5号館を出て

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 今日は久しぶりに、全学教育の学生実験を担当しました。解剖なのですが、昨年までやっていたラットの解剖に変わって、今年からはなんとイカの解剖です。ラットの解剖なら今までに何十匹もやっているので、目をつぶっていてもできる気分なのですが、実をいうとイカを真面目に解剖したことはありませんでした。そこで、一昨日に他の先生がやっている実験を見学させてもらってから、にわか勉強をして、本番に臨んだというわけです。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_22512018.jpg
 一昨日、昨日と勉強してみてわかったのですが、イカの解剖というのは日本だけではなく世界的に解剖入門としてはかなりポピュラーなものらしく、ネットで探してもたくさん見つかります。その他、イカに関する情報はなかなか豊富で時間の経つのを忘れて楽しく勉強させてもらいました。

 上の写真でわかるように、使ったスルメイカを始めイカは10本の脚(ゲソというのは下足が語源だって知ってました?)のうち2本が特に長く、まさに手のようになっています。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_22543645.jpg
 この手のような触脚には「歯」のついた吸盤があり、かなり強力な武器になることが見て取れます。

 お刺身にするときには、下の写真のように「頭」の部分(外套膜)を切り開き、見えてくる内臓は捨ててしまうのですが、良く見ると塩辛を作るときに使う大きな肝臓(中央に大きく見えるメタリックに光るもの)以外にもいろいろと臓器があることがわかります。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_2258747.jpg
 取りあえず、肝臓以外に食用に使う可能性のあるものは肝臓の右側に細長く密着して見える黄色くメタリックに光る墨袋(墨汁嚢)でしょうか。何人かの学生が、この袋を開いて手を真っ黒にしていましたが、イカ墨のいい匂いがするという感想もありました。

 これはメスの個体ですが、オスメスを見分けるのに、内臓を開かなくても一番上の写真で1対だけ裏向きになって白く見える脚の様子(オスでは太く、先に吸盤がない生殖腕になっています)で見分けられることも学びました。

 調べてまた実際にやってみて。イカの解剖は台所で気軽にできる生物学実験として、なかなかおもしろいテーマであることを発見しました。今度、小学生からお父さんお母さんまでみんなで実習できるサイエンスカフェとしてやってみたいと思いました。終わったらバーベキューパーティができるというところも、おすすめの材料ですね。

 さて、6時過ぎまで実習をやった後は、8時から一部では「オカフェ」あるいは「岡フェ」と呼ばれる、超少人数で行われるサイエンスカフェを語る「メタ・サイエンス・カフェ」に参加させてもらいました。こちらは、実習で疲れた喉をビールでいやしながら、脳の中をリフレッシュさせてくれる有意義なものでした。内容はあまりにもすごいアイディアが続出したので、企業秘密ということにしておきましょう。

 カフェは10時に店を追い出されてお開きになったのですが、帰る道すがら追い出されなかったら朝までしゃべりそうな勢いだったので、追い出されて良かったねと語りながら、今日一日が終わるのでした。

 メタカフェに向かう直前に、火事かと思われるほど真っ赤な夕焼けになっていたので、思わずデジカメを取り出してしまいました。今日の最後の1枚とします。
イカの解剖、真っ赤な夕焼け、メタカフェ_c0025115_23131084.jpg

# by stochinai | 2006-06-30 23:22 | 大学・高等教育 | Comments(15)
 地球環境研究科学院(でいいのかな?)のM浦研究室からフトアゴヒゲトカゲを2匹頂き、うちの大学院生が熱心に可愛がっているせいで、メスはすくすくと、オスもそれなりに育っております。時々、親戚(もちろんトカゲの)が訪ねてきたりするのですが、本当にフレンドリーなトカゲです。

 隣の研究室にも、兄弟が1匹いるのですが、こちらは餌に金をかけているせいか、異常に発育が順調です。

 というわけでM研を中心に、北大のごく一部の地域ではフトアゴヒゲトカゲがブームになっています。

 今日は、私のRSSリーダーに登録されている愛のエロテロリズム・インリン・オブ・ジョイトイの日記で、インリン様がフトアゴヒゲトカゲが登場。「余りにも可愛くて、抱っこしちゃった☆」写真が出ているので、このエントリーを書いてみようと思い立ちました。

 本当にこのトカゲはおとなしくて、かわいいのです。M浦研のメンバーのブログにはカテゴリー「トカゲ」の登録もあって、すごいですよ。

 それでは、その中からベストスリー「トカゲ」カテゴリーエントリーを発表します。

 3位 6エントリー polyphenismさん
 2位 12エントリー 愉快な彗星さん
 優勝 29エントリー ワニの庭さん
 
 なお、毎日のようにブログサイト名が変わるのでなんとお呼びすべきかわからないミジンコさんのエントリー「らぶ☆じむ」に努力賞を差し上げます。

 というわけで、北海道大学南キャンパスには、ちょっとしたトカゲ・シンジケートがあるのです。
# by stochinai | 2006-06-29 19:46 | 趣味 | Comments(1)
 東京都立府中病院で脳内出血で入院中の女性が、日本で48例目の臓器移植法に基づく脳死と判定されて臓器の摘出が始まるそうです。

 心臓、肝臓、膵臓、腎臓が利用されることになり、そのうち肝臓は北海道大学病院で移植される予定になっていると報道されているのですが、その陰で昨日北大病院で管理していた臓器移植希望者の一覧表が入ったパソコンのハードディスク(おそらく外付けだったようです)が一時所在不明になっていたという「事件」が発覚していたのでした。

 大学病院では警察に被害届も出すなど、大騒ぎになっていたようですが、ハードディスクは翌二十七日昼ごろ、同じ建物二階にあるスタッフルーム(スタッフ休憩室)で見つかっています。まったく、お粗末な一件落着と言わざるを得ません。

 まあこんなことは、大学の研究室ならよくあることですが、それが病院の中で起こり、しかもそのハードディスクの中に臓器移植希望者名簿という、ちょっと考えただけでも流出したら大騒ぎになることがあまりにも明らかなものがはいっているものが、いとも易々と移動されてしまい、さらにあまりにも不用意に別室で発見されるなどといういい加減さに、世間の人はビックリなされることと思います。

 しかし、大学病院には医師であるという自覚よりは、どちらかというと研究者や研修中という医療者としては無責任になりがちな気分の人間がたくさんおりますので、同じ大学にいる人間としてはいかにもありそうなことだとため息をついてしまうわけです。

 結論から言うと、今回の問題はやはり管理者側に大きな責任があると思います。学生や研修医、外部の研究者などがアクセスできる場所に、超一級の個人情報が入ったハードディスクが外付けで簡単にはずせるようになって置いてあるなどということの危険性を理解していなかった責任は重いです。

 管理する立場にいる方々の多くは情報技術に明るくないということは同情できますが、外付けハードディスクに重要書類がはいっているということは、机の上に秘密ファイルを置きっぱなしにしているのと同じだということくらいは、おわかりになると思います。

 別のニュースでは、ファイルにはパスワードがかかっており、簡単には見れないようになっていたということも書いてありましたが、北海道新聞や神戸新聞のニュースでは触れられていないところを見ると誤報だったのかもしれません。

 いずれにしても、個人情報の入ったファイルが持ち出されたり、簡単に読まれたり(ということはコピーされうる状態です)、ましてやインターネットにつながるような状態にしてはいけないことくらいは常識として知っていなければなりません。

 常識として知っていなければならないということは、法的責任から逃れることはできないということです。「知らなかった」は大人の世界では通用しない言い訳なのです。
# by stochinai | 2006-06-28 23:01 | 大学・高等教育 | Comments(2)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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