2009年 03月 20日
アルビノのゾウ
英語で「ピンクのゾウ pink elephant」というと、あり得ないものの代表のようで、ピンクのゾウが見えたら泥酔も本物だといわれるようです。
もちろん、そんなあり得ないものを発見したらニュースになるわけで、BBCNewsが報道しています。
アフリカ、ボツワナのオカヴァンゴ・デルタにいた80頭ほどの群れの中に、ピンクの子象がいてカメラにおさめられています。
ピンクというよりは、肌色という感じですが、どうやら黒色素を欠いたアルビノ(白色変異)のようです。
動物のアルビノは目が赤いかどうかで見分けられるのですが、他の写真に写っている子象を拡大して見ると、確かに目は赤いようです。
記事にもアルビノだと書いてあるので、おそらくそうなのでしょう。アフリカゾウでアルビノはとても珍しく、しかも過去にも子象でしか見つけられたことはないとのことで、アフリカという強い太陽とたくさんの肉食の捕食者のいる環境では、紫外線によるダメージと捕食者に見つけられやすいということから、成体になるまで生き残るのは難しいようです。
ただし、この子象のいる群れは捕食者から隔離された、樹木も多く、いつでも泥浴びのできるデルタ地帯の中に住んでおり、さらに子象はいつも母親の作る影の下にいるように行動していることから、運が良ければ大人になれるかもしれないと書いてあります。そう簡単なことではないでしょうが、せっかく生まれたのですから無事に育って欲しいと願うばかりです。
アフリカゾウではとても珍しい一方、アジアゾウでは成体を含めアルビノが時々見つかるのだそうで、アフリカとアジアという環境の違いがアルビノの生存を左右している証拠の一つと考えられています。
BBCはピンクのゾウが好きなようで、昨年もニュースでスリランカのアルビノゾウを取り上げています。
ヒンズー教や仏教では「白い象」が神聖なものとして出てくることがしばしばあるようです。アルビノは白いというよりはピンクですが、それが神格化される時に「白」になった可能性はありそうです。
スリランカなどでは、ゾウは農家にとっては害獣で憎まれる対象ですが、実際には4000頭くらいに減ってしまって絶滅が危惧されている動物でもあります。保護派は12年に一度くらい出現すると言われるアルビノが人々に与えるインパクトをゾウの保護に利用しようとしていますが、貧困な農民の生活が脅かされている限りはゾウどころではないというのが、住民の本音でしょうね。
難しいところです。
もちろん、そんなあり得ないものを発見したらニュースになるわけで、BBCNewsが報道しています。
動物のアルビノは目が赤いかどうかで見分けられるのですが、他の写真に写っている子象を拡大して見ると、確かに目は赤いようです。
ただし、この子象のいる群れは捕食者から隔離された、樹木も多く、いつでも泥浴びのできるデルタ地帯の中に住んでおり、さらに子象はいつも母親の作る影の下にいるように行動していることから、運が良ければ大人になれるかもしれないと書いてあります。そう簡単なことではないでしょうが、せっかく生まれたのですから無事に育って欲しいと願うばかりです。
アフリカゾウではとても珍しい一方、アジアゾウでは成体を含めアルビノが時々見つかるのだそうで、アフリカとアジアという環境の違いがアルビノの生存を左右している証拠の一つと考えられています。
BBCはピンクのゾウが好きなようで、昨年もニュースでスリランカのアルビノゾウを取り上げています。
スリランカなどでは、ゾウは農家にとっては害獣で憎まれる対象ですが、実際には4000頭くらいに減ってしまって絶滅が危惧されている動物でもあります。保護派は12年に一度くらい出現すると言われるアルビノが人々に与えるインパクトをゾウの保護に利用しようとしていますが、貧困な農民の生活が脅かされている限りはゾウどころではないというのが、住民の本音でしょうね。
難しいところです。
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by stochinai
| 2009-03-20 21:29
| 生物学
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Comments(2)