5号館を出て

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アルビノのゾウ

 英語で「ピンクのゾウ pink elephant」というと、あり得ないものの代表のようで、ピンクのゾウが見えたら泥酔も本物だといわれるようです。

 もちろん、そんなあり得ないものを発見したらニュースになるわけで、BBCNewsが報道しています。
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 アフリカ、ボツワナのオカヴァンゴ・デルタにいた80頭ほどの群れの中に、ピンクの子象がいてカメラにおさめられています。
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 ピンクというよりは、肌色という感じですが、どうやら黒色素を欠いたアルビノ(白色変異)のようです。

 動物のアルビノは目が赤いかどうかで見分けられるのですが、他の写真に写っている子象を拡大して見ると、確かに目は赤いようです。
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 記事にもアルビノだと書いてあるので、おそらくそうなのでしょう。アフリカゾウでアルビノはとても珍しく、しかも過去にも子象でしか見つけられたことはないとのことで、アフリカという強い太陽とたくさんの肉食の捕食者のいる環境では、紫外線によるダメージと捕食者に見つけられやすいということから、成体になるまで生き残るのは難しいようです。

 ただし、この子象のいる群れは捕食者から隔離された、樹木も多く、いつでも泥浴びのできるデルタ地帯の中に住んでおり、さらに子象はいつも母親の作る影の下にいるように行動していることから、運が良ければ大人になれるかもしれないと書いてあります。そう簡単なことではないでしょうが、せっかく生まれたのですから無事に育って欲しいと願うばかりです。

 アフリカゾウではとても珍しい一方、アジアゾウでは成体を含めアルビノが時々見つかるのだそうで、アフリカとアジアという環境の違いがアルビノの生存を左右している証拠の一つと考えられています。

 BBCはピンクのゾウが好きなようで、昨年もニュースでスリランカのアルビノゾウを取り上げています
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 ヒンズー教や仏教では「白い象」が神聖なものとして出てくることがしばしばあるようです。アルビノは白いというよりはピンクですが、それが神格化される時に「白」になった可能性はありそうです。

 スリランカなどでは、ゾウは農家にとっては害獣で憎まれる対象ですが、実際には4000頭くらいに減ってしまって絶滅が危惧されている動物でもあります。保護派は12年に一度くらい出現すると言われるアルビノが人々に与えるインパクトをゾウの保護に利用しようとしていますが、貧困な農民の生活が脅かされている限りはゾウどころではないというのが、住民の本音でしょうね。

 難しいところです。
# by stochinai | 2009-03-20 21:29 | 生物学 | Comments(2)

春分の日 【午後の雪】

 春ってことでしょうか?
春分の日 【午後の雪】_c0025115_10212663.jpg
 札幌の積雪は、例年の4月初めから半ばのあたりの状態まで低くなっています。
春分の日 【午後の雪】_c0025115_10295692.jpg
 この後、降雪の予報が出てはいますが、もはや積もることはほとんどないでしょう。

 と思っていたら、午後3時過ぎにかなり激しく降っています。
春分の日 【午後の雪】_c0025115_1527386.jpg
 「春の淡雪」だと思いたいのですが・・・。

 そして、午後6時頃です。
春分の日 【午後の雪】_c0025115_1885034.jpg
 路面がオレンジ色に見えるのは夕焼けではなく、街灯のせいです。
# by stochinai | 2009-03-20 10:30 | コンピューター・ネット | Comments(4)

転ばぬ先のKNOPPIX

 WindowsやMacのOSは、一頃に比べると随分と安定してきてはいるというものの、コンピューターを使っている限り、ソフト・ハードのトラブルをゼロにすることはできません。バックアップなどの安全対策は今は基本中の基本として誰でもが実行していると思いますが、そうした対策をあざ笑うかのように起こるのが事故の事故たる所以です。

 そうしたコンピューター事故の中でも最悪のものが、OSが起動しなくなり作成したファイルすら読み出すことができなくなるというものかもしれません。そうした事故のために、何日も書けて作成した書類を一瞬のうちに失った経験などないという人の方が少ないのではないでしょうか。

 Windowsが起動しなくなっても、リカバリーCDがあればでシステムを再構築することはできますが、それまでに作成したファイルを回復できるとは限りません。そういう時に、LinuxなどのOSを立ち上げてファイルだけを救うことで、私も2度ほど命拾いしたことがあります。その時にお世話になったのが、CD1枚で立ち上がるLinuxであるKNOPPIXだったものですから、私の脳には「困った時はKNOPPIX」という言葉が刷り込まされています。

 もちろん、KNOPPIXが立ち上がっても、ハードディスクの重要部分がクラッシュしたなど、ハードに近いところで起きた救いようのない事故もあるのですが、最後の望みをKNOPPIXにかけるという気持は今でも持ち続けています。

 というわけで、今のような年度の変わり目の時期に、リカバリー用のKNOPPIXのシステムディスクでも作っておこうかと思っておりましたところ、今月初めにKNOPPIXが最新版の6.0.1になったというニュースに接しました。

 最新版KNOPPIX 6.0.1の日本語版が公開

 「KNOPPIXはドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発したディストリビューション」で、本家のサイトには、こんなかわいいマスコットがいます。
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 日本語化された、KNOPPIXは産業技術総合研究所で配布しています。
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 こちらから、CD-ROMイメージであるisoファイルをダウンロードして、CDのライティング・ソフトを使って「コピーではなく、イメージを焼く」という作業を行うだけで、簡単にKNOPPIXの起動CDができあがります。これが、一枚あると、いざという時に役に立ってくれるかもしれません。
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 KNOPPIXのもう一つの特徴として、この写真に写っているようにUSBメモリーから起動することができるということがあります。私の使っている Let's Note R や最近はやっているネットブックなど、CD-DVDドライブがついていないものの場合でも、USBメモリーから起動できて中のハードディスクにアクセスできるということになると、とても便利です。

  ネット検索するとKNOPPIX起動USBを作るための、かなり面倒な方法が見つかりますが、あまりにも面倒くさくて市販の数千円もするUSBを買おうかという気にもなりますが、簡単に作る方法が用意されています。KNOPPIXをCDで立ち上げると、USBメモリーなどのフラッシュディスクから起動することを可能にする Install KNOPPIX to flash disk というプログラムがあります。それを使うと、クリックひとつでUSBメモリーにも起動プログラムができあがります。

 準備万端にしておいたとしても、こうしたものが必要になる機会など来ないに越したことはないのですが、転ばぬ先のKNOPPIXということで、お守りのつもりでひとつ用意しておいてはどうでしょうか。
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 新しいノートだと、BIOSを設定するだけで、CDやUSBメモリーからOSを起動するようにできますが、USB-CDと違ってUSBメモリやUSB-HDDはデフォルトではOSは起動できないようになってる場合があります。そういうものでもBIOS設定画面の説明を丁寧に読むと、設定できるやり方が書いてあるかもしれませんので、予め練習しておきましょう。Let's Note の場合には、設定の時にxキーを使います。(最初はそれがわからず、Let's Note ではUSBメモリーからの起動はできないのかと思っていました^^;。もちろん、不可能な機種もあります。)
# by stochinai | 2009-03-19 20:35 | コンピューター・ネット | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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