5号館を出て

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月照寺

 学会の空き時間(そんなものあるのか^^;)を利用して先日のエントリーに対するsemiquinoneさんのコメントに追い立てられるように月照寺を訪ねました。

 本日午後のイベントはお城のそばの県民開会で開かれました。地図で見る限り、そこから歩いて行けるような気がしましたので、なんとなく西に向かって歩いてみたら、それっぽいお寺に突き当たりました。

 残念ながらここは、月照寺ではなく清光院というお寺だったのですが、りっぱな階段や山門があったので、除いて覗いてみることにしました。
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 中はりっぱではありますが、普通の人のお墓がたくさんあり、お墓参りに来ているひともけっこういらっしゃいました。お墓参りの方が水をくみ上げるために現役で使われている、かつては「ハイテク」だったポンプを発見、感動しました。
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 地図によると月照寺はちょっと北にあるようなので、歩いてみました。途中には立派な竹林。
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 月照寺では入場料を500円取られましたが、ほぼ貸し切り状態でゆっくりと散策できました。中には、こん感じの墓所がたくさんありました。
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 墓巡りをする途中では、ヤマガラ、メジロ、キジバトなどの鳥がいて、意外な近さまで逃げないことにも驚きました。手洗いのわき水の中にはニホンザリガニがたくさんいました。
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 その近くには真っ赤に熟したナンテンのような実がきれいに色づいていました。
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 月照寺の目玉と言われている大亀の寿蔵碑はさすがに迫力で、これを見るだけでもここに来る価値があったと思わせられました。
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 顔のアップです。
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 そういえば、広島でこれとそっくりな亀の碑を見たことを思い出しました。やはり、日本と朝鮮はつながっているのですね。

 夜に懇親会が行われたフォーゲルパークという、巨大温室にはフクロウやミミズクがたくさんいました。その中の一匹、ハリーポッターにも出ていたシロフクロウに登場してもらいましょう「。
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 今日の懇親会の後には、別の懇親会もあり、ちょっと飲み過ぎたかもしれません。寝不足でも、明日は朝からまじめに出なければ、、、、。
# by stochinai | 2006-09-23 23:59 | つぶやき | Comments(3)
 昨日の読売新聞で、大阪大学の「論文ねつ造・取り下げ・助手自殺事件」について、調査結果が出たと報道されていました。記事によると、大阪大生命機能研究科の研究公正委員会は、論文責任者の男性教授が単独で論文のデータを捏造(ねつぞう)、改ざんした上、共著者4人に無断で投稿していたと断定した、とのことです。
 委員会の調査では、論文のデータの捏造、改ざんは教授が単独で行い、共著者の関与はなかった。また、教授は共著者から、本来必要な原稿の確認や投稿の同意を取らず、無断で論文に名前を加えていた。不正行為があった論文は、酵母の染色体DNAの複製に関するもので、教授と助手、過去に研究室に在籍した3人の計5人の連名。7月12日に生化学の専門誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版に発表されたが、教授名で8月2日に取り下げられた。
 今日になって続報があり、「杉野明雄教授らが米国の専門誌に発表した2本の論文について、教授が単独でデータとなる画像などを改ざんしていた」ということが、発表されています。

 要するに、この教授は論文ねつ造の常習犯だったということなのでしょう。100歩譲って、ねつ造がこの2本の論文だけだったとしても、科学の世界からは永久追放にする必要があります。それが科学の世界を守るために、科学者が自ら下すべき制裁だと思います。それができないということは、彼を含む科学の世界が死ぬことを意味します。

 科学の世界における処分としては、それでいいのではないかと思います。

 そして、次は権力者として彼が助手を死に追いやったことの責任を問う必要があると思います。

 報道によると、大学院の研究科長である近藤さんは、「論文と自殺を結びつけるものは把握していない」と発表しているようですが、この件に関してはほとんどの人がねつ造論文と教授が助手の自殺に大きく関係していると感じていると思います。

 少し調べればわかるように、教授は酵母のDNA複製研究における日本の第一人者ですし、近々大阪大学の研究室をたたんで外国で研究を続けることになっていたようです。明らかに研究者の未来を決める力を持った人です。

 つい今し方、朝日コムでも記事が上がりました。
 22日記者会見した同委員会委員長の田中亀代次教授によると、杉野教授は2本の論文について、共著者らが実施したたんぱく質の解析などをした実験の画像データを、パソコンのソフトを使って改ざんしたり、まったく実施していない実験データを付け加えたりしていた。こうした不正が少なくとも八つの実験結果について認められた。杉野教授が認めていない捏造、改ざんについても、「十分な証拠に基づき、捏造という結論に達した」と説明した。

 田中教授は「共著者たちの努力と成果を踏みにじるもので、名誉と将来を甚だしく傷つけた」と述べた。助手の自殺との関連は認められなかったというが、「積極的に調査に協力してくれた助手が亡くなったことは委員会として痛恨の極み」と話した。
 この記事から推測すると、調査委員会による調査が始まったことが助手の方を死に追いやることに関係しているような気もします。

 あくまでも推測ですが、調査委員会とねつ造教授の間にはさまれて、自分の科学と正義を守ることが、自分と家族の未来を守ることにならないことに絶望したのかもしれません。もちろん、一番悪いのはねつ造教授に決まっているのですが、ねつ造を調査する委員会に協力した助手が正しい行動をしても(あるいはすればするほど)、研究者としての将来が閉ざされていってしまうという信じがたい現実が彼を押しつぶしてしまったような気がしてなりません。

 この国では、力のない者が権力の悪を告発して痛手を負わせたとしても、告発した者も回復不能なダメージを負ってしまうということが良くあります。

 こんなことを繰り返していては、ねつ造もなくならないし、告発者も増えてこないような気がします。

 勇気を持って告発した助手の身分ならびに将来を保障するような対応ができないのであれば、調査委員会にも責任があると言われても仕方がないのではないでしょうか。

 とりあえず、大阪大学が全力を挙げて遺族の方々の未来を保障してあげて欲しいと思います。

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 大阪大学大学院生命科学研究科からの報告書
# by stochinai | 2006-09-22 23:22 | 大学・高等教育 | Comments(12)

松江2日目

 今日は午前中に時間があったので、学会会場である島根大学へ行く前にちょっと市内を見て歩きました。

 駅前から「まつえウォーカー」という乗り放題150円の循環バスにのり、宍道湖のほとりをちょっとだけ走り、北へ上って小泉八雲記念館の前でおりて、中は見ずにそこらを歩き回りながら、松江城を突き抜けて県民会館からまたバスに乗りました。
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 小泉八雲記念館前には、サルスベリ(百日紅のどこをどう読むとさるすべりになるのでしょう)の花が咲いていました。こういう花を見ると、やっぱり私はピンクの花が好きなんだなあと思います。
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 ふらふらと歩いていると、近くの民家にザクロの花と実がなっています。初めて見たのですが、すぐにわかりました。
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 松江城も裏口から入ってしまったので、ちょっと意外なアングルかもしれませんが、美しいお城です。
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 石垣の裾に、おそらく瓦だと思われるものがびっしりと埋められていましたが、これは何かのオマジナイでしょうか。それとも、水はけのための仕掛けでしょうか。苔むして、なかなか美しいのですが、不思議な感じのものでした。
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 さて、本業の学会ではまず国際シンポジウムで、サカナの性分化の可塑性の話を聞いて途中退室、動物学会の宝である学術雑誌をどのように公開・活用していくべきかというシンポジウムに参加しました。

 こちらでは、現時点においてすでに想像を越えた価値を持っている100年以上も蓄積された動物学の学術論文は、未来においても想定外のニーズが生じる可能性があることが想定されるため、そうした「宝」としての学術論文をどうやって活用していったら良いのかということを議論しました。同時にそのことは、我々の義務であり、また光栄なる権利でもあると感じました。

 こういうのをほんとうの「世界遺産」というのでしょうね。
# by stochinai | 2006-09-21 23:41 | つぶやき | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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