5号館を出て

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ローマ法王の葬儀

 ヨハネ・パウロ法王(日本の教科書やカトリック教会では、教皇と言うのだそうです。どうして、違う言葉を使い続けるのでしょうか)の葬儀が行われたようです。

 「葬儀には国王4人と女王5人、各国元首・首脳70人以上が参列している」とのことですが、日本からは誰が行ったのでしょう。首相はテレビで郵政民有化の話をしてます。皇室からは皇太子が行っているのでしょうか。行ってませんね。都内でのミサに出席のようです。

 日本からは川口首相補佐官が出席ですか。いいのかなあ。各国は首相・大統領がゾロゾロですよ。またまた外交のセンスのなさが世界にばれちゃいますね。

 というか、誰も日本のことなんか気にしてないですかね。
# by stochinai | 2005-04-08 21:18 | つぶやき | Comments(2)
 私は市民記者であるという自覚はほとんどなく、記事も書いたことはないのですが、インターネット新聞『JanJan』今週の本棚では、書評することを前提に新刊書をプレゼントしてくれるので、良く応募します。

 今回は、『死体はみんな生きている』をいただきましたので、書評を書かせていただきました。(かなり、遅くなりました。JANJANの皆さま、すみませんでした。)

 書評「私たちはどうしてこんなに死体が好き(嫌い)なのだろう」は、こちらです。

 結構、書評もたまってきました。

『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』 守るべきものは、組織か人類か
『メディアが市民の敵になる』書評~さようなら読売新聞
『いのちを返せ』市民運動―勝利のドキュメント
『新型インフルエンザ アウトブレイク前夜』を読んで
『食べものと農業はおカネだけでは測れない』の書評 農業の危機を我々の命の危機と認識しよう
現代版『園芸家12ヶ月』~『趣味は園芸 気分は天気しだい』を読む
『箸の上げ下ろし』を読んで
# by stochinai | 2005-04-08 13:51 | つぶやき | Comments(2)

貝毒を無毒化する進化

 厚岸といえば北海道大学の臨海実験所があり、我々にとってはとても馴染みの深い場所であり、昔からカキの名産地でした。昨年からは「カキえもん」というブランド・カキも販売を開始、順調に売り上げを伸ばしていたということです。

 ところが、そこで水揚げされたカキから非常に高濃度の麻痺性貝毒が検出されてしまいました。厚岸の漁協では泣く泣く処分を始めています。

 麻痺性の貝毒はもともとは、主に渦鞭毛藻類のプランクトンが持っていたもので、それを食べる二枚貝に蓄積したものです。ですから、カキの近くに住んでいるアサリやホッキも危険性があるのですが、幸いなことに今回はそちらからは貝毒は検出されなかったということです。

 毒はフグ毒と良く似たもので、働くメカニズムもほとんど同じなので、死亡率も高くとても恐ろしいもののようです。不思議なタイミングで、今日出版された科学雑誌Nature(VOL 434 , 7 APRIL 2005)に、貝はどうしてその毒にやられないのかという論文が出ていました。

 オオノガイ (Mya arenaria)も麻痺性貝毒(saxitoxin)をためることが知られています。同じオオノガイでも毒を持った渦鞭毛藻の多い海域にいるものはその毒に耐性を持っているのですが、毒性の渦鞭毛藻のいない海域に住んでいるものは、その毒にやられて死んでしまうのだそうです。

 この毒はフグ毒と同じように、神経に多い「電位依存性ナトリウムチャンネル」というものに結合して働かなくしてしまう働きがあるので、麻痺を起こすのです。それはヒトでもカイでも同じであることがわかっています。

 ところが、渦鞭毛層の多い海域に住むオオノガイでは、このナトリウムチャンネル遺伝子に突然変異が起こって、毒が結合する部分を構成するタンパク質のアミノ酸の1個がグルタミン酸からアスパラギン酸に置き換わっていることがわかりました。それによってチャンネルの機能は阻害されることなく、毒に対して1000倍の耐性が得られるとのことです。逆に、貝が死ななくなったので、それを食べたヒトが死んでしまうことになったというわけです。厚岸のカキも耐性を持っているものと考えられます。

 これだけでも充分におもしろいでのですが、その論文のとなりにもうひとつ似たような論文が載っていました。麻痺性貝毒(saxitoxin)はフグ毒(tetrodotoxin)に良く似た分子なのですが、イモリの仲間には皮膚にこのフグ毒を持ったものが結構います。日本のイモリも持っているはずです。

 このイモリのフグ毒は、捕食者であるヘビに食べられないために進化的に獲得されたものと考えられますが、それを平気で食べるヘビ(garter snake)も知られています。なんと、このヘビでも上のカイと同じようにナトリウムチャンネル遺伝子に突然変異が起こって、フグ毒が結合しなくなっていることが発見されました。

 このように系統的には直接のつながりがないところで似たような進化が起こる現象を「収斂」と呼び、いろいろな動物が飛ぶための羽や翼を発達させたことなどが有名な例です。しかし最近は、タンパク質分子の立体的な形や遺伝子レベルでも同じような収斂が起こっている例が続々と報告されるようになってきており、地球上では同じような働きを進化させようとしたら、たとえ遺伝子のレベルで考えても、同じようなことをするしかないのかも知れないと考えられるようになってきています。

 この研究から、遺伝子を改変することでフグ毒にやられないヒトを作ることが可能になるのではないかと思われた方は鋭いです。可能だと思います。ただし、フグ毒にはやられなくなっても、なにか他の未知の機能が失われるかも知れないことは覚悟しておいてください。狭い視野で自分に都合の良いところばかりを見て科学技術を使うと、ろくなことにはならないというのが私からのアドバイスです。

追記:ここで扱われている例は「収斂」というよりは、「並行進化」ではないかという指摘を受けました。収斂と並行進化の違いは、ある機能を獲得するにあたって共通の祖先形質を共有するかどうかということかが判断のよりどころになるようです。あらゆる動物群に保存的に共有されているナトリウム・チャンネル分子は共通の祖先に由来する相同な分子と考えられますから、それが毒素との結合性を失うことで抵抗性を獲得するという機能を、異なる部分のアミノ酸置換によって実現しているこの現象を、収斂とするか並行進化とするかという点に関しては、確かに議論が分かれるような気がします。
# by stochinai | 2005-04-07 23:18 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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