5号館を出て

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2月に春の匂い

 昨夜はまた雨でした。この冬は雨が珍しくないので、そう驚きもしないのですが、気温もかなり高めでした。
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 翌朝の今朝です。
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 目に見えて雪が減っています。公式発表された積雪量も10センチほど低くなっています。

 例年の記憶をたどってみると、この雰囲気は1ヶ月後のものです。
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 雪の下から、コンテナが次々と顔を出しています。
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 我々人間はの多くは早い春を歓迎しているのですが、野外の生き物にとっては必ずしも歓迎すべきものかどうかは疑問も残ります。

 これはモクレンの蕾ですが、まだそれほど膨らんでいないうちに、暖かさに触れても大丈夫なのでしょうか。
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 ちょっと心配ですが、気持ち的には「春よ来い」という気分にはなります。

 天気予報によると、来週は普通の冬に逆戻りするそうですが。
by stochinai | 2009-02-14 17:33 | 札幌・北海道 | Comments(0)

小泉劇場第2幕なのか

 昨日、小泉元総理大臣の発言がが久々にテレビのニュースで長々と報じられていました。自民党内にはそれなりの波紋が起こっているかのような報道でした。

 いつもなら「カエルの顔に小*」といった感じで弁解を繰り返す麻生さんも、さすがに顔色を失っている様子が見られ、これはひょっとすると3度目の総理大臣更迭劇が起こりそうな気配もただよっているかのような昨夜の報道でした。

 しかし、その後の動きが今ひとつありません。一夜明けてみると、報道各社も熱が冷めたような淡々としたニュースを流しています。

 昨夜から一気にものごとが動き始めたとしたら、あやうく小泉劇場第2幕が始まるのではないかと危惧しておりましたが、ここで我々がこの田舎芝居を冷静にやり過ごすことができるとしたら、日本国民が本気で政権交代を望んでいることがはっきるすると思いました。

 昨日の小泉さんの動きは、おそらく小泉劇場の第2幕を画策した自民党が練りに練ったシナリオに基づく茶番劇に違いないというのが、私の感想です。

 前回、我々国民がコロリとだまされた小泉劇場第1幕は、本来「自民党対野党」という図式で戦われるべき総選挙を、「自民党守旧派対自民党改革派」という図式に見事に持ち込んだ自民党が大勝利しました。自民党内を二分して戦わせるというのは、見事なシナリオだったと思います。

 その甘い思い出をもう一度実現しようとして企んだのが、昨日の田舎芝居ではないでしょうか。

 もちろん自民党内には、郵政制度を復古させようとする勢力が力を持ち始めており、それに対する郵政改革派が巻き返しを図ったという事情もあるのだと思いますが、究極的には自民党同士ですから、たとえ考えの違いがあったとしても自民党政権の維持という究極の共同目標に対しては団結するに違いありません。

 もしも、昨日の第2幕が好評を博し、自民党内だけではなく国民の圧倒的支持を受けるような雰囲気が盛り上がったら、自民党はそこで総理を替えて、一気に総選挙へと突入するという動きに出たような気がしてなりません。

 しかし、国民およびその動きを眺めながらニュースを出す報道各社は、ここでうかうかと芝居には乗せられませんでした。

 つまり、もうちょっとやそっとの芝居を打ってもどうしようもないところまで、自民党政権が追いつめられているということでしょう。

 私としては、かなりホッとしています。

 最後の一手を打っても状況を動かせなかった自民党は、これで終わりということではないでしょうか。

 民主党が素晴らしい政党であろうがなかろうが、とりあえず政権交代をさせて政治を流動化させることこそが、今日本に必要なことなのだと思います。

 つまらない田舎芝居で時間つぶしをする暇があったら、さっさと予算を通して総選挙をしましょう。
by stochinai | 2009-02-13 21:54 | つぶやき | Comments(2)
 チャールズ・ダーウィンが生まれたのが、1809年2月12日ですから、今日は200回目の誕生日ということになります。今年は「ダーウィン年」として世界中でお祝いの行事が予定されています。 今日から16日までシカゴで開かれることになっているアメリカのAAASの年会も当然のことながらダーウィンにちなんだテーマになっており、たくさんのセッションが用意されていると思います。
The meeting's theme—Our Planet and Its Life: Origins and Futures—recognizes that 2009 is the 200th anniversary of Charles Darwin's birth and the 150th anniversary of the publication of his book, On the Origin of Species by Means of Natural Selection. New understanding of the processes that fascinated Darwin continues to be the focus of intense research 150 years later. Indeed every discipline can demonstrate its own unique evolutionary path and speculate on where it may lead.
 ダーウィンの進化学説は、現在に至るまでその中心的理論に修正の必要がないほど素晴らしいものですが、ダーウィンがいなかったとしたら現在の生物学がまだ150年前の状態にあるかというと、そんなことはないと思います。

 確かにダーウィンは素晴らしい生物学者だったと思いますし、彼がいなかったら生物学の発展が何十年か遅れたという可能性はあったかもしれません。自然科学というものはたとえ天才的な人間の出現によって、時として急激な進展を見せることがあることは事実ですが、たとえそうした天才が出なかったとしても、たくさんの科学者が研究を続けることが許されているならば、時間さえかければ天才が出現しなかったとしても、着実に発展することができるものが科学の特徴のひとつだと思います。

 それを考えると、いつ出るかわからないひとりの天才の出現を待つような科学政策と、天才が出ようと出まいと着実に科学の進展を確保していくような科学政策を行うことのどちらが正しいかは、たちどころに結論の出せることだと思います。

 もちろん、アメリカのようにその両方を確保して、世界中から優秀な科学者が集まるような環境を用意するというのがベストなのかもしれませんが、今の日本は、出るかでないかわからない一握りの天才を待ちわびて、大多数のすそ野を枯れ野にしてしまうような科学政策に向かっているような気がします。大学政策も同様の方向を目指しているように思えます。

 こんな状態で、もしもダーウィンのような科学者が登場しなければ、あるいは登場してもそのことに気がつかれなければ、日本の科学に未来がないことは割と簡単に理解できると思います。

 「貧富の差の何が悪い、競争のどこが悪い」といってゴリゴリと押しまくってきた新自由主義があっさりと崩壊してしまったのを見ても、同じ論理で科学政策をやることの行き着く先はすでに見えているといってもよいと思います。

 ここで、大きく舵を戻すことができるかどうかが、この先100年の日本の科学シーンを左右することになるでしょう。

 せっかくのダーウィンの記念日ですが、暗い話題になってしまいましたが、もう遅すぎるのかもしれないと思う、今日この頃です。
by stochinai | 2009-02-12 19:56 | 生物学 | Comments(2)

重版決定

 今度は本当です。うるさく騒ぎ立てていた(笑)「進化から見た病気」の重版が決定しました。

 進化から見た病気 「ダーウィン医学」のすすめ (ブルーバックス)

 発売から22日目、思えばよくもここまで来ることができたものです。

 これも、ひとえにたくさんの皆さまが購入してくださった賜物です。

 これからは、本来のターゲットである普段は理学書などを読まない方々に読んでいただくべく、地道に広報をしていきたいと思います。

 ほんとうにありがとうございました。

 そして、これからもよろしくお願いいたします。
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第2刷

by stochinai | 2009-02-12 17:19 | 生物学 | Comments(4)
 Gigazineに「部屋の空気をきれいにしてくれる観葉植物ベスト5」という記事がありました。

 元ネタは外国(アメリカ?)の子育てページで、子どもの部屋の空気をきれいにしようとかなんとかいう記事のようです。

 Green Your Nursery… With Plants!

 そこで言及されている植物が、日本でも非常にポピュラーな観葉植物ばかりで、我が家にも多くのものがありましたので、我が家の植物の写真を使いながらご紹介したいと思います。

 もともとはNASAが宇宙船内の空気をきれいにする研究の一環として行ったもののようですが、さらに元ネタをたどると、微妙に情報がぶれているところもありますので、あくまでも軽い情報として読んでください。こちらがトップ5です。
1. Chlorophytum Comosum aka Spider Plant
2. Sansevieria aka Snake Plant
3. Dracaena fragrans `Massangeana’ aka Corn Plant
4. Epipiremnum Aureum aka Golden Pothos
5. Aglaonema Modestum aka Chinese Evergreen
 1位はオリズルランです。英語でスパイダー・プラントというとは初めて知りました。こちらが我が家のオリズルランで、ネコが食べるので普段はネコが届きにくい棚の隙間に隠してあります。
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 2位はサンセベリアで、日本でかつてはトラノオランと呼ばれていたと思います。日本では虎の尾ですが、英語では蛇(スネーク・プラント)です。この写真を見れば、どちらもなるほどと思います。
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 3位のドラセナ・フラグランスは日本では「幸福の木」と呼ばれているものです。我が家にはおそらく種はちがうものの同属と思われるものがあります。
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 4位は日本でも同じくゴールデン・ポトスと呼ばれているこれです。
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 5位のアグラオネマは我が家にはありませんが、これも結構ポピュラーなものですね。これは、Wikiから写真をお借りしました。
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 さて、これらの植物は他の植物と同じように光合成をすることで、二酸化炭素を吸って酸素を出してくれるだけではなく、ホルムアルデヒドやベンゼン、トリクロロエチレンといったいわゆるシックハウス症候群(英語では「シックビルディング症候群」‘sick building syndrome’)の原因になるガスを吸ってくれるということですが、どうもさらにこの記事の元になったと思われる記事を見ると、この順位がどこから出てきたかちょっと怪しげです。

 NASA Study House Plants Clean Air
Philodendron, spider plant and the golden pothos were labeled the most effective in removing formaldehyde molecules. Flowering plants such as gerbera daisy and chrysanthemums were rated superior in removing benzene from the chamber atmosphere. Other good performers are Dracaena Massangeana, Spathiphyllum, and Golden Pothos. “Plants take substances out of the air through the tiny openings in their leaves,” Wolverton said. “But research in our laboratories has determined that plant leaves, roots and soil bacteria are all important in removing trace levels of toxic vapors”.
 こちらによると、フィロデンドロンもホルムアルデヒド除去をするし、ガーベラやキクはベンゼン除去に有効だったと書いてあります。

 また、ここにに書かれてある科学者のコメントにあるように、「植物の葉や根だけではなく、鉢の土の中に住む細菌の働きもガス除去に働いている」ということも重要な情報だと思います。

 いずれにしても、生きた鉢植えが部屋にあるということは、見た目の癒し効果以上のものが得られるということは間違いなさそうです。
by stochinai | 2009-02-11 21:55 | 趣味 | Comments(3)
 WIRED VISION SCIENCE & TECHNOLOGY におもしろそうな記事がありました。

 自分で度数を調節できる安価なメガネ:開発は英国の物理学者

 この人が発明者である、イギリスの原子物理学者のJoshua Silverさんです。
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 元ネタは Washingtonpost.com にありました。

 From a Visionary English Physicist, Self-Adjusting Lenses for the Poor
 Silver氏が考案したのは調節可能なメガネだ。レンズは、シリコーン・オイルを満たした柔軟性のある膜[プラスチック製]でできている。注入器(写真に写っている)を使ってオイルの量を調節でき、それによってレンズの屈折率が変わる。注入器は取り外し可能だ。
 上の写真のシルバーさんも、自分が発明してその眼鏡をつけています。わかりにくいかもしれませんが、左右のツルのところに注射器がついています。

 彼の作業場(?)にある「作品」を見れば、すぐに構造は理解できると思います。
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 今さら言っても遅いですが、私も学生の頃からこのアイディアは持っており、透明な液体を出し入れしてレンズの球面を変えてやることで、眼鏡の度数を変えることができるに違いないと思っていました。物理・数学そして工学と光学に弱い私の頭で考えていたのは、凸レンズつまり遠視用の老眼鏡だけでしたが、さすがにこの人は物理学者だけあって、凹レンズつまり近眼用の眼鏡も作ったそうです。ただし、さすがに乱視を矯正することはできません。

 もうひとつ、どなたも気になると思うのですが、この眼鏡のデザインがあまりにも素朴でダサイことだと思います。注射器を装備したフレームの太い正円形の眼鏡などは、どう見てもパーティ・ジョーク用のものにしか見えません。

 そこがこのシルバーさんのえらいところです。彼は、現在「先進国」で美的観点から洗練されたデザインで、しかも乱視なども含めて個々人のために超オーダーメイドされている眼鏡の存在などは相手にしていないのです。彼の思いはただ1つ、アフリカや東欧・アジアなどの貧困な国の人達のために、できる限り安価でしかも誰にでも適合した眼鏡を作りたいということだったのです。欧米先進国では、60-70%の人が眼鏡を使っていますが、貧困な国ではわずかに5%くらいの人しか眼鏡を買えません。

 そのためには、デザインなどはまったく問題にせず、ひたすら仁安価で調節可能な眼鏡を開発したのです。現時点でも中国で生産されている眼鏡は1点が19ドルと格安ですが、大量生産することでひとつ数ドルで作りたいとのことです。

 彼の願い通り、今までに作った約3万個の眼鏡のうち、2万個はアメリカの国防総省が買い上げてくれて、アフリカや東欧の貧しい人々に無料で配布されたそうです。配られた眼鏡のフレームには、米国旗と「米国民より」という小さな文字が刻印されているという、嫌みなところはありますが、無料で配布していることは称賛したいとと思います。また、世界銀行や英国政府も資金援助をしているとのこと。

 もちろん、この発明を買い取りたいという眼鏡会社からの申し出もあったのを、彼はそれでは彼の求める「貧者のための低価格品」とはならないだろうという理由から断ったそうです。日本では最近眼鏡の安売り競争が盛んですが、一方ではやはりオーダーメイドの超高級品としての眼鏡も存在するわけで、生きるか死ぬかというレベルで眼鏡を必要としている世界の約半数の人が手に入れられないような高級品は、彼の視野には入らないということなのでしょう。

 シルバーさんは、かつてヘンリー・フォードが、庶民の誰でもが所有できるような安価な車を開発したように、誰でもが買える安い眼鏡を開発したいと思っています。

 彼は20年もこの眼鏡の開発にかけているのだそうで、原子物理学者としての業績は知りませんが、「研究者」としては間違いなく立派な仕事をしたと断言できます。

 世界不況が起こりつつあるのを見ての、彼の言葉はなかなか泣かせます。
"I feel people are saying, 'Hold on, there is some real work to do in life,' " he said, adding that maybe for his project, "the time has come."
 うまく訳せませんが、彼が言いたいことを推測してみます。

 「こんな時代になって人々は、『ちょっとまてよ、金儲け以外に一生をかけるに値する本当の仕事をやろうじゃないか』と考え始めたんじゃないかな」そして、まさに「世界が不景気になった今こそ、それをやる良い機会じゃないか」。
by stochinai | 2009-02-10 21:08 | つぶやき | Comments(0)
 新しい言論プラットフォームとして立ち上がって日も浅い「アゴラbeta」で、池田信夫先生が非常に興味深い議論をしています。

 「中間小説」の必要性 - 池田信夫

 簡単に言ってしまうと、学問的に正しいことを言うことと、ポピュラリティを得て政策などに反映されることは別だということです。
藤原正彦氏のような議論は、学問の世界では問題になりませんが、彼の本がベストセラーになったことでもわかるように、床屋政談では主流派です。政治の世界でも「市場原理主義」を批判する通俗的な議論が与野党を問わず多く、経済学者の意見はほとんど影響力がない。
 これを、政治家や大多数の国民が「無知」であると片づけて終わりにするることももちろんできますし、いわゆる象牙の塔の住民はそうして生きてきているのだと思います。

 しかし、さすが池田先生の偉いところは「この責任は、経済学者にもあると思います」と、あっさり認めていることです。そして、その理由を経済学をひろめる人材の欠如に求めます。
日本の経済学は、理論的水準ではそれなりの段階に達していますが、実証研究が弱い。さらに少ないのが、一般向けに経済学の考え方を広め、あるいは政策として提案する経済学者です。経済学の専門誌には高度な理論が出ているのに、永田町では藤原氏のような「大衆小説」が流行し、派遣労働の規制のような明白にナンセンスな政策が出てくる。それを進めたのが、もとは政治学者だった舛添要一厚労相なのだから、病はなかなか深刻です。
 私とは意見が異なりますが、彼はそういう意味で(学問的業績はあまり評価できないものの)竹中平蔵を「超人的な雄弁」を持っていて、政策に反映させられる経済政策を語ることのできる稀有な経済学者として評価しています。

 この考えをあまりにも強く推し進めると、中味などはどうでも良く大衆を扇動できる経済学者が必要だというとんでもない議論になってしまうのですが、さすがに池田先生もそこまでひどいやつが扇動者になれるとまでは思っていないでしょう。

 おもしろいのは、経済学を伝えることの重要性を説いた次の文章です。まずは、原文を引用します。
経済学は自然科学と違って、経済学者だけが知っていても役に立ちません。多くの人々、特に政策担当者がそれを理解しないと意味がないのです。その意味で、経済学のロジックをわかりやすく伝え、合理的な政策を提案することは、学問そのものに劣らず重要です。経済学者が学術誌のような「純文学」に集中するのは、学界での地位を得るためには重要でしょうが、限界生産性から考えると、今のように間違いだらけの大衆小説ばかり横行している状況を是正するほうがずっと重要だと思います。
 この中の経済学を、生物学と入れ替え、自然科学を仮に教育学と入れ替えてみましょう。
生物学は教育学と違って、生物学者だけが知っていても役に立ちません。多くの人々、特に政策担当者がそれを理解しないと意味がないのです。その意味で、生物学のロジックをわかりやすく伝え、合理的な政策を提案することは、学問そのものに劣らず重要です。生物学者が学術誌のような「純文学」に集中するのは、学界での地位を得るためには重要でしょうが、限界生産性から考えると、今のように間違いだらけの大衆小説ばかり横行している状況を是正するほうがずっと重要だと思います。
 どうでしょうか。おそらく、たいていの学問分野に対して、同じようなあてはめが可能だと思います。

 池田先生、そのわかりやすく伝える人材こそが我々が最近一所懸命宣伝している科学・技術における科学・技術コミュニケーターなのです。同じ意味で、経済学にも経済学コミュニケーターが必要だということには120%同意いたします。

 ただし、最後でおっしゃっている「当サイトも、いい意味でのパンフレットとして、経済学の常識を政策担当者やジャーナリストに伝える「中間小説」の役割を果たしたい」というくだりは結構なのですが、さらに中間小説よりも噛み砕かれた経済学の常識を市民に伝える「ライト・ノベル」ともいうべきコミュニケーターも育てる必要があると思います。

 そこまでやって初めて、学問が人々の元へと届けられ、役に立つことになるのだと思いますが、いかがでしょうか。
by stochinai | 2009-02-09 21:12 | CoSTEP | Comments(3)
 どこまで信じて良いものやらわからないのですが(笑)、落ちる前の思い出としてクリップしておきます。
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 遺伝子・分子生物学

 遺伝学

 ブルーバックス
by stochinai | 2009-02-09 15:29 | つぶやき | Comments(2)

合法と犯罪の間

 昨夜も千歳は大荒れだったようで、数千人の方が北海道を離れることができなかったとのことです。まことに申し訳ない気もするのですが、今の時期の北海道は飛行機が予定通りに飛ぶ方がラッキーだと思うしかないということをご理解いただきたいところです。

 というわけで、今朝もまた朝から除雪でしたが、昼頃までは暖かな日差しを楽しめるうららかな日曜日でした。私の部屋のウツボカズラも日の光を浴びて気持ちよさそうでした。
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 何年か前に、生物学科の移行性の歓迎会で大滝村のセミナーハウスで合宿した時に、植物のJJY先生がウツボカズラの話をしていたのがえらく印象に残っています。窒素肥料を少なくするとウツボカズラの壺が立派になるというお話だったと記憶しているのですが、それ以来我が家のウツボカズラは水と太陽以外に栄養の元になるものは何もはもらえなくなりました。その甲斐あってか、確かにりっぱな壺をつけて楽しませてくれるようになりました。

 優秀な農家や園芸家は植物の必要とするものを、無駄なく与えて最大の効果を得ることができるようですが、人の世界でも求めるものを与える一方で、逆に与えられた側からすべてのものを吸い上げる技術を持っている巧みな人がたくさんいるようです。

 資本主義社会というものが、経済活動という名の物々交換を基礎に成り立っていますが、物々交換の間に「お金」というものが介在することで、多くの人の目がくもってしまい、さまざまな犯罪が起こります。

 円天とかいうバーチャルマネーなどは、まさにその典型かもしれませんが、物々交換をしている時には考えられないような不均等な交換が成立し、大もうけも夢ではないというような幻想を、人々に抱かせる力があったようです。

 そしてそれは、おそらく犯罪にはならない「正しい資本主義」の中で用いられている論理と基本的には同じものなので、たくさんの人があっさりと「だまされて」しまったのでしょう。

 だまされたと気が付く前には、多くの顧客が大喜びして円天を称えていた映像が残っていますので、おそらく当人達はだまされているとか、自分たちがやっていることが間違っているなどとは思っていなかったと思われますが、それなりの経済学的知識があればあり得ないことだとわかる筈だという人も多いかもしれません。

 しかし、もうちょっと視線を引いて冷静に考えてみれば、現在の世界的経済危機を引き起こしたとされる、アメリカのサブプライムローンも基本的には円天と同じ構造に見えるのは、私が経済学に疎いからだけでしょうか。

 毎日のニュースに出てくる、天下りや渡りの問題や、かんぽの宿の売却問題、小泉・竹中の郵政民営化問題のどれを見ても、犯罪と合法の間には限りなく不透明な部分があって、今なら間違っているとはっきり言えるようなことでも、時期が時期ならば「それは大丈夫」ということでまかり通っていたものばかりだと思います。

 このように、犯罪と合法の境界線が限りなく曖昧な時代に生きているかぎり、この先もいままでと同じように、堂々と違法行為すれすれの行為が行われたり、ひょっとしたら自分もその隙間をかいくぐって良い思いをできるかもしれないという人がだまされるということが、生まれ続けるに違いないと、毎日のニュースを聞いていて思う今日この頃です。

 それはさておき、また今夜も雪が降り続いています。
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 明日の朝もまた、除雪ですかね。
by stochinai | 2009-02-08 23:59 | つぶやき | Comments(0)

新雪の中を

 昨日は、久しぶりに本格的な雪が降りました。昔から、雪が少ない冬には雪祭りが始まると、意地悪くまとまった雪が降って雪像に降り積もることが多かった気がするのは、雪像に被害が出るから記憶に残りやすいのでしょうか。最近は、逆に雨が降って雪像が融けることの方が多かったので、雪のほうがましかもしれません。

 というわけで、昨夜は久しぶりに新雪の中を歩きたくて、理学部からちょっと回り道をして弓道場裏の遊歩道を通って帰りました。

 ちょっと心配だったのですが、2-3人の先達がいたようで、道はできていました。
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 北大を南北に貫くメインストリートから遊歩道に入ったところです。
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 向こうに弓道場が見えてきました。
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 橋をわたると、弓道場の横に出ます。
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 川の反対側の弓道場は外からも見ることができます。
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 あとはまっすぐ進むと、太い道に抜けられます。
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 子どもの頃は、登下校の時にもこんな細い道を歩いていたものです。
by stochinai | 2009-02-07 17:46 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai