5号館を出て

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ファルージャ総攻撃

 ブッシュ再選による、最悪のシナリオが開始されたようです。現時点で一番詳しい毎日新聞の記事によると、イラクの米軍と「イラク政府軍」が、今朝から「同市西郊を南北に流れるユーフラテス川西岸まで進撃、病院を支配下に置き、市街地に通じる要衝の橋2カ所を制圧した」とあります。

 この文章だけだとあまり良く状況は伝わってこないのですが、なぜかしらネット上には軍事用と思われる【資料】ファルージャを真上から見た航空写真が公開されておりますので、それを見ながら上の記事を読むと恐ろしさがヒシヒシと伝わってきます。ユーフラテス川にかかる2本の橋もはっきりとわかります。

 今回の襲撃で、アメリカ軍はまず病院を制圧したそうです。前回の攻撃の際に民間人の死傷者を公表して、アメリカ軍を非難した病院に対して「米軍将校の一人は『病院は宣伝活動の中枢』と述べており、早期の病院制圧には情報戦の機先を制する狙いがあったとみられる」ということですから、今回はファルージャの街そのものを消し去るほどの攻撃をしようということなのかもしれません。

 航空写真を見ていると、爆音や人の悲鳴が聞こえて来るような気がして、かなりの臨場感が感じられます。

 校庭のある学校や、公園のような地形も見えます。砂漠の中の小さな小さな町です。

 その気になれば小さな原爆で「町そのものを処分して」しまいたいというアメリカ軍の本音も聞こえてくるようです。

 ゆったりと流れるユーフラテス川の流域にはたくさんの畑が見えますが、おそらくそこも今は荒れ放題になっていることでしょう。

 こんな小さな町です。ここを壊滅させて大人の男を皆殺しにしたところで、イラク戦争が終わるとも思えません。しかも、そんな小さな町なのに世界一強いアメリカ軍が半年かかっても陥落させることができなかったのです。

 そして、次なるシナリオは日本の参戦です。もっともこちらは、ケリーが当選しても出てくる要求ではあったでしょう。ニュースにも出てきました。自衛隊派遣延長を日本に要請です。しかも今回は、一歩踏み込んで「「(派遣が)重要である理由は、部隊の規模や支援活動の面だけでなく、日本が世界の主要国として責任を果たすことを示す象徴だからだ」と駐日大使が発言しています。意味していることは、明らかだと思います。

 派遣の延長が決まったら、たとえ自衛隊員に犠牲が出ても引き返すことはできなくなるということだと思います。我々、日本の国民はそれを許すべきではないと思います。引き返すことのできる、最後の地点まできたと思います。
# by stochinai | 2004-11-08 17:51 | つぶやき | Comments(0)

秋深し

 今日は天気は良かったものの、かなり肌寒く秋も深まった感じです。

 秋というと「秋深し 隣は何を する人ぞ」という句を思い出しますが、いまだに意味が良くわかりません。秋といえば、やっぱり「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」ですかね。

 柿の北限はどこかはよく知らないのですが、お向かいのお宅に今年も柿がなっています。札幌ではかなり珍しいと思うのですが、確か少し南の伊達では柿が市のシンボルにもなっていますので、道南ではそれほど珍しくないようです。

 一昨年、つぼみをつけた状態の山茶花の鉢植え(といってもかなり大きい)を購入したのですが、去年の秋から今年の春にかけては花をつけませんでした。一昨年は花を咲かせながら玄関で冬を越させたのですが、秋になっても花のつぼみがつかなかったので、去年から今年にかけては、戸外の軒先で雪に当てながら冬を越させました。それがよかったのかどうかは定かではありませんが、今年はたくさんのつぼみがふくらみ始めています。最近は、そのつぼみを見ては何となくニヤニヤしているので、まわりでは気持ち悪がっていることと思います。

 本州以南からは、すでに山茶花が咲いているという情報がはいっていますけれども、こちらでもなんとか咲いてくれるのではないかと楽しみにしています。

 北海道では、冬の花の代表である椿ももちろんありませんので、冬に咲く花というのはなかなか貴重です。何とか頑張って欲しいものです。

 室内では、今年もクリスマスカクタスのつぼみがたくさんついています。気の早い第1号はもうすでに開き始めています。

 デンマークカクタスとも言われる、このサボテンは夏に1ヶ月くらい乾燥させるというストレスを与えないと、今の時期につぼみをつけないという性質があります。

 チューリップの球根も、一度寒さに当てないと花を咲かせないようで、今の時期に咲かせたい場合には冷蔵庫に入れて寒冷処理をするようです。

 普段の生活で我々は、記憶というものは脳の働きなので、植物に記憶があるなどとはあまり意識しないのですが、明らかにありますね。

 そう言えば、形状記憶合金などというものもありますので、「記憶」というのは別に脳の専売特許ではないですね。自然を相手にしていると、容易に謙虚な気持ちになれるのが、なんだかいい気持ちです。
# by stochinai | 2004-11-07 17:52 | 趣味 | Comments(0)

イチョウの黄葉

 今日は土曜日だというのに(土曜日だからなのか)、キャンパスにはたくさんの人がウロウロしていました。立派な望遠レンズをつけた一眼レフをかかえた集団もいました。なるほど、みなさんは北大の木々の紅葉や黄葉を見にいらしていたのですね。

 確かに工学部前のイチョウ並木は今が見頃でした。

 例によって、集まっているほとんどの人は中年から高年の方々で、若者がほとんどいません。美しい落ち葉を踏みしめながら、まだ木に残っている赤や黄色の美しい色の葉をながめるなどというのは、考えようによっては絶好のデートコースであると思われるのに、それとおぼしき若いカップルはほとんど見あたりません。逆に、中高年の方々の多くは、男女の混合集団やカップルが多く、季節と戯れながら人生を楽しんでいるように見えました。

 若者はどこにいるのでしょう。少子高齢化の中で、デートする人間の数も減っているということなのでしょうか。なんか、この国の将来が危ういなあと、また思わされてしまいました。

 今日、驚いたことがもう一つあります。今も続いているのですが、なんとあのNHKが民放でおなじみの「愛は世界を救う」タイプの24時間連続放送キャンペーンをやっているのです。

 私は、少し前からNHKでやっている、各地方ごとに現地にタレントを派遣して、そこの地方の人にも参加してもらいながら、延々と雑談を垂れ流すという「放送」は、金を取って営業している放送局としては、あまりにも手抜きで質の低い物だと苦々しく思っておりました。

 民放がやっている24時間あるいは48時間のキャンペーン番組も、お金をかけずに番組を作るだけではなく、視聴者からお金を集めるという不思議な代物です。民放では、視聴社からお金を取っているわけではありませんので、まあ勝手にやってよと思っていたのですが、それを我々から法律によって強制的にお金を取っている天下のNHKがやることには、「ちょっと待ってよ」という気になります。

 まあ、ちょっと見た感じでは民放のようにワイワイとお祭り騒ぎをやるようなキャンペーン番組ではなさそうなのですが、それにしても民放が始めた(実は例によってアメリカなどに元ネタがありそうな気はしますが)放送のアイディアを丸飲みするような企画をやっている公共放送を見ていると、情けない感じがします。

 民間が長年かけて開発した宅急便業界のノウハウを丸飲みして反撃に出た郵政公社のことを思い出します。

 どうして日本の「官」というものは、このように能がなく恥知らずなのでしょう。丸飲み、丸投げ、総取りの世界です。

 税金あるいは、受信料などという税金と同じものを出発点にして業務をやっているのですから、民間よりもゆっくりと時間をかけて良いものが出せるはずなのに、この現状はいったいどうなってるんだ、と叫びたくもなりますが、「政治なんて所詮、税金から合法的にできるだけ多くの金をピンハネするための装置にすぎない」と思っているような、現場にいる人間にとっては、馬の耳に念仏なんでしょうね。
# by stochinai | 2004-11-06 17:52 | つぶやき | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai