委員会(JOC)が「商業目的の色合いが濃くなる」と、入口上部に開館以来掲げられ続けてきたシンボルの五輪マークの撤去を命じたため、現在はオリンピックで使用された施設にも関わらず、五輪マークがはずされたままとなっている。
 なるほど、そういうわけだったのですね。オリンピック委員会の商業主義批判はよく聞くところですが、その委員会がこのような硬直した形式主義を強調するというのも皮肉なものです。

 話が横道にそれました。さすがに、ひろい会場ですのでたくさんの参加者と観客にもかかわらず、会場は余裕たっぷりです。
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 それでも、午前の部の最後に父兄も参加した合同演技の時には、アリーナが狭く感じられるほどになりました。
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 感じたのは、保育園では園児の数に比べて、保育士さんの数がたいへんに多いということです。確かに、聞き分けのない小さな子供たちの相手をするには、理想的には園児2-3人に対して保育士さんが1人だと感じられるくらい大変な仕事だと思います。そう考えると、実は保育士さんは全然足りていないのではないかと感じられます。

 共働きの若い両親の子育てを支援する存在として、保育士さんの重要性は大変なものだと思います。たとえ金銭的な支援が得られたとしても、安心して子供を預けられる保育園がなければ、若い両親が社会に出て働いて貢献するということもママなりません。

 もっともっとたくさんの保育士さんが満足できる条件で働ける場を確保することで、若い人達の働く場が確保されるとともに、若い両親の子育ての支援にもなるという一石二鳥になる保育士さんの大量雇用を政策としている政党はあるのでしょうか。

 少子化ということは、子供を持つ親の数が少ないということで、それはとりもなおさず子育て支援が選挙の票につながらないということにもなり、選挙の事しか考えられない政党は頼りにならないということになるのかもしれません。子育ては個々の親の個人的利益につながるというような考えでいる限りこの問題の解決は難しいと思いますが、昔のように「子供は国の宝」あるいは「子供は地球の宝」という考え方が戻ってくることを期待したところです。

 ところで、さすがに若い子供の親御さんの中には、ファッション雑誌から抜けだしてきたようなカッコイイ方があちこちに見出されたことも、本日驚いたことのひとつでした。
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 この方々などは、ほんとうにファッション雑誌から抜けだしてきたような格好と身のこなしでした。

 勉強になりました。
by stochinai | 2011-10-08 22:53 | 教育 | Comments(0)

小山市アゲイン

 振り返ってみると,一昨年の今頃にもここ小山市に来ています。

 今回も同じ目的で,本日小山市入りしました。

 記録的にノロノロと進んでいる台風のせいで,無事に来れるかどうか最後まで予断を許さなかったのですが,結果的には私の移動経路に関する限り,天候にはほとんど問題がありませんでした。

 しかし,全国的に空路が乱れていたせいで,乗るべき飛行機がなかなか千歳にやってこないというトラブルはありました。今回は余裕を持って早めの便を取っていたのですが,予定を2時間遅れて出発ということになり,前回とほとんど同じ7時過ぎに小山着でした。

 2時間遅れて千歳に着いたジェット機です。
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 奇遇なことに,前回小山入りした時と同じくポケモンジェットでした。これが,羽田に着いたところで撮った写真ですが,今までに乗ったことのあるポケモン機とは絵柄がちょっと違う雰囲気です。
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 幸いなことに機体番号を撮影することができました。
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 機体を検索してみると,どうやら新しいポケモン機「ピース★ジェット」というものらしいです。こちらに2ヶ月くらい前に千歳空港で撮影された美しい動画がありました。



 綺麗な映像ですね。

 ANAも悪いと思ったのか,千歳空港で1000円のお食事券が配布されたこともあり,実害もなかったので時間は遅くなりましたが,とりあえず機嫌よく移動できました。
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 7時頃ですが,前回と同じく人影も少なく暗い駅前でしたが,こんな可愛らしいバスも走っていました。
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 暗いので営業していないかと思っていたのですが,駅前のヤマダ電機も営業中で,無事レーザーポインター用の単5電池も買うことが
できました。
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 これで,明日の講義は準備万端?
by stochinai | 2011-09-04 22:37 | 教育 | Comments(0)
 小渕内閣で元文部大臣・科学技術庁長官をやったといいますから、今の文部科学大臣と同じ役職にいたという元東大学長の有馬朗人さんの講演会が今朝の9時から1時間ほど行われました。
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 これだけのビッグ・ネーム(だと私が勝手に思っていただけかもしれません)ですから、マスコミもさぞやたくさん集まるかと思っっていたら、会の関係者以外は誰も来ていなかったようです。14日の朝日新聞ローカル版には写真入りでこの行事のことが取り上げられていましたし、有馬さんの後の鈴木誠さんの講演の時にはNHKのビデオ・ニュースクルー(と言っても二人)がいましたので、札幌のマスコミ関係者が有馬さんの講演の存在を知らなかったはずはなく、要するにニュースバリューがない、あるいはマスコミは有馬さんが嫌いということで「無視」されたのではないかという気がします。

 有馬さんのほうでもマスコミが嫌いらしく、有馬さんの講演の中で子供たちの「学力低下」と「理科離れ」はマスコミが捏造したデマだということをしきりと強調していました。日本の小中学生は理科が好きで、学力は低下していないということを繰り返しながら、彼が音頭をとっていた(?)「ゆとり教育」のせいで、日本の子供の学力が低下したという「神話」をなんとかぶち壊したいという強い熱意を感じさせる講演でした。
リーダーズキャンプ最終日: 有馬元文部大臣の講演_c0025115_18251545.jpg
 それにしてもお若い。80歳とは思えぬ元気さと、口舌の滑らかさ、さらにマスコミや大学教授達をののしる毒舌の鋭さ(汚さ?)は、講談としてはなかなかおもしろいものでした。

 まあ百歩譲って、日本の子供たちの学力が低下していないということに同意したとしても、同じ姿勢で教育を受けてきたはずの高校生や大学生の学力はどんどん低下しており、最悪は日本の大人の学力が極めて低いとおっしゃっていたのですが、それはひょっとするとやっぱり初等中等教育の失敗でもあるのではないか、私は思ったのですが、そういう議論を受け入れてくれそうな雰囲気ではありませんでしたし、それより何より時間がなかったので、有馬さんのご意見は良くわかりましたということで、記憶に留めておくことにしました。
リーダーズキャンプ最終日: 有馬元文部大臣の講演_c0025115_18251280.jpg
 またどなたかの質問に答えて、日本のマスコミはノーベル賞以外の科学関係の賞は全く無視していると喝破していましたが、なるほど有馬さんはノーベル賞以外のたくさんの賞をお取りになっておられるのですね。これはすごいと思いますが、どんな発見・発明をなされたことに対する授賞なのでしょうか。
1978年 仁科記念賞
1987年 フンボルト賞
1990年 フランクリン・インスティテュート・ウエザリル・メダル(アメリカ)、ドイツ連邦共和国功労勲章(大功労従事賞)
1993年 日本学士院賞、ボナー賞(アメリカ物理学会)
1998年 レジオン・ドヌール勲章
2002年 大英帝国勲章(KBE)
2004年 文化功労者、旭日大綬章
2010年 文化勲章

(Wikipediaより) 原子核物理学の権威。原子核構造論などで多大な業績がある。代表的なものに有馬・堀江理論(配位混合の理論)、相互作用するボゾン模型の提唱、クラスター模型への貢献など。
 そういえば、上のスライドの今日話す項目の7番目に唐突に「アイソトープとは」と書いてあるのが気になりました。

 核物理学者でいらっしゃったのですね。その割には、原発事故関係で表に出てこられていなかったように思えますが、こういう講演会をとらえては小さな「核のリスクコミュニケーション」をやっておられるのかもしれません。どちらかというと、原子力発電を今でも推進すべきと考えておられるのかもしれません。

 経歴などを考えてみると、マスコミが有馬さんをシカトしているのは、彼は「引退した政治家」として考えられているからかもしれません。マスコミが好きなのは、政治力のある人でこれからの日本の方向を決めるような景気の良いことをバンバン言って支持を集めるオピニオンリーダーなのだとすると、今や教育の舞台から消えつつある「ゆとり教育」の立役者の一人は、あまり「おいしい」存在ではないのでしょう。さらにまた反原発こそが世界的な「旬の方向性」なのだという流れを演出したいマスコミにとっては、核を夢のエネルギーだと今も信じていいるかもしれないオールド核物理学者でしかもマスコミを敵の如く思っておられる方を取り上げる理由が見つからないというところなのかもしれません。

 マスコミにとっては、このサイエンスリーダーズキャンプも子供たちを理科離れから理科好きへと誘導し、さらには学力低下を食い止め、科学技術立国を目指す新しい教育の胎動としてニュースにしようという意図なのだとしたら、「子供の学力は低下していない。私の主張した『ゆとり教育』は間違ってないなかった」と叫び続ける老兵はご遠慮申し上げたというところでしょうか。

 今度の高校の生物の学習指導要領を作られた方の話が聞けたり、またいろいろな先生達の本音や建前の話を聞けたりと、大学の中ではあまり得られない貴重な経験をさせていただいたという意味では、我々にとっても非常に貴重な経験になったイベントでした。

 関係者の皆さまにはたいへんにお疲れさまでした。お盆はつぶれてしまいましたが、この後少しゆっくりとお休みください。私は明後日から大学院の入試が始まりますので、夏はないものと諦めております。
by stochinai | 2011-08-15 19:13 | 教育 | Comments(0)
 昨日から始まっているイベントなのですが、私は今日から合流しました。

 サイエンス・リーダーズ・キャンプ

 私の理解としては、改訂された学習指導要領で、革命的に変わった必修からの発生学の削除と、進化・生態・系統分類の追加に対応して、高校の先生の戸惑いをなんとかしようということで行われている、教員の再教育プログラムです。

 昨日は、分子細胞生物学を中心に講義と実習が行われたようです。

 今日は、解剖・生態・分類・進化の講義と実習が行われました。参加された高校の先生方のモーティベイションが極めて高いので、今回のイベントの成功は約束されていたようなものではあるのですが、それでも個々の先生と相対してみると、こうしたイベントの有用性は容易に認識できました。

 午後最初の講義で、K原先生によって行われた「動物の多様性を熱く語る」と、
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 その後に引き続いて行われた「動物の多様性を実感する」実習は
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 参加された高校の先生に、大きな感動を与えることができたと感じます。
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 私も実習のお手伝いをしながら、自分の受けた臨海実習を思い出して懐かしかったです。

 例えば、こんなふうに「新種発見」で実験室がざわめき立つのはとても楽しいものです。
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 今回のイベントのすべては記録されているようですので、
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 何か知りたいことがありましたら、お問い合わせいただければお答えできるのではないかと思います。

 明日も早朝から元文部大臣のA馬先生の講演がありますので、今日も早く寝なくては・:::。
by stochinai | 2011-08-14 20:46 | 教育 | Comments(0)
 今日はCoSTEPの開校式です。開講記念に2000年にノーベル化学賞を受賞された白川英樹さんの特別講演があるというので聴かせていただきました。
CoSTEP開校式 白川英樹講演会_c0025115_0413790.jpg
 白川さんを見たのは初めてでしたが、「大科学者」にありがちな傲慢さがみじんもない非常に庶民的な方だと感じられました。逆に、その分「ノーベル賞学者」というオーラや近寄りがたい迫力といったものもなかったということもまた事実ですが、白川さんの話を聞いていて、彼がそうした民衆から遊離した孤高のアカデミズムというものを否定する立場に立っていることを知り、改めて腑に落ちた気にさせられました。

 白川さんのお話自体は、それほど目新しい内容はなかったのですが、ノーベル賞を受賞された「大化学者」であるにもかかわらず、その話が出たのはおそらく1分か2分くらいで、特にそのことを話したいという気持ちはまったくないと感じられたことにも好感が持てました。私の偏見だと思うのですが、ノーベル賞を取られた方にしばしば見られる「行け行けどんどん」風のバブルな雰囲気がないとても誠実な人だと感じられました。

 逆に、白川さんは科学者としての自分が社会に対してうまくコミュニケーションできてこなかったことを反省しておられ、科学者の側から情報発信することによって社会貢献をしたいと真剣に考えられておられるようで、自分自身が科学技術コミュニケーターあるいはインタープリターになろうという決意を持っておられるようでした。

 その思いを実践するために、大学を退職されてから「科学ジャーナリスト塾」に講師としてではなく、一塾生として参加されたという話をうかがって、この方は「信ずるに足る方だ」という思いを強くしました。

 もちろん誠実さだけでは、この虚々実々で魑魅魍魎の跋扈する現実社会の中で勝ち抜いていくことは難しいのですが、やたらと政争や経済学理論ばかりが偉そうに肩で風を切っている昨今の風潮の中で、白川さんのような一直線に実直な姿勢にこちらの目を覚まさせてくれる冷水のような効果を感じたといったらわかっていただけるでしょうか。

 質疑応答の中で出てきた、大学がやるべき大切なことのひとつは文系の学生には自然科学のような理系の「教養」を与え、理系の学生には法律や社会学や文学や芸術などの文系の「教養」を与えることだという言葉は、今の時代ではなかなか受け入れられないだろうとは思いますが、私も強く共感したところです。理系の大学などはみんな6年生にしてしまって、最初の4年は「教養教育」だけでいいと思うというような発言もありました。これは学生にも、将来学生を受け入れる企業にも評判が悪い考えだと思いますし、実現もかなり難しいとは思うのですが、それを実行する大学がいくつかはあっても良いのではないかと思いました。

 科学コミュニケーションというものは、基本的には小さな規模でしか実現できないものだと思います。逆にいうと科学コミュニケーターがとてつもなくたくさん必要になるわけで、白川さんははっきりとはおっしゃらなかったような気もしますが、「大学を出た人間がすべて科学コミュニケーターになれば、世の中はうまく回るようになる」ということを主張したかったのかもしれません。

 大学進学率が50%を越えた我が国ですので、大学を出た人の5人に1人でも科学コミュニケーション能力を身につけた教養人になってくれれば、日本が変わるかもしれないという考えは荒唐無稽なものではないと思います。

 そうであるならば、我々が考えるべきは大学の「一般教育」における科学コミュニケーションリテラシーのカリキュラムであり、さらには高校・中学・小学校教育におけるそれなのかもしれないという気がしてきます。一億、総コミュニケーターの時代を目指せということになるのかもしれません。
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 そうなると、「科学技術コミュニケーター」という特殊な存在は必要なくなってしまいますが、ある意味でそれこそが我々の求めるべき目標だという気もしてきます。

(写真は、市内棒園芸店で見かけた原種に近いと思われるチューリップです。こうやって開くのが原種的な形質なのだそうです。)
by stochinai | 2011-05-07 23:33 | 教育 | Comments(0)
 先端科学移動大学第2日目は市民向け(高校生以上の学生と一般社会人)ということで、昨日とはちょっと趣が違います。開催された場所は釧路市生涯学習センターということで、地図で確認するとホテルからそう遠くはなく、幣舞橋の近くということでわかりやすそうだったので、歩いて行くことにしました。

 橋を越えて会場に近づくと左手におもしろそうな坂があります。
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 それほど長い坂でもなさそうですし、名前に似合わず意外とおしゃれな雰囲気だったので、がんばって登ってみました。(御利益があるとうれしいのですが・・・笑。)

 登り切ってところから坂を見下ろすと何となくフランスっぽくもあります。
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 坂の上には、病院や図書館などとならんで、近代建築的な生涯学習センターがそそり立っていました。
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 あまりにも立派すぎてどこから入ったら良いのかわかりにくくてちょっと困りました。

 開講の挨拶に続いて、第1講目が「人獣共通感染症としてのインフルエンザ」です。
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 私の話題と関係が深そうなので、じっくりと聞かせていただきました。とても勉強になりました。

 前の話を受けながら話したこともあって、話は例によって後半を猛スピードで駆け抜けなければならないというパターンになってしまいましたが、熱心な方が何人も演台のところまで質問に来てくださったので、ちょっと安心。これで、ようやく今回の旅の目的がほぼ達成されたということで、のんびりと帰路につきました。

 釧路空港はさすがに丘珠空港と比べると「大空港」で、羽田行きのこんな立派なジェット機(ダグラスMD-90-30)も飛んでいます。私の乗った機は昨日とおなじSaab340Bのプロペラ機でしたが、天気が良く気流も安定していたので、穏やかな空路でした。

 時間的にも夕日に向かって飛ぶというシチュエーションがなかなかいい感じでした。
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 昨日は雲が多くて下界がほとんど見えなかったのですが、今日は一転よく見えるため、この飛行機が意外と「低空」を飛んでいることがわかりました。この写真でも川が見えています。

 しばらく飛んでいると、雪山の連山が見えてきました。
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 おそらく大雪山連峰だと思われますが、良くわかりません。

 眼下に広がる雄大な雪に見とれていたのですが、あっという間に通り過ぎてしまいました。
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 そうこうしているうちに降下が始まりデジカメ禁止になってしまいました。

 短かったですが、充実した2日間でした。
by stochinai | 2010-11-13 22:48 | 教育 | Comments(2)

今日は中学生

 昨日の小学生とのワークショップに続いて、今日は中学生が4名「総合的な学習(職業体験学習)」ということで研究室を訪問してくれました。写真は、電子顕微鏡を見て感動しているところです。値段の高い機器を見せて、驚かせるというのは手垢の付いた方法とはいえ、簡便なのでついつい多用してしまいがちですが、中学生や高校生は見慣れない機械の精巧なつくりに、正直に感動してくれることが多いようです。
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 朝9時からやってきて、12時までの体験ツアーということだったのですが、残念ながら私は10時から開かれたHUSCAP5周年を記念する講演会に行かなければならないため、短いインタビューを受けたあと、逃げるように学術交流会館に向かいました。

 参考のために、インタビューの質問は、①研究者になるためにはどのようなことが大切ですか。②生物を研究するのにどのような設備がありますか。③どうやったら研究者になれますか。④ここにはどんな動物がいますか。⑤どうやったら動物をうまく飼うことができますか、などなど大学生や大学院生にも聞かせてやりたいことをドンドン聞かれました。

 ところで、中学生の4人は全員が2年生だったのですが、何から何まで「かわいい」ということで、卒研生・大学院生達は大いに楽しんでいたようです。実質的に受け入れのために働いてくれる、学生に受けが良いということは、来年以降も歓迎されるということですので、ご遠慮なく「職業体験」にいらしてください。

 という訳で、ここからはHUSCAP講演会の会場にいた私です。余談ですが、HUSCAPでは先日ノーベル賞の受賞対象になった鈴木さんたちの論文の公開が始まったとたんにアクセスが殺到しているようで、現在もアクセス不能状態に陥っているようです。要するに落ちてますね。小さなサーバーで運用しているとこういう時に対処できなくなるという宿命があるものですが、まあうれしい悲鳴ということで笑って許していただければ幸いです。

 学術交流会館で開かれた講演会は、学外からのお客さんも含めてそこそこの人数がいたようで、和やかに祝賀講演会が進みましたが、明治大学のアンドリュー・アダムスさんの講演はなかなか過激でおもしろかったです。いわく「学術出版社は寄生虫である」「自分の論文なら、著作権のことなど気にすることなくどんどん公開しても絶対に訴えられることはない」などなど、はらはらしながらも楽しい講演でした。

 そのあと、アンドリューさんを交えてエンレイソウでひさびさの「英語ランチ」。カレーを頼んだ人が多かったですが、私はハンバーグのBランチを食べました。

 というわけで、昨日・今日と目の回るような2日間でしたが、明日も講義があるためまだ今週を終わりにするわけにはいきません。とは言え、なんとなく脱力しているうちに、雲がほとんどない西の空から太陽が山に沈んでいくところに気がつきました。今日の札幌の日没は4時44分、そして日の出はなんと5時55分というぞろ目の1日だったようです。
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 太陽が隠れる直前に、カラスと太陽のツー・ショットです。

 明日の朝は、ひさびさにちょっとはゆっくりできるかな?
by stochinai | 2010-10-21 20:22 | 教育 | Comments(0)
 今朝の朝日新聞「私の視点」に、大阪大学の成田一さんという方の「英語の社内公用語 思考及ばず、情報格差も」という投稿が載っていました。最近は日本国内など日本人が多いところでの会議などを英語で行うことが、国際化という見地から先進的であるかのようにもてはやされる傾向にあるようですが、それは決して良いことではないという意見が載っていました。
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     (本文には著作権保護のためにモザイクをかけてあります。)
 人間の思考は脳の「作業記憶」における活動だが、作業記憶にはリアルタイムの処理の時間と容量に制約がある。日本人は英語の聴取・理解と発話構成に手間を取られ、論点を分析し対案を提示する「思考」に作業記憶を回せなくなるため、思考に専念できるネーティブ主導の討議になる危険性が高いのだ。

 「情報共有」の問題も重要だ。母語なら討議内容を深められるが、日本の会社で外国語を公用語にすると、多くの社員の間で「情報が正確に共有できない」恐れがある。「TOEIC」のスコア600~700点前後を昇進・昇格の要件にしている企業も多いが、現実には800点ないと実務的な討議はできないとされる。韓国企業は900点前後だ。450点未満の社員も少なくない事情を考慮しない社長の思いだけが選考して、社内で自由闊達な議論がなくなり、情報の格差・歪曲が起こらないかと気がかりだ。
 論者はこの「企業の勘違い」が、文科省の教育行政の誤りに由来していると推論していいます。きちんとした議論を経ずに文科省が「暴走」した結果行われた「オーラルコミュニケーション偏重の学習指導要領の下で3年間学習した最初の高校生がセンター試験を受験した97年には、成績が偏差値換算で10点急落し、中学生も高校入学時の成績が95年から11年間で7点低下した、との研究報告もある」そうで、英語さえ話せるようになれば国際化が実現できて、学生の「英語力」が上がるというのは文科省の「妄想」に過ぎなかったことが証明されつつあるのが現実だと思います。

 そうした結果がすでに出ている中で、一部企業が「国際化」の名の下に英語を社内公用語にしようとしているので、おそらく失敗するとは思いますが、それは一企業として責任をとればすむことです。

 ところが、文科省の指導下にある全国の大学でも、国際化の名の下に英語を「公用語」として、日本語がまったくできなくても、英語だけですべての大学の授業が履修でき、大学院も卒業できて博士も取れるようにしようという動きが着々と進行しています。主な目的は、アジア各国からの留学生を受け入れて日本の大学・大学院卒の肩書きを与えようということだとは思いますが、文科省は英語だけで大学・大学院を卒業するコースを卒業したら、たとえ日本人であっても「国際化した」卒業生ができるというふうに妄想しているのだと思っている節があります。

 そして、現実に国立大学法人を中心として全国の大学で英語の授業が続々と準備されつつあるのです。

 しかし、中にいる人間の一人として暴露させていただきますが、今の日本の大学の先生で、「英語で英語以外の授業」ができる方は数えるほどしかいらしゃらないと思います。私も、もちろんできません。(たとえば、英語圏の英米の学生に対して、英語で授業をすることを考えてみてください。)

 授業というのは、教科書に書いていることを読んで聞かせれば済むわけではなく、脳でリアルタイムの処理をしながら、論点を構築し論理的に提示する作業を行いながら日本語で発話して行うものです。もちろん、生物学をはじめ、自然科学のおおもとの教科書のほとんどは英語で書かれたものですから、それを英語の論理構成のまま提示することはできるのですが、英語の教科書に書かれている内容を「自分の論理」へとかみ砕き、学生に伝えることをリアルタイムで行うことは、それほど容易なことではありません。(日本語でさえ、容易ではないのです。)

 さらに大きな問題は、授業を受ける学生が英語の論理で展開される学問を的確に受け入れる力があるかどうかということと、それができているかどうかを教える我々が的確に把握できるかどうかという二重苦があることです。これは、日本語で講義をする際にも言えることなのですが、それすら十分にできない「教員」が多い大学で、さらに英語でそれができはずだと考えている文科省の方々は、大学の実態をあまりにも知らなさすぎる(あるいは知らないふりをしている)と言わざるを得ません。

 というわけで、日本人の「英語コンプレックス」が裏返しになって、英語さえできれば国際化できるのだという「妄想」へと展開した結果が、最近の「英語公用語化」のブームだと感じます。こうしたブームは戦後何度か訪れては消えたものだと思いますので、今回も数年経てば文科省の政策失敗とともに挫折してしまうことは想像できるのですが、その過程で多くの学生と教員が犠牲となってしまうことは避けられるのであれば、ブームに乗ること自体を避けたほうが良いだろうと思い、この文を書いております。

 国際化というのは英語を操ることではなく、外国の文化を理解し、異文化の方々とうまくつきあえるようになることだと思います。

 学問を含め外国の文化を理解するために、その国の言葉を自由に操れるようになることは悪いことではありませんが、全員が強制的に身につけるべき「公用語」とする必然性はまったくないはずです。さらに、世界には無数の言語があるはずなのに、国際化と称してたった数カ国でしか使われていない「英語」を公用語とするということは、国際化という観点から見ると大いなる矛盾であるということは、子どもにでもわかる論理ではないのでしょうか。

 英語を学ぶことは良いことですが、立派な言語を持っている日本の国民全員が英語だけを公用語として学ぶことは決して良いことではないと思います。

 経済用語としてもっとも通じやすいものが英語ということであるならば、もっと「功利的」に利用すればすむことではないかと思います。
by stochinai | 2010-09-18 23:25 | 教育 | Comments(2)

梅田なう

 台風が本州を横断すると騒がれている中、札幌から大阪へ飛んでくるのは正直若干の不安はあったのですが、千歳は秋晴れ、途中の上空もほとんど気流の乱れもなく、関西までやってきました。
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 降下を開始したあたりには、台風の忘れものと思われるような雲もありましたが、スムーズに関空に着陸できました。

 こちらは関空のバス乗り場付近、さすがに国際空港です。
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 連絡良くバスにのり、いざ本土へ。
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 波も静かで、まったく台風の影響は感じられません。

 GPSで自分の移動経路を確認したものです。
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 ほぼ1時間で、阪急梅田駅に到着しました。
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 見上げると、こんな大観覧車があるところなどは、さすがにカオスの街大阪。
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 なんとも言えぬ底力を感じます。

 というわけで、明日が本番です。
by stochinai | 2010-09-08 22:56 | 教育 | Comments(0)

Moodleを使ってみた

 講義にはパワーポイントを使っています。私の講義はスライドの枚数も多く、普通の90分の講義ならば100数10枚は普通です。また、画像も多いのでファイルの大きさもすぐに10Mなどは越えてしまい、場合によっては20-30Mになってしまうことも珍しくありません。

 パワーポイントの講義の場合、講義資料としてスライドの画面を印刷したものを渡している先生が多いようですが、枚数が多くなって方法としては安易な割にはコピーや配布の手間が大変ですし、そもそもスライドに資料としての価値があるのかどうかが疑問にも思われる上、受け取ってもほとんど利用していない学生も結構いるような気がするので、私はスライドの印刷・配布は基本的には行いません。それでも、学生からは「復習をしたいので、スライドファイルをもらいたい」という希望がでることがありますので、最近はできるだけオンラインで学生がスライドにアクセスできるようにしています。

 それでも、数10メガのファイルをアップロードやダウンロードできるようにするのは、普通のホームページでは大変で、しかも最近はセキュリティや著作権の問題(教室内で教育目的に使う場合には、著作権関係の問題はかなり免責されます)があるので、ルーズな公開はできなくなってきています。

 というわけで、使いやすくセキュリティがしっかりした教育目的のサイトがないかと思っていたら、Moodleというオープンソースのソフトウェアがあることを知りました。

 Moodleとは
Moodleはインターネット上で授業用のWebページを作るためのソフトです。教育学でいう社会的構築主義の考え方に基づいて作られており,日々改良が行われています。
Moodleはオープンソースソフトで,GNU General Public Licenseに基づいて自由に配布されます。簡単にいうと,Moodleは著作権で保護されていますが,利用者にはさらに自由が与えられています。Moodleはコピー・利用・修正してかまいませんが,条件として,ソースコードを公開し,元のライセンスや著作権表示を修正したり削除したりせず,同じライセンスをMoodleから派生したソフトにも与えなければなりません。詳しくはライセンスをお読みください。もし質問があれば著作権者に直接問い合わせてください。
MoodleはPHPの動作するどんなコンピュータでも動作し,たくさんのデータベースをサポートします(特にMySQL)。
Moodleという語は元々はModular Object-Oriented Dynamic Learning Environmentの略称でした(プログラマ,教育理論屋向け)。また,動詞としての語moodleは,ものぐさに徘徊する,思いついたことをするといった意味を持ちます。このような楽しみながらの作業がしばしば洞察や創造に結びつくのです。このことはMoodleが開発された経緯と,学生・教師がオンラインコースで学ぶ・教えることの両方について言えることです。Moodleを使う人がMoodlerです。
さあ,ご一緒にmoodleしましょう!
 Moodleの標準パッケージはフリーで配布されており、Linuxサーバーがあればすぐにインストールできますし、Mac OS X や Windows マシンにもサーバーをインストールできるようです。

 しかし、長年サーバー管理で泣かされた経験をもつものとしては、もうサーバー管理はやりたくないと思っていますので、いろいろと調べていると、なんと北大でもMoodleサーバーを運用していることがわかり、早速利用させていただくことにしました。

 北海道大学 Moodle

 前期の3年生向けの講義と、8月初めに行ったK大学の特別講義に使ってみました。いろいろと高度なこともできるらしいのですが、まだまだわからないことが多いので、とりあえず講義に使ったスライドと配付資料、ミニテストの問題などを配付することにしました。

 学生にはあらかじめパスワードを配布しておき、Moodleに参加登録をしてもらいます。登録した学生については、管理者としてこちらから登録状況だけではなく、どんなファイルをダウンロードしたのかなども確認することもできますので、家庭学習の状況もある程度把握できるという優れものです。

 もちろん、自主的な活動なので、登録するかしないかは本人の自由意志なのですが、いずれの講義でも学生の8割くらいが登録して、ファイルの閲覧(ダウンロード)をしてくれていることがわかり、学生が意外に復習をしていることがわかって、ちょっとうれしくなったりもしました。(もちろん復習の主な理由は、課題のレポートを書くという目的のためなのですが、それでも講義を振り返ってくれたということは、講義をしたものとしては悪くない気分です。)

 というわけで、現時点でもかなり有益なシステムだと思ったのですが、さらにいろいろな使い方ができるようなので、今後少し勉強してみようと思い、Moodleコミュニティにも参加してみました。
Moodleを使ってみた_c0025115_22442556.jpg
 e-ラーニングなどを本格的にやろうとすると、かなり大変そうでとても1人でできるものではないと敬遠しておりましたが、まずはMoodleあたりからe-ラーニング入門というところかな、と感じております。

 とりあえず、北大でMoodleのサービスを立ち上げていてくださったスタッフの方々の先見性とそのご努力に感謝しつつ、今回はそれが大いに役に立ったというご報告としてもこの記事を残しておきたいと思います。

 ありがとうございました。
by stochinai | 2010-09-03 22:51 | 教育 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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