5号館を出て

shinka3.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
 今回の「事件」については、さらにあえて書く必要はないと思われるくらい、短時間に語り尽くされたという気もします。それでもなおあえて書いておきたいと思います。

 今回の「事件」で感じたことは、強力なテレビの力とあまりにもひ弱な科学者の力の差です。そして、そのテレビの力をうち負かしたのが週刊朝日という中規模「マスコミ」の取材力でした。テレビに踊らされる大多数の人々は、たとえ正しいことだとしても一介の科学者が言うことなどに耳を貸してはくれません。

 今回も科学論争が行われて納豆ダイエットが否定されたわけではありません。テレビ局がニセの翻訳やデータねつ造を行っていたことを週刊誌が暴いたことで、簡単に悪人が特定されたというのが騒ぎの概要です。

 もしも、それほど露骨に不正を行っていなかった場合には、これほどまでにすっきりと納豆ダイエットが追放されることはなかったと思われます。そういう意味では、テレビ関係者は今回の事件はニセ科学問題ではなく、嘘をついたのが問題だと思っているに違いありません。つまり、嘘さえつかなければ似たような企画(ニセ科学番組)をやることをさほど悪いことだとは思っていないでしょう。

 金を儲けること、すなわち視聴率を上げることが至上命令であるテレビの世界で、確実に視聴率が稼げる健康・美容ものがこれからも減るとはとても思えません。そもそも、その手の番組のあとでスーパーマーケットの特定商品の棚が空になるという現象自体が特に悪いことだとは思われていないようですが、結局それが何年も続いて定番の売れ筋商品となるものがほとんどないという現実は、長期的に見るとほとんどが詐欺的な番組だったと判断される証拠ではないでしょうか。

 つまり、ほとんどの健康食品情報は「嘘」あるいは「ニセ科学」なのではないかと思われます。日本という国は、おおらかなのかゆるいのか、そういうことに関して政府はほとんど介入しません。あるいは、そんなものですら国を富ませる経済活動として奨励しようとしているのかと思えることすらあります。

 我々科学者が社会の中で期待されている役割のひとつが、そうしたニセ科学の出現を阻止することなのではないでしょうか。そういうことをしないのなら、科学者などいらないと思われても仕方がないという面もあると思います。いやしくも科学を職業とするならばニセ科学を追放することは義務なのではないかと、近頃真剣にそう思い始めています。たとえ力は弱くても、科学者にはそうしたニセ科学を監視して、警笛を鳴らし続ける義務を負っているのではないでしょうか。

 たとえテレビの力には遠くおよばないとしても、まちがった使われ方をしている「科学」に対してNoを言い続けることをやらなくても良い理由にはなりません。それができないのなら、少なくとも公的機関から科学者として給料をもらってはいけないように思います。
# by stochinai | 2007-01-23 23:42 | 科学一般 | Comments(10)
 札幌駅ビルの一部が、タワーホテルになっているということは知っていたし、毎日のように見てもいたのですが、いままで登ったことがありませんでした。

 それが、今年の理学部職員親睦会がその36階にあるスカイバンケットルームで行われるということで、楽しみにしておりました。会が始まるまで、カーテンがかかっていた窓が、乾杯とともに開かれるという「お約束」のような始まりでしたが、駅ビルの高層階から見る札幌の夜景はさすがにきれいなものでした。
理学部職員親睦会@JRタワーホテル日航札幌_c0025115_2292676.jpg
 窓に反射する宴会の人々と駅から見る北大を含む西北西の夜景です。下に見える夜景のほぼ中央にあるのが理学部6号館、その右に5号館と2号館が立っています。よく見るとさらに右側にはポプラ並木も見えます。

 直下を見下ろせば、札幌駅南口です。
理学部職員親睦会@JRタワーホテル日航札幌_c0025115_22155997.jpg
 札幌に来たことのある方にはおなじみの大丸前のガラスドームが明るく輝いています。

 親睦会は例年の通り、学会対抗ゲーム大会とビンゴですが、昨年のダーツに続いて、今年の連想ゲームも生物学科が制覇、V2を達成しました。(^^)V

 大学院や研究院が改組されて、理学部とぴったりと整合性を持った組織がなくなってきており、昔のように理学部をひとつの集合単位として帰属意識を持つことが難しくなったり、学科事務がなくなって事務の方々のほとんどが中央に異動し、いわゆる「学科」の一員として持っていた教員と事務の方々との連帯感がなくなってきたりと、理学部親睦会としてはある意味で危機的状況になってきている気はするのですが、それでもこうして一同に会して飲み食い騒ぐと、ほんの一瞬でも昔に戻って「仲間だな~」という気分に浸れます。

 たとえ一年に一回だとしても、絆を確認する大切なイベントだと感じます。
# by stochinai | 2007-01-22 22:39 | 大学・高等教育 | Comments(2)
 昨年の10月29日に札幌のかでる2・7「かでるホール」で行われた、「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」は、ホールが満員になる盛況だったそうですが、そのパネルディスカッションの模様の録画がYouTubeにアップロードされています。
パネルディスカッション:
山口二郎(北海道大学大学院教授)
原田宏二(元北海道警釧路方面本部長)
宮崎学(作家)
大谷昭宏(ジャーナリスト)
魚住昭(当日飛び入り参加:ジャーナリスト)
コーディネーター: 市川守弘(弁護士)
 マスコミの報道には乗ってこない、ホンネトークはかなりスリリングなものです。お時間があったら是非とも見ましょう。鈴木ムネオさんの飛び入りもスゴイですよ。

 YouTubeに書かれている紹介文を転載します。
 2006年10月29日、北海道札幌でひらかれた「北海道はこれでいいのか『道政・道警・裏金報道』を考える集い」パネルディス カッションの模様をノーカットでお送りいたします。

 パネラーは、《ざ・こ もんず》ブロガーの田原総一朗氏、ジャーナリストの大谷昭宏氏、 作家の宮崎学氏。他、ジャーナリストの 魚住昭氏、元道警釧路方面本部長原田宏二氏、北海道大学大学院教授の山口二郎郎氏、司会は弁護士市川守弘氏です。

 さらに、会場から飛び入りで衆議院議員の鈴木宗男氏が発言しています。

 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」1
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」2
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」3
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」4
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」5
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」6
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」7
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」8
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」9
 「北海道はこれでいいのか!『道政・道警・裏金報道』を考える集い」10
# by stochinai | 2007-01-22 15:12 | 札幌・北海道 | Comments(0)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai