5号館を出て

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発泡性酒類

 さすがにいきなり増税ということはできなかったようで、まずは第1段階ということでしょうか。自民党税制調査会が「現行制度では分類が分かれているビール、発泡酒、ビール風味飲料・第3のビール、チューハイを「発泡性酒類」として同じグループにまとめる」という案を出しました。

 ついでに発泡酒などもビールと同じ税率にしたかったのでしょうけれども(麦芽をたっぷり使っているものはすでに同率になっています)、「同一グループ内の酒の税率の一本化は当面見送る」とのことです。しかし、よく考えるとこれはいずれ増税しますよということに聞こえます。

 そもそも酒税法上で酒を分類するのは、分類ごとに税率を一定にするために行うのですから、グループを同一にしてしかも税金が違うということになると、グループ化する意味はありません。

 こういうのを朝三暮四と言うのでしょう。つまり、我々はだまされるサルです。

 さて、ついでですのでお勉強をしておきたいと思います。現行の酒税法上で酒類はどのように分類されているのでしょう。まず、酒類とはアルコール分1度(1%)以上の飲料とした上で、次のようになっています。

1.清酒
2.合成清酒
3.しょうちゅう(甲類、乙類)
4.みりん
5.ビール
6.果実酒類(果実酒、甘味果実酒)
7.ウヰスキー類(ウヰスキー、ブランデー)
8.スピリッツ類(スピリッツ、原料用アルコール)
9.リキュール類
10.雑種(発泡酒、粉末酒、その他の雑種)


 これが、新しい税制では4つになることが提案されています。

(1)ビールなど、低アルコールで発泡性がある酒
(2)ワインなど醸造酒
(3)ウイスキーなど蒸留酒
(4)その他


 ずいぶんと、すっきりしますね。いずれは税率も4つになるのでしょう。ただ、現行の酒税ではビールがその他のお酒に比べてアルコール度数あたり4-5倍という猛烈な税金になっているのは、ビールが贅沢品だと考えられていた時代の名残だと思います。

 アルコールは、タバコなどのように必ずしも国民の健康を害するということもないのです、ビールはまだしも発泡酒は低所得庶民のものですから、取りやすいところ(大多数の貧乏人)から取るというシステムは考え直していただけるとありがたいのですが、、、。

 でも、薄く広く取るというマジックは税金を取る方からしてみると、ヤメラレンということなんでしょうね。

 まあ、必要最低限の税金の徴収は仕方がありませんので、行政関係者各位にはひとつ無駄遣いだけはやめてくださるようにお願いいたします。

追記:東京新聞の記事によると「将来、第三のビールのような新製品が登場した場合、各区分の中で最も高い税率を適用し、“節税酒”の誕生を阻む方針も示した」ということですが、新しい製品の開発を阻害するような政治をやっていては、国の活力がなくなってしまうと思います。自民党税調は、何か勘違いしているとしか思えません。

追記2:12月13日に税調の改正案が報道されました。それによると「低アルコール(10度未満)の発泡性酒類の税率を1リットル当たり、80円に一本化するのを基本」とするのだそうで、やはり「第3のビール」が350ミリリットル当たり3・8円引き上げられるとのことです。一方で、ビールは一本化しないのだそうで350ミリリットル当たり0.7円の「減税」にすぎません。額は書いてありませんでしたが、清酒は減税、ワインは増税だそうです。やっぱり取りやすいところから取るという感じです。泣く子と地頭には勝てないんですかねえ。
# by stochinai | 2005-12-09 14:29 | つぶやき | Comments(6)

サザンカ開花

 去年は取り込むのがちょっと遅くなって、年が明けてから咲き始めたサザンカでしたが、今年は少し早めに玄関の風除室に取り込んでみました。

 それだけが原因かどうかはわかりませんが、昨シーズンよりも一ヶ月早く咲き始めました。
サザンカ開花_c0025115_20563731.jpg

 花びらはちょっと縮れていじけた感じですが、朝の日差しを浴びて気持ちよさそうです。riverparade さんのお見舞いもになるでしょうか。早く良くなってください。

 最近は、少し真面目モード(?)が続きましたので、ここらでほっと一息。

 今日の更新はこれにて終了ということになるかもしれません。
# by stochinai | 2005-12-08 21:00 | 趣味 | Comments(1)

大学にマネージャーを

 一昨日の財務省の文教・科学技術政策縮小に関するエントリーにものすごく生産的なコメントをいただいて感激しています。

 さらには、本日ヤマグさんが関連のエントリー「大学でビジネス」を立ててくださいました。

 基本的には、いま政府によって行われようとしている聖域なき構造改革の前には教育・研究の予算が削られることは(困ったことだとしても)、大きな流れの中で止めることはできないものだろうという認識は皆さんに共有されていると思いました。

 その上で、大学や研究機関にいるものとしては、政府に金を出せ、予算を減らすな、と言うだけでは聞いてもらえないだろうから、なんとか自助努力の方向を見いだすということも考えようではないかという提案がなされていると理解しました。

  (ただし、初等・中等教育に関してはそうはいかないと思いますので、そちらは政府批判を続けていくのが正しいと、私は今でも思っています。)

 さて、ここではそういう方向で生産的な議論がなされているところに、ちょっと脱力するニュースが飛び込んできました。

 「ノーベル賞受賞3氏、財務相に科学技術予算増の要望書」がそれで、「科学分野でノーベル賞を受賞した江崎玲於奈、野依良治、小柴昌俊の3氏は7日、財務省を訪れ、谷垣禎一財務相に科学技術予算増額の要望書を提出した」のだそうです。

 総合科学技術会議が策定中の第3期科学技術基本計画に対し、自民党調査会が決議した「第3期計画は26兆円を目標とすべき」という案に対して、削減を提案しようとしている財務省を牽制しようというのが、今回のノーベル賞受賞者攻勢なのだと思います。

 財務省を訪れたのは江崎玲於奈、野依良治、小柴昌俊の3氏ですが、要望書には利根川進、白川英樹、田中耕一の3氏も名を連ねているとの報道ですが、この方々のとった行動は少なくとも一昨日からここで議論されていることから言うと、情けないということになるでしょう。

 今回の行動は日本の科学政策が相変わらず、政府と政府のサポートによる護送船団方式で行われているオールド・ファッションなものであることを世界に示すことにもなってしまったかもしれません。

 政府にお金がなくなった、あるいは政府がお金を使えなくなってきたのだとしたら、お金が欲しい我々は別のソースからお金を集めることを考えなければなりません。それが、ここで議論されてきた(大口)寄付でしょうし、ヤマグさんのおっしゃる「大学での最先端の知を、わかりやすい形でまた社会に生かされる形で販売する」あるいは「アウトリーチ活動を商売に」という提案があるのだと思います。

 寄付を集めるにしても知やアウトリーチを販売するにしても、今の大学のシステムのままでそれをやるのはやはり難しいでしょうから、科学研究のわかる商売人つまりマネージャーが必要ですね。

 これからの大学・研究所経営には政府からお金を取ってくるというだけではなく、むしろそれ以上に民間からお金を集める能力を持ったマネージャーが必要だということは、なんとなくわかってきました。

 さて、それを実現するには今の大学をどういうふうに変えていったら良いのかということを考えていけば良いんですね。

 と書いてみたものの、これはやはりそうそう簡単なことではなさそうです。大学の内外からたくさんの「新しい人」に参加してもらうのは良いとしても、うかつにそういうことにするとお金の亡者がわんさか集まって食い散らかした後につぶされるということにもなりかねません。

 とりあえずは、大学をNPO法人にでもするのがいいんでしょうか。

 またまた、ご意見をお聞かせください。
# by stochinai | 2005-12-07 21:56 | 科学一般 | Comments(13)

日の光今朝や鰯のかしらより            蕪村


by stochinai