5号館を出て

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 気が付いてみると、NORADのサンタ追跡作戦開始まで1週間を切っていました。
クリスマスも近づいていた_c0025115_23132855.jpg
 年中行事というものは、どんなに忙しい人でもそれに参加することで息抜きを与えようという人類の知恵なのかもしれません。

 たまには、ぼんやりとクリスマス・シーズンを味わうのも必要なのでしょう。

 右のカードは、CoSTEPが誇るデザイナーのO津さんの今年の新作カードです。CoSTEPの履修生になるともらえるかもしれませんよ。

 どなたさまも、メリークリスマス!
# by stochinai | 2007-12-17 23:16 | スマイル | Comments(1)
 13日に大阪高裁で提示された和解骨子案を即座に拒否した薬害C型肝炎訴訟の原告・弁護団に、国から15日夜に譲歩した提案の打診があったものの、16日の会合でこれも被害者全員の一律救済の主張と反するとして、受け入れ拒否が決定されたと報道されていました。

 時事通信によると原告側の主張は次のようになっています。

 (1)責任を認め衷心より謝罪する
 (2)投与時期にかかわらず症状に応じ一律の和解金を支払う
 (3)今後提訴する患者のうち、製剤投与で感染が立証された場合に、既に訴訟を起こしている人と同一基準の和解金を支払う

 国や製薬会社に責任があることに疑いがない以上、この要求が過大なものだとは思えません。国の責任は、国会議員を選んだ我々国民・納税者の責任でもあります。納税者の1人としては、国の財政が逼迫していることはわかりますが、この和解案を飲むくらいの責任は感じます。

 裁判のニュースだけ見聞きしていると、薬害被害者の方々は国に対して報復してようにも見えますが、決してそうではないと思います。訴訟を起こしたのも、製薬会社や国が被害者に対して誠実に対応せず、このままでは自分たちには関係のないこととして多くの国民の方々も彼らのことを忘れてしまうのではないかという「恐怖感」が、時としてかたくなに見えるくらいに原告の方々を強い行動に駆り立てているように思えてなりません。

 過失によって起こった事故だとしても、過失を起こした側とそれを見ている我々のすべてが彼らを暖かく見守り、不安を取り除き、一所懸命守っていく姿勢があり、それが彼らに伝わるならば彼らは決してかたくなな態度を取ることはないと思います。

 彼らがほんとうに欲しいのは、補償金や医療費ではなく、心からの謝罪と彼らに対する暖かい思いやりの心なのだと思います。心がないのなら、不満足ではあるけれどもお金をもらいたい、しかもすべての被害者が同じように扱われることを求める。それは、極めて自然な気持ちだと思います。

 肝炎訴訟のニュースを見るたびに、原告に中年の女性が多い中に、ひときわ目を引く若い女性の存在が気になっていました。被害者の多くが出産の時に薬剤を打たれた母親であるのに対し、彼女は新生児の時に薬剤を打たれたことで感染したので、親子ほども歳が違う原告となったということです。

 彼女の名前は、福田衣里子さん。ここにインタビュー記事がありますし、なにより彼女自身がブログで発信しており、そこで彼女の気持ちを知ることができます。

 14日のブログから
被害にあったものは、打たれた時期や、製剤の種類にかかわらず、また、原告であるか、ないかに関わらず、なにも悪いことをしていないのに、

肝炎に感染し、健康を害され、周りの大切な人や家族にも、つらい思いをさせながら、

人生被害をう(け)ています。

平等に救済されるべきです。

しかも、この案を、総理は私たちがのむかもしれないと思っていたんでしょう。

「13日の和解案を見て、検討したい。」とおっしゃていました。

しかし、和解内容は、末に知らされていました。

私たちが、原告だけ救済される案を、のむだろうとと思っていたということが、許せません。

被害者の一部をほったらかしにして、幕引きしようと思っている。

私たちを見くびらないで欲しいです。
 この言葉は、ニュースでも彼女の口から語られるをところを見た記憶があります。

 上にリンクを張ったインタビュー記事の中で目にとまった写真があります。
ミジンコの刺繍(写真)、カワイイですか?(笑) これは自分の境遇を想って創ったものです。
国や企業から見れば、私たち薬害患者はミジンコみたいにちっぽけな存在だろう。でもミジンコだって必死で生きてるし、生きる権利を訴えたい―――そんな気持ちを込めました。
 我々の研究室でも、彼女とあまり歳の違わない大学院生達が、ミジンコの研究をしています。ミジンコの刺繍をする彼女と、ミジンコの研究をする大学院生。何が、彼らの人生を分けてしまったのか、理不尽な思いがつのります。

 ミジンコの刺繍の写真は、2006年02月18日に書かれたエントリーに出ています。
私たちは、被告側からみると、ミジンコみたいなもんだろう。

生きているのか、死んでいるのか。

存在するのかどうかすら、彼らには見えない。

でも、私たちは、必死に生きようとしている。

生きたいと思っている。

きっと彼らにとって、いても、いなくても、

元気でも、病気でも、

どうでもいいかもしれない。

見えてなんか無いんだし。

でも、私たちは、ここにいると声なき声を発し続けている。

次に命をつなげたいと願っている。

自分も、次に命を繋げるひとつの命になりたいと願っている。


そうおもうと、いつも注目されない、ミジンコたちが、とても愛らしく思えた。

美しく思えた。
 あまりにも素敵な刺繍なので、ここにも表示されるようにリンクさせてください。

 原告の皆さん、私を含め、たくさんの人がみなさんと同じ側に立っています。皆さんの気持ちをくみ取ることができないのなら、福田政権も崩れ去るでしょう。

 おからだを大切にしてください。
# by stochinai | 2007-12-17 00:10 | つぶやき | Comments(54)

年賀状の販売ノルマ

 はてなブックマーク経由なので、ちょっと前(13日)のニュースになりますが、あちこちで何度も聞かされていた噂がいよいよマスコミに載ってきました。

 日刊ゲンダイ配信 年賀状が金券ショップにいっぱいの謎
 
金券ショップに年賀状が大量に集まっている――。今、こんなウワサがまことしやかに伝わっている。

 私も、民営化した郵便局に勤めている人には年賀状のノルマがあるという話をあちこちで聞きました。知り合いに売れる場合は良いでしょうが、そうでない場合にはノルマ分を自分で買って、年明けにでも払い戻し(手数料を払って普通のはがきに交換)をせざるを得ないのではないかと心配していましたが、金券ショップという手があったのですね。
 ノルマは郵便局と個人それぞれにあるそうだ。たとえば首都圏では1人5000~6000枚から1万2000枚になる。自宅や親戚、知人などに売ってもさばける枚数ではない。となると、持っていく先は……。

 ・・・・・

 これって、売った局員は損するんじゃないか。
「そうですよ。局員はまず、年賀状を買い取ってノルマ分を達成する。無地の年賀状なら1枚50円だから、5000枚買い取れば25万円郵便局に支払うわけ。金券ショップは45円前後で買い取るから、だいたい2万5000円の持ち出し。痛いですよ」
 ノルマ分を自分で買い取ることには『自爆営業』という「専門用語」までもあるそうで、他の業種では常態化しているところもあるようです。

 年賀状販売を職員にノルマとして課すること自体は明らかに不当労働行為なので、裁判などに訴えれば勝訴する可能性は高いと思われますが、そうするよりはむしろ積極的に「自爆営業」してでも「業績」を上げることで昇給・昇進を狙うという人も出ているようですから、労働者の側でも統一してノルマ反対を打ち出せないという状況なのかもしれません。

 労働組合が正常に機能していないことは明らかですが、そういう時に不正と闘うのがジャーナリズムの働きのひとつのはずです。マスコミがやらないのなら、やはりウェブなどを通じてひとりひとりで闘うしかないのかもしれません。

 まずは、事態が広く認識されることが必要だと思いますので、記録として書き残しておきます。
# by stochinai | 2007-12-16 21:10 | つぶやき | Comments(7)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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