5号館を出て

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 参加型に対する疑問:悪意の情報の流布にトラックバックします。

  相変わらず、ライブドアとフジテレビのマネーゲームの話題でマスコミの多くの部分が占められている毎日ですが、一昨日の仮処分申請でライブドアに軍配が上がったところで、私としてはこの問題に関するすべての興味が失せ果てたというのが実感です。

 やはり、どう考えても堀江さんも日枝さんも興味の中心はメディアの未来というよりは、現時点でなにが儲かるのかという話にあるように思われますし、そういう点では私から見る限り、お二人には相違点よりは共通点の方が多く見えるのです。同じ穴のムジナです。

 彼らの語るメディアのイメージは、超旧態依然の日枝さんのものも、超放任主義の堀江さんのものも、ちっとも私の心をわくわくさせてくれません。

 それだけではなく両者は、たとえ戦っている相手に情報を渡すことはできないと言う戦争の論理が原因とは言え、嘘の言葉を平気で垂れ流し続けてきているところが、まったく気に入りません。

 ライブドア側は「相手を乗っ取って支配する」「新聞・ラジオ・テレビの旧メディアには死んでもらう」と言っていた当初から、「話し合いで共同経営にしたい」とか「テレビがなくなるはずはないじゃないですか。インターネットと共存する道を探りましょうよ」などと方向修正するし、フジテレビ側も「乗っ取りをしようとする人間と会ったり、話し合ったりできるわけがない」「インターネットなんかなくてもテレビはちゃんとやっているじゃないですか」などという言い方から、裁判所の仮処分決定が出てからは「私は話し合いをしないなどとは、一度も言ったことはない。実務者同士で話し合えばいいと、ずっと前から言っていた」とか「フジテレビだって、インターネットはずっと前から利用しているんです」などと、発言をコロコロと変えています。

 つまり、いつの間にか両者にはすりあわせができてきているように思えるのです。正義感を持った若者から見たら、それは薄汚い「大人のやり方」以外のなにものでもありません。

 ここに至って、失言を繰り返す政治家などと同じように、堀江さんも日枝さんも、そして我々にとっては受験生時代の英雄だった亀ちゃんこと亀渕社長も、本来言葉で生きることを期待されているはずの人々が、言葉というものをあまりにも軽く扱っていること(つまりみんな嘘つきだ)に改めて失望を覚えざるを得なくなっています。

 もう、この人たちとまじめにつきあう気持ちはなくなりました。勝手にやったらいいんじゃないでしょうか。

 ライブドアも、フジテレビも、ニッポン放送も、来るべきメディアの未来を担うだけのビジョンはないと思います。それに比べると、いろいろと紆余曲折を繰り返しながらもブログの世界は着実に成長を続けているように思えます。

 ニュース23で、筑紫さんが堀江さんにしつこく食い下がっていた、ネットに任せておいて本当に正義のジャーナリズムが生き延びることができるのかという点について、残念ながら堀江さんはきちんと答えられませんでした(というか、彼は正義とか政治とかジャーナリズムとか人権とかには、全然興味がないようです)。

 しかし、堀江さんが理解していようといまいと玉石が混交しているネットジャーナリズムと、それを受け取る群衆が、たとえ断片的であれ発言の機会を与えられている雑多な市民(の一部)が、見ようによっては無政府的にやりとりができるというブログの世界は間違いなく今までになかった新しいジャーナリズムのありようだと思われます。

 私には、次世代のメディアというものは、マネーゲームの中からではなく、こうした無力な人々が集まって作られるうねりの中から出てくるように思われるのです。

 逆に言うと、その流れを的確につかめるかどうかが、お金儲けをできるかできないかにもつながるかもしれません。そういう意味では、ライブドアもフジテレビも正しく未来をつかんではいないような気がします。

 ただし、競馬と同じようにたくさんのお金を持っていれば、可能性のあるいくつかの馬を買っておけば総合的には勝つ確率が上がってきます。ライブドアが今まで勝っていることの理由のひとつは、そんなつまらないことなのではないかと思います。
# by stochinai | 2005-03-13 23:59 | つぶやき | Comments(2)
 眞鍋台風が去った研究室は、土曜日でしかも後期の2次試験ということもあり、静まりかえっております。

 研究室は静かなのですが、このブログは大騒ぎになっているみたいです。

 眞鍋さんが、こちらで撮影したXenopus tropicalis(日本名は、ニシツメガエルのようですが、熱帯ツメガエルと呼ばれることもあります)の写真でエントリーを立てられたのを発見したので、「今日はお疲れさま」と「無事で帰ったようでよかったです」といった軽い気持ちで、昨日のエントリー「眞鍋が学ぶ」を「眞鍋かをりのここだけの話」にトラックバックしたのが、昨夜の10時20分すぎでした。

 ところが、その瞬間からこのブログへのアクセスが爆発的に増加したのです。これには、びっくりしました。
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 忍者TOOLSというフリーのアクセス解析を利用しているのですが、この写真がその結果です。横軸に時間(白っぽい午前と黒っぽい午後)がとってあり、縦軸が1時間あたりのページビューの回数です。

 昨日のエントリーを立てたのが午後1時半頃でした。その後、3時に一度小さなピークがありますが、それが68とカウントされています。1時間のカウントは多くても40-50というのが、それまでの標準的な値ですから、まあ3時のアクセスはそこそこ高かったと言えます。

 その後は、サイトの緊急メインテナンスがあったりしてアクセスが落ち込んでいますが、8時・9時には13というカウントが続きます。

 ところが、そのあと10時すぎに眞鍋さんのブログにTBしてからが、大変。本当に瞬間的に反応が起こり、正味はその後30分くらいだったのですが11時のカウントがいきなり177になっています。その後、11時、翌日の0時1時までも「津波アクセス」が続いていたようです。

 深夜から早朝にかけても、そこそこのアクセスが維持され、7時から11時にかけては直線的に増加するという非常に興味深いパターンになっています。

 現在、12日の午後5時55分ですが、今日の総アクセス数が1426です。ブログ開設以来の最大アクセス数が588でしたので、あっさりと倍以上の値が出ていることになります。

 このサイトの訪問者数記録でも、昨日が215サイト、今日が現時点で638サイトからの訪問を受け付けていることがわかります。こちらも、今までは多くても毎日100人前後しか来ていただいておりませんでしたので、ものすごい増加であることが見て取れます。

 状況から判断して、明らかにこれは眞鍋さんのブログからたどって来た方の影響だと結論できます。

 おそるべし、眞鍋かをりの影響力。

 サイエンスZEROなどは、その影響力を利用して子どもや市民を教育しようという意図なのでしょうが、かなり効果がありそうだと思いました。私たちがちまちまと科学の宣伝をしても、そもそも振り向いてすらくれないことが多いのですが、眞鍋さんのような方に登場いていただくと、その振り向く数を爆発的に増加させることができます。たとえ、100人にひとり、いや1000人にひとりでもそのなかから、「生物学って、結構おもしろいじゃん」と思ってくれる人が出てくれば、広報は大成功と言えると思います。

 大学でも最近は、ホームページを充実させたり、広報誌を配布したりと、いろんな努力をするようになってきましたが、本当に意味のある広報活動をしようと思ったら、こうしたタレントさんなどの活用も真剣に考えていかなければならないと考えさせられた、季節はずれの「眞鍋台風」でした。
# by stochinai | 2005-03-12 18:06 | つぶやき | Comments(4)

眞鍋が学ぶ

 撮影が終了したので、もう情報を出しても良いのでしょうね。

 実は、昨日と今日はNHK教育テレビの「サイエンスZERO」の取材がありました。

 一昨日の「掃除と論文」というエントリーは、取材を受けるにはあまりにも汚くなっていた部屋の掃除をしていて書いたものです。

 たかがテレビの取材くらいで、情報を隠すことはなかろうと思われるかも知れませんが、今日の取材にはあの眞鍋かをりさんが来るということで、混乱を避けるために敢えて秘密にしていました。

 眞鍋さんは、今朝一番の羽田-千歳便で飛んできてくれました。6時半羽田発ですから、6時には空港に行って、、、ということを考えると昨夜は寝ているのかどうか心配になります。

 ここ数日、北海道の天気は微妙なところで、来ることはできても帰りの便が怪しいということになれば、ドタキャンもありという状況だったのですが、ギリギリのところで札幌は曇り時々雪の天候。朝になってもキャンセルのメールが来ないということは、すべて順調に進んでいるとのことで行動を開始しました。

 9時過ぎに眞鍋さん登場。準備を整えてから、外での撮影。これは、どんな映像になっているのか、私達はまったく知りません。研究室で準備を整えながら、打ち合わせ。だいたいの流れが決まったところへ、眞鍋さん、外での撮影から帰還。農学部の前で撮ったとのことです。

 心配だったのは、こちらではヤマトヒメミミズという小さなミミズと、アフリカツメガエルのオタマジャクシとカエルを使った実験を見せながら、いろいろと勉強してもらうという企画だったので、「動物は大丈夫ですか」というところから始まりました。眞鍋さんは「あ、甲殻類以外なら、全然大丈夫です」ということで第1段階はクリア。動物室に案内したら、アフリカツメガエルはメチャメチャ気に入ったようで、大はしゃぎでした。スナネズミのケージに手を突っ込んだり、オタマジャクシを手づかみして麻酔液に投入したりと、まったく飾り気のない素直な行動をしてくれましたので、いろんな意味で進行はとても楽でした。

 眞鍋さんは、文化系の大学を出ていると聞いていたのですが、さすがにとても頭の回転の速い人で、こちらが研究している生物学の最新の話題もすんなりと理解して付いてきて、さらには素直に喜んでくれたりしたのは、講義をしていてもやりやすいことこの上もなかったです。

 昨日の眞鍋さんなしの録画が数時間分(?)、今日の分だけでも1時間分くらいは撮影しましたけれども、実際に使われるのは5分くらいじゃないかと思います。とは言え、科学番組づくりの表と裏をしっかりと見せていただきましたので、いろんな意味でおもしろく楽しい経験をさせてもらったと思います。

 録画が終わったのが11時頃、天候がくずれると恐いと言うことで、眞鍋さま御一行はダッシュで千歳空港へと向かいました。仕事が終わって私服に着替えた後の方が、録画中よりも「タレントのオーラ」が出ていたようで、なんだか感心してしまいました。

 彼女が去った研究室は、なんだか抜け殻のようにも見え、私を含めみんながぐったりとしています。2日間の早朝からの勤務という肉体的疲れ以外にも、なんとはなしの精神的疲れもドッと出てきそうです。

 取りあえず、今週の仕事はこれで終了!ということにしておきましょう(^^;)。

 現在のところ、放送予定日は3月26日(土)午後7時から7時43分まで、チャンネルはもちろんNHK教育テレビです。仮題として「サイエンスZERO『神経細胞はよみがえるか』」というもので、我々の話は人間の脳の再生が中心になったプログラムの枕だと理解しています。

 と、ここまで書いてちょっと心配になって来ました。実際の放送は、かなりの確度で恥ずかしいものになっていそうな気がします。

 う~ん。見てもらいたいような、見てもらいたくないような、、、、、。

追伸:眞鍋さんも自分のブログでこちらのカエル(Xenopus tropicalis)を紹介してくれています。今日は本当にお疲れさまでした。我々の研究室では、眞鍋さんの香りを肴に、夕食会で盛り上がりました。ありがとうございました。また、お会いしたいものですね。

一夜明けて追追伸:眞鍋さんのブログの写真が追加更新されています。昨日から出ている痩せこけた「死体のような」一匹の写真に加えて、たくさんの浮遊状態のトロピカリスが出ています。友達に携帯(メーカーがわかるような呼び方をしていたのですが彼女が何を使っているかという情報ですら、場合によっては影響が大きすぎますので削除)で送信すると言いながらたくさん写していたので、まだ他にも秘蔵写真をもっているかもしれませんね。キモイといいながら、カエルはかなり好きみたいでした。
# by stochinai | 2005-03-11 13:32 | 生物学 | Comments(11)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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