5号館を出て

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 共謀罪が委員会で強行採決されそうな気配があると、あちこちでささやかれているようです。

 教育基本法にしても国民投票法・憲法改正にしても、自民党(と公明党)がその気になれば、とりあえず国会を通すことは技術的(人数的)に可能な状況なのですから、野党が一所懸命がんばったとしても、反対しきれるものではないのでしょう。

 それにもかかわらず、なぜあらゆる法案がどんどんどんどん機械的に多数決で決められていかないのでしょうか。

 それは自民党(と公明党)が何かを恐れているからだと思います。

 その何かというものは具体的に見えないものであるからこそ、絶対多数の力を簡単に行使できないのでしょう。

 それは何かというと、いわゆる「民意」というものではないでしょうか。

 自民党(と公明党)は、野党や我々などのようにものを言う人間はそれほど恐ろしくないに違いありません。その証拠に、何を言っても聞く気はまったくないという風情です。

 それにもかかわらず、あの能天気な首相でさえも、なんとなくこの「民意」を怖いと思っているフシが感じられます。逆に言うと、野党や我々が怖くないのは「民意」を代表していないからなのかもしれません。

 一時はうるさいほどに繰り返されていた世論調査というものが、最近ちょっと静かになってきている気がします。その理由のひとつに、やはりあれが「民意」を反映していないからということわかってきたからではないでしょうか。

 とらえどころがないからこそ恐ろしい、この「民意」をつかんだり動かしたりできると国を動かすことなど簡単にできるのかもしれません。

 小泉さんが自分でも不思議なくらいの支持を集めていた時、彼は「民意」を吸い上げることに成功していたのだと思います。最近はその自信がなくなってきたので、彼も弱気になっている(あるいはやる気が失せている)という面もあるのではないでしょうか。

 この実態のない「民意」をつかむもっとも確実な方法は、それを作り出すことなのかもしれません。民意を知ろうとする努力が民主主義だとするならば、民意を作り出すことは独裁を目指していると言えるのかもしれません。最近の日本の政治家を見ていると、与野党を問わず民意を作ることに熱心な気がします。

 民意を「作る」ということ、私にはやはり恐ろしい仕業だと感じられます。
# by stochinai | 2006-05-14 23:51 | つぶやき | Comments(3)

つかのまの春

 毎日、気温は激しく上下していますが、やはり春、春爛漫です。
 映画を見て、始めてモクレンがマグノリアだと知ってからは、マグノリアと呼ぶ方がずっと似合っていると、見るたびに思います。
つかのまの春_c0025115_192229100.jpg

 下に目をやると、ブドウのようなムスカリがおいしそうに見えます。花が開く前がかわいいですね。
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 一日に数センチは間違いなく伸びているシャクヤクも、こうしてみるといい色です。
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# by stochinai | 2006-05-13 19:26 | 札幌・北海道 | Comments(6)
 札幌は今、サクラとウメとエゾムラサキツツジとレンギョウとスイセンが満開です。すべてが一度に来るのが北国の春の素晴らしさです。これは、昨日会議があった図書館から出たところで出会った風景です。左手に見えるのはクラーク会館という学生会館です。手前にある切り株は2年前の台風で倒れた巨木のものですが、それがなくなったことでサクラが一段ときれいに咲くようになったと思われます。
ミジンコ・ミニシンポジウム_c0025115_23102963.jpg

 今日は、午後から地球環境科学研究科のM浦研と合同で、ミジンコのミニ・シンポジウムをやりました。私達の研究室でもミジンコの研究は3年前から始まったばかりですが、M浦研はさらに新しく、去年からミジンコの研究を開始したばかりです。

 それでも、今年は両研究室合わせて4人の大学院生がミジンコの研究に取り組んでいるので、お互いに情報交換をしながら研究をしましょうということで、今回ミニ・シンポジウムを開くことしました。

 みんな若い大学院生ばかりですが、それぞれに熱意をもって、また楽しげに研究に取り組んでいるところがとても気持ちの良いものでした。

 結論としては、ミジンコの研究についての過去の報告は必ずしもきちんと実験されているわけではないものも多いので、すべてをきちんと追試しなければならず、何をやっても新しい発見になる可能性が高いことも確認され、大変ではありますがこの研究分野が宝の山であることを再確認しました。

 3時から始めて、4人の発表が終わったのが6時半過ぎ、そのあとM浦研の動物たち、フトアゴヒゲトカゲ、カブトムシ、シロアリ、クロアリ、ヒゲナガアブラムシ、ミジンコなどなどを見せてもらっているうちに、7時から宴会の予約をとってあるので急いでくださいという幹事のI井さんにせかされて、札幌駅ガード下の居酒屋へ。

 飲み放題付きの3000円の2時間のコースもあっという間に時間が尽きてしまう中で、次回のシンポジウムの話が決まる前に、両研究室の合コンをしましょうという話の方が先に決まってしまいました。

 というわけで、次回はいつかどこかで北大の動物飼育大好き研究室の合同コンパが行われることになりました。

 研究も楽しいですが、もちろん飲み会は楽しいものです。

 能天気な春が来た札幌からお送りしました。

【追記】
 こちらにも「ミジンコ研究会」の報告があります。試験もかねて、トラックバックを送ります。
# by stochinai | 2006-05-12 23:35 | 大学・高等教育 | Comments(4)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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