5号館を出て

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 マスターカードの会員情報が約4000万枚分流出した事件との関係で<カード情報流出>日本でも不正利用判明 さらに被害拡大か(毎日)ということになってきました。

 昨日から日本信販カードの情報が漏れているらしいということは報道されていましたが、それを飛び越してUFJの会員情報を使っての不正が確認されたということです。他にDCカード、OMCカード、イオンカード、UCカードにセントラルファイナンスの情報も漏れている可能性があるそうで、便利なはずのカードの連携が逆に被害を大きくすることになっています。

 私もあわてて自分のカードを調べて見ましたが、連携カードはVISAとJCBのものでした。とは言え、そちらが安全であるという根拠もまったくありません。案の定、その後のニュースでビザカードの情報も約2400万枚分が流出したと伝えられ始めました

 今回のニュースでもっとも不満なのは、不正使用の手口がまったく報道されていないことです。類似の犯行が起こることを警戒しているのか、あるいは犯人を特定することの障害になるのを恐れての報道自粛なのかもしれませんが、これだけ広くカードが利用される社会になったのですから、報道することにはそうしたデメリットよりは利用者を保護するというメリットの方が大きいと思いますので、一般論としてでも結構ですからどのようなしくみで不正利用ができるのかを解説した報道を求めたいと思います。

 我々も日常的に行っているネット上でのクレジット決済には、少額の場合には名前とカード番号それに有効期限を打ち込むだけでできてしまうものも多いですが、犯人(達)がそんなせこいことをやっているとは思えません。それに、商品を届けるということになると身元がばれる畏れもでてきます。ということは、やはりどこかに架空口座を作って振り込むというような手口を使っているような気がしますが、その場合でも口座の持ち主を見つけることは可能だと思われます。

 となると、国際法のおよばない国への送金を含めた手口も考えられます。そうなると背後には巨大な組織がいる可能性も出てくるのでしょうか。

 いずれにせよ、どんな方法で不正をしているのか知ることで、どうしたらそれを防ぐことができるのかの対策が立てられると思います。

 今回の事件は、個人レベルでは防ぎようもないことであるようですし、個人に被害が及んでも申し出れば補填してくれるような気配ですので、あまり深刻に考えている人は多くないようですが、そもそも個人が承諾しなくてもお金が動かせてしまうということ自体がカードの機能として間違っているような気がするのですが、どうでしょう。

(午後5時過ぎに改訂)

 追記:読売オンラインによると、国内カード会社の被害状況はどんどん広がり、三井住友カード、三洋信販系ポケットカード、ジャックスカードなどが追加されています。

 VISAに続いて、アメリカン・エキスプレス・インターナショナルも日本国内での情報流出の可能性を調査開始したようです。

 ようやく不正利用の手口も報道され始めました。UFJカードによると「流出した情報を使って、米国を含む海外で不正に商品が購入されていた」例があったようです。これだと「米国で流出した情報をもとに偽造カードがつくられた可能性」がありますが、逆にいうとそれほど大きな被害にはならないと思われます。

 もしも、こんなせこい手で65000件も不正を働くとしたら、手間がかかりすぎのような気がします。絶対に、別の手でもやっているでしょう。

 追記2 (21日7時過ぎ):NHKの7時のニュースを見て納得しました。カードの情報がインターネットを通じて売買されていたということです。それならば、それを買った人が数万円から数十万円というせこい詐欺を働いても不思議はないですし、日本を始め世界中のあちこちで小さな被害が出ていることも良くわかります。

 ニュースによると販売額は1枚42ドルなのだだそうで、5000円くらい払ってもカードが向こうにされる前にざざざっと使ってしまえば十分にもうけられるというわけです。

 しかし、こういう犯罪はもとの組織も小さいでしょうし、末端の犯罪者ともとの組織に直接の関係がないことが多いでしょうから、摘発も不可能に近いのではないかと思います。

 やっぱり、クレジットカードそのものを考え直す段階に来ているのかもしれません。

 
 
by stochinai | 2005-06-20 14:11 | つぶやき | Comments(4)

活字離れなんてウソです

 活字離れという言葉は、本が売れなくなったという意味で使われているのだと思います。

 本が売れなくなったのは事実かもしれませんが、新しく出版されている本の数は減っていないどころかどんどん増えていると聞きました(これについては、後で調べてみます)。

 それだけたくさん出すということは、それなりに売れるから出すはずです。爆発的に売れる本が出なくなったら活字離れなのでしょうか。

 コンピューター時代になって印刷技術の革新により、活字というものが印刷業界で使われなくなってからしばらく経っています。つまり、言葉通りに使うとすると活字離れしたのは、読者ではなく印刷・出版する側のほうです。

 「活字離れ」という言葉を聞くと、いつもこういう難癖をつけたくなる気分になります。

 利用者側から言わせていただくと、活字であろうが手書き文字であろうが文字による情報伝達手段とそれ以外という分け方はあり得ても、活字かどうかなどということに本質的意味はありません。

 そういう意味では、メールやインターネットが全盛の今は、文字文化が花盛りであると考えることもできるわけで、「活字離れ」どころか「活字依存症」の時代でもあると言っても良いのかもしれません。

 ネットを通じて流れているフォントの数を調べることは可能だと思います。もちろん、決して読まれることのないスパムも多いですが、ともかくも読まれることを前提に流れているフォントのバイト数をカウントしてみると、現代がおそらくかつてないほどの文字文化時代にあることは比較的簡単に証明できるのではないでしょうか。

 一方で、本の時代に比べると文字情報を売って金儲けすることが難しくなっているのは事実かもしれません。しかし、文字情報の伝達方法が印刷媒体から電子媒体に変わってしまったにもかかわらず、本の時代と同じように課金できると思っている方がおかしいのです。

 活字離れは起こっていないということを認め、印刷物(本や新聞)の形でお金を稼ぐことができる時代が終わったことを認めること、その上で新しい商売を考えるのは良いと思いますが、時代に流れを止めて法律などで旧来の金の稼ぎ方を守ろうなどということはやめておいた方が、絶対にによろしいと思います。

 FIFTH EDITIONさんのおっしゃるように
デジタル化できる情報は、全てネットで共有してしまったほうがいい。
我々のような出版に関わる人間にとって、
重要なのは、そういった流れの上で、
自分達の十分な取り分を確保することであり、
ネットによってもたらされた知識の共有を阻害することではない。

 を前提に、どうやって「取り分」を確保するかを考えることこそが求められているのだと思います。
by stochinai | 2005-06-19 23:36 | つぶやき | Comments(13)
 九州大学の理系学部の男性助教授だそうですが、私も理系学部の男性助教授です。

 理不尽説教で戒告処分(毎日)という記事ですが、私の知る限りこのくらいの先生ならどこの大学にも数人ずつはいらっしゃいます。大学に限らず、公私の職場や家庭にも良くおられると思います。

 記事を読んでの率直な感想ですが、「研究発表会の場で数人の大学院生を激しく批判したり、研究内容について1時間以上も詰問していた」ということだけだと難しいのではないかと思います。というか、私も研究上の議論なら(大学院生相手に、大人げなく)激しくしてしまうこともありますし、研究内容について詰問をしたりすることもありました。最近は体力がなくなってきたので、あまりやりません。こちらも疲れるので1時間以上もやることはあまりないでしょうが、研究や教育のことに関しては実はきちんとした先生ほど厳しく長時間相手をしてくれるのではないかという気もします。

 ですので一般的に批判とか詰問とか言われても、白からグレー、黒までいろいろなケースがあるのできちんと調べないと本当のところを知ることはなかなか難しいと思います。

 「酒の席でしばしば説教が激しくなり、大声をあげる」という人はまだまだたくさんいますね。酒のないところでもしばしば説教が激しくなり、大声を上げるという人も、ままいます。

 「大学院生が研究室に姿を見せなくなり、やがて退学する」というケースは調べていただけばわかりますが、どこの大学院でもごく日常的に起こっていることであり、ところによっては数パーセントから1割に上っているところもあるはずです。ただし、それが指導教員のせいでそうなっているのはそのうちの何割かだと思います。

 昨日のエントリーにあったNPOや各大学のハラスメント対策室が機能して、このような処分がおこなわれたのだとしたら良いことだとは思いますが、本当はこのようなことが起こることを未然に阻止していかなければ、被害に遭ってしまった学生は救われません。

 何度も書いていることですが、大学だけではなくこの社会には変な人間がたくさんいます。できれば研究室を選ぶ前に、教員の人間性のところまでも調べることで少しはこのような不幸が起こる確率を減らすことができると思いますので、学生の方々にも事前にできる限りの研究室の裏側に至るまでの調査をお願いしたいものだと思います。

 また本学にはありませんが、大学や大学院では匿名で告発できるシステムと、匿名告発に対してもきちんと調査して対応する姿勢を持って欲しいと思います。もちろん、告発された教員にも十分な弁明のチャンスを与えて欲しいということは、言うまでもありません。

 大学というのは、いちおう日本の頭脳が集まっているところなのですから、率先して社会に対して見本となるようなシステムを作っていかないと、情けないです。
by stochinai | 2005-06-18 17:42 | 大学・高等教育 | Comments(4)

復活

 メンテナンス「終了」後も、昨日は私のサイトの画像は表示されませんでした。今朝になってみると、復活しているようです。徹夜で作業をしてくださった、メンテナンス部隊の方々には、心からお礼を申し上げます。まだ、復活していないところや、個人的事情(ウイルスやファイアウォール、あるいはキャッシュ)の問題で、見かけ上復活できていないところもあるようですが、個人的には着々と進行している感じを受けます。

 ただし、やはりエキサイトから事情説明が足りなすぎると思います。

 今からでも遅くはありません。社長自らのお詫びなどではなく、実務部隊からのテクニカルな事情説明をしてください。

 なぜ、メンテナンスの時間が予想よりかかってしまったのか、なぜ画像が見えない事故や、ログインできなくなったり、コメントやトラックバックができなくなってしまったのか、などなどそれぞれ該当するユーザーにとってはとても不安になったりしていると思います。

 無料のサイトなのだから、説明責任はないなどと思ったらメディアプロバイダとしての自殺行為だと思います。

 無料だからこそ信頼関係が命です。

 よろしくお願いいたします。
by stochinai | 2005-06-18 13:48 | つぶやき | Comments(1)

イチョウ並木と飛行船

 5月24日と比べると、すっかり緑が濃くなったことがわかります。
イチョウ並木と飛行船_c0025115_13302635.jpg

 空を見上げると、なんと飛行船が!
イチョウ並木と飛行船_c0025115_13323828.jpg

by stochinai | 2005-06-18 13:33 | 大学・高等教育 | Comments(0)

土地と息子

 土地と息子は遊ばせておいてはいけないんだそうです。娘はいいんでしょうか?
土地と息子_c0025115_13251588.jpg

by stochinai | 2005-06-18 13:25 | つぶやき | Comments(1)

病院は危険

 院内感染により患者さん4人がC型肝炎になった可能性があると札幌医大病院が発表(共同)しました。

 病院というのは、もともと病気の患者さんの多いところですから、伝染性の感染症に関していえばもっとも危険性の高い地帯です。もちろん、医師や看護士など病気に関するスペシャリストもいますから、危険地帯でありながら、感染の拡大は通常抑え込まれています。

 しかし、プロといえども人間ですので、スキもあればミスも必ず起こりますので、時として院内感染が広がることがあります。そうした場合に事故を隠すのではなく、速やかに発表するとともに対策を取ることが、被害を最小限に留めておくことと、社会的信頼性の獲得に大いに役立ちます。

 C型肝炎は血液を介して感染すると考えられています。今回のウイルスに関しても遺伝子解析をすることで、同じウイルスに感染したのか、それとも別のルートでの感染がたまたま同時に起こったのかということを信頼性高く判断することができます。

 遺伝子解析は今やいろいろなところでできますし、もちろん札幌医大でもできるのですが、その解析を「外部機関に依頼した」というところも、正しい対応と言えます。内部で解析して、「それぞれのウイルスが別々の感染経路でもたらされたものである可能性が高く、いわゆる院内感染としての病院側の責任は大きくない」などという結論を出しても全然説得力がありませんが、外部機関が同じ結論を出してくれたなら、比較的容易に信頼されると思います。

 さらに、院内感染防止委員会の下に、外部委員を加えた調査委員会を設置するという対応も好感を持たれるでしょう。

 横田めぐみさんのDNA鑑定の時や、JR西日本の事故の時にも、こうした冷静で客観的な対応が速やかに取られたならば、その後の展開はずいぶん違ったものになったような気がします。

 院内感染は不幸な事件ですが、札幌医大の対応には共感が持てました。
by stochinai | 2005-06-17 23:07 | 生物学 | Comments(0)

反アカハラNPO

 大学教員の日常・非日常さんのところで知りましたが、アカデミック・ハラスメントをなくすネットワークというNPOがあるのだそうです。

 権威を大切にする学問を扱う大学というところは、存在そのものがアカハラであると言っても良いところがありますが、研究室などでいろいろと困ったことになっている人も多いと思います。

 だからといって、このネットワークに泣きついて事が解決するかというと、そう簡単にいかないからこそ悲劇が絶えないのでしょう。

 とりあえず、困った時にはこのネットワークのリンク集が参考になるかもしれません。

 また、このリンク集の最後を見ると、驚くほど多くの大学が研究・教育機関によるハラスメント防止対策宣言、ガイドラインや規定を持っていることがわかりますが、逆にいうと全国各地の大学にこんな立派なものがありながら、それが全然有効に働いていないということも推測されるというところが悲しい皮肉になっています。
by stochinai | 2005-06-17 19:51 | 大学・高等教育 | Comments(0)
 6月に入ってから北大から不正アクセスがあったため、北大内からgooブログへのアクセスが禁止されていました。それと、今日の午前1時から午後5時までexciteブログがメンテナンス中ということでアクセスできません。

 私の場合、グーとエキサイトがないと読むべきところが半減してしまいます。もちろん、書くところはなくなってしまいます(涙)。

 そうこうしているうちに、なんとDoblogまでもがメンテナンスに入りました。Doblogが復活しても、gooへのアクセス禁止とexciteブログのメンテナンスが終わりません。困った。

 ブログがしばしばアクセス禁止になったり、昼間のゴールデンアワーにメンテナンスに入ったり、いきなりシステムがダウンしたりするということがしばしば起こると、このメディアの信頼性がとても不安になります。

 すごい勢いでブログサイトが増えているということと関係があるのかもしれません。無料のサービスに過大な期待をするほうが無理という声があるのはわかりますが、多くの人に日常的に利用されるようになっているサービスが不定期にダウンするようだと利用者も離れていきます。

 利用者離れというとinfoseekニュースに興味深い記事がありました。

 危ない航空会社ランク…3千人がANAに流れた!? (夕刊フジ)

 記事によると、昨日のタイヤ離脱事故もあって「国内線の利用客のうち1日に約3000人の客が日航から全日空へ流れているという」と書いてありました。まあ、この文自体が例によって「関係者によると」で始まるソース不明の怪しげなものではありますが、今の状況下で読まされるとあっさりと受け入れてしまいがちになります。

 その記事の中に興味深いデータが載っています。米国の任意団体エアセーフがまとめた航空会社別の事故死亡率データだそうです。事故死亡率とは、過去に起きた事故の死亡者の数を、機体の定員と飛行機便数をかけ合わせた数で割った比率だそうで1%を越えるとかなり危険な感じを受けます。

 その中で、全日空は0.22%なのに対して日航は1.36%です。エアドゥなどは運行時間が短いのでもちろん0.00%なのですが、世界的に見ると0.00%の会社が意外にあるのに驚きました。

 カンタス…0.00%
 フィンランド航空…0.00%
 オーストリア航空…0.00%
 ヴァージン・アトランティック…0.00%

 どれもけっこう老舗の航空会社です。やればできるものなのだと思わされます。原典には非常にたくさん載っていますが、日本関係でもこんなにあります。世界中だと何百もありそうです。

 Air Do (1998)
 JAL Express* (1998)
 JALways* (1991)
 Japan Air System Japan Asia Airways (1975)
 Japan TransOcean Air Jet Airways (1993)
 Skymark Airlines (1998)

 *がついているのは、親会社が事故を起こしているところだそうです。

 機種別のデータもあるのですが、ボーイング777やエアバスA330など4機種では、今のところ死亡事故はゼロだそうです。

 それに対して、ひどい方もたくさんあります。2%を越える会社には乗らない方が良いのではないかと思ってしまいます。

 ガルーダ・インドネシア…2.44%
 フィリピン航空…2.47%
 インディアン(インド)…3.53%
 パキスタン国際…3.84%
 エアインディア…4.89%
 中華(台湾)…7.16%
 トルコ航空…6.83%

 日航は1.36%ですから微妙なところです。あと1回でも死亡事故を起こしたら、こちらの仲間に入ってしまいます。有名会社のデータも見ておきましょう。

 ルフトハンザ…0.19%
 ブリティッシュ・エアウェイズ…0.22%
 エール・フランス…0.55%
 アリタリア・イタリア…0.73%
 KLM…0.81%
 コンチネンタル…0.18%
 ノースウエスト…0.28%
 ユナイテッド…0.35%
 アメリカン…0.51%

 やっぱり日航の1.36%は異常に高い気がします。これ以上、数値を上げることがないように日本全体で叱咤と激励とサポートをしてあげるべきではないかと思います。叱咤だけではダメだというのは、ここ数ヶ月のことで明らかになっていますので。

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 16日深夜になってもエキサイトは復旧しません。こんな状況のようです。大丈夫か、エキサイト。

【お詫び】

いつもエキサイトブログをご利用いただき、誠にありがとうございます。

サーバーの大幅増強のため、2005年6月16日1:00からサービスの停止をさせていただいておりますが、当初のメンテナンス完了時間を大幅にオーバーしてしまい、ご利用のみなさまには大変ご迷惑をおかけしております。
サービス停止時間を延長せざるを得なくなった理由は以下のとおりです。

・大量の画像データをさらに大規模なサーバーへ移行する作業を行なっておりますが、その処理に当初の予想を超える時間を要しております。
・画像サーバーのセットアップの際に、予期せぬ不具合が発生しており、その原因究明に時間を要しております。

なお、ご利用のみなさまのデータは完全に守られておりますのでご安心ください。
ご迷惑、ご心配をおかけしてたいへん申しわけありません。
早期のサービス再開を目指し、スタッフ一同を全力で作業にあたっております。
みなさまのご理解をよろしくお願いいたします。

(17日朝投稿)
by stochinai | 2005-06-16 23:59 | つぶやき | Comments(0)

論文博士の廃止

 今日行く審議会さんが、何度も議論されているし、ここでも何度も議論になりましたが、中央教育審議会が最終的に論文博士の廃止を答申しました。

参考
 論文博士の廃止について
 論文博士の廃止について<続>
 また中教審
 また中教審2:博士課程への囲い込み
 論文博士の廃止について<続> from 今日行く審議会

 まあ、我々がブログで何をほざこうが中教審には届かないというのはわかるような気がします。また、たとえ届いたとしても、その意見は採用できないということになることも十分あり得るでしょう。

 今日行く審議会さんが言うように、論文博士だけではなく日本の博士号が国際的に信用されていないという中教審の認識がいったいどこから来たのか資料を見せてもらいたいと思います。

 100歩譲ってそれが事実だとしても、それが論文博士のことではなく普通の博士のことも含めているのですから、論文博士の廃止は論理的に整合しません。

 また、国際的に通用しない博士を作ってきた大学・文部省・文科省の責任は問わないまま先へ進んで良いのでしょうか。

 そもそも博士号の取得方法の国際基準ってどこにあるのでしょうか。アメリカの基準を国際基準と呼んでいるのではないでしょうね。

 文科省は「現在、論文博士を目指している人を切り捨てるわけではない。社会人などが何らかの形で大学院に戻り指導を受けられるよう検討していく」と言っているようですが、すでに職を得て博士をめざしておられる方の多くは、休職してまで大学院に戻ることのできるような恵まれた職場におられるとは思えません。大学教育を考えたりする私さんのような、教育の現場で働く方から夢ばかりではなく、働く意欲までも奪ってしまう政策を出してばかりでは、日本の教育環境は良くなるとはとても思えません。

 大丈夫か、文科省!
by stochinai | 2005-06-15 21:08 | 科学一般 | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai