5号館を出て

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米軍の誤射?

 イラクの抵抗勢力から解放されたイタリア人記者が、帰国のために空港へ向かう途上、アメリカ軍によって銃撃されるという事件が起こりました。

 幸いにして、解放されたスグレナさんらは殺されなかったものの、一名のイタリア情報局員が射殺されてしまいました。

 アメリカは誤射を認め謝罪したと言うことですが、もし生存者がいなかったら、米軍の誤射ということが報道されたかどうか疑問に思えます。

 この事件の報道で、真っ先に思い出したのが、イラクで殺された日本の外交官、奥克彦さんと井ノ上正盛さんのことです。二人とも殺されてしまったため、誰が撃ったのかの結論を出すことができていないと思います。

 2例とも、近距離から嵐のような銃弾を浴びせられているというところが、似ていると思いました。

 戦争の中で起こったことの真実を明らかにする報道の必要性を強く感じています。
# by stochinai | 2005-03-07 14:13 | つぶやき | Comments(0)

あるMLの閉鎖

 ガ島通信さんの撤退宣言の余波が収まらない本日の午後6時頃、衝撃のメールが飛び込んできました。

 「突然の事で申し訳ありませんが,いろいろな事情を勘案して,月末(3月28日昼頃)をもって,本MLを廃止する事を決めました.・・・・・・本年の1月頃から,廃止にしようと考えてきました.理由はたくさんありますが,10年一区切りと思っています.」

 私がそのMLに参加したのが4-5年前のことですので、MLはその時にはもう5-6年の歴史を持っていたと言うことになります。

 「現在の配信アドレスは,1300です.延べでは3500程度でした.専用のサーバになって今の機械で3台目です.過去には,学生でお金がなく,寄付を受けてサーバを構築したこともありました.」

 何となく感じてはいたのですが、これほど大規模に運営されているMLであるのにもかかわらず、基本的にはたった一人のボランティアと、その人のプライベートなサーバー・マシンによって運営されていたようです。(ほとんど意識せずに、使わせていただいていました。ありがとうございました。)

 そのMLは「理科教育メーリングリスト(http://rika.org/)」という名で、理科教育関係の教員を中心に、学生、生徒の父母、研究者などが、理科教育に関係した(あるいは関係しない)様々な話題について、かなり精力的にやりとりがなされているMLでした。

 そんなMLが、たった一人の、しかも始めた頃はおそらく学生だった人の活動に支えられて10年も続いていたとは、その方のボランティア精神に感謝すると同時に、インターネットの持つ信じられないほどのコスト・パフォーマンスに感動しています。

 しかし、その方が今や理科教育とは離れた分野に職を得ておられるらしく、さらには「個人情報保護法への対応で作業が発生し,その作業負荷に耐えられない」という状況はかなり深刻な現実なのだと思います。個人情報保護法がそうした、中規模のコミュニケーションの破壊につながるということも再認識しました。何千人でも何万人でもが参加するMLでも、技術的には個人の持つパソコンで運用は可能なのでしょうが、法的な対応が必要になってくるとなると話はガラッと変わってくると思います。これについては、いずれまた改めて考えてみなければならないと思っています。

 それと、もうひとつの大きな理由はネット環境の変化です。少数の大きなMLが力を持っていた時代から、たくさんの多様なMLへと分化が進んでいることと、ブログやホームページによる個人を中心とする情報交換の手段だどんどん進化していること、などから1000人以上の参加者を持つメガMLの存在意義は、10年前と比べるとずいぶんと小さくなってきていることも、また事実だと思います。

 日本で3月というのは、旧年度の最後の月ですから、人が身の振り方を考え、大きな動きをする時期ではあります。大学でも、卒業生を送り出し、来月に入ってくる新入生を迎える準備をしなければならない、一年でもっとも落ち着かない時期です。新たな希望に心が弾み始める時期でもありますが、新年度に向けて新しい動きのできない自分を見つけて、心が乱れる時期でもあるのです。

 いろんな人のいろんな動きを見るにつけても、さて自分はどうするのかと問いかけられているような気もするこの時期が、日本では春という季節で本当に良かったと思うこともあります。これが、欧米のように冬を迎える直前の秋だったら、精神の落ち込みに耐えられない人が増えてしまうことが心配にもなる今日この頃です。

 日本の新年度が春なのには、そういう意味もあるのだとしたら、国際化という名の下に検討されている、新学期の秋開始というアイディアをそう簡単に受け入れない方が良いのかもしれないですね。
# by stochinai | 2005-03-06 23:59 | つぶやき | Comments(0)
 ガ島通信さんの「さよなら新聞」宣言から一夜明けて、まだ波紋は拡がりつつあるようにも思われますが、最初の衝撃からはちょっと落ち着いてきたようです。

 私は、自分の中での整理の意味も含めて、もう一度「追伸」のエントリーを書いています。

 ずっと気になっているのはタイトルの「さよなら新聞」です。私は、ガ島さんが地方新聞社の文化部記者ということ以外知りませんし、知りたいとも思いません。でも、そのガ島さんがこのエントリーを書く時に最初に書いたタイトルは、山口正紀さんが読売を辞めて書いた本「メディアが市民の敵になる」に付いていた副題「さようなら読売新聞」と同じように、ガ島さんの所属する新聞社にたいして「さよなら**新聞」と書いて、書き直したに違いないと、勝手に想像しています。

 もし、そうでないとすればガ島さんから紙の「新聞」に対する訣別宣告になります。ひょっとすると、そっちが正しいのかも知れません。

 いずれにせよ、ガ島さんの辞職は現在まで働いていた新聞社だけではなく、新聞社を代表とする日本のマスコミのありようにNOを突きつけているということは、ほんのちょっとでも想像力がある人には痛いほどわかります。

 そして、その痛みをもっとも感じている1人が、現実の新聞社の中での「中間管理職層」を自覚している「ネットは新聞を殺すのか」のyukawaさんです。彼の血のにじむような悔しさが吹き出している昨日のエントリー「憤り」は、まだ新聞社の中にいるたくさんの「ガ島」さんたちに希望を与えてくれるものだと思いました。

 組織の中で孤立した時に、人は必ず辞めようと思うものです。そう思ったことのないという人は、組織の中で真面目に仕事をしていない人か、あるいは組織内の体制側にべったりと取り入った幇間のような人でしょう。そんな風に誰にでもある辞めようと思った瞬間に、それを思いとどまらせてくれるのは、自分のことを理解してくれ、そしてジャーナリストとしても力のあるyukawaさんのような先輩なのだと思います。

 残念ながら、ガ島さんの社にはそのような方がいらっしゃらなかったのでしょう。私の住む町にも素晴らしい同志の方がいらっしゃいます。その方のブログでは、ガ島さんの生の声も収録されています。今は「ガ島通信」の更新はなかなか難しいでしょうから、この電話の声は貴重です。masayuki_100さん、ありがとうございました。

 ガ島さんは今の新聞社と玉砕することを避けて、ガダルカナルからの名誉ある撤退を選ばれたのだと思います。ガダルカナルを離れてみると、そこかしこに意外とたくさんの戦友がいることにも気が付かれたと思います。

 体勢を立て直して、次の攻撃にかかる時にはたくさんの同志が一緒に闘いに参加してくれると思います。そのためにも、できるだけ早い機会に新しい陣地を築かれますように願っています。

 次の戦いには、私も一緒に参加できると良いのですが、、、、。
# by stochinai | 2005-03-05 17:20 | つぶやき | Comments(1)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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