5号館を出て

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 このサイトの訪問者はウィークデーに多く、土日祝祭日には少なくなる傾向があります。平日のアクセスは午前8時頃から増加して、翌日の午前1時頃まで比較的コンスタントにアクセスが続き、午前2時から7時までの間に谷ができるというパターンです。下の図は、xreaのアクセス解析によって、時間ごとのアクセスを1ヶ月分加算して示したものです。
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 それが、今日は土曜日だというのに平日よりもアクセスが多いのでびっくりしています。下の図は忍者ツールズで午前0時までの結果を示したものです。エキサイトでは忍者ツールズのフル機能が使えませんのでPVしか示されていませんが、3729PVです。
土曜日だというのに多くのアクセス_c0025115_035412.jpg
 緑のバーが今日のアクセス記録で、赤い細いバーが先週土曜日のアクセスです。先週の土曜日のPV総数は1394ですから、土曜日としては決して少ない方ではないのですが、それと並べてみると今日のPVの多さがどれほど突出しているかがわかります。

 アクセスが急増しているわけは、昨日書いた「新潟地震に人為が関係しているという説」というエントリーのせいなのですが、このエントリーはその内容のほとんどが情報を転載しただけの内容なので、それにアクセスが殺到しても、自分が書いたオリジナルなものにアクセスされているわけではないわけですから、はなんとも複雑な気持ちがするものです。

 そういえば、アクセスが予想外に上がるエントリーの多くがあまり力を入れずに書いたものが多いような気がしますが、まあそれでいいんでしょうね。

 話変わって、今日はいつもと違う道を自転車で走っていたら、空き地に赤い実がたくさんなった灌木を見つけました。
土曜日だというのに多くのアクセス_c0025115_22331732.jpg
 近寄ってよく見るとはこのサイトではおなじみのブラックベリーに良く似た実がついていました。
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 ということは、これがかの有名なラズベリーですね、多分。
# by stochinai | 2007-07-21 22:39 | つぶやき | Comments(7)
 まずは、マスコミと言って良い大手の報道を引用したいと思います。昨日、サンケイのZAKZAKの載っていたものです。

 新潟地震“人造”だった!? 近くでガス田注水作業
 地下断層への水浸透が引き金に?


 タイトルを見た時の第一印象は「まさか!」でしたが、主張しているのが懐かしい名前の元北大教授の島村英紀さんということで、とりあえず読んでみようと思いました。
 「両地震の震源からほど近いところあるガス田開発では、“水圧破砕法”といって高圧の水を注入して岩を破砕していた。そのことが2回の地震の引き金になった可能性はある」と指摘するのは、地震学者の島村英紀氏。
 地下深くの断層面にまで大量の水が浸み込むと地震が起こりやすくなることは意外に、地震学の「常識」ではあるようです。

 東大地震研の加藤照之教授が「ダムを建設して水を貯めると、周辺で小さな地震が起き始めることは知られています。地下深くの断層面まで水が浸み込むことで、滑り出しの“潤滑剤”になると考えられています」と、コメントしています。

 歴史上の事実として、数々の実例が挙げられています。
 ニューディール政策で有名な米フーバーダムでは、1935年に貯水を始めた翌年から地震が増え、40年には過去最大のM5の地震が起きた。アフリカ・ジンバブエとザンビア国境のカリバダムでも貯水が始まってから地震が急増、満水になった63年にM5.8の地震が起きた。このほか、エジプト・アスワンハイダムなど世界各地の巨大ダムで、貯水後に地震が起きているという。貯まった水自体の水圧で地下深くへ浸透していると考えられるが、井戸への高圧注水も同様の効果をもたらすようだ。1960年代、米デンバーの軍需工場で深さ約3600メートルの井戸を掘り廃液を注入したところ、注入量や水圧と地震の発生が連動していることが観測された。
 島村さんの主張では、ガス田の井戸で大量の水を注入する水圧破砕作業が「南長岡ガス田」で行われたことが引き金になった可能性があるということのようです。

 ただし、加藤さんは意見が違い「今回の中越沖地震は、広域での応力によって発生したとみられている。震源は油田とは離れており、個人的見解としては、直接の影響はなかった、つまり、誘発地震ではなかったと思う」とおっしゃっています。

 私には、どちらの意見が正しいのか判断する能力がないのですが、地震学者でさえ今回のように、立て続けに同じようなところで地震が起こるとは思っていなかったと言っていました(テレビで見ました)ので、真面目に検討することは無駄だとは思えません。

 もう一つ、「地震と長岡の地下への液化ガス圧入との関連性について考察する人」という記事が「低気温のエクスタシーbyはなゆー」さんのところにありました。残念ながら元記事へのリンクと思われるアドレスがエラーになるので、先をたどれないのですが、この地図を見ると、確かに今回の地震と3年前の中越地震の震央と今回の地震の震央をつなぐ線の真ん中あたりに液化炭酸ガスを地中に圧入する実験をしてきた長岡市深沢の帝国石油サイトがあるのです。

 同じサイトに、関連情報を集めたエントリーがもうひとつ書かれています。
 今回の地震と長岡の地下にCO2を圧入したこととの因果関係は?

 若干、トンデモの臭いがしないわけでもない議論ですが、少なくとも私も知っている「地震学者」が議論に参加していることもあり、気になりましたので記録としてエントリーに残しておきたいと思います。

 阪神淡路大震災の時に、オウム真理教が自分たちは人工的に地震を引き起こして兵器にすることができるなどと言っていたのを聞いた時には、何をアホなことをと思ったものですが、人間の技術力は地層に働きかけることができるくらいのパワーを持ち始めていることだけは事実のようです。

 自分たちの力を過小評価せず、逆に自然の復元力を過大評価してはいけないということは、すでに環境問題などで学んだはずのことですので、過ちは繰り返したくないものです。
# by stochinai | 2007-07-20 22:46 | 科学一般 | Comments(5)
 今朝の朝日新聞一面には、柏崎刈羽原発敷地内の道路(?)のアスファルトが割れている写真が載っていました。原子力資料情報室には「地震 : 写真レポート:7月17日の柏崎刈羽原発」があり、敷地内のあちこちで道路が歪んだり、割れたりしている写真が載っています。

 こうしたものを見る限り、今回の地震で柏崎刈羽原発で報告された50を越える「事故」が、それだけで済んだのは本当にラッキー以外の何物でもなかったのではないかと、背筋が寒くなります。(今後、重大な事故の報告が出てこないことを祈ります。)

 地震によって稼働中の原発4基が自動停止したことは、原発の「安全性」を示すエピソードでだとは思いますが、もしも停止していなかったとしたら考えたくもない事態もあり得たのかもしれません。変圧器が火災を起こしていたにもかかわらず、緊急停止と冷却が継続されていたのだとしたら、それも「安全性」の証明になると思いますが、どうも我々にまで届く情報は少ないように思われます。

 原子炉の炉心本体は地震で破壊されるようなものではないでしょうから、緊急停止さえ保証されていれば炉心溶融などということにはならないのでしょうが、使用済み核燃料を保存しているプールはとても心配です。敷地内の道路があれだけ派手に破壊されているのですから、コンクリートでできているとおもわれるプールにも問題が起こっていると考えるのが普通だと思います。

 地震およびその影響による事故を受けて、柏崎市長が消防法に基づき、同原発の安全が確認されるまで運転しないよう緊急停止命令を出したということですが、命令されるまでもなく、この状態では運転再開は絶対にあり得ないでしょう。

 海外のメディアでも、かなり大きく扱われているようです。

 とりあえず刈羽原発だけでなく、日本中で今動いている原発をどうするのか、今後の原発運用をどうするのかということについて、専門家を中心に緊急に対策を立て、広く情報を公開し、専門家・非専門家を交えたコンセンサス会議のようなものを開催していってはどうでしょう。

 これだけ連続して地震の起こる国です。もはや今までのように、推進派と反対派がお互いの意見を言うだけ言っているだけではダメだと思います。ここでこそ、科学者・行政・市民・地元住民による徹底したコミュニケーションが求められます。

 科学・技術コミュニケーターの、本当の出番の時が来たのではないでしょうか。
# by stochinai | 2007-07-19 23:43 | CoSTEP | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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