2006年 01月 04日
幼稚園を義務教育にする意味 (文科省否定の追記あり)
正月1日と2日は新聞も来ず、テレビもほとんどニュースを流さず、さらに新年会や何やでネットニュースのチェックもおろそかになっておりました。我が家は朝日新聞しか購読しておりませんので、どうやら読売だけが書いたと思われる幼稚園を義務教育化するというニュース(?)にはまったく気がついておりませんでした。
が、これは教育関係に止まらず、少子化問題や公教育をどうするのかという点からみると、やはり結構大きなニュースだと思います。私は八国山だよりさんと地球の片隅の研究室からさんのブログで教えてもらいました。元ネタは読売の記事「幼稚園から義務教育、延長幅1~2年…政府・与党方針」にあります。
保育園も幼稚園も行かなかった私としては、なんで幼稚園を義務教育化しなければならないのかと、反射的に反発の気持ちが生じてしまうのではありますが、そういう個人的な事情(^^;)を差し置いても、幼稚園を義務教育化することの意味がほとんど理解できないのであります。
記事によると、まず「幼稚園―小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ」とあります。
私は小学校へ入る前は、ひらがなすら完全には読み書きできる自信もない状態でした(それの、どこが悪いっちゅうんじゃ)。入学式の前に小学校へ行った時に未来の先生(?)に自分の名前を書いてごらんなさいと言われて、苗字まではなんとか書けたものの、緊張していたせいかどうかはさだかではありませんが、名前の「し」の最後を逆に払ってしまって「J」のような字を書いて恥をかいた記憶があり、思い出すたびに今でも冷や汗がでます。
記憶にはないのですが、おそらく幼稚園に行っていた同級生達はちょっとした漢字までも読み書きできるレベルにまで達していたのだろうと思われます。しかし、ほんの1年か2年早期にそんなことや、足し算などができるようになっているかどうかが、子どもの「学力」なんでしょうか。その差(ばらつき)が一生尾を引くとでもいうのでしょうか。確かに私はいまだに字は下手ですが、読み書きのリテラシーは人並みに追いついたと思っています。
また例によって、科学的根拠もなく思いつきで出された政策だと確信してしまうのが、次の文です。
この指摘の元になる調査データはどこにあるのでしょうか。是非とも示してもらいたいと思います。私の記憶では、小学校1年の頃に騒いでいたのは金持ちで幼稚園に行っていた奴らだという印象があるのですが、これは貧乏人のひがみというものでしょうか(ですね^^;)。いずれにせよ、幼稚園に行ったか行かないかが中学校まで尾を引くという根拠を示さないとこの議論は成立しないと思います。
相変わらずの迷走的教育政策ですが、記事にある「幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある」というあたりが、少子化対策に有効な手を打てないで困っている政府・与党(自民・公明)の本音だろうという気がします。
しかし、少子化対策にしても八国山だよりさんがバッサリ切っておられる通りなのです。
まったく、その通りだと思います。さらに、義務教育化することによって、今はある程度柔軟に子どもを預かってくれる保育園が変な法律でしばられて、動きが取れなくなる可能性すら出てきます。ふたたび八国山さん。
こうなってくると少子化対策どころか、少子化推進策になってしまう恐れがあることは、現在進行形で子育てをなさっている方にちょっと聞いてみればすぐにわかることだと思います。自民党文教制度調査会や中央教育審議会にはそういう現場の声を吸い上げる仕組みがないんでしょうね。
地球の片隅の研究室からpopokunkuさんがおっしゃるように「真意が何にあるのかもう少し考えてみる必要がありそう」です。
追記:
コメント欄にあるように、 osumi1128さんから文科省がこの件に関する否定を公表しています。osumiさん、ありがとうございます。
平成18年1月1日付け読売新聞朝刊の報道(幼稚園から義務教育)について
もっとも、ここには「政府としてこうした方針を固めた事実はありません」と書いてあるので、元記事の「政府・与党は」とあるところと比較すると「与党」では方針を固めたということは事実なのかもしれません。
こうなってくると、読売の記事のニュースソース(リーク?)がどういうものなのか気になりますね。
が、これは教育関係に止まらず、少子化問題や公教育をどうするのかという点からみると、やはり結構大きなニュースだと思います。私は八国山だよりさんと地球の片隅の研究室からさんのブログで教えてもらいました。元ネタは読売の記事「幼稚園から義務教育、延長幅1~2年…政府・与党方針」にあります。
保育園も幼稚園も行かなかった私としては、なんで幼稚園を義務教育化しなければならないのかと、反射的に反発の気持ちが生じてしまうのではありますが、そういう個人的な事情(^^;)を差し置いても、幼稚園を義務教育化することの意味がほとんど理解できないのであります。
記事によると、まず「幼稚園―小学校の区分による環境の変化が学力のばらつきを招いているため、幼稚園を義務教育に含め、一貫した学習体系を構築するのが狙いだ」とあります。
私は小学校へ入る前は、ひらがなすら完全には読み書きできる自信もない状態でした(それの、どこが悪いっちゅうんじゃ)。入学式の前に小学校へ行った時に未来の先生(?)に自分の名前を書いてごらんなさいと言われて、苗字まではなんとか書けたものの、緊張していたせいかどうかはさだかではありませんが、名前の「し」の最後を逆に払ってしまって「J」のような字を書いて恥をかいた記憶があり、思い出すたびに今でも冷や汗がでます。
記憶にはないのですが、おそらく幼稚園に行っていた同級生達はちょっとした漢字までも読み書きできるレベルにまで達していたのだろうと思われます。しかし、ほんの1年か2年早期にそんなことや、足し算などができるようになっているかどうかが、子どもの「学力」なんでしょうか。その差(ばらつき)が一生尾を引くとでもいうのでしょうか。確かに私はいまだに字は下手ですが、読み書きのリテラシーは人並みに追いついたと思っています。
また例によって、科学的根拠もなく思いつきで出された政策だと確信してしまうのが、次の文です。
義務教育をめぐっては、近年、小学校低学年で、集団生活になじめない児童が騒いで授業が混乱する「小1問題」が起きている。幼稚園―小学校―中学校と進学するにつれ、指導の内容、難易度などが大きく変わり、成績格差が拡大する問題も指摘されている。
この指摘の元になる調査データはどこにあるのでしょうか。是非とも示してもらいたいと思います。私の記憶では、小学校1年の頃に騒いでいたのは金持ちで幼稚園に行っていた奴らだという印象があるのですが、これは貧乏人のひがみというものでしょうか(ですね^^;)。いずれにせよ、幼稚園に行ったか行かないかが中学校まで尾を引くという根拠を示さないとこの議論は成立しないと思います。
相変わらずの迷走的教育政策ですが、記事にある「幼児教育を無償にすることで、少子化対策を強化する面もある」というあたりが、少子化対策に有効な手を打てないで困っている政府・与党(自民・公明)の本音だろうという気がします。
しかし、少子化対策にしても八国山だよりさんがバッサリ切っておられる通りなのです。
幼児教育を無償にすることが「少子化対策」になるという論理がわからない。
少子化は安心して子供を育てられない社会のシステムの欠陥のゆえではないか。
まったく、その通りだと思います。さらに、義務教育化することによって、今はある程度柔軟に子どもを預かってくれる保育園が変な法律でしばられて、動きが取れなくなる可能性すら出てきます。ふたたび八国山さん。
すると保育園はいったいどうなるのであろうか。ゼロ歳児から預かってくれ、夜は午後7時まで面倒を見てくれる(息子の通っていた保育園の場合)。小学校では放課後は学童クラブに行っていたがそこは午後5時半が最終だった。幼稚園が義務化されたとして5時半以降の面倒を見てくれるのだろうか。また全員が加入できるのだろうか(学童クラブは必ずしも希望者全員が希望のクラブに入所できるわけではなかった)。
こうなってくると少子化対策どころか、少子化推進策になってしまう恐れがあることは、現在進行形で子育てをなさっている方にちょっと聞いてみればすぐにわかることだと思います。自民党文教制度調査会や中央教育審議会にはそういう現場の声を吸い上げる仕組みがないんでしょうね。
地球の片隅の研究室からpopokunkuさんがおっしゃるように「真意が何にあるのかもう少し考えてみる必要がありそう」です。
追記:
コメント欄にあるように、 osumi1128さんから文科省がこの件に関する否定を公表しています。osumiさん、ありがとうございます。
平成18年1月1日付け読売新聞朝刊の報道(幼稚園から義務教育)について
もっとも、ここには「政府としてこうした方針を固めた事実はありません」と書いてあるので、元記事の「政府・与党は」とあるところと比較すると「与党」では方針を固めたということは事実なのかもしれません。
こうなってくると、読売の記事のニュースソース(リーク?)がどういうものなのか気になりますね。
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by stochinai
| 2006-01-04 22:04
| 教育
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