5号館を出て

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 このブログでも時々、サイバーバズの依頼による商品やサイトの紹介をさせていただいております。おそらく、このサイトを定期的にごらんになっておられる方の中には、タイトルに【クチコミ案件】などとあるものは読まない、という方もいらっしゃることと思います(笑)。

 【クチコミ案件】でやっていることは、モニターで製品をいただき、その感想を書くというパターンが多いので、書く方としてはブログのネタをいただいた程度の感覚ですが、依頼する方は当然のことながら広報を期待しているわけです。もちろん、モニター商品をいただくくらいで、広報に対応する特別な報酬をいただいているわけではないので、ポジティブな内容の紹介記事にする義理はないのですが、心理的にはバイアスがかかっている可能性はあるシステムだと思います。

 というわけで、私の感触としてはこのブログサイトではコマーシャル機能はほとんど果たしていないのではないかと思っておりますが、実際はどんなものなのでしょうか。

 この度、そうしたクチコミ企画を運用している株式会社サイバー・バズが、クチコミ広告の実態を調べる目的で、アンケート調査をするということでその告知を依頼されました。

 アンケート回答は、下の「アンケートサイト」をクリックしていただいた先のページにあります。

 アンケートサイト

 個人的には、どのくらいクチコミが商品購買とつながる可能性があるのか興味がありますので、この調査結果が出るのを楽しみにしています。

 お暇がありましたら、1分程度プチプチにご協力をお願いします。
# by stochinai | 2008-07-17 19:50 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 今朝、ポッドキャスティングで聞いたくりらじテクノロジーニュースで言っていたのですが、Gmailに不正アクセスを監視するツールがついたようです。

 Gmailを使っている方も増えていると思いますが、あちこちの共用パソコンからメールを見られることは便利なのですが、自分ではログアウトしたつもりでも、次にアクセスした人がそのままメールを読めてしまったり、パスワードを盗まれたりするのではないかという不安がつきまとうものです。

 私もGmailを愛用しておりますが、持ち歩いている自分のノートパソコンでアクセスしている分には不安はないのですが、時々ついつい共用のパソコンからアクセスしてしまうこともあり、一抹の不安は感じていないわけではありません。

 番組の中では「gmailにリモートログアウト機能追加」という話題として取り上げられていました。実際に使ってみると、もちろん現在アクセスしているところから、それ以外のすべてのGmailアクセスでつながっているところがあったとしても、それらをすべてログアウトして切断することもできるのですが、そういうケースはあまり多いようには思われません。

 それよりむしろ、この機能のすばらしさは自分以外の人が自分のメールボックスにアクセスしている可能性をチェックできることだと思います。実際に使ってみると、すぐにわかると思いますので、試してみてください。

 Gmailのメールの任意のページで、一番下に常に表示されている部分を見てください。私の場合だと、こういうふうになっています。
Gmailのセキュリティ監視システム_c0025115_2335872.jpg
 状況によって文面はちょっとずつ変わるようですが、「このアカウントは他*カ所のロケーションから・・・・」と書いてある行の最後にある、「詳細」という文字がリンクになっていますので、そこをクリックするとちょっと感動的な情報に出会えます。
Gmailのセキュリティ監視システム_c0025115_23373427.jpg
 「このアカウントのアクティビティ」ということで、「このメールアカウントにおける前回の最終アクティビティと現在実行中のアクティビティに関する情報」が、詳細に表示されるのです。

 この例では、私が大学で4台のコンピューターで同時にアクセスした上で表示させたものです。現在、この情報を見ているコンピューター以外に3台のコンピューターから、ブラウザによりアクセスされており、さらにそのうちの2台においてはiGoogleでもメールが表示されていることがわかります。

 しかも、すべてのコンピューターのIPアドレスと、アクセスした日時が表示されますので、自分がアクセスしたものかどうかは、一目瞭然でわかるはずです。ここではブラウザとiGoogleでのアクセスだけが表示されていますが、POPやIMAPもしっかりと表示してくれます。

 その上で、もしも自分ではないアクセスが実行中だったり、あるいは自分のアクセスに違いなくてもログアウトし忘れているものが発見されたりしたら、「他のセッションをすべてログアウト」というボタンを押すと、瞬時にすべてのアクセスが遮断されます。その上で、不正アクセスが疑われたらすぐにパスワードを変更すれば、以降の不正アクセスは防止できるはずです。

 普通のメールサーバーでも、システム管理者はこうした情報を把握しているのですが、一般ユーザーにまで公開されることはほとんどないと思います。しかし、こうした情報は個々のユーザーが把握することで不正アクセスを検出する精度がグンと高まりますので、Googleが始めたこのサービスは、他のメールサーバーでも見習ってほしい非常にすばらしいものだと思いました。

 久々に、かゆいところに手が届くサービスに出会った感じです。

 この調子だと、Googleの独走はまだまだ続きそうですね。
# by stochinai | 2008-07-16 23:56 | コンピューター・ネット | Comments(0)
 先週10日、ノーベル賞を受けた小柴昌俊さんのお弟子さんで、現在日本でもっともノーベル賞に近いところにいる物理学者と言われていた戸塚洋二さんががんでなくなったという記事を目にしていました。朝日新聞に載っていた、「弟子を失うのは、親が子どもに先立たれるのと同じ。こんなにつらいことはない」という、小柴さんのコメントが心に残っていましたが、個人的に物理学には疎い私は、戸塚さんの業績もほとんど理解しておらず、単に高エネルギー加速器研究機構長だったということを新聞記事から情報として得ていたくらいの存在でした。

 それとはまったく別の話で、ウェブ上にはがんと闘病しながらブログを書き続けておられる方がたくさんいらっしゃいます。私がRSSで購読していたひとりのブロガーの方が、がんとの闘病の報告の他に、大学や研究のことを内部の人間のひとりとしてかなり的確なご意見を書いていらっしゃっいました。他は、ご趣味で庭に咲いている花の写真を撮してアップされていたのが、私と趣味が合うということで、よく見せていただいていたものです。ところが、その方のブログが先月から、ほとんど病気の状況と花の写真しかなくなってきていたので、だんだんと読むのがつらくなってくるとともに、心配もしておりました。

 その結果、7月2日に胡蝶蘭の写真を載せたブログがご自身で書かれた最後のブログになりました。写真も奥様が撮られたもののようで、最後の一文がとても気になっていました。

 今日、病院に外来で来ましたが、残念、そのまま入院になりました。

 いままでも、ネットの上で似たような言葉を最後に戻ってこられなかった方を、何人か見ておりましたので、その時フッと不安な思いがしたのですが、そのまま忘れておりましたところ、本日新しい記事が書かれました。
few more monthsの家族のものです。

皆さんすでにご存じのとおり、父は7/10に亡くなりました。
最後まで見守った家族としては、その壮絶な経過を記したいところですが、
本人はきっと嫌がるでしょう。
ただ、がんと正面から向き合い最後まで戦い抜いたということは言って良いと思います。

07年8月から始まったこのブログは、結局forth-three monthsで閉じることとなりました。

これまで皆さんに読んでいただき(時として更新することがプレッシャーともなっていたようですが・・・)、少しでも皆さんのお役に立てたのであれば、本人も喜んでいるものと思います。

これまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
本人に代わりここで御礼申し上げます。
 そこには、今まで見たことのなかった暖かい笑顔で微笑むご本人の遺影も掲載されていました。その写真毎日新聞に載っていた写真を比べ、「みなさんすでにご存じの通り」と「7月10日に亡くなりました」という言葉で、それまでまったく関係がないと思っていた2人の存在が、私の中でひとつにつながりました。このブログを書いておられたのは、戸塚洋二さんだったのです。

 私がこのブログの存在を知ることになったのは、「落ちこぼれの年金生活研究者」と名乗ってブログを書いておられたFewMoreMonthsさんが、私が昨年の9月13日に文科省の「世界トップレベル研究拠点」が決まったことについて書いたふてくされエントリー「bad news for Hokudai」に対して、非常に丁寧な反論のエントリー「世界トップレベル研究拠点プログラム採択課題の感想」をトラックバックしてくださったからです。しかも、コメント欄にも「初心者なのでトラックバックがうまくいったかどうかわからない」とか、「失礼があればお許し下さい」とか書き込まれ、とても紳士的な方でしたので、強く印象に残っておりました。

 書かれたものを読む限り、どちらかというと研究費を配分する側にいる方のように思われ、この方はただ者ではないと思ってはいたのですが、個々の議論に関しては意見が違うことがあったとしても、日本の科学研究の将来を憂う思いは同じだと感じ、それからは少々不吉なタイトルを持つブログ、The Fourth Three-Monthsを定期購読させていただいておりました。

 今から思えば、余命数ヶ月と宣告された時に、まだまだ後輩達に言い残しておかなければならないことがあると、ブログを始められたのではないかと思います。日本の科学政策に関しても、報告書などを詳細に読み解いて議論されておられ、私の雑文などと違ってブログにしておくのはもったいないような有益な提言もたくさんありました。残念ながら、あと少しで1年というところで途切れることになってしまいました。

 ネットやブログがなかったら、私のようなものがこのような偉大な方と議論するなどという機会は決してなかったものと思われます。だからどうしたということはないのですが、ネットの上で知り合い、実名も知らぬまま時折議論をし、日本の科学の将来を憂う同士としての連帯感も感じていたところでした。

 本日、FewMoreMonthsさんが戸塚洋二さんであることを知りましたが、新聞記事などのようにその方がノーベル賞を取る前に逝ってしまったということを嘆くよりも、私にとってひとりの貴重なブログの仲間を失ったということを心から悼んでおります。

 お疲れさまでした。ご冥福をお祈り申し上げます。
# by stochinai | 2008-07-15 19:58 | コンピューター・ネット | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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