5号館を出て

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ブルーベリー

 わが家の庭にはあまり実のなる樹木はないのですが、鉢植えのブルーベリーは毎年かなりたくさんの実をつけてくれます。

 今年もたくさんの花が付きました。

 ブルーベリーは決して自家受粉しないことで有名な花なのですが、(購入した時の説明に寄れば)この木はどうやら二本の木を接ぎ木してつくったもののようで、わが家には一本しかないにもかかわらず、きちんと実が付きます。

 花が終わると、スズランのような筒形の花弁が抜けるように落ちて、めしべとがくだけの姿になります。このときに受粉に成功していると、がくの下の部分が心持ちふくらんでいるような気がしますので、今年の大体の収穫数を予測することができます。
ブルーベリー_c0025115_048960.jpg
 この写真を見る限り、今年もけっこうたくさんの実が期待できそうです。

 しかし、自家受粉をしないというブルーベリーですが、花粉を運んでいる昆虫の姿を見たことがあまりありません。どうなっているんだろうと心配していたのですが、こんな写真を見つけて安心しました。

 ところでブルーベリーは目によいということで、最近は注目を集めているようですが有効成分はアントシアニンという色素のようです。アントシアニンと言えば、私はすぐにアサガオの花の色のことを思い出してしまうのですが、紫色っぽいものにはかなりはいっているようです。

 Wikipediaによれば、アントシアニンをたくさん含むものには次のようなものがあるとのことです。

クワ
クランベリー(苔桃)
すぐり(ベリーの一種)
ブルーベリー
ブラックベリー
プルーン
ビルベリー
アサイベリー
ブドウ
ラズベリー
イチゴ
赤キャベツ
ナス
黒米
黒大豆(黒豆)
黒ゴマ
有色サツマイモ(特にムラサキイモ)
 ゴマはちょっと意外でしたが、ナスやムラサキイモは想定内でした。基本的に紫っぽさのある植物が多いようですね。

 健康食品やサプリメントの話を聞く度に思うのですが、要するにいろんなものを食べることが健康への近道ということではないでしょうか。そういう意味では、このような話題からは特定の食品やサプリメントではなく、季節に従って自然が恵んでくれる旬のものを食べるだけで良いのだというメッセージを感じるですが、相変わらずみのもんたの号令で特定の食品やサプリメントに殺到することが繰り返されているのが現実のようですね。
# by stochinai | 2006-06-25 23:59 | 趣味 | Comments(2)

泥棒に縄をなわせる

 不正を行う可能性のある人間に、不正の取り締まりをやらせるようなことを「泥棒に縄をなわせる」と言います。

 ここ数日、報道が続いている早稲田大学理工学部教授による研究費の不正受給問題の渦中の人、松本和子さんは今年の3月17日現在の名簿によると文部科学省の「科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会委員」で、主査代理という重職に任命されていたようです。ちなみに、以下のような方々がメンバーとして名簿に載っています。
 東京大学名誉教授 (主査)
 奈良先端科学技術大学院大学理事・副学長
 国立精神・神経センター総長
 情報・システム研究機構国立情報学研究所長
 慶応義塾大学医学部教授
 一橋大学経済研究所教授
 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
 早稲田大学理工学術院教授 (主査代理)
 東京大学大学院人文・社会系研究科教授
 東北大学大学院法学研究科教授
 独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー
 独立行政法人理化学研究所主任研究員
 この名簿を見ていて、不思議に感じられるのは、ほとんどが現役の研究者あるいはその人達とともに仕事をなさっておられると思われる方であり、どちらかというと問題になっている不正行為をする可能性がある側に属すると思われることです。

 研究者の不正行為を問題にするのであれば、そのメンバーの多くは利害関係のない第3者であるべきで、事情を聞いたりする時に現場の研究者を呼ぶというのが筋ではないでしょうか。たとえば、警察の不正行為を防止するための議論を警察にやってもらって出てきた結論などを信用する気になるものでしょうか。

 タイミングが良すぎる感じもするのですが、松本さんが委員をしていた特別委員会が昨23日に第6回の委員会を開いて、不正の調査や罰則などの対策を盛り込んだ指針案を発表しました。やはりというべきか、そこでは松本さんが告発されたような研究費の不正使用などは議論されていなかったようです。
 指針案の対象となるのは、国の研究費のうち、研究者が応募して、国の審査を経て支給される競争的資金による研究で起きた、論文の捏造(ねつぞう)、改ざん、盗用。
 研究費の不正使用というような、もっとも起こりやすいことが議論されなかったのは、まさか委員の中にその疑いのある人がいたからというようなことはないと思いますが(笑)、研究者の行う不正の中ではもっともポピュラーなものでしょうから、是非とも議論しておいて欲しいと思います。

 逆にそのような議論をする中で、現在の「研究費」というものが、研究遂行にとってかなり使いにくいものであることが明らかになってくることも期待したいところです。すでにあちこちで指摘されていることですが、純粋に研究目的にのみ使われるものでありながら、制度的には「不適切な方法」で支出されているものが現実にはかなりあると思います。そうして、その件については、研究者側にあまり罪悪感がないことも事実です。

 ところが、そうした「正しい不適切支出」とまったく同じやり方で、今回松本さんが疑惑を持たれているような私的流用となる「間違った不適切支出」は、テクニカルには見分けることができないものです。しかし、「正しい不適切支出」の存在が許されるような制度がある限り、その隙をついて「不正な不適切支出」をやろうとする連中が出てくることを阻止することはできません。

 つまり、この問題の解決にはまず「正しい不適切支出」の存在が必要なくなるような、研究費の運用制度の変更が必要なのです。そこに手をつけずに、罰則だけを強化することは、必要な研究費の支出もできなくなるというというような波及効果が起こることも考えられ、研究活動が低下する危惧もあります。

 今回の不正行為に関する特別委員会の議論が「泥棒に縄をなわせる」ようなものであることを象徴していると思われる文言が指針の中に盛り込まれています。次の文を読んでみてください。
 一方、根拠の薄い告発で研究活動が妨げられないよう、悪意に基づく告発と判断した場合は、研究機関は告発者名を公表し、刑事告発や懲戒処分などを検討する。
 こんなことは、敢えて指針の中に入れるべきことでしょうか。本当に不当な告発だった場合には、名誉毀損や地位保全ということが現行の法律の下でも可能です。それなのに、敢えて指針の中にこうした一文を入れるということは、「内部告発者への牽制」と思われても仕方がないと思います。こんなところにも、研究者に研究者監視のルール作りをさせることのマイナス面が出ていると思いました。

 こういう「事件」における内部告発者は、関係者ならばなんとなくわかる場合が多いもので、多くの場合は弱い立場にいる人ではないかと思われます。そういう人の名前を公表するということは、その人を社会的に葬り去るということになるでしょう。そのような脅し文句をちらつかせているような研究機関に、自分の身を危険にさらしてまで告発しようという気に誰がなるでしょうか。

 結局、この指針も「内部告発抑止のための指針」になってしまいそうな気がします。

 だから、泥棒に縄をなわせてはいけないのです。

【追記】
 投稿後、お二人からトラックバックをいただきましたが、あちこちで関連記事を見つけましたので、ここにまとめておきたいと思います。

 ポスドクのひとりごと
  研究費流用問題
 marginBlog
  研究上の不正行為と研究費の不正流用
 地獄のハイウェイ
  身上調査はされていたの?
 中年哲学徒の備忘録
  研究費不正使用
 ある大学研究者の悩み
  研究費で投資信託?
 ladylakeの時間
  不正の爆弾
 科学コミュニケーションブログ
  改めて文科省のナノテク関連サイトから,松本和子教授のインタビュー記事を読み直す

 さらに、コメントをいただいたアマクナさんと、そこからたどってchem@uさんのところ。こちらは研究費の「不適切な」使われ方が生々しく(というか、きわめて正確に)記述されていると思います。

 けんきゅうせいかつ りそうろん
  研究費不正疑惑
  ケミストの日常
  研究費の流用
# by stochinai | 2006-06-24 16:50 | 科学一般 | Comments(28)

雨に咲く花

 札幌はぐずついた寒い日が続いており、風邪をひいている人も多いようです。そう言えば、なぜか札幌と沖縄で季節はずれのインフルエンザが流行しており学級閉鎖をしているところもあると聞きました。

 確かに寒いのですが、数日前の朝のラジオでラジオ・カーの女性が工事をしている人にインタビューをして「寒いですねえ」と言ったときに、「冬に比べると、こんな寒さはなんでもない」ときわめて当たり前の受け応えをしたのがなぜかおかしく、ひとりで大笑いしてしまいました。

 そうです。寒いといっても雪が降るわけではありません。単に20℃に届かない日が続いているだけです。それにしても、この春は雨が多いような気がします。雨が降って水が下水に流れ込むのを見ていると、なんとも無駄な感じがするものですから、雨がふると、ついつい持っている限りのバケツや桶を持ち出して、カーポートやベランダの雨どいから出てくる水を集めてしまうのですが、この春になってから庭の植物にやる水はほとんどこの雨水だけで足りているのです。

 1週間に1回くらい、本格的な雨が降っているのだと思います。そして、ここ数日はいつもの3回分くらいの雨が続いています。そろそろ、止んで欲しいものです。

 雨でも冷夏でも春から夏にかけての花はどんどん咲いています。
雨に咲く花_c0025115_20494242.jpg
 小さな白いアヤメ(と思われる花)です。雨がとても似合いますね。
雨に咲く花_c0025115_20504189.jpg
 こちらはちょっと増えすぎてひんしゅくものになりかけているミヤコワスレです。さすがに薄紫色が清楚に美しいです。

 こうした雨が似合う花に対して、赤やピンクのルピナスも満開なのですが、こちらはカーッと照りつける太陽を欲しがっているようにも見えます。
雨に咲く花_c0025115_2052173.jpg
 明日こそ太陽の顔が見られることを期待しています。

 さて、「雨に咲く花」というタイトルを見て、井上ひろしという歌手の名前を思い出した方は、私と同年代以上だと思います。はやったのは1960年だそうです。ところが、実はこの歌は戦前(昭和10年頃)にはやったもののカバーだったのだそうで、そちらを知っている方は80代以上になっておられるかもしれません。

 さて、この歌には苦い思い出があるため、私は今でも「雨に咲く花」の歌詞を鮮明に覚えています。

およばぬことと あきらめました

だけどこいしい あのひとよ

ままになるなら いまいちど

ひとめだけでも あいたいの
 当時、小学生だった私にはこの歌詞の意味は良く分からなかったのですが、なんとなく失恋の歌だとは感じていました。しかし、そのあと何年も(十何年も?)歌詞の意味を取り違えていたことを思い出すと、今でも冷や汗が出ます。

 3行目は「儘になるなら いま一度」ということなのですが、そこのところを子供の私は「ママになるなら いま一度」と思いこんでおり、「振られた彼女に子供ができてママになりそうになったので、子供が生まれる前にもう一度会いたい」という意味だと信じ切っていたのでした。

 かわいいものですね(^^;)。
# by stochinai | 2006-06-23 21:12 | スマイル | Comments(3)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai