5号館を出て

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 今回の秋田への旅行の主目的は21日日曜日に行われた、義父の13回忌と義母の3回忌のためでした。

 両親のお墓は浄土宗の本念寺というお寺にあったのですが、非常に歴史の古いお寺で元和2年(1616年)に良無文廓上人という方が開基されたとも言われていますが、はっきりとした歴史的資料は残っていないそうです。それでも、現在のところにお寺が移ってきて寺院が新築されたのは400年くらい前だと言われていた名刹でした。

 それが昨年の11月4日に日中の火災であっという間に焼け落ちてしまったことは、ライブ映像を含めて全国ニュースになったので記憶しておられる方もいるかもしれません。

 これがその時の読売新聞ニュースの映像スクリーンショットです。

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 築400年の木造寺院ですから、お察しの通りあっというまに燃え落ちてしまいました。日中の火災だったことも幸いしてか、軽い怪我をした方はお二人ほどいたようですが、犠牲者は出ずにすんだとのことです。

 本堂は全焼してしまいましたが、他の建物への延焼は阻止され2時間ほどでほぼ消火され、5時間半くらいで完全に鎮火されたということです。

 焼け落ちたお寺でどうやって法要を行うのかと、私も不安だったのですが、本堂の横にある小さな建物(阿弥陀堂?)が延焼を免れており、10人くらいの参列する法要などはかろうじてできるようでした。

 焼け落ちた本堂はすでにきれいに片付けられており、まわりの墓石だけを見ると、閑静な墓地のようにも見えます。

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 しかし、本堂があったところは更地になっておりましたが、いまだに生々しい火災の跡がはっきりと残っています。

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 本堂の周りにはびっしりとお墓があったので、建物の近くにあった墓石はかなりの熱を浴びたものと思われます。当日の秋田放送のニュース映像でも火のそばにある墓石が映っていました。

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 この左側に見える黒い墓石はさすがに焼け落ちることはなかったようですが、そばで見るとやはりかなり火によってダメージを受けているようでした。この映像のキャプチャー画面の火に近い側の墓石と思われるものがこれだと思います。

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 熱を浴びて割れているようでした。なかなかショッキングな火災の爪痕です。

 そんな火災があったところでも、植物は再生していて、こちらはちょっと和まされる気分でした。

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 おそらくヒメジョオンだと思います。たくさんの花を咲かせていました。

 驚いたことに本堂の横にあった庭園の木々もほとんどが無傷で残っていました。

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 石灯籠なども倒れたのか、土台から外されて横に置かれていましたが、これもまた積み直せば再建できそうにも思えます。

 木でできた本堂は跡形もなくなったとしても、生き物である植物などは意外なほど強く、復活もできているようでした。

 寺院の復興はなかなか難しいようすが、信仰する人間が生き残っていさえいれば、この先も何百年も浄土宗は途絶えることなく続く可能性はあると思いました。これが、宗教ですね。

 木と紙で作られてきた日本の建物はあっさりと燃え尽きてしまうことを繰り返しても、伝統というものは子孫さえ生き残れば何百年でも何千年でも意外とタフにつながっていくのかもしれません。

 宗教の強さを感じさせられる旅でもありました。

 この日は、夜に札幌に戻ってきましたが、新千歳空港が霧で降りられなかったら秋田に戻ります、という警告を受けながらも飛んで戻ってくることができました。霧で降りられないかもしれないという警告があながち誇大ではないかもしれないと思わせられるほど、新千歳空港は霧の中に沈んでいたのでした。

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 ともかく、日曜日中には我が家にたどりつけました。

 自分にお疲れさまでした、を(笑)。

【追伸:季節が変わりました】

 夏も立夏から小満へと移り、初候は「かいこおきてくわをはむ 蚕起食桑」です。

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 送られて来た絵が素敵なので、そちらも転載します。

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# by STOCHINAI | 2023-05-21 23:59 | その他 | Comments(0)

5月20日 秋田へ

(20日のことですが、この記事を書いているのは22日です。)

 朝はいつもより1時間ほど早起きしました。空はどんより曇り空。

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 気温もこのところとしては低目ですが、我が家はかろうじて11℃圏内にあったようです。

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 それでも、寒いことは寒いです。そらは曇っているのですが、厚い雨雲はほとんどないようなので、秋田へのフライトに影響はないでしょう。

 
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 コロナ明けですが、1時間に一本しかない空港連絡バスは我が家の最寄りのバス停を8時5分に通ります。

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 そこから、すぐに高速道路に乗って40-50分ほどで新千歳空港に着きます。楽です。

 飛び立って1時間もかからずに、秋田空港へ着きました。

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 ここから秋田市内行のリムジンバスに乗り込みます。

 ありがたいことに、今回は交通系の共通ICカードが使えるようになっていました。

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 新千歳までのバスでは、私は基本的に札幌市でしか通用しないSAPICAを使いましたが、こちらではSAPICAは使えません。仕方がないのでKitacaを使いました。ほとんど同じ仕組みのはずなので、もう一息頑張って日本中どこの公共交通機関でも1枚のICカードが使い回せるようになってほしいものです。

 40分ほどで市の中心部に着きました。

 ホテルのチェックインまで時間があるので、荷物をホテルに預かってもらって、近くの秋田県立美術館に行っていました。この前は何度も通ったことがあるのですが、残念ながら休館だったり、こちらの時間が合わなかったりで、入りそびれていたのですが、たっぷりと楽しめました。

 いきなり、常設の藤田嗣治のこの美術館の大壁画ギャラリーへ入ります。

 まずはその大きさに圧倒されました(幅20.5m、高さ3.65m)。そして、近寄ってみると隅々まで丁寧に描かれていることの驚かされ、最後にこの大作がたった15日間で完成されたと書かれたものを読んで、これは常人のなせる技ではないと改めて思ったのでした。

 まず、全体を見渡してから、近寄って細かく見たあとは、3階のデッキから見て反芻するのがオススメです。こちらの写真を見ると想像できると思います。

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 3階で行われている企画展では「大正ロマン」の香りにどっぷりと浸ることになります。

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 あまりにも膨大なものを見せられて、にわかには感想も出てきませんので、展覧会の概要文を一部引用させていただきます。
マスメディアの発達や印刷技術の進歩により、多彩な大衆文化が花開いた大正~昭和初期。さまざまな書籍や印刷物のイマジュリィが人気作家によって描かれ、人々の心を魅了しました。この時代のイマジュリィは、現代のデザインやイラストレーションの原点であるとともに、レトロでノスタルジックな大正ロマンの雰囲気を感じさせるアートとして現在も幅広い世代に愛好されています。
本展では、アール・ヌーヴォー様式の橋口五葉、アール・デコに取り組んだ杉浦非水や小林かいち、少女趣味の高畠華宵、抒情的な乙女像で一世を風靡した竹久夢二、そして秋田出身の橘小夢など、大正イマジュリィを生み出した作家たちを紹介します。
 その後、市内をブラブラとしていたら、面白いところに出ました。

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 観光客はほとんどおらず、以外な市内の穴場なのかもしれません。

 明日は午前中から法事があって、親戚のお宅を訪ねたりと忙しいので、今日はこのくらいで「勘弁してやろう」というところです。









 

# by STOCHINAI | 2023-05-20 23:59 | その他 | Comments(0)
 昨日の暑さを経験しているので、今朝起きたときには10℃以上の気温だったのですが、「寒い」と思いました。

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 ちょっと前ならば「暖かい朝」という気温なのですが、昨日の「真夏日なみ」の気温を経験した後だと、十分に「寒い」のです(笑)。

 おそらく「平年並み」の朝の気温の中で、植物は元気でした。

 フジはそろそろ見頃を迎えます。

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 オオデマリもそろそろ最盛期になりそうです。

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 花の終わったモクレンの葉もとてもきれいな季節になりました。

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 人間が寒いだの暑いだのと騒いでいても、植物たちにとっては淡々と春から夏へと進行中のようです。

 ちょっと前に屋外に出したミズバショウの仲間のスパティフィラムですが、どうやら種ができているようです。

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 これを採取して植えると3年位で花が咲くところまでになりそうだという話なのですが、今回はちょっとパスさせていただきます(笑)。

 種といえば、しばらく前に見たフクジュソウですが、今日見てみるとほとんどの種は落ちていてしまっているようです。

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 この種も発芽率が悪く、花が咲くまで育てるのには何年もかかるという話なので、こちらの生育も自然におまかせすることにしました(笑)。

 室内で冬越ししたハイビスカスの蕾は着々と開花へと準備を進めているようです。

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 これは咲くところまでサポートできそうです。

 今日は昨日と比べると、最低気温はそれほど下がってはいませんが、最高気温は10℃くらい下がっています。

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 気温変化のグラフを見るととんでもなく下がっているのがわかりますが、これが平年並みの気温だそうです。


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 午後には強い西日が差してきました。

 これは西日に照らされたモクレン。

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 こちらは西日にあたったギボウシとヒアシンスです。

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 そして、西日に当たった更地と周辺のお宅です。

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 更地にする作業で周辺のお宅はかなりの迷惑をかけられたと思いますが、更地になってみるとすごい開放感と日当たりの良さに喜んでおられることと思います。願わくは、ここが更地のまま「塩漬け」にされるのが理想だと思っておられるのが周辺の方々だと思いますが、とんでもなく大きな建物が建つ危険性もあって油断はできません。

 札幌周辺には雨の気配はありませんが、レーダーを見ると北海道の南東部にはかなり雨雲が迫っているようです。

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 明日は秋田へ出かける予定なので、雨がそれてくれるとありがたいのですが・・・。











# by STOCHINAI | 2023-05-19 22:04 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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