5号館を出て

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 秋ですね。札幌は昨日からの雨が本格的になっています。
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 敬老の日連休で、更新もおやすみになるかもしれません。
# by stochinai | 2005-09-18 18:01 | 趣味 | Comments(2)

満員御礼

 今週の月曜日の夜7時をすぎた頃からアクセスが急増しました。そのちょっと前に、「小泉・自民党圧勝というけれど」というエントリーを書いたのが原因だとは思っていますが、それにしては長く続きすぎると感じています。(実は、このタイトルが途中から「小泉・自民党圧勝というけれど(北海道から)」と長くなったのですが、それは◆木偶の妄言◆さんの「なぜ自民党は敗北したのか?」にトラックバックするためでした。ちょっとマナー違反だったかもしれません。すみません。)

 shinobiの簡易アクセス解析によれば、月・火と2000近かったPV(クリック回数)が水曜日には1300ほどに落ちているので、「小泉・自民党圧勝というけれど」の影響はここらで収まってきたのでしょう。

 ところが、前日に報道された東大論文ねつ造事件問題に関するエントリー「ボスは論文ねつ造の共同責任者」を14日水曜日になって書いたところ、今度はそちらに反応があったようで、翌15日木曜日にはいきなり2155PVと、当ブログサイトの新記録を達成してしまいました。1週間では10000PVを越えていますので、ちょっと大杉(多すぎ)です。

 実は、この一日のPVが2000というのが今までは当サイトの壁だったのです。でも、なんだか実感もないままにあっさりと越えられてしまいました。かの眞鍋かをり嬢効果によっても、一日1800PVくらいしかいかなかったのですが、選挙とねつ造のダブルパンチは眞鍋さんよりも強かったということです。しかし、先週末から今週初めにかけて、眞鍋さんと「共演」したサイエンスZEROの再編集・再放送が3回ありましたので、その効果もあったのかもしれません(眞鍋さんの名誉のために、あったということにしておきます。)つまり、トリプルパンチの嵐ということになります。

 ともあれ、先週までは一日のPVが平均600から700くらいで推移していたのと比べると、だいたい3倍増でした。訪問者数は資料による差がありはっきりしないのですが、おそらく今週は毎日800-1000人くらいの方が見に来てくれているようです。

 まあ来週になれば、またもとの戻って毎日500-600人のところに落ち着くとは思うのですが、個人がきちんと責任を持って管理しきれるブログサイズというのがこのあたりなのではないかと感じている今日この頃です。

 現在は、すべてのコメントとすべてのトラックバックに目を通すことができ、基本的にはすべてのものに対応することを心がけています。しかし、あまりにたくさんの方が来られるようになり、これ以上コメントやトラックバックが増えてくると管理しきれなくなる心配があります。

 こちらがきちんと責任を持った対応ができなくなってくると、ブログとしての機能の一部が損なわれると思われますし、せっかくコメントやトラックバックをいただいても、きちんとお応えできないと荒れてくるのではないかという不安も頭をもたげます。

 今までは、少しでもたくさんの方に読んでいただきたくて、こちらから積極的にトラックバックを差し上げたりすることも多かったし、それがまたブログのおもしろさでもあると思っていました。今後は、それを少し控えた方がいいのかもしれません。それは、ちょっと寂しいことです。

 いわゆるアルファ・ブロガーと呼ばれる方のサイトを見ると、コメント欄のない方もありますし、最近になって運用方法を変えた方もいらっしゃいます。そうでない方のコメント欄は、ゴミの中からおもしろいコメントを探すのに疲れてしまうほどの状況だったりします。

 個人で経営するブログには適正なサイズがあり、私のところはこれでいっぱいいっぱいなのかなあ、というのが今日のつぶやきです。

 いずれにしても、満員御礼です。ありがとうございました。
# by stochinai | 2005-09-17 16:32 | つぶやき | Comments(0)
 CoSTEPの特任教員のNさんにおだてられて、科学技術コミュニケーション・スキル「ブログ・コミュニケーション」というタイトルの演習を担当することになっています。ここまでは覚悟ができていました。

 ところが、そのあとでSさんとKさんに頼まれて、だいたい演習でやろうとしていることと同じような内容で良いので、名古屋大学で行われる科学技術社会論学会(STS学会)のワークショップの発表者のひとりになることになりました。ワークショップのタイトルは「科学コミュニケーションの双方向性をいかに実現するか~〈シビック・ジャーナリズム〉に学ぶ」ということです。

 ほとんど趣味としてやっているこのブログに、ときおり専門の生物学ネタが取り上げられているとはいっても、科学技術社会論などという大それたところで「これが科学コミュニケーションです」などと偉そうに発表するだけでも「困ったなあ」と思っていたのですが、なんとKさんから「『そんな話は聞いていないぞ』とお思いかもしれませんが、何卒ご容赦下さい」と言いながら、容赦なく3000字程度の要旨を送れとの命が下りました。闇夜で背後から斬りつけられた感じです。

 やられた~

 などととおちゃらけている場合でもなく、少しはなにかを考えねばなりません。ワークショップの主旨はなかなかカッコいいです。

趣旨の説明:<欠如モデルを脱却した,双方向的なコミュニケーション>が必要であることは,つとに指摘されてきた。しかし,その具体的姿がどのようなものなのか,またいかにすればそれが実現できるのか,などについてはあまり議論されていない。本ワークショップでは,<シビック・ジャーナリズム>の視点や実践例から学ぶことをとおして,こうした点について議論を深める。

 欠如モデルなどという、市民とのコミュニケーションが成立しそうもない言葉が使われているのは、この文章が専門家に対して発せられているからですが、まずはこういう言葉が禁句になっているということの自覚が科学コミュニケーションには必要かもしれません。ちなみに「欠如モデル」とは、「大衆には科学技術の知識が欠如しているから、その欠如を埋めなければならない」というものだそうです。まあ、これが失敗してきたからこそ、科学技術コミュニケーションとなんとかしようという世の中の流れが出てきたことはわかります。

 さて、こういうことが瞬時に検索できるのがインターネットの強みです。では、インターネットで調べることは科学コミュニケーションでしょうか。結果的には、そう言えないこともないですが、コミュニケーションにおける双方向性がなんとなく足りません。

 実は「欠如モデル」を説明している同じ場所に、サイエンスコミュニケーションにはもう一つの定義があって、「対話(interaction)モデル」というもののだそうです。その意味は、「市民と専門家がもっている知識は、まったく質が異なるものである。両者はそれぞれの世界観の中で、科学技術を理解したいと思っているし、それぞれに固有の知識をもっている。だから、両者はその解釈の違いを埋めて、科学技術への正しい理解や社会的利用の公正化のためにも、もっと対話を深めるべきだ」という、対話による合意形成のモデルなのだそうです。

 おそらく私に命じられたのは、ブログがこの対話モデルの実例となるのかならないのかを体験から語ってみろということなのではないか、と気がつき始めたところです(おいおい大丈夫なのか、とKさんが焦っているのが、目に見えるようです。スミマセン)。

 趣旨の説明の中にあるシビック・ジャーナリズムというのが、大きなキーワードのようです。シンポジウムの目玉は私もネットで良く読ませていただいている河北新報という新聞社の記者の寺島英弥さんという方で、最近「シビック・ジャーナリズムの挑戦―コミュニティとつながる米国の地方紙」という本を出された方です。アメリカで進行しつつある市民ジャーナリズムの動きがこれからの科学コミュニケーションの参考になるに違いないというのが、ワークショップ・オーガナイザーの考えに違いありません。

 そういう意味においては、確かにブログはものすごい潜在能力を持っているような気がします。

 しばらくやってみるとわかるのですが、「はやっている」ブログではサイトの管理者が読者と同じ立ち位置にいることがわかります。講演会や講義のように演壇の上にいたり、テレビやラジオのように放送局にいたり、というのと同じような上下関係が感じられるブログサイトにはまったく反応がないか、ものすごい反発の嵐が吹き荒れる「炎上」のようなことがしばしば見られます。

 この位置関係は、飲み屋のカウンターで隣同士になった間柄に似ているのかもしれません。

 飲み屋でとなりに座った人と、楽しく自分の専門の学問の話ができる状態は、ブログコミュニケーションがうまくいっている時に似ていると思います。飲み屋ですから、たとえ生物学の話をしていたとしても、いつの間にか政治の話になったり映画の話になったり、あるいはちょっとエッチな話になったりもします。しかし、そうこうしているうちにまた生物学の話に戻ったりもします。

 このような生活感の中にどっぷりと浸った科学談義が、ブログにおける科学コミュニケーションなのではないかと、いま思っています。

 それが新時代の科学コミュニケーションになるのか、ただのほら話に終わるのかは神様だけがご存じということだと思いますが、現時点で私の感触はかなりポジティブです。

 そんなことくらいしか話せないと思うんですけど、いいんでしょうか、、、、。
# by stochinai | 2005-09-16 23:10 | CoSTEP | Comments(6)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


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