5号館を出て

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 最近、大都市の真ん中に天然温泉をうたった施設が続々とできています。

 札幌でもススキノの真ん中に温泉がありますが、これはかなり昔からあるものです。ところが最近は街中のあちこちにあるようです。調べてみると、意外なほどたくさんありました。札幌駅、すすきの天然温泉6選には、つぎの7ヶ所(6選なのに7ヶ所なのは、同じ源泉を利用しているところが二つあるということでしょうか)が載っています。

札幌駅周辺の天然温泉
  スカイリゾートスパ「プラウブラン」 札幌駅の真上、JRタワーの22階
  カルロビ バリ スパ 札幌時計台の至近に温泉
  天然温泉 極楽湯 北海道大学の植物園を眺める
  北のたまゆら JR桑園駅に至近

すすきの駅周辺の天然温泉
  すすきの天然温泉「湯香郷」 すすきのの中の温泉
  パークサイド・スパ 中島公園駅に至近
  スパ・サフロ すすきのの中の温泉

 東京都内には、もっともっとたくさんあります。東京都内温泉銭湯情報を見てください。驚くほどの数です。

 最近は、高いお金を払って遠いところまで行ったところで温泉の質も湯量も低下しているところが多いようで、入浴剤を入れていた温泉が問題になっていたのはつい最近だったような気がします。

 そればかりが原因ではないのでしょうが、大都市でも深く掘れば温泉が出るということがわかって、都市の温泉がブームになってきているようですが、危惧していた通りに事故が起こってしまいました。

 東京の温泉掘削現場で天然ガスによるものと思われる火災が起こってしまいました。幸い、現時点で人的被害は出ていないものの、大都市の真ん中のあちこちで1000メートル以上の井戸を掘削し、どんどんお湯を汲み出しても大丈夫か、と思うのが普通の感覚ではないでしょうか。

 そんなに深く掘ると岩盤を突き抜けるので、たとえすべてもお湯が汲み出されて空所ができたとしても地盤沈下は起きないから大丈夫、というようなことを誰かがテレビで言っているのを聞いたことがありますが、それもどうも信用できない気がしています。

 その危惧が当たったわけではありませんが、思いも寄らぬ天然ガスの噴出と引火という事故が起こりました。記事を読んでみると、都福祉保健局は「温泉掘削中に天然ガスが出たケースは実際にある。掘削業者もガスが出ることを知った上で作業していたのではないか」と言っているそうですが、そんなことは周辺住民は知らされていなかったのではないでしょうか。許可を出した都にも責任があると思うのに、この無責任なコメントはなんでしょう。

 だいたい、大都市の真ん中に温泉が必要なのでしょうか。温泉は、田舎にあってこそ豊かに楽しめるのではないかと思います。何も、大都市の真ん中で毎日、温泉に入らなくてもいいじゃないですか。技術的にできるからと言って、何をやっても良いというものでもないでしょう。

 今回はある意味で、予測を越えたガス炎上事故が起こったのですから、今後も予測不能な事故が起こる可能性はあり得ると思います。予測できないことが起こる可能性があるのですから、人のたくさん住んでいるところをむやみと掘るのは止めてもらいたいと思います。

 たとえお金になったとしても、そこまでしなくても良いのでは、ということはやらないでおきましょう。そういうものは、もともと不必要なのですから。
# by stochinai | 2005-02-10 22:46 | つぶやき | Comments(2)
 特許を取ってその使用権を稼いだり、特許そのものを売ったりできる可能性のある一部の医学・製薬に関係したものを除くと、生物学では学問研究そのものがお金になることはほとんどありません。

 生物学に限らず、学問研究はその分野の教育をすることでお金を稼ぐことができることはありますが、研究そのものがお金を生むという状況は想像もできませんでした。

 しかし、世の中には頭の良い人がいるもので、生物学の中でももっともお金と縁遠いと思われている「分類学」という分野において、元手をかけずに商売してお金を稼ぐことのできる方法を発見した人がいます。

 ワシントン発のCNNニュースで、新種のサル、学術名の命名権をオークションに、という記事が出ています。

 「南米ボリビアのマディディ国立公園で発見された新種のサルについて、発見者が8日、サルの命名権をネットオークションにかけると発表した」とのことで、そのサルの命名権を競売にかけるようです。オークションサイトの説明文を読むだけでははっきりしないのですが、一般名(たとえば和名だとウチダザリガニとか)の命名権を競売にかけると書かれています。常識的に考えて発見者(つまりこれから記載論文という名の報告をするべき人)が命名権を売るといっているのですから、おそらく学名(ラテン語の2語からなるもので、ウチダザリガニだとPasifastacus trowbridgii)も売りに出されていると解釈されると思います。

 チャリティ・オークションのサイトの文章では、以下のようになっています。

 Winner of this lot will have the name of their choice permanently entered into all future references, including scientific publications, field guides, and other publications, that mention the new species.

 一方、CNNの記事によると「ティティ属に属するこのサルは、身長約30センチ、体重約1キロで、果物が好物。体毛は明るい茶色で、頭頂部にはっきりした金色、頬や喉に明るいオレンジが入っている」とのことですので、学名に関しては属を変えることはできませんのでCallicebus なんとかとなると思います。

 普通だと、一般名はゴールデン・ティティとかになるのでしょうが、チャリティで落札した人の意志によってはホリエモン・ティティとか、ビル・ゲイツ・ティティとかになって、学名はCallicebus horiemonus(語尾は間違っているかも知れません)とかになる可能性もあります。

 しかし、このニュースのインパクトは我々のやっているメシの種にならないはずの生物学が、その目的(今回のようにWCSがボリビアの野生生物保護団体を通じて、国立公園の管理・運営に使う)によっては、大きなお金を集めることができる可能性を示してくれたことだと思います。

 絶滅が危惧されている我々の基礎研究そのものも、大金持ちや多くの人々のチャリティによって支えてもらえる可能性もあるのだという希望は、基礎研究が今後どうやって生き延びていったら良いのかということについて、非常に示唆に富む大きなニュースだと思いました。

 「金にならない研究」も、まだまだあきらめるのは早いかもしれません。
# by stochinai | 2005-02-09 21:40 | 生物学 | Comments(4)

筋肉マン事件?

 筋肉マンが事件を起こしたのだと思ってしまいました。

 ダスキン肉まん事件

 そう言えば、そういう事件もありました。

 記事の中の「大肉まん」も、「犬肉まん」って読めちゃって、なんか疲れているのかもしれません。

 くだらない話で、すみません。
# by stochinai | 2005-02-09 17:35 | つぶやき | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai