5号館を出て

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 今日は、もはや札幌紀伊国屋の月例行事となったサイエンス・カフェ札幌の日でした。残念ながら私は最後のところをちょっとのぞき見できただけでしたが、さすがに4回目ともなると運営も手際が良くなってきて、主催者側にも余裕のようなものが出てきたようで、安心して見ていられます。

 いつもとちょっと違うのは本格的なテレビカメラと録音、それにアナウンサーさんという取材クルーが来ていたことでしょうか。カメラにはNHKの文字がありましたので、近いうちにNHKで放映されるかもしれません。

 今日のカフェのテーマは地震と津波でした。実は今日司会をつとめていたCoSTPの特任教授のK本さんは、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の時に宿泊していたホテルの1階ロビー部分がなくなってしまうという体験を持った方で、NHK時代には地震防災と医療問題を中心に活躍していたということもあり、今日のテーマは自家薬籠中のものです。

 その分、ゲストの人を食ってしまって九州のクマから(人を食う)北海道のクマへと悪名(?)を重ねてしまわないかとちょっと心配していたのですが、杞憂だったようです。最後の30分間だけを見た限りでは、本人は出たい気持ちをぐっと抑えて、控えめにゲストの先生方の説明を補足するコミュニケーターに徹していたようで、さすがと思いました。

 今日は、大切なところを見逃してしまったので、カフェに関するコメントはほとんどできませんが、前から気になっていたことをちょっとだけ書いておきます。

 サイエンス・カフェだけではなく、北大の博物館でやっている市民セミナーを見てもいつも感じることなのですが、お客さんの年齢層が気になります。

 20代や30代の方もいらっしゃるのですが、見たところ60代から70代という方の割合がかなり多いのです。お年を召しているにもかかわらず、勉強したいという意志をもっておられることはとても素晴らしいことだと思いますし、退職されて悠々自適に趣味としての勉学をなされるとい余裕は私も見習いたいと思っています。

 気になるのは、若い年代が少ないということです。特に、若い年代の男性が少ないと感じられます。今、社会を動かしている人、これから社会を動かす中心になる人達にこそ、サイエンス・リテラシーを身につけていただき、今後の社会運営に役立てていただきたいと思うのですが、そういう方々はこのような形での情報収集は好まないということでしょうか。

 小学生を見ていると、男女を問わず理科(科学)好きが多いのですが、やはり中学・高校・大学と進むにつれて科学はめんどくさいと思うようになるのかもしれません。ハイテクジェット機、携帯電話とかインターネット、地上波デジタルなどの科学技術の粋を集めた製品を使いこなす際には、特に基礎的科学知識は必要ないとは言え、そうした科学技術に危険性はないのか、どのように使うべきなのか、どういう時には使うべきではないのか、などといったことに関する意志(政策)決定に必要になるのが科学リテラシーだと思うのですが、それを身につけることのできる場としてのサイエンス・カフェなどに「関係者」を引きつけることができていないことは今後の課題として気にしていこうと思いました。

 それとも、特に心配すべきことでもないのでしょうか。
by stochinai | 2006-01-13 22:21 | CoSTEP | Comments(4)
 今年始めて、JANJAN今週の本棚」に投稿した書評です。

 実を言うと私は学生時代はジャズ青年だったのでありまして、当時は会話することも出来ないほど大音量でレコードを鳴らす、いわゆる「ジャズ喫茶」というところに通い詰めたものです。

 そのころ好んで聞いていたのは、モダンジャズからフリージャズへというハードなものが多く、ボーカルとかウェストコーストジャズとかいう「軟弱」なものに対しては、きわめて否定的な姿勢でいたことを、(今となっては恥ずかしい気持ちとともに)思い出します。若かったです(^^;)。

 この度JANJANで、その頃の私がほとんどまったく聞いていなかったチェット・ベイカーの生涯を記録した本が書評プレゼントで当たりました。

 書評そのものは、「天才児の破滅的で長すぎた生涯」という題でこちらにあります。

 自己批判文みたいなものになったような気もします。
by stochinai | 2006-01-13 13:42 | つぶやき | Comments(13)
 毎年、出ますと言っておきながら、直前になって出られなくなることの多いこの時期の宴会ですが、去年くらいから「出るのか出ないのかはっきりしてください。ドタキャンの場合もホテルに料金を払わなくてはならず、昨年は,締切日以後に7名分の欠席者が出たため,約6万円分の不要な出費がありましたので,充分ご留意願います」などという恐ろしい脅しのメールももらっていました。

 毎月幾ばくかの会費を払い続けており、自分でもそれはセコイと思いながらも新年の親睦会の懇親会に出ないと「元が取れない」といういじましい心もあり、第一反応としては思わす「出ます」と回答してしまうことの多い親睦会ですが、この時期は卒業研究生および修士卒業生の卒業研究および修士研究発表の最後の追い込みの時期でもあり、突然の「泣き」が入ったりして動きが取れなくなることの多い時期でもあります。

 今年もいろいろと行事がかさなり、今日も5時から**学会北海道支部役員会が入っていたのですが、最初から5時50分からは欠席させていただきますと宣言して悲壮な態度で会議に臨むという事態でした。

 実は、午後1時からも卒業研究及び修論発表の第一版原稿の検討会があったのですが、そちらも別の会議と重なってしまい、申し訳ないとは思いながらも「私はメールで連絡があったもの以外はスケジュールを空けていません」という強行的宣告をして欠席させてもらうということもありました。まあ、彼らの研究に関しては何をやっているかの把握はしていたつもりということもあり、この段階ではむしろ私なしに、先輩・同期・後輩からいろいろと無責任な第一印象に基づく感想をもらって、自分の中で再検討するということも悪くはないから、私のいない発表会もまた良いかも知れないという思いもなかったわけではありません。

 さて、戦乱の日々のようなこの時期に暢気に親睦会などをやっていていいのか、という声もあるかもしれませんが、冷静に考えてみると実はこういうとんでもない時期にこそ、フッと違う世界へ遊離させてくれる(しかも、向こうもこちらの状況を知っているので、とんでもなく遠くへと連れて行かれることもない)という能天気な「親睦会」というものが、意外と我々の救いになってくれるのかもしれないと思いました。

 普段は一緒に飲み食いするなどということも少ない事務系の職員の皆さんと、ダーツやビンゴで盛り上がるという機会そのものが貴重であるとともに、事務室や研究室では見ることのできないお互いのちょっと意外な顔を見せ合うことで、なんだか良くわかりませんが明日からちょっぴり付き合い方が変わるかもしれないという、なんとも不思議な感覚を持てるということこそが親睦ということなのかもしれません。

 とは言え、明日の朝もまたいつものように普通の「おはようございます」で始まるんですよね。
by stochinai | 2006-01-12 22:12 | つぶやき | Comments(1)
 ジャイアントパンダとレッサーパンダは、ちょっと見にはとても似ているとは思えない動物ですが、笹を食べることと前足に笹をつかむのにとても適している「親指」または「6番目の指」と称される特殊な突起があります。これは指ではなく、手首の骨の一つである種子骨が変化したものだそうで、ジャイアントパンダのほうがレッサーパンダのものよりもずっと発達しています。

 見た目には似ていない2種類の動物ですが、これだけ共通の性質があると同じ仲間(パンダ科)にまとめてしまいたいという気持ちはとても良くわかります。また、ジャイアントパンダはなかなか手に入れることはできませんが、レッサーパンダならどこの動物園にもいますから、「こちらのパンダで我慢してください」ということが言えるという意味においても、2種が同じ仲間であると何かと都合が良いのかもしれません。

 しかし、1月10日付のPNASというアメリカ科学アカデミーの紀要には、とても興味深い論文が載っています。ジャイアントパンダとレッサーパンダの「6番目の指」はもともと別の働きを持っており、共通の祖先の時からあったわけではなく、別々に進化してきたものだというのです。

Evidence of a false thumb in a fossil carnivore clarifies the evolution of pandas. PNAS | January 10, 2006 | vol. 103 | no. 2 | 379-382

 マドリッドの中新世の地層から出てきた骨は、レッサーパンダ(英語ではred pandaと言うようです)と同じレッサーパンダ科の共通祖先から分岐進化してきたものだということがわかったそうです。しかも、骨の解析からそれは肉食だったと結論されており、そのことからレッサーパンダあるいはその祖先は肉食だったと推測されるようです。

 そして、その化石パンダは歯を見れば一目瞭然、肉食獣であることが示されているにもかかわらず、なんと「6番目の指」を持っていたのです。このことから、この化石とレッサーパンダの共通祖先は笹などは食べておらず、肉食であったにもかかわらず「6番目の指」を持っていたと考えられると書いてあります。

 さらに、同じレッサーパンダ科の別の化石動物には「6番目の指」を持っていないものがいることと、ジャイアントパンダは遺伝子などを調べても今やクマ科に入るというコンセンサスが得られていて、クマ科で「6番目の指」を持っているのはジャイアントパンダだけであることから、ジャイアントパンダとレッサーパンダの「6番目の指」は別々に進化してきた「収斂」によるものであると結論されたようです。

 では、レッサーパンダの「6番目の指」はなんのために使われていたかというと、どうやら木に登るために発達していたようで、先祖は樹上生活をする肉食獣だったというのが結論です。

 そして、レッサーパンダはいつしか肉食から草食へと食性を変えるように進化し、笹を食べる今のレッサーパンダになりました。レッサーパンダは今でも木に上ることもあるようですが、笹を食べるようになって笹の枝をつかむのに「6番目の指」を重宝しているということのようです。

 なかなかおもしろい話だと思いませんか。
by stochinai | 2006-01-11 21:07 | 生物学 | Comments(0)
 生物学を教えていますので、配布資料を作る場合にはどうしても、図や写真が多くなります。

 基本的には、教科書から拝借したり、自分で作った図や写真を使うのですが、それを配付資料原稿にまでするのは結構大変です。

 今は、コンピューターとコピー機がありますので、とても簡単になりました。私が学生の頃は、簡易写真方式で資料を作って配っていた先生もいましたが、その美しさには感動したものです。

 基本的に(私にとって)古典的な方法は以下のようなものです。まず原図をコピーします。場合によっては大きくしたり小さくしたりしたいこともあるので、拡大縮小機能の付いたコピー機が出た時には感動しました。

 そうした図のコピーをはさみで切り貼りして、A4やA3の台紙にレイアウトします。図の番号やちょっとした説明を手書きで入れて、原図の完成ということになります。あとはそれをゼロックスして配ればOKです。

 この切り貼り作業と番号や説明を入れる作業がコンピューターでできるようになったらうれしいなあ思っていたことが、ほんの10年くらい前のことだったということを思い返すと、本当に今は便利になったものです。拡大縮小はおろか、写真の加工や図の改変などもディスプレイ上で簡単に出来てしまいます。

 カラーで出力することも出来ますが、さすがにまだ何十人何百人の学生に配布する資料をカラー印刷で配れるほど豊かな資金力はありませんので、最後は白黒ゼロックスコピーのお世話になります。

 このゼロックスも昔はハーフトーンの写真などを複写すると、とても見られたものではなかったのですが、最近はかなりクオリティの高いものが複写できるようになっています。

 それから、ついついゼロックスと言ってしまいますが、今はキャノンやリコーの方が性能は上だという声もあります。

 こんな簡単になっているにもかかわらず、やはり講義の準備と連動した資料づくりはそれなりに大変で、毎回講義の前には悪戦苦闘しています。

 で、今日も明日の講義に備えて資料を作り、コピー室に行ったところなんと「故障中につき使えません」という張り紙が、、、、。

 とりあえず、図版はやめにしてミニテストだけを全員分プリンターでプリントアウトして今日は終わりということにします。

 ハイテク機器の最大の敵は、やはり故障ですね(涙)。
by stochinai | 2006-01-10 23:01 | 教育 | Comments(0)
 スージーさんのところで「ハッピーマンデーは本当にハッピーなのか?」というエントリーが立てられました。日本中の教育関係者はこのハッピー・マンデーのおかげでとんでもない被害を被っているにもかかわらず、そのことについて意外と議論が少ないことに常日頃から不満を感じていた私は、思わず脊髄反射に近い反応をしてしまいました。

 というわけで、ひさびさに特定エントリーに対する本来のトラックバック・エントリーを立てることにします。

 スージーさんはおっしゃいます。
ハッピーマンデー制度によって、成人の日が1月の第2月曜日に移行したのは、2000年。3連休になり、旅行しやすくなったのかもしれないが、私には成人式は、「15日」という長きに渡る刷り込みがあるため、第2月曜といわれても、どうも違和感を感じてしまう。

 私もこの感性は共有しています。何十年も*月*日で固定されてきたものが、毎年変わるのは気持ちが悪いものです。特に今年のようにもともと1月15日だった成人の日が1月9日になるという違和感はかなりのものです。

 経済対策だかなんだかわからない政府の思いつきに近い「政策」によって、単に連休を作るためだけに記念日を相対日にしてしまうという感覚は、「記念」というものの意味を理解していないものだと言わざるを得ません。

 例えば記念日をもっとも大事にする男女の間で、祝いやすいからという理由で始めて二人でデートした記念日を5月の第3土曜日にしようと提案してみるというような状況を想像してみると、その滑稽さがわかると思います。二人の関係は遅かれ早かれ破綻するのではないでしょうか。あるいは、某国の総理大臣が靖国神社参拝にこだわる8月15日は8月が第3水曜日でもいいのですか。または、「今年のお正月は12月24日になります」とかでもいいのでしょうか。

 と、八つ当たり的な悪態をついてしまいましたが、スージーさんの問いかけにまじめにお答えしたいと思います。

これって、本当にハッピーな制度なのか。よけいなお世話のような気がしないでもないが…。

 実は、よけいなお世話であるだけではなく、とんでもない被害を受けている人がたくさんいるのです。それが冒頭に述べた教育関係者です。

 ほぼすべての国民が知っているように、ほとんどの学校において時間割というプログラムは週を単位にして繰り返されております。記念日というものが日付で運用されている限り曜日は年によって変わりますので、台風などの災害で臨時休校になったようなものと思って対応することにそれほど問題はありません。

 それが、年のうち4回も月曜日にハッピーマンデーと称する休日があるとなると大変です。学校によっても違うでしょうが、例えば32週間授業をすることを考えてみますと、そのうち4週も月曜日がないと普通の時間割では対応できなくなります。さらに、日曜日に休日が重なった場合には月曜日が休みになるという法律もありますので、月曜日がつぶれるケースはさらに多くなる年が多いです。

 たとえ月曜日の代休がないとしても、4回もつぶれてしまうハッピー月曜日対策として、開講日を月曜日から始めて終業を月曜日までとすることや、別の曜日に1回か2回臨時月曜日を設定して対応している学校は多いのではないでしょうか。

 そういう変則的な時間割に対応するということで、学校関係者にどんなに無駄な労力を強いているかを、ハッピーマンデーを作った国会議員の方々、それを見逃した文科省の方々はもう一度考え直してみてください。

 そして、できるならば記念日というものを本来の姿に戻すことを考えてみてください。
 そもそも記念日というものを経済復興対策に使うなどという姑息なことを考えずに、きちんと長期休暇をとれる労働環境を作るのが正しい政策ではないでしょうか。

 ハッピー・マンデーは少なくとも教育現場にとってはブラック・マンデーなのです。
by stochinai | 2006-01-09 23:48 | 教育 | Comments(11)

札幌も大雪

 数日前までの札幌は、ほとんどの地域で去年に比べるとかなり積雪が少ない状況でした。本州の日本海側では観測史上始まって以来の豪雪になっているニュースを聞きながら、積雪の中心が今年は南にずれているのかと思ったりもしていました。

 去年は平年よりも雪が多かったので、それと比べると今年は雪の少ない年なのかと油断していたことも事実です。

 ところが、昨日今日と降り続いている雪で、積雪はあっという間に平年並みあるいはそれ以上になってしまいそうな勢いです。少しずつ降って、だんだんと雪が増えていくというパターンだとそれほどの被害感はないのですが、こんな風に短期間にドカッと降られると、その対応にはかなり消耗を要求されます。

 今日も結局、5-6時間も雪と格闘していましたが、やるべきことがすべて終わったわけではありません。除雪作業をしている間にも新しい雪が降り積もりますし、カーポートやガレージや物置など、耐重量度に不安がある構造物の屋根に積もった雪の処理もしなくてはなりません。今日は休日だったのが不幸中の幸いなのですが、今もまだ降り続いていますので、明日の成人の日も除雪三昧ということになりそうです。

 一般道路の除雪も追いついていないようで、主要道路以外の道は夜を徹しての除雪が続くのだと思います。朝起きた時に、除雪車が除けた雪が家の玄関をふさいでいるのを見るとがっかりしますが、ズブズブと埋まりながらもそこを乗り越えて新聞を配達してくれた人の足跡を見ると、これもまた申し訳ない気がします。唐突なようですが、こんなことも印刷されて配達される新聞がいずれなくなる理由の一つになるでしょう。

 地震や台風と違ってゆっくりと進行するのでついつい油断しがちになりますが、その規模と深刻な被害を考えると雪害に対する防災対策も今後の重要な課題になるべきだと思います。タイミングの良いことに、今月と来月のサイエンス・カフェ札幌は関係の深いテーマが連続して取り上げられます。

2006年1月13日「もしものときの科学~地震防災について」
2006年2月10日「雪の有効利用」

 第4回ののサイエンスカフェは今週の木曜日です。
■第4回となる1月は、「地震と津波」がテーマ
 1月のサイエンス・カフェ札幌では、北海道大学 地震火山研究観測センターの2名の研究者、北海道大学大学院理学研究科/地震火山研究観測センター長の笠原稔さんと北海道大学 地震火山研究観測センターの谷岡勇市郎さんをゲストに迎え地震と津波について、お話をうかがいます。司会は、元NHK記者で阪神淡路大震災など豊富な災害取材の経験を持つ、北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット特任教授の隈本邦彦が行います。

 札幌で地震は起きないのか?地震情報はどう読む?地震予知の研究はどうなっているのか?わたしの家の耐震性は大丈夫?小さい津波は怖くない?など、地震と津波に関する素朴な疑問から最先端の研究成果まで、ゲストといっしょに語り合いましょう。

日時:2006年1月13日(金)午後6時~7時30分
   (開場は午後5時30分)
場所:紀伊國屋書店札幌本店 1階インナーガーデン
   (札幌市中央区北5条西5-7)
参加費:無料(申し込み不要です。当日直接会場へお越しください)

 
 黙々と除雪作業をしていると、いろいろなことを考えるものです。特に頭を使う作業ではないので、余った頭脳でついついいろいろなことを考えたりもしてしまいます。除雪をする地方の人としない地方の人では、哲学的な人間になる人間の割合が違うのではないかと思ったりもします。

 こんなふうに思索の時間として意外な利点もある除雪なのですが、残念なことに若者はあまり貢献していないという事実があります。またマンション住まいの人もあまり除雪をする必要もないようです。こうして、雪国では、すでに経験と知識を蓄えた老齢の人材だけがますます哲者的になっていき、せっかくの思索結果が次世代に伝えられることもなく断絶していくような気がします。

 孤独に除雪をしていると、ついついこんな悲観的な考えが頭をもたげます。

 さて、明朝の除雪の為の体力を蓄えるためにそろそろ寝ないとダメですね。
by stochinai | 2006-01-08 23:55 | 札幌・北海道 | Comments(0)

僕はラジオ

 年末年始の喧噪が一段落した始めての土曜日、久しぶりに週末DVD劇場を開催しました。

 そう言えば、2年くらい続いていた95円の特別価格期間が終了して、昨年の12月からGEOの旧作DVDレンタル料金が180円に戻っています。店頭の価格表には確かにずっと「特別価格」と書いてあったので、いきなり正常価格に戻しますと言われても文句を言う筋合いではないのですが、値上げされたのと同じ気分になるのは不思議なものです。

 それはさておき、今夜の映画はデボラ・ウインガーの復帰作品として注目していた「僕はラジオ(RADIO)」です。劇場公開は2003年だったと書いてありますが、日本では2004年公開だったかもしれません。キューバ・グッディング・ジュニアとエド・ハリスとの競演ということで、役者は揃っているので安心して見ていられました。

 内容は、ほぼ実話なのだそうですが、高校のフットボール部のコーチが、町をうろつく知恵遅れの少年に部活の世話係という仕事を与えて、社会復帰をさせるという正義感だけで成り立っているようなちょっと間違うとものすごい臭いお話なのですが、それを照れもせずに堂々と直球勝負の映画にしてしまうところがアメリカという国の不思議さでもあるような気がします。

 恐らく、あの国には貧困家庭に生まれた知恵遅れの子どもなどがどうなろうと、それは運命や「自己責任」なのであきらめなさいという思想もあるのだと思いますが、同時にそういう弱者に対して国ではなく個人のレベルで援助の手を差し延べる人がまた多いのもあの国の特徴だという気がします。

 これが日本だと、個人で手を差し延べる人も少ないと同時に、国に何とかしろという声が起こるだろうということが予想されます。日本でもアメリカ流の自由主義思想が勢いを得てきているようですが、こうしたチャリティ精神もそれと同時に移入されないと、かなりやばい弱肉強食一本槍の状況になるかもしれないとも思いました。

 さてネタバレっぽい話になってしまいますが、話の内容自体はほとんどなんということもないにもかかわらず、最後の最後に中年になった本物の「知恵遅れの少年」の今の活躍の様子が出てくるという、ドラマが急にドキュメンタリーになる瞬間は実話に基づく話であるという制約からなかなか山を作ることができないこの手の映画の中では、ようやくある種の開放感を感じる瞬間だったかもしれません。

 キューバ・グッディング・ジュニアの演技はかなりのものだったと思います。本物の知恵遅れの少年などの行動をかなり研究していることが伝わってくる迫真の演技だったと思います。こういう演技は障害者差別につながるということで、どうしても腰が引けて本物ではあり得ないほど「美しく」演じてしまうことがままあるものなのですが、演技である以上はできるだけ「本物」に近いことが大事だということも感じました。なかなか才能のある役者さんだと思います。

 正直に白状しておきますが、実は私は出番のあまりないデボラ・ウインガーばかりをずっと見ていたのでした。すっかりおばさんになってしまいましたが、あの吸い込まれるような眼差しは、若い時のまま変わらず魅力的なままでした。動いているデボラ・ウインガーを見ただけで満足というのがこの映画の本当の感想と言えるのかもしれません。

 無批判なただのファンのつぶやきで、申し訳ありません。
by stochinai | 2006-01-07 23:38 | 趣味 | Comments(4)
 最近、また多くなっていると思います。しかも、沖縄ではなく、首都近辺の横須賀や八王子です。中国人などが事件を起こすと、他府県で起こったものでも三国人がどうしたこうしたとすぐにコメントを出す都知事が沈黙しているように見えるのは私の偏見でしょうか。また、日本の主権が脅かされているにもかかわらず声明を出さない総理大臣って、独立国・日本の代表と言えるのでしょうか。

 結局、沖縄をほったらかしにしたツケが、首都圏で返されているということでしょう。

 米兵男児3人ひき逃げ(東京新聞)
 東京都八王子市で二十二日、米海軍厚木基地(神奈川県)の二等水兵の女(23)がひき逃げ事故を起こし、小学生男児三人が重軽傷を負っていたことが二十八日、分かった。警視庁八王子署は業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで水兵を逮捕したが、米軍から「公務証明書」が出され、日米地位協定に基づき即日、米軍に引き渡した。

 アメリカ軍が公務中に起こした事故なら、逮捕して身柄を拘束できない日本って屈辱的外交していると言えないんでしょうか。

 横須賀の女性会社員殺害、神奈川県警が米兵から事情聴取(日経新聞)
 神奈川県横須賀市で会社員の佐藤好重さん(56)が出勤途中に殺害された事件で、県警横須賀署特捜本部は6日、在日米海軍横須賀基地内で空母キティホーク乗員の米兵の男(21)を任意で事情聴取した。同本部は聴取内容を検討したうえで近く殺人容疑で逮捕状を取り、外務省を通じて日米地位協定に基づく起訴前の身柄の引き渡しを求める方針。

 これまでの米軍の調べに対し、米兵は佐藤さんを殴ったことを認めているという。

 ここまでわかっていても逮捕できないんです。

 いいんですか。こんな外交していたら、アメリカにバカにされるだけではなく、アジア諸国にも軽く見られてしまうのではないでしょうか。

 早く独立しましょう。小泉さん。
by stochinai | 2006-01-06 22:55 | つぶやき | Comments(11)
 7時のNHK総合テレビニュースによると、今回の大雪のためにすでに死者が57人にも達しているとのことです。

 一瞬のうちに亡くなったわけではないので、それほど大騒ぎにならないようですが、これは巨大台風や大地震の被害に匹敵する「事件」だと思います。

 小泉さんは自衛隊の活用を「検討する」などとのんびりしたことをおっしゃっているようですが、目の前で激甚災害が起こっているのに、国民を守るために出動しないのでは自衛隊の意味がありません。

 今年からは、札幌雪祭りの自衛隊会場がなくなりましたので、少しは手が空いているのではないでしょうか。すぐに駆けつけてあげていただけないものでしょうか。大通り会場のお手伝いも少しくらい手抜きになっても仕方がないと思います。

 日本でもっとも雪に強い自衛隊である自衛隊第11師団の皆さん、北海道はまだ大丈夫だと思いますので、日本海側の豪雪地帯に出動してください。ちょうど良い口実にもなりますので、ついでにイラクからも引き上げてきてはどうでしょう。

追記:
 自衛隊が出動してくれましたね。ご苦労様ですが、ありがとうございます。
by stochinai | 2006-01-06 19:21 | つぶやき | Comments(13)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai