5号館を出て

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低俗な記者会見

 明日から始まる(らしい)夏の甲子園(全国高校野球大会)に出場が決まっている高校の補欠野球部員が女子高校生への強制わいせつ容疑で逮捕されたのが昨日のことでした。あらゆるニュースでは例によって、もっぱら同校が甲子園出場を辞退するのか、高野連が出場停止処分をするのか、という化石のような硬直化しきったコメントを必ず付けていましたが、今回の犯人が甲子園出場メンバーにはいっていないこともあって、それで終わるものだと思っていました。

 ところが、今日のスポーツ報知のオンライン記事を見て、「報道陣」と書かれている人のあまりのレベルの低さに驚いてしまいました。

「被害女性より部員の気持ち優先か」会見場怒号…桐生一監督交代もなし

 犯人についての記述と同校の甲子園への対応は、「同部員は群馬大会でベンチ外だった。同校では大阪入りしている部員29人の関与がないことから、出場辞退はしない方針。日本高野連も連帯責任は問わない方向で、そのまま出場の見込みだ」と妥当だと思うのですが、高校で行われた校長らの記者会見で、報道陣の怒号が飛び交ったという記述(これも、報道陣のひとりが疑問もなく書いているのでしょうか)に、この国をダメにしているのがこの「報道」を担っている人達だという感を再確認しました。
 会見場には30人以上の報道陣が詰めかけた。「野球部の練習で鍛え上げた体で襲いかかったのでは」、「被害女性より野球部員の気持ちを優先したのか」など怒号が飛び交い、厳しい質問が相次いだ。
 これは光市の母子殺害事件の犯人ではなく、強制わいせつ行為で逮捕された高校の(しかも犯人ではない)校長に向かって発せられている言葉とは思えないものです。

 この論理性のなさには、頭が痛くなります。「野球部の練習で鍛え上げた体で襲いかかったのでは」という論理が成り立つのならば、野球を発明した人にまでさかのぼって責任を求めようというのでしょうか。「被害女性より野球部員の気持ちを優先したのか」って、被害女性が坊主憎けりゃ袈裟まで憎いということで、野球部全員にペナルティを求め甲子園出場を辞退して欲しいと願っているというのでしょうか。激しい競争を勝ち抜いて記者になった「優秀な」人材の発言とは思えないものです。

 こんな人達に報道を任せていてはいけないのではないでしょうか。各社では、報道をする人間としての倫理観を持たないこのような発言をした社員を調べ上げて、適切に対処すべきだと思います。さもなければ、会社も同罪ということになります。

 会社の危機を放置して、高校の校長を責めている場合ではないと思います。
by stochinai | 2008-08-01 19:44 | つぶやき | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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