5号館を出て

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 サイコムの代表理事さんから質問を頂いています。3つあるのですが、まずは最初に質問について私の考えを述べさせていただきたいと思います。

【質問】
●ブログ(ネット)の悪意について
 2ちゃんねるなどに代表されるように、ネットが燃え上がると怖い。ブログは基本的に悪意に弱いのではないか。


 コメント欄を持っているブログが「炎上」あるいは「祭り」と呼ばれる騒動に弱いのではないかというご意見は、良くわかります。確かに今でも時折、いろんな騒動が起こっているようで、日経のデジタルアリーナでも「インターネットの危ない話」として、ブログで自滅する人々の4回連載をやっています。

 ブログで自滅する人々(第1回)~ブログで「祭られる」人々
 ブログで自滅する人々(第2回)~「祭り」はこうして進行する
 ブログで自滅する人々(第3回)~彼らはなぜ「祭られた」のか?
 ブログで自滅する人々(第4回)~「祭って」いるのは誰なのか

 とくに目新しい内容ではありませんが、こうしてまとまっていると、勉強になりますのでブログをやっておられる方、これからやろうと思われる方、すでに祭られて落ち込んでいる方、などなど一度は目を通しておいても良いと思います。

 ただ、こういう記事を読んでいると、マスコミが必要以上にネットの危険性や悪魔性を訴えているのではないかという気分になるですが、FIFTH EDITION さんのエントリー「重病人心理に陥る読売とか日経とか」を読んでみると、マスコミ・旧メディアがネットの足を引っ張るという、やるだけ無駄で姑息な意図があるのかもしれないということが指摘されており、笑ってしまいました。
 
ネットは悪魔ですかそうですか。

 確かにブログのコメント欄に、下品な言葉で悪意が感じられる大量の書き込みが続き、対応しても押さえることができなくなるという状況はあり得ると思います。ここでもそれが起こる可能性は否定できません。

 しかし、それはあくまでもブログの利便性に付随して起こりうることに過ぎないと思います。上に挙げた第3回の記事にも書いてあります。
 
 ブログならページの基本レイアウトと背景のパターンを選び、タイトルを決めるといった程度のステップで「サイトらしきもの」を作れてしまう。その後の更新作業も、ほとんどワープロ感覚でテキストを書き込むだけでOKだ。

 ブログが話題を呼び、これほどまでに流行しているのも、この手軽さこそが理由であるはずだ。しかし、それが逆に仇となってしまっているケースも多いのではないだろうか。いわゆる「ネット・リテラシー」的な事柄にまったく無頓着なまま、いとも簡単にサイトを構築でき、運営できてしまう。このこと自体が両刃の剣であり、罠なのだ。

 ここに炎上を避けるためのヒントがあります。ネットリテラシーあるいはブログに限って言うと「ブログ・エシックス」を遵守していれば、火はつきにくいはずです。

 ご参考までに、私流に改変したブログ・エシックスを書いてみます。

 ・決して、嘘は書かない。
 ・必ずソースは表示する。
     可能な限りリンクを張る。
 ・過ち(誤り)が見つかったら、必ず訂正する。
 ・エントリーを変更したら明示する。
     削除は取消線で行い、エントリーごとの削除は行わない。
 ・言論の自由を守る。
     コメント、トラックバックは、スパムを除き基本的に削除しない。
 ・コメントにはできる限り返事を書く。
     悪意のコメントにはとりわけ誠実に応える。

 最後の一点はブログの規模が大きくなりすぎると無理になるかもしれません。何百というコメントがつき始めたら、そのすべてに応えることは不可能です。それと、悪意のコメントに関しては、管理人よりも一般の参加者からのコメントが非常に有効に騒乱を収めることが多いように思います。そうした、参加者からブログを守ってくれるようなコメントがつくということは、そのブログが良いコミュニティを形成していることの証拠でもあると思います。

 ブログ・コミュニケーションが成功するかどうかは、こうしたコミュニティが上手く形成されるかどうかがポイントで、そうした素晴らしい読者(参加者)を持ったコミュニティを作ることを目指して、エントリーを重ねて行けばそんなに心配をすることはないと思っています。

 どうでしょうか。


 追記:ブログ炎上に関する事例はここに集められているようです。興味のある方はどうぞ。
# by stochinai | 2005-11-15 14:25 | コンピューター・ネット | Comments(8)
 こういうニュースが学内からではなく、外から聞こえてくるというのが、この大学の巨体性と風通しの悪さを感じさせてくれます。

 先日、お会いした代表理事さんに「[SciCom News]速報版はありがたいんだけど、読みにくい」などと文句を言ってしまったのですが、今日届けていただいたサイコム・ニュースを読んでびっくりしました。

 京都新聞の「北大大学院に観光専攻新設 経済界などが要望」と、北海道新聞の「北大「観光大学院」 経産省が全額補助」です。

 改めて検索してみると、読売オンラインでは来年4月に早くも「観光学高等研究センター」を設置することが決まっていると書いてありました。

 毎日にも出ていました。もう始まっているのかもしれません。「今年度から、社団法人『ツーリズム産業団体連合会』と連携し、観光集客関連産業の人材ニーズなどについて調査する」のだそうです。

 毎日によると「北大は新しい専攻を、現在の大学院国際広報メディア研究科を再編した上で設置。定員は06年度までに決定する」ということだそうですが、2000年にできたばかりの研究科をまた改組ですか(って、理学研究科もたいして違わないかも)、さらに設置の理由としては「国内の観光分野の教育研究は、マーケティングやマネジメントなど個別の分野に限定されがちで、総合的な教育研究は遅れているのが現状。このため経済界や自治体などから、国際・経営感覚や高度な知識を持った人材を養成する機関の設置を求める声が強かった」ということなのだそうです。

 う~ん、そういうことも大学の仕事なんでしょうか。
# by stochinai | 2005-11-14 20:56 | 大学・高等教育 | Comments(0)
 私が全然トンチンカンな理解をしていて恥をかいた「チャイルド・サイエンス(子ども学)」というものがあります。というか、あるそうです。

 先日その学会関係のチャイルド・リサーチ・ネット(CRN)の研究コーディネーターの方と、サイエンス・カフェの話題でちょっとしたやりとりをさせていただきました。

 そうしたら、今日「サイエンスカフェ」のキーワードであるエントリーが検索されてのきました。再出発のというエントリーを読んでみると、やはりその方がなんとその名も「チャイルド・サイエンス カフェ」というブログを立ち上げたというものでした。もっとも完全に新たなブログというわけではなく、その名前を「学会裏方日誌」から変えて気分もリフレッシュしてというご案内でした。

 その中に「チャイルド・サイエンス、つまり「子ども学」を語る場をカフェのように街中につくれたらいいなぁというものですが、サイエンスカフェを広めようとしている方たちがブログ界(?)でこんなに積極的に活動している様子を垣間見て」という文を発見して、とてもうれしくなりました。

 私は何もお手伝いしているわけではないのですが、CoSTEPおよび応援団のみなさんはサイエンス・カフェにとても熱く燃えています。また、全国にも雨後の竹の子のようにカフェが増殖しています。こうした動きの中でまたひとつ仲間が増えたということは、日本中でカフェ・ムーブメントにかかわっているみなさんに大きな勇気になると思います。

 いつの日か、札幌へも「チャイルド・サイエンス カフェ」の出前をお願いします。

 再出発、おめでとうございます。
# by stochinai | 2005-11-14 20:04 | 教育 | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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