5号館を出て

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名古屋にて

 飛んで着いたセントレア空港は千歳と10℃以上も温度差があったようです。名古屋の地下鉄や飲み屋などではまだ扇風機や冷房が大活躍中でした。

 そんな暖かさにもかかわらず名古屋駅には豪華なクリスマス・イルミネーションが飾られていました。それを見るためにとんでもない数の人が集まっていたのは、イルミネーションが今日からだったからでしょうか。
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 プラネタリウムのように刻々と星座を映し出してくれるディスプレイは、南天球と北天球が交互に出てくるようです。雪がなくても十分にきれいなディスプレイですが、雪があったらすごい美しさになるでしょう。

 STS学会のワークショップは明日の午前中なのですが、今日は6時半から懇親会があるということでそれに合わせて会場へ向かいました。学会員になると年会費が8000円、大会参加費が7000円、それに懇親会費が6000円(計21000円!)とかいうことなのですが、非会員でワークショップに参加する場合には、大会参加費・懇親会費が無料でご招待です。少なくとも大会が終わるまでは学会に加できないと思い、ありがたくごちそうになりました。

 懇親会で出た「名古屋大学ビール」はブラウン・エールタイプで気に入り、一人で小ビンを、2本飲んでしまいました。

 春まで名古屋で働いていたCoSTEPのK本さんが、懇親会のあと明日のワークショップの打ち合わせを、名古屋一(世界一?)の幻の手羽先唐揚の店でやるので、お腹を少しあけておくようにとのアドバイスも何のその、ちょっと遅れて参加した懇親会では、伊勢エビ、焼き鳥、串カツ、ひつまぶし、などなどをむさぼり食べてしまいました。

 私は会員でもないし、いままで参加したこともないSTS学会(科学技術社会論学会)ですので、懇親会に行っても北大関係者以外は知り合いなどいるはずもないとたかをくくってドアをくぐったのですが、はいるなり声をかけられてびっくりしまして。京大出身で今は大阪市大につとめているS口君でした。そうでした、彼はこういう学会がホームグラウンドでした。

 こういうことがあったものの、さすがに他にはいないだろうと安心して飲み食いしていたら、なんとまた声をかけられました。かなり昔からメールやウェブ上ではおつきあいがある、サイコム理事のE木さんでした。サイコムがSTS学会が募集していました柿内賢信記念賞研究助成金の実践賞研究助成金というものをいただくことになったので、私と同じ非会員での招待参加ということでした。

 また、先日北大で特別講義と講演をしていただいた白楽ロックビルさんとも、はじめて個人的なお話をする機会もあり、まったく見ず知らずの学会へ潜り込んだにしては意外な展開の一次会でした。

 その後は、予定通りCoSTEPのS山さん、K田さん、K本さん、N波さん、O橋君と私が、明日ワークショップでご一緒することになっている仙台の河北新報論説委員のT島さんと幻の手羽先屋さんで合流して、2次会でした。

 T島さんは、今年の春に「シビック・ジャーナリズムの挑戦」という本を出されており、私も一緒にワークショップをやることになったので予習のために本を読んできたのですが、本の内容そのままに誠実そうな方でした。

 特に明日のワークショップの打ち合わせをしたというわけでもないのですが、雑談をする中からこのメンバーでやれば、そこそこの合意点には到達できるだろうという予感のようなものは感じられました。

 さて、後は本番をがんばらねば。

追記:
  サイコム代表理事さんからのトラックバックを読んで大事な人を忘れていたことに気が付きました。先日、CoSTEPで講義をしてくれたサイエンスライターの粥川準二さんをとも再会したのでした。つい、先月お会いしたばかりだし、なんだかすでに「仲間」の気分になっていて「ゲスト意識」がなくなっていたのかもしれません(すみません)。それにしても、きちんと学会に参加しているとは、想像以上にまじめなかたであることを再確認してしまいました(^^;)。
# by stochinai | 2005-11-12 23:58 | CoSTEP | Comments(0)
 今日は、午後2時からは北大理学部創立75周年記念式典・講演会、6時からはサイエンス・カフェ札幌第2回「世界遺産と科学」とイベント・デーでした。

 理学部の式典には、理学部出身では数少ない「今」の有名人である化学科出身で科学未来館の館長をしている毛利衛さんも祝辞のためにかけつけてくださいました。せっかくの75周年記念なのですが、残念ながらこれを機会に理学部がどう変わっていくのかという壮大な展望が示されたようにも思われず、強いて式典をやるべき区切りだったのかどうかと問われると返事につまります。

 さて、サイエンス・カフェは2回目です。前回は学会で仙台に行っていたため参加できず、私としてはカフェ初体験でした。

 思った以上にCoSTEPの受講生と応援団の数が多く、人手が足りないようならお手伝いをと思っていた私の心配は全くの杞憂だったようです。逆に、スタッフが多すぎて一般のお客さんが少々逃げ回っているというようなシーンも時折見られましたので、そこいらの対応も勉強していきたいものです。

 2度目ということで、運営スタッフの手際も良く、トラブルなどにも細かに対応していたようですが、やはり人の集まっていない会場で準備したと思われる音声は、いざ始まってみるとやはり小さめで聞き取りにくいところがありました。まあ、場所が書店のロビーですのでそれほど大きな音にできないという事情はあるのでしょうが、次回への課題のひとつとしておきましょう。

 あとちょっと気になったのが、会場の明るさに比べて液晶プロジェクターのパワーがちょいと不足気味だったことがあります。液晶プロジェクターも明るいものがどんどん安く出回ってきていますので、購入などを考えても良いのかも知れません。今は日の入りが早いので何とかしのげていますが、夏場の午後6時くらいの明るさの中でも使えるものが必要だと思います。

 今日は特に「世界遺産」ということで、きれいな写真が多かったので、その分だけ残念さが残りました。これも次回の課題としましょう。

 「世界遺産」とは言っても、我々にはあまりなじみのなかった「産業遺産」という、いわゆる「歴史遺産」と比べるとごくごく最近のテクノロジー遺産のお話はとても興味深いものでした。実は日本にもそれに該当するものがたくさんあるということでもあったのですが、例えばまったく同じような炭坑の廃墟がヨーロッパでは「世界遺産」として保護されているのに対して、我が北海道ではほとんどが朽ち果てるにまかされており、せいぜいが観光用のテーマパークのネタくらいにしかされていないという現状を見せられると、またまた彼我の「文化」の差というものを思い知らされた気分でした。

 さて、手伝いもしないでこんなことを書くと後で袋叩きに合うかもしれないのですが、これは書いておくべきだろうと思ったことを書かせていただきます。

 それは、こうした講演会形式のカフェからもうワン・ステップ上がれるといいなあ、という思いです。前回はテンプラの若い人達が、会場の中でいろいろなことをやってくれたということや、次回は子ども達に参加してもらって「フィンランド流授業の体験ワークショップ」もあるということなので、今回のカフェだけを見た限りの感想です。リアルタイム・アンケートや対話的進行があったという意味では非常に有意義だった今日のカフェにではありましたが、さらにいろいろな「しかけ」を考えていく余地はありそうだと感じました。

 それと、1時間半で終わってしまうカフェはやはり尻切れトンボの不完全燃焼感が伴います。後半になってきて、お客さんもだんだんと乗ってきますし、いろいろと考えることもあるでしょう。さらには、家に帰ってから「そういえば!」といろいろなことが浮かんでくるに違いありません。そうしたことに対してカフェのアフターサービスがあるべきではないかとも思いました。

 そのためにブログを利用してはどうでしょう。カフェが始まる前にあらかじめエントリーを立ててアドレスを確定しておき、そのエントリーをホームページのように使うというアイディアです。参加者の方々には、当日そのアドレスを配布しておいて、カフェが終わった後しばらくの間はそこに補足情報を掲示したり、コメントやトラックバックで質疑応答などができるようにすると随分と効果的なアフターサービスができるように思います。是非、ご検討ください。

 その陰では、ひそかにCoSTEPが制作してコミュニティFM放送局(76.2MHz三角山放送局)から毎週土曜日に放送している「かがく探検隊コーステップ」のPodcastingも始まっていました。リーダーのSさんが独力で作ってしまったようなのですが、このフットワークの軽さもCoSTEPの素晴らしいところですね。

 さて、明後日のSTS学会のワークショップに向けて、私も明日から名古屋入りです。もちろん講演の準備も必要です。

 来週の土曜日には演習「ブログ・コミュニケーション1,2」もあります。演習と言っても私の場合は、講義とディスカッションを中心にやろうと思いますので受講制限はいたしません。お暇と野次馬精神それに何か意見をしてやろうと思われる方がいらっしゃいましたら、どうぞご遠慮なく午後1時に情報教育館の3階教室にお集まりください。
# by stochinai | 2005-11-11 21:36 | CoSTEP | Comments(4)

次は大学だと思います

 博物館などの「市場化テスト」に学者・文化人が反対要望書という記事が日経ネットに出ています。今朝の朝日新聞にも出ていたような記憶があります。

 国立博物館・美術館で、官民の競争入札を通じて官業の民間開放と効率化を促す「市場化テスト」が導入されることになると、美術品の収集や展覧会の企画などが民間に委託される可能性があるということですが、この件に関して財政再建と事業効率化を目指しているのだということであれば、今の世の中の流れから言って抵抗することはきわめて難しいと思います。

 国立博物館・美術館が独立行政法人化される時にも、「展示が流行追求型になる」「調査研究などの長期的取り組みが軽視される」などという今回と同じような議論がされたと思いますが、結局抵抗することはできませんでした。

 唯一、こうした政府の政策の打ち勝つ方法は、博物館・美術館側の意見に賛同する国民の声がわき上がることだと思うのですが、前回と同様、今回もダメだと思います。

 「庶民」の声がマスコミなどに取り上げられるとすれば、「自分の生活すら満足にできない時代に、高価な絵や美術品なんていらない」などとマスコミが報道するような予感がします。

 では、どうしたら良いのでしょう。

 博物館・美術館は効率化・財政再建に関して、政府に言われる前に様々なことをすることと、博物館・美術館を愛する(必要としている)人々の声を組織化すること、さらにはもっともっとたくさんの人々に博物館・美術館の楽しさ・おもしろさ・有意義性などを訴えていくことだと思います。

 今回の件に関しても、博物館・美術館側のとった行動が「平山郁夫東京芸術大学長と美術評論家の高階秀爾氏が9日、小坂憲次文部科学相と河合隼雄文化庁長官を訪ね、導入に反対する声明を手渡した」というのでは、ほとんどまったく力にならないと思います。

 そして今回の件に関して、我々に直接関係してもっと重要なことは、この流れは遅かれ早かれ国立大学にももたらされるはずだということです。

 その時になって、あわてて反対声明や陳情を始めてもすでに取り返しの付かないところまで行っているということは、前回の大学法人化の時にわかったことです。あの時も、我々は国民のサポートをいただくことはできませんでした。

 近い将来、大学に「市場化テスト」のような「民営化テスト」が導入される時にも、同じ状況が再現されるならば、そのまま認めざるを得ないことになるでしょう。

 その時に備えて我々が今すべきことは、効率化・財政再建に関して、政府に言われる前に様々なことをすることと、大学を愛する(必要としている)人々の声を組織化すること、さらにはもっともっとたくさんの人々に大学(学問)の楽しさ・おもしろさ・有意義性などを訴えていくことだと思います。

 同じですよね。さて、時間はあまりないと思いますが、できるでしょうか。
# by stochinai | 2005-11-10 15:34 | つぶやき | Comments(20)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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