5号館を出て

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e-TAXなう

 今年はじめてe-TAXで確定申告をしてみました。

 いろいろとトラブルはありましたが、郵送したり、ましてや税務署へ行ったりしなくて良いのはやはり便利です。国税庁のホームページも年々改善しているようで、カードリーダー分の5000円の免税措置があるうちに考えてみても良いかも知れません。

 e-TAXのホームページ
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 というわけで、誰でもが簡単にできるというものではないかもしれませんので、私の少ない体験をもとにe-TAX納税までのハードルについてメモを残しておきたいと思います。

 まずは大前提として、住民基本台帳カード(住基カード)とそのカードに電子証明書機能を持たせるための手続きが必要です。私は最初、住基カードさえ手にいれればそれが電子証明書になってくれるものだと思っていましたが、追加で申し込みが必要です。また、住基カードの有効期限は10年、電子証明書は3年です。さらに、電子証明書を発行してもらうときにパスワードを設定しますが、このパスワードとe-TAXで発行されるパスワードは別のものですので混乱しないように注意してください。

 もうここまでで、めげてしまう人もいるでしょうね。この先まだまだ、ハードルが続きます。

 続いて電子カードリーダー・ライターを購入します。ハードウェアをコンピューターにつなぐのですから、当然ドライバーやユーティリティのインストールも必要になります。私はソニーの「FeliCaポート/パソリ」というものを購入しました。どんなリーダー・ライターでも使えるとは限りませんので、e-TAXに対応しているということを確認して対応機種を購入してください。
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 パソリではe-TAXのためのサポートページがありますので、そちらを参照してください。

 e-Taxサービスをご利用いただく際の手順

 特に注意しなくてはならないのは、パソリを使う場合には通常のユーティリティ・ソフト以外に「PC/SC アクティベーター for JPKI」をインストールするのを忘れないでください。これが入っていないと住基カードが認識されません。

 もう、嫌になりましたか?

 ここまでできた人は、e-TAXのサイトから最初に行わなければならない4つのステップを一度にやってくれるツールをダウンロードして実行してください(平成21年分事前準備セットアップ:ウィンドウズ用)。そしてブラウザのポプアップブロックを解除して、ようやく書類への「入り口」にたどりつくことができます。

 「平成21年分 確定申告書等作成コーナー」に進むと、「e-TAX」と「書面提出」を選ぶ画面になりますので、ここまででなにかトラブルがあった場合やもういやになった場合には書面提出を選択すれば良いでしょうが、せっかくここまできたのでとりあえず「e-TAX」を選び、上の準備ができているかどうかのチェックボックスをすべてクリックすると次の画面に行けます。

 最初の画面はなんと「開始届出の作成コーナー」で、まだ納税のための書類には行けません。このあたりまで来ると、もうあとには引けない感じでどんどん突き進みます。ここでまた新しい暗証番号などを要求されますが、住基カードの電子証明書とは別の利用者識別番号をもらうためのパスワードなので混乱しないように注意しましょう。そのあとで、今度は住基カードの電子証明書の登録のためのパスワードを要求され、めでたく認証されるとようやく申告書の入力ができるようになります。

 申告書を作成するときには、「給与還付申告の方」「年金所得の方」「左のいずれにも該当しない方」という選択肢があります。年金以外の最初と最後の区別はわかりにくいので、わからなかったらその下にある若葉マークのついた「質問形式による申告書作成」を選ぶと良いのではないでしょうか。私は最初、給与還付申告を選んで「雑収入」の入力ができなかったので、あせりました。

 ここから先はよほどたくさんの収入やよほど沢山の領収書を持っている人でなければ、比較的短時間で終わると思います。

 e-TAXのありがたさは、最期まで記入が終わるとあまりにもあっけないほど簡単に終了できることと、証拠書類を手元に残しておいて良いということだと思います。

 おそらく、とてつもなく高い金をはらってこんな使いにくいページが出来上がっているのだと思いますが、どなたか国税庁のe-TAXのページをユーザーフレンドリーに作り替えてくださらないでしょうか。その数分の1の値段で、はるかに使い易いシステムを作ることのできるエンジニアは日本にたくさんたくさんいるはずです。

 私は、雑収入が少しあったために、医療費の還付や5000円の電子申告特別還付があったのですが、今年は追加納税をすることになってしまいました。こちらも苦しい中をお払いするわけですから、有効に使ってくれないと困りますよ。新政権の方々!

 というわけで、電子申告なうでした。
# by stochinai | 2010-03-10 20:18 | コンピューター・ネット | Comments(5)

3月9日のtwitter

Tue, Mar 09


  • 12:14  オーストラリアとスウェーデンで見つかった海産「ミミズ」の近縁新種 内容よりも分類学の博士論文がニュースになったことに驚き! 'Globetrotting' new worms discovered on Great Barrier... http://ow.ly/1fSGm

  • 12:06  道内向け?新しい食の雑誌 『choi‐plus(ちょいぷら)』 創刊!! (宝の島 北海道をもっと楽しもう!) 「レシピ本でもない、グルメ本でもない!・・都会の女性に向けた、「ちょっと」おしゃれで・・食情報が満載の食のエンタテインメント誌」  http://ow.ly/1fSBz

  • 12:01  有性生殖の植物を無性生殖化(アポミクシスの種)できる可能性 鍵はスモールRNA 続きはNatureオンライン版で Asexual plant reproduction may seed new approach for agriculture http://ow.ly/1fSxI

  • 11:48  七色ヨリドリの七匹の子ウサギ 余計な足がなければパーフェクトな写真なのですが・・・(笑) The Seven Dwarves! - Daily Squee http://ow.ly/1fSeR

  • 11:28  アルパカやラマの仲間、ビクーニャの赤ちゃんとお母さん アルパカ萌の人にはおススメの写真 Vicuña Fawn Tolerates Mom - ZooBorns http://ow.ly/1fRUy

  • 11:13  ポスドク問題のまとめ: 高学歴ワーキングプア - その発生・現在・そしてその解決に向けて 「1.若手研究者問題の発生過程 2.高額な教育自己負担と貧弱な高等教育予算 3.不安定な労働条件 高学歴ワーキングプア 4.これからどうする」 すくらむ http://ow.ly/1fREM

  • 06:46  .@dff_ClickBokin 10万円突破しました。目指せ100万円!つぶやくことで無料で1円を募金できます。「チリ大地震支援ツイッター募金」にご協力ください。 http://www.dff.jp/ct/twit/dnt/


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# by stochinai | 2010-03-10 07:07 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 まさか、外務省のホームページでこのような文書が公開されるとは思ってもいませんでした。

 いわゆる「密約」問題に関する調査結果報告対象文書(35点
報告対象文書一覧リスト(PDF形式 0.06MB)
1960年1月の安保条約改定時の核持込みに関する「密約」問題関連(PDF形式 11.7MB)
1960年1月の安保条約改定時の朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する「密約」問題関連(PDF形式 4.6MB)
1972年の沖縄返還時の有事の際の核持込みに関する「密約」問題関連(PDF形式 5.8MB)
1972年の沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わりに関する「密約」問題関連(PDF形式 6.0MB)
 いわゆる「密約」問題に関する調査結果その他関連文書(296点)
その他関連文書一覧リスト(PDF形式 0.16MB)
1960年1月の安保条約改定時の核持込みに関する「密約」問題関連
4分冊の1(1~32)(PDF形式 50.0MB)
4分冊の2(33~61)(PDF形式 67.2MB)
4分冊の3(62~105)(PDF形式 54.3MB)
4分冊の4(106~115)(PDF形式 6.3MB)
1960年1月の安保条約改定時の朝鮮半島有事の際の戦闘作戦行動に関する「密約」問題関連
5分冊の1(1~31)(PDF形式 48.8MB)
5分冊の2(32~55)(PDF形式 59.1MB)
5分冊の3(56~86)(PDF形式 50.6MB)
5分冊の4(87~145)(PDF形式 48.7MB)
5分冊の5(146~210)(PDF形式 41.4MB)
1972年の沖縄返還時の有事の際の核持込みに関する「密約」問題関連
2分冊の1(1~55)(PDF形式 44.0MB)
2分冊の2(56~121)(PDF形式 38.7MB)
1972年の沖縄返還時の原状回復補償費の肩代わりに関する「密約」問題関連(PDF形式 14.6MB)
 この中にある文書のいくつかを見てみましたが、その生々しさにドキドキしてしまいます。たとえば、こんなふうです。
政権交代を実感する秘密文書の公開_c0025115_2038318.jpg
 無期限の極秘文書であることを示す印があり、それを(外務)大臣・官房長(官?)をはじめ錚々たる外務省の高級官僚が目を通したというサインや花押が書き込まれています。文書は昭和44年(1969年)12月15日という沖縄返還前夜に行われた佐藤総理大臣とニクソン大統領の会談で話された「密約」を記録したものです。それから40年間も日本政府はその存在すら否定し続け、我々国民に真実を開示することを拒否してきました。

 もちろん、多くの国民は日米間に核や米軍、沖縄返還などに関する密約があったこと、また今日に至るまであり続けていることを「確信」していたと思いますが、そのこととこうした証拠とともに政府が事実を認めることの差はとてつもなく大きいと思います。

 なんということか、一方まあ当然そうだろうという気もするのですが、重要文書の多くが消失していることも発覚したようです。

 「深刻な反省必要」と指弾 公文書破棄の有無、焦点に (中國新聞)
 有識者委員会は報告書で、重要文書が多数消失していたことを「遺憾」「深刻な反省が必要」と厳しく指弾。文書の破棄の可能性にふれ「今後、何らかの調査が必要」と結論付けた。衆院外務委員会は、歴代外務次官らの参考人招致を決めており、破棄の有無が今後の焦点になりそうだ。

 ・・・・・

 「当初から文書を作成しなかったのか、文書を破棄したのかも明らかではない」と、報告書は一歩踏み込んで破棄の可能性に言及した。

 有識者委員会は、日本では米英とは逆に情報公開法が先に制定され、10年後に公文書管理法が制定されたことを問題視。2001年の情報公開法施行と省庁再編の前に「公私文書の大量廃棄を招いたことは容易に推測できる」と結論付けた。

 委員会は、情報公開法施行前に「(密約)関連文書が破棄された」との外務省内の情報を把握しており、報告書で破棄の可能性にあえて言及したとみられる。
 こういう話を聞くと、「政権交代は無血革命だった」という言い方がたんなるレトリックでもないようにも思えてきます。革命や戦争などで、旧政府が転覆される時に大量の政治文書が焼却されるのは映画で良く見るシーンですが、この日本でも静かに着々と行われてきたことを知ってみると、官僚の一部はいずれ自民党政権が崩壊することを予知していたということなのかもしれません。

 しかし、たとえ重要な文書が抜けているとはいっても、今回公開された「永久極秘文書」の内容が詳細に検討されたならば、戦後60年間自民党政権と外務官僚が我々に何をしてきたのかということは、かなり明らかになることでしょう。最近は内閣や民主党の支持率が劇的に低下しているようですが、また自民党政権に戻ってせっかく明らかになりつつある、こうした戦後の歴史がまたまた闇の向こうに隠されるようなことにならないことを願っております。

 それにしても、こうした秘密外交を暴いた毎日新聞の西山元記者は、その後半生を政府にズタズタにされたことは明らかです。今からでも遅くありませんので、西山さんが元気なうちに「日本政府」として謝罪と彼の名誉回復をすべきだと思います。

 そういうことを地道に続けていけば、人々はまさかまたすぐ自民党政権に戻りたいなどとは思わないと思います。

 とりあえず、民主党政権は命をかけて4年間は政権の座にとどまり、戦後の自民党政権がしたことをすべて明らかにしてから、去るなり政界再編をするなりしていただきたいと思います。

 とりあえず、これで支持率は5%くらい上がるのではないでしょうか(笑)。
# by stochinai | 2010-03-09 21:09 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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