2006年 08月 31日
楽天証券ウィキペディア事件 【追記:ウィキペディアで問題発生】
今朝の朝日新聞に、おもしろい記事が載っていました。「『ウィキペディア』の不利益情報、楽天証券社内から削除」です。
ウィキペディアについては、誰でもが編集できるから内容が信用できないとか、いや逆にそれだからこそどんどん修正が加わりアップデートが繰り返されるので信頼できるとか、いろいろな評価があります。私は、ある程度のリテラシーを持った人が使う限りはとても有益な情報ソースになるという「評価派」です。
そのウィキペディアに「楽天証券」という項目があるようです。現代用語の基礎知識というようなものならいざ知らず、普通の百科事典に楽天証券などという項目が載るのはしばらく後のことになるでしょう(あるいは載らないでしょう)から、それだけでもウィキペディアの価値は高いと思います。
さて、その項目の内容なのですが、どうやら楽天証券の内部の人間によって手が加えられ、楽天証券に不利な記述が削除されていたということが発覚しました。
たとえ楽天証券の社員であれ社長であれ、ひとりのボランティアとしてウィキペディアの編集に参加することは可能ですし、責任ある編集をしているのであれば褒められるべき行為だと思います。しかし、それが楽天証券の汚点記事を削除するという行為であったならば、これは完全に情報のねつ造であり、場合によっては犯罪を構成するかもしれません。少なくとも倫理的には完全に黒の行為です。
中途半端なITリテラシーしか持っていない人だと、インターネットの上で何かをしている時に、どこの端末からどのような行為をしているのかとか、場合によってはどのような内容のメールを出しているのかというようなことが「見えてしまう」ということに気がついていないかもしれません。今回の件も、ウィキペディアの当該箇所(同社への行政処分情報や同社が非常にサーバーダウンが激しいこと)を削除したのが、登録されている某氏であり楽天証券の内部にあるコンピューター端末から削除を行ったということがウィキペディア側に記録されていて、その情報が公開されていたために発覚したのです。
おもしろいのは、この事件のことが件のウィキペディアの楽天証券の項目に書き加えられてしまっていることです。
これはすごいことだと思います。今までの百科事典やさまざまな情報ソースに、これほどの公開制・透明性を持つものがあったでしょうか。
「インターネットにある情報は便所の落書きのようなものでまったく信用できない」などという意見が知識人と言われる方々の口から発せられることも多いのですが、今回の「事件」を見る限りにおいては、インターネットで提供される情報がいかに衆人監視の下にあって、間違いやねつ造があっても速やかに修正される可能性が高いことが証明されたエピソードになると思います。
それとともに、ある程度の認証システムさえ持っていれば、インターネットでは、それほど徹底的に身元を隠すことができるものではないということも示されました。こうしたことがしっかりと教育されていけば、バカなことをするユーザーも減っていくと思われ、「インターネットでは人々が完全に匿名で活動できるので、すぐに炎上が起こってしまう無法地帯だ」などという安易な非難も消えていくのではないでしょうか。
私には、今回の事件はインターネットの信頼性をグーンと上げてくれた「素晴らしい事件」だったと思えます。
ウィキペディアについては、誰でもが編集できるから内容が信用できないとか、いや逆にそれだからこそどんどん修正が加わりアップデートが繰り返されるので信頼できるとか、いろいろな評価があります。私は、ある程度のリテラシーを持った人が使う限りはとても有益な情報ソースになるという「評価派」です。
そのウィキペディアに「楽天証券」という項目があるようです。現代用語の基礎知識というようなものならいざ知らず、普通の百科事典に楽天証券などという項目が載るのはしばらく後のことになるでしょう(あるいは載らないでしょう)から、それだけでもウィキペディアの価値は高いと思います。
さて、その項目の内容なのですが、どうやら楽天証券の内部の人間によって手が加えられ、楽天証券に不利な記述が削除されていたということが発覚しました。
たとえ楽天証券の社員であれ社長であれ、ひとりのボランティアとしてウィキペディアの編集に参加することは可能ですし、責任ある編集をしているのであれば褒められるべき行為だと思います。しかし、それが楽天証券の汚点記事を削除するという行為であったならば、これは完全に情報のねつ造であり、場合によっては犯罪を構成するかもしれません。少なくとも倫理的には完全に黒の行為です。
中途半端なITリテラシーしか持っていない人だと、インターネットの上で何かをしている時に、どこの端末からどのような行為をしているのかとか、場合によってはどのような内容のメールを出しているのかというようなことが「見えてしまう」ということに気がついていないかもしれません。今回の件も、ウィキペディアの当該箇所(同社への行政処分情報や同社が非常にサーバーダウンが激しいこと)を削除したのが、登録されている某氏であり楽天証券の内部にあるコンピューター端末から削除を行ったということがウィキペディア側に記録されていて、その情報が公開されていたために発覚したのです。
おもしろいのは、この事件のことが件のウィキペディアの楽天証券の項目に書き加えられてしまっていることです。
ネット証券Blog2で指摘され、テクノバーン社の記事でもそのことをが取沙汰されたが、楽天証券に割り当てられているIPアドレスをソースアドレスとする端末(後に、楽天証券の従業員が社内から行ったものであるという調査結果が、楽天証券側から出された)からの投稿により、楽天証券に都合の悪い箇所が改変されているとの指摘があった。指摘されているのは、楽天証券とマーケットスピードの二つの記事である。なお、朝日新聞8月31日付朝刊(第2社会面)やITmediaでも、この件が報じられている。【追記2006年9月5日】9月5日現在、Wikipediaの当該項目には削除依頼がだされております。この引用文自体が、ITmedianewsからの盗用(コピペ)だったのではないかという疑惑が持ち上がったためのようです。負け惜しみではありませんが、こういう不幸な「事件」に速やかに対処してがんばっているところもWikipediaの良いところだと思います。【追記ここまで】
これはすごいことだと思います。今までの百科事典やさまざまな情報ソースに、これほどの公開制・透明性を持つものがあったでしょうか。
「インターネットにある情報は便所の落書きのようなものでまったく信用できない」などという意見が知識人と言われる方々の口から発せられることも多いのですが、今回の「事件」を見る限りにおいては、インターネットで提供される情報がいかに衆人監視の下にあって、間違いやねつ造があっても速やかに修正される可能性が高いことが証明されたエピソードになると思います。
それとともに、ある程度の認証システムさえ持っていれば、インターネットでは、それほど徹底的に身元を隠すことができるものではないということも示されました。こうしたことがしっかりと教育されていけば、バカなことをするユーザーも減っていくと思われ、「インターネットでは人々が完全に匿名で活動できるので、すぐに炎上が起こってしまう無法地帯だ」などという安易な非難も消えていくのではないでしょうか。
私には、今回の事件はインターネットの信頼性をグーンと上げてくれた「素晴らしい事件」だったと思えます。
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by stochinai
| 2006-08-31 23:01
| コンピューター・ネット
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