5号館を出て

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いきなりの大雪

 いちおうまだ11月なのに、びっくりの大雪でした。今朝はおそらく30センチくらいの積雪だったと思います。気持ち的には、いつでも来いと思ってはいたのですが、やはりいきなりくるとちょっと動揺しました。

 と思いながらも、朝になってからは降雪も弱まっておりましたので、昨年の冬を思い出しながら、ゆっくりと1時間以上かけて除雪しました。

 気温も、この冬一番というくらいの低温だったはずなのですが、雪は意外と湿っていました。多分、あまりにも早く積雪が来てしまったため、地温がまだそれほど下がっておらず、そのために気温は低くても地熱で雪が暖められて湿ったのだと思います。

 湿った重い雪を運んでいると、新潟の地震被災地に降る雪はこういう重い雪なんだろうなあと、妙な感慨に持浸ってしまいました。昨日の早朝に、地震でたたき起こされたことも影響していたかもしれません。

 そんなこんなで、今になってみると腕のあちこちの筋肉が疲れたり、痛くなっているのがそのせいだと気が付きました。

 除雪などというおおざっぱな力仕事で痛めつけられた筋肉は、マウスやキーボードなどという軟弱な作業には向かないようで、どうも動きがぎこちなくなってしまいます。

 そう言えば東京都で、子ども達に「奉仕」という強制労働をさせるという話がありましたが、北海道では子ども達に除雪をさせると良いと思いました。ボランティアなどというきれい事ではなく、北海道などでの除雪には単純な力が必要ですが、どうも見ていると除雪をしているのは女性と老人が多いようです。

 子どもが学校へ行く時間を1時間遅らせても、強制労働として除雪をさせるというのは悪い話ではないと思います。

 国に奉仕するとかそういう話ではなく、自分たちの住んでいる町内で力が不足しているあちこちの家の前を除雪させるというのなら、名前は奉仕であれ除雪であれ、強制的にさせることに問題もあるとは思えません。サボった奴の成績が悪くなるとしても、問題があるようには思えません。

 北海道では最近、お金や時間の問題でスキー学習を取りやめる学校が増えているということも聞きましたので、雪と親しむという意味でも除雪授業はとても良いことではないでしょうか。

 知事ならびに市長!本気で検討してみませんか。
# by stochinai | 2004-11-30 17:14 | つぶやき | Comments(0)
 今朝の朝日新聞に、スギヒラタケの毒性がマウスのを使った実験で確かめられたと出ていました。朝日コムにもスギヒラタケに毒性 静岡大教授らマウスで確認 とあります。

 google newsでも、現時点で7件の同様のニュースが出ています。産経新聞、毎日新聞、朝日新聞、熊本日々新聞、静岡新聞、TBSなどです。

 ところが、googleに載っていない読売オンラインでは、「スギヒラタケ、毒性ない動物実験結果も…研究班初会合」と興味深い記事になっています。

 他の新聞社で無視されたのは「脳症患者の発生地域で採れたキノコは毒性があったが、患者報告がない地域で採れたキノコは毒性が認められないという結果」の報告についてです。

 読売の記事によると「高崎健康福祉大の江口文陽教授(健康栄養学科)は、群馬県や長野県などから採取したスギヒラタケからエキスを抽出し、健康なマウスに投与したが、変化はなかった。また、腎機能を低下させたラットにエキスを投与したり、キノコそのものを食べさせたが、発症しなかった。群馬、長野両県は、これまで患者の発生が報告されていない」となっています。

 読売のサイトを良く見てみると、この記事は午後9時21分のもので、1時50分の記事では他社とおなじ内容のものも発信されていました。スギヒラタケに毒性、静岡大教授らがマウス実験で確認がそれです。

 ということは、今後他社の記事もこれを追いかけることになるのでしょうか。もしそうなら良いのですが、これが例によってセンセーションだけを追い求めるジャーナリズムの悪い側面を示しているもので、あとは野となれとほったらかされるのだとしたら、とても残念なことだと思います。

 だいたい、このネット時代に横並びに同じ記事を出すこと自体が意味を失いつつあるというのに、googleの画面でずらずらと同じ記事が並んでいるだけではなく、それが読売に抜かれているとしたらこんなに間抜けな話はありません。

 だいたいが、毒性を「証明した」とされる実験そのものがかなり初歩的なレベルにとどまっているものであり、それに対する批判的な記事が書かれても不思議はないはずなのに、記者会見の発表をそのまま記事にしてしまったような雁首を並べた今回の記事に関しては、読売以外の新聞社は総懺悔してしかるべきだと思います。

 心配なのは、各新聞社にサイエンス研究の訓練を受けた専門の記者がいないのではないかと思われることです。

 新聞が生き残りたいのなら、科学部の記者としてしっかりとした科学の教育を受けた大学院出の博士や修士をどんどん採用してください。今や、たくさんの優秀な人材が巷にあふれているのですから。

(今わかったのですが、前回のスギヒラタケの記事は10月29日で、ちょうど一ヶ月ぶりでした。)
# by stochinai | 2004-11-29 17:18 | 生物学 | Comments(0)

豚が原因でE型肝炎

 食を巡る事件です。ウシのBSE、ニワトリのインフルエンザに続いて、ついにブタでも死者が出る「事件」が発生してしまいました。日曜の午後のニュースでは、各社ともかなり大きく扱っています。

 朝日コムでも豚内臓でE型肝炎に感染か 北海道で6人感染、1人死亡 と出ています。

 食物を介した感染症は、原因が細菌(バクテリア)の場合には、いわゆる食中毒と言われ、食べた食物にすでに大量の細菌が繁殖していて、その毒素によって病状が出るものが多く、症状がでるのも食後それほど時間がたたないうちに出ます。

 それに対して、細菌のあるものやウイルスの場合には、食べた食物の中に含まれる菌やウイルスが少量であったとしても、からだの中で増殖してから症状が出ますから、潜伏期が長く、数日から場合にはよっては数週間というものもあり、食べたものとの因果関係がはっきりしないことも多いのです。

 今回の「事件」も、北見の焼肉店で豚の内臓を食べたのが8月だったことが原因ではないかということが、ようやく今になってわかってきたのでしょう。その時、一緒に会食した14人のうち、60代の男性が10月に劇症肝炎で死亡したため、さかのぼって調べたところ6人がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染していたことがわかったので、北見の焼肉店での会食が原因ではないかと疑われているということです。

 E型肝炎は劇症になること自体が珍しく、発症しても軽症のことが多いため、それほど問題になったことはないようなのですが、今回は死亡者が出たことと、感染者のうちのひとりが献血をし、その血液の輸血を受けた患者が(2名?)E型感染ウイルスに感染したことがわかったことも、事態が深刻に受け止められている原因のひとつだと思われます。

 今回の原因と言われている豚のレバーなどの内臓は、北海道産のものなのかどうなのかは明らかにされていませんが、食品として流通しているものなので、いずれ販売業者などが特定され発表されると、また大騒ぎになる可能性があります。

 牛肉などはBSE騒動のおかげで、牛の個体ごとに番号をつけて、最終的に小売りされるまでの間、どこから来た牛の肉や内臓なのかが追跡できるシステムができています。問題が起こった動物や農作物でだけ、後追い的にそのような制度をつくるのではなく、今やあらゆる商品を追跡することが技術的(および経済的に)に可能になってきているのですから、この際そのようにしてしまってはどうでしょう。

 すべてのものに番号をつけたとしても、おそらく商品1点に対して数円というような負担ですむような気がしますので、反対する理由はあまり見あたりません。もちろん商品一つに1円の負担増でも、1億点の品があれば1億円かかることにはなります。しかし、売れ行きが落ちてしまうこととの差し引きで考えると利益につながる投資になると思います。それ以外に反対の理由があるとすれば、問題が起こった時にすぐに原因箇所が特定されてしまうことくらいでしょうか。

 昔から豚肉には、ヒトと共通の感染症の原因となるマイコプラズムがあるので、良く火を通すようにと言われて育ってきた我々としては、生焼けのレバーとかましてやレバー刺しなどは言語道断の食べ物だと思っていたのですが、SPF豚などが流通するようになってからは、却って油断するようになってきていたのかもしれません。責任を流通側に押しつけるだけでは、自分の身を守ることはできないということでもありましょう。

 食に関しては、これからも新しい危険が次々と出てきそうで、イヤな予感がする事件でした。
# by stochinai | 2004-11-28 17:19 | 生物学 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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