5号館を出て

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カメラで取り締まり

 やっと出たか、というニュースです。朝日コムでは、路線バスから違法駐車ナンバー撮影、警告書という記事が出ています。朝日新聞の夕刊でもかなり大きく扱われています。

 記事によると「路線バスに設置したカメラで、バス専用路に違法駐車を繰り返す車のナンバーを撮影し、所有者に警告書を送付する制度を、国土交通省が来年度から全国で始める」とのことです。

 記事の中には警察は登場してこないのですが、写真にはGPS情報も取り込んでおくということなので、場合によっては警察に告発もできるということが「警告」をすることの正当性を保証しているということだと読みとれました。

 前からあればいいなと思っていたことのひとつが、デジタル写真による交通違反などの告発です。

 今やたくさんの人が、四六時中カメラ付き携帯やデジカメを携行している時代です。多くの人が、毎日のように目撃しているであろう違法行為が、簡単に証拠として記録されるチャンスがとてつもなく大きくなっている状況ができあがったのだと考えられます。

 私も自転車で道を走っていると、毎日のようにたくさんの交通違反を犯す自動車を見ます。時には、自分にも影響の及びそうな違反にひやっとさせられることもあります。しかし、ほんとうの事故にならない限り、そうした違反を告発することはできませんし、たとえ訴えることができるケースとして、頭から泥水を浴びせられたとしても、それをいちいち警察に訴えるほどの暇もありません。

 そういう微罪をつぶしていくことが、ひいては大きな事故を防止することになるとはわかっていても、警察も忙しいですし警察官の人数もそんなに多くはありませんので、警察の目に触れないところでは交通違反はやり放題、というのが現実だと思います。

 まあ、特に人に迷惑をかける訳ではない違反ならば、いちいち訴える必要があるとは思いませんが、事故にならなかったことが不思議というような違反もかなり多いと思います。

 そのようなすれすれの「犯罪」を写真で撮して、デジタル・チクリ・サイトに写真で投稿することで、せめて警察経由で警告くらいしてもらえないかというアイディアを持っています。

 ただし、このサイトの経営には2つの難しさがあると思います。個人で経営していると、告発された人間からの反撃が予想されることと、虚偽の「告発」が出てくる可能性です。

 そうしたことを防止するためには、やはりサイトの経営にしっかりとした法権力と武力を持った警察組織が必要だと思います。

 今回の試みがうまくいったら、違法行為画像掲示板も出てこないでしょうかね。それともプライバシー保護の方が優先されて、禁止されてしまうのでしょうか。せっかくの新しい技術ですから、交通弱者の保護に利用できたらいいなあと思うのですが、まだ詰めが甘いかもしれません。ご意見をお聞かせ願えるとありがたいです。
# by stochinai | 2004-12-11 00:00 | つぶやき | Comments(0)
 どちらかというと、わいせつ先生、過去最多155人というニュースがおもしろおかしく報道されているようですが、同時にもっと深刻な発表があったことはあまり報道されていないのが残念です。精神疾患で休職の教員、最多の3千人超も同じ文科省の調査です。

 ただ読売はわいせつ先生が155人と報道していますが、他のほとんどの社は196人となっているのは、何の差なのでしょう。また、例によって多くの社は共同通信などによる売記事で、読売などの大手は自前で書いていることによる差なのでしょうか。

 それはともあれ、精神性疾患のため昨年度に病気休職した全国の公立学校教員が3194人という数字は深刻です。去年よりも507人増えて、10年前の1188人から見ると、2.7倍というとんでもない数字になっています。教員約290人に1人の割合なのだそうです。

 まあ、不登校の児童生徒の数の10数万人に比べると少なく思えなくもないですが、児童生徒の場合は100人に1人くらい、先生は300人に1人くらいというふうに考えると、生徒に負けず劣らず悩み苦しんでいる先生の姿が見えてくるような気がします。

 まあ、明らかに犯罪ですから情状の余地はないのですが、セクハラや体罰も同じように苦しんで追いつめられた先生の、ゆがんだ反応の仕方と見えなくもないと思います。

 これだけ大規模に精神的な病人を出しているということは、その職場の管理者である文科省に責任がないということはできないでしょう。もちろん、民間会社でも同じように、あるいはそれ以上に精神性の疾患を出しているところもあるかもしれませんが、警視庁発表の自殺者の統計を見ると、この10年で急増してはいるものの増加率は1.7倍くらいですから、2.7倍という数字は、教育現場の荒み方のスピードが一般社会よりもはるかに速いことを示していると言って良いのかもしれません。

 教育の現場を陰鬱なものにしてしまっている理由はたくさんあるでしょうが、最大の被害者は間違いなく子ども達です。

 つい数日前に出たOECDの学力調査の結果を見て、先生を締め上げようという意見もあちこちから出ていたように思います。優秀でやる気のある先生が増えさえすれば子ども達の学力が上がると考えて、大学院を出ることを教員免許取得の条件にしたり、数年ごとに免許更新の試験をしたり、というようなアイディアも聞いたことがあります。

 しかし、それが本当に正しい処方箋なのでしょうか。

 私は、先生達が働く職場として学校が明るく楽しく魅力あるものにすることこそが、最初にしなければならないことにように思えてなりません。もちろん、その前提として子ども達にも明るく楽しく魅力あるものにならなければならないのですが、その二つは両立することだと思います。

 今、政府や文科省が考えていることは、優秀な先生を確保して、その人達にすべてを任せてしまって、後は頼むよ、というようなことだと思います。

 しかし、教育などという時間がかかり、効率の悪い作業を誰か優秀な人間に丸投げしようなどという発想そのものがすでに間違っていると思います。

 先生1人にまかせず、教員がお互いに助け合い、学校も教員をサポートし、さらに父兄をはじめとする地域の住民がみんなで学校での教育に参加し、協力できる体制が必要なのだと思います。

 スーパー・ティーチャーとか、大学院を出た小学校教師とかいう頭でっかちの個人に解決を委ねるのではなく、多くの人が協力して作り上げる楽しい学校を再建しない限り、病める教員も減らないでしょうし、子ども達の学力も回復することはないと思います。
# by stochinai | 2004-12-10 00:00 | 教育 | Comments(0)

DNA鑑定

 あまり書きたいというわけでもなかったのですが、「書かないのですか」と言われたことと、日本中のニュースがあまりにも同一色に染まっているように見えることがちょっと気持ち悪いので、コメントしておきます。

 もちろん、北朝鮮に拉致されて自殺したとされる横田めぐみさんの、「遺骨」の鑑定結果のことです。

 昨日のニュースでは、帝京大の法医学研究室が、両親から提供された横田めぐみさんのへその緒から得られたDNAと照合して、遺骨がめぐみさんのものではないと断定したと報道されています。

 しかし、同様の鑑定を試みた警察庁科学警察研究所では、結果を出せなかったという報道もありました。

 「両機関とも『鑑定能力は国内屈指』(警察庁幹部)だが帝京大はミトコンドリア、警察庁は核のDNAを鑑定したといい、このため差が出たとみられる」と書いたものもあります。

 私も帝京大の出したの判定結果は、おそらく正しいだろうと思っていて、北朝鮮が嘘をついているのは間違いないと思うのですが、科学的判定をする場合にしなければならない最低のルールは、今回も守るべきだと思いました。

 そのルールとは、二つの研究機関(帝京大と科学警察研究所)が異なる結果(否定的な結果と、結果を出せないという結果)を出した場合には、さらに第3者に判断を依頼するということです。

 また、帝京大が成功したのなら、その方法を使って科学警察研究所および(あるいは)他の機関が追試するということです。それで、同じ結果が出ることを確認できれば、信憑性は高まります。

 このようなニュースによって私たちに知らされるのは鑑定結果だけであり、今回のように場合によっては国際紛争の原因にもなる可能性もある重要な事案の場合には、利害関係のある日本でだけ鑑定をするのはいろいろと疑念を提出された場合に弱みがあると思います。

 もちろん、最初の鑑定を日本でやることに問題はないのですが、そこである結果が出たら第3国(たとえば、ドイツとかフランス、あるいは中国やアメリカに加わってもらっても良いでしょう)の第3者機関に同じ方法および別の方法で再鑑定を依頼すると良いと思います。

 自然科学というものは、誰がやっても同じ結果を出せるものですから、無駄な論争をする必要はありません。

 特に今回のようなケースでは、日本中が一丸となって熱くなっているように見え、それはそれで無理はないと思いますが、北朝鮮のような国と交渉する場合には、向こうの友好国(中国やロシア?)にも科学的真理という点において、日本と同じ立場に立ってもらうことができると、ずいぶん交渉がしやすくなるのではないでしょうか。

 今回の鑑定結果で、北朝鮮が嘘をついていることがはっきりしたので経済制裁を加えるという意見も理解できますが、横田めぐみさんをはじめ拉致されている人たちを救い出し、北朝鮮を開かれた国にしていくことを目指すのならば、直線的に攻めるだけではうまくいかないでしょうから、外堀を埋めることも考えた方が良いと思います。今回のDNA鑑定のような「科学」を使うことで、中国やロシアが北朝鮮を説得する側についてくれるならば、交渉はしやすくなるのではないかと思います。

 そういうのを「大人の外交」というのではないでしょうか。
# by stochinai | 2004-12-09 00:00 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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